宇津井健さんがお亡くなりになりました。私の世代には山口百恵さん主演の「赤いシリーズ」でおなじみの方です。また、宇津井さんはデビューしたての頃、黒澤明監督の「七人の侍」(1954)に、親友の仲代達矢さんと共に、通りすがりのサムライ役で出演なさっていましたよね。素敵な俳優さんでした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
映画関係でいうと、今月はアラン・レネ監督もお亡くなりになりました。レネ監督の「去年マリエンバートで」(1961)を、ぜひご覧になっていただきたいなぁ。摩訶不思議な作品ですけど、とっても美しいんですよ。大オススメです。
さて、世間では春休みだそうですね。大人の私には関係ありませんけど。
久しぶりにハイ・ファイ・セットが歌う「最後の春休み」を聴きたくなってユーチューブを検索いたしましたところ、すでに削除されておりました。がっくし。ついこのあいだまでは聴けたのにィ。
最近、私がご紹介した曲がよくユーチューブから削除されているのですけど、これってまさか私の影響じゃありませんよね? まさかね。私のこのブログにそれほどの影響力があるわけないですものね。あはは・・・ぐっすん・・・
で、ともかく春休みということで、これから何本か春休みにオススメの名作映画をご紹介したいと思います。今回は「サウンド・オブ・ミュージック」(1965)。春にふさわしくミュージカル映画です。
ミュージカル映画といえば、古いところではジュディ・ガーランド主演の「オズの魔法使」(1939)やジーン・ケリー主演の「巴里のアメリカ人」(1951)、「雨に唄えば」(1952)が有名ですよね。
他にも当ブログでご紹介した映画「人類SOS!」(1962)に出演したハワード・キール主演の「アニーよ銃を取れ」(1950)や「略奪された七人の花嫁」(1954)。
「荒野の七人」(1960)のユル・ブリンナー主演の「王様と私」(1956)。
ナタリー・ウッド主演の「ウエストサイド物語」(1961)。
カトリーヌ・ドヌーヴ主演の「シェルブールの雨傘」(1964)・・・など数多くの作品があります。
「ロッキー・ホラー・ショー」(1975)の記事に書きました通り、私はミュージカル映画が苦手です。だって観ていると気恥ずかしくて体がムズムズしてくるんですもの。たしかタモリさんも同種の発言をなさっていましたよね。
そんな私でも胸躍らせて観たミュージカル映画が、この「サウンド・オブ・ミュージック」でした。主演したジュリー・アンドリュースの魅力にメロメロになってしまったのです、ワタクシは。
素敵ですよね、ジュリー・アンドリュースって。清く、正しく、美しく、上品で、やさしくて、賢い・・・という感じで。日本の女優でいえば八千草薫さんのイメージでしょうか? ちなみに、歌手の沢田研二さんには《ジュリー》という愛称がついていますけど、それは彼がジュリー・アンドリュースの大ファンだったからだそうです。
ジュリー・アンドリュースは、まず舞台「マイ・フェア・レディ」のイライザ役で大人気となります。ところが、「マイ・フェア・レディ」の映画化に際して主演のイライザ役に選ばれたのは、(大人の事情で)ジュリーではなく、当時の大スターだったオードリー・ヘップバーン。
オードリーは大好きですけど、「マイ・フェア・レディ」(1964)は、やはりジュリー主演版で観たかったなぁ・・・
ちなみに、映画の中でオードリーが歌う「踊り明かそう」などの曲はすべてマニー・ニクソンという歌手による吹き替えですので(彼女は「王様と私」のデボラ・カーや「ウエストサイド物語」のナタリー・ウッドも吹き替えている)、オードリーはアカデミー賞をもらえませんでした。これがジュリーだったら正々堂々と自分の声で勝負できたのにね。バカですよね、映画会社の人間は。
「マイ・フェア・レディ」から外されたことで落ち込んでいたジュリーのもとへ別のミュージカル映画のオファーが来ます。それがウォルト・ディズニー制作の「メリー・ポピンズ」(1964)でした。さすがはディズニー、見る目があります。
空から傘をさして飛んできた魔法使いの家庭教師メリー・ポピンズ(原作ではメアリー・ポピンズか?)の物語に関しては、原作者のパメラ・トラバースが映画化に乗り気じゃなかったとか、完成した作品に不満だったとか様々な逸話が残っておりますけど、そこらへんの事情は現在公開中のトム・ハンクス主演「ウォルト・ディズニーの約束」という映画で明らかにされるのでしょうね。私は興味がありませんけど。あはは・・・
映画「メリー・ポピンズ」は、実写とディズニーアニメを合体させたファンタジーな作品となっておりましたが、私の記憶では、正直申しまして、たいして面白くなかったような・・・
シャーマン兄弟の手になる「チム、チム、チェリー、チム、チム、チェリー、チム、チム、チェリー、わたしは煙突掃除屋さん♪」という曲は耳に残っておりますけど・・・
シャーマン兄弟は本作に続いて「チキ・チキ・バン・バン」(1968)の音楽も担当します。
「チキ・チキ・バン・バン」の主題歌は聴いていると元気が出る名曲で、25年ほど前にはゴーバンズというグループがカバーしましたよね?
え? ゴーバンズなんか知らないって? ぐすん。そうですよね、もう25年前の話ですもんね。
ちなみに、日本語では「チキ・チキ・バン・バン」ですけど、英語の発音では「チリ、チリ、バン、バン」と聞こえます。何か可笑し。
空飛ぶ自動車が登場するこの映画「チキ・チキ・バン・バン」も、思ったほど面白くなかったような・・・もっと面白いかなと期待していたんですけどね・・・
「メリー・ポピンズ」によって世界的なスターとなったジュリーは、いよいよ本日の作品「サウンド・オブ・ミュージック」に出演いたします。
これは実話を基にした物語でして、本作以前にも当時の西ドイツで「菩提樹」(1956)という映画が作られました。
オーストリアのトラップ大佐の館へ修道女見習いのマリア(演じるのはもちろんジュリーですよ)が家庭教師としてやって来る。
夫人を亡くしたトラップ大佐は、7人の子供たちを軍隊式に厳しく育てていた。しかし、マリアは子供たちを、もっと自由に、のびのびと育てようとする。そんなマリアに子供たちもすっかりなつく。
教育方針の違いからたびたび衝突するマリアとトラップ大佐でしたが、次第に二人は惹かれ合うようになり、やがて結婚する。
そして、歌の大好きなマリアが子供たちと一緒に始めたトラップファミリー合唱団が、世間で大評判となる。
しかし、そんな幸せな一家にも暗い時代の陰が忍び寄っていた。ヒトラー率いるドイツがオーストラリアを併合したのである。ヒトラーに絶対反対の立場を取るトラップ大佐は、スイスへの亡命を決意し・・・というのが、おおまかなストーリーです。
「エーデルワイス」、「私のお気に入り」、「もうすぐ17歳」など、オスカー・ハマースタイン2世作詞、リチャード・ロジャース作曲となる数々の名曲が、私たちを楽しませてくれます。
もっとも有名な曲が、ペギー葉山さんの訳詞でおなじみの「ドレミのうた」。ただ、日本語では「ドレミファソラシド」ですけど、英語だと「ドレミファソラティド」という発音になるんですね。ですから、ペギーさんの訳詞では「シはしあわせよ」となるところが、英語では「ティは紅茶(tea)」ですって。これまた何か可笑し。
トラップ大佐を演じるのは、クリストファー・プラマー。彼は後に私の大好きな映画「ある日どこかで」(1980)で、ジェーン・シーモア演じるエリーズのマネージャーを演じます。この「ある日どこかで」も必修ですからね。まだ観ていない方は必ずご覧になってくださいね。
マリアとトラップ大佐の結婚式のシーンでのジュリーの花嫁姿が最高に美しく、ポーっと見とれてしまいました、ワタクシは。
「サウンド・オブ・ミュージック」、春休みに大オススメの映画です。まだ観たことのない方は絶対にご覧になってくださいね。心がウキウキしますよ♪