ついに佐村河内さんが出てまいりましたね、サングラスを外し、髪を短く刈り、髭を剃り、神妙な顔をして・・・
ゴーストライターだった新垣さんを名誉毀損で訴えるとほざいておりましたけど、この人の名誉ってまだどこかに残っているのでしょうか?
その前に全聾を装ってせしめた利益を全額法定利息を付けて返還しろと言いたいですよね。
さて、前回、「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」についてお話いたしましたけど、考えてみれば昔は素晴らしい海外ドラマがたくさん放送されていたんですよね。当ブログで以前ご紹介した「サンダーバード」、「謎の円盤UFO」、「刑事コロンボ」、「刑事コジャック」もそうですし、他にも「ターザン」や「名犬ラッシー」、「コンバット!」、「ローハイド」、「ザ・ルーシー・ショー」、「スタートレック」、「0011ナポレオン・ソロ」、「大草原の小さな家」、「ベン・ケーシー」、「鬼警部アイアンサイド」・・・
「ウォルト・ディズニー劇場」というのもあったなぁ・・・その中のブーメランという名前の犬の話が妙に記憶に残っているんですけど・・・「ブン、ブン、ブーメラン♪」という唄も・・・でも、もはや誰も憶えていないのよね・・・ぐっすん・・・
・・・と、こういう話をし始めるとキリがありませんので、今回は特に私のお気に入りだった番組をいくつかピックアップしてご紹介させていただきますね。
「チック・タックのフライマン」(1968年放送)
海外ドラマの超人モノといえば、もちろん《弾丸よりも速く、機関車よりも強く、高いビルもひとっ飛び》の「スーパーマン」ですが、そのスーパーマンをパロディったコメディドラマがこれです。
変てこりんな博士が開発したクスリを飲んだ青年が、空を飛び、怪力を発するフライマンに変身します。飛行用のゴーグルをかけ、しょぼいマントをヒラヒラさせたフライマンのコスチュームが可笑し。
タイトルに「チック・タックの」と付いているわけは、本作の吹き替えを担当したのが、漫才コンビの晴乃チック・タックだったからです。晴乃タックが後の高松しげおさんです。
「フライマン」をもういちど観たいのですけど、ビデオもDVDも出ていないんですよね。たぶんフィルム自体が残っていないのかも・・・好きだったんだけどなぁ・・・
「アメリカンヒーロー」(1982年放送)
「フライマン」と同じテイストのドラマです。UFOと接近遭遇した高校教師が宇宙人からスーパーマンになれるスーツをプレゼントされたものの、スーツの取扱説明書(ハァ?)を紛失したから、さあ大変。手探りでスーパーマン稼業を始めるというコメディです。胸に輝く「S」ならぬ「中」の文字が可笑し。これもとっても楽しい番組でした。
「バットマン」(1966年放送)
アメリカンヒーローといえば、スーパーマンの他にバットマンを忘れるわけにはまいりません。
最近の映画に登場するバットマンは、全身に黒い鎧をまとった、強面のいかつい感じですけど、昔のバットマンはそうじゃなかったのですよ。もっとお気楽で、ユーモラスで、可愛くて、間抜けなキャラでした。番組そのものからしてファンキーでふざけたドラマでしたしね。
たとえば、バットマンが颯爽とバットマンカーに乗り敵のアジトへやって来て、車から降りるでしょう? すると、そこへひょっこり警官が現れて
「おっと、バットマン、ここは駐車禁止だ」
仕方なくバットマンはすごすごと車を移動させます。
また、バットマンが相棒のロビンを連れて敵が潜むバーへ入っていくと、カウンター内の店員がロビンを見て
「おっと、バットマン、この店は未成年者立ち入り禁止だ」
仕方なくバットマンはロビンに店の外で待っているよう頼みます。
万事がこんな調子でして、アクションシーンでは相手を殴ると「バコオオオン!」みたいな字幕が出るし、真面目なのかギャグなのかよく分からない、でもとっても楽しいドラマでした。
ちなみに、テレビ版で怪盗ペンギンを演じていたのは、後に映画「ロッキー」(1976)のトレーナー・ミッキー役で世界的に有名となるバージェス・メレディスでした。
「原子力潜水艦シービュー号」(1965年放送)
テレビ「宇宙家族ロビンソン」や映画「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)、「タワーリング・インフェルノ」(1974)の名プロデューサー、アーウィン・アレンが、映画「地球の危機」(1961)をテレビドラマ化した作品。
前方に窓(と言ってもガラスじゃないのよ。原作小説によると透明な壁みたいなものなんですって)のある潜水艦シービュー号がカッコ良かったし、主人公のネルソン提督がステキでした。
ちなみに「提督」というのは海軍における将官(大将、中将、少将)のことです。陸軍になると「将軍」と呼ばれます。
もうひとつちなみに原子力というと乗り物では潜水艦ばかりに使われますよね。これはなぜかと申しますと、水中に潜る潜水艦では酸素が大切ですので、酸素を使わずにエンジンを動かせる原子力が重宝されるというわけです。密閉された潜水艦内でガソリンなんかを燃やしたら、たちまち中の酸素が無くなっちゃいますからね。あはは。
「タイムトンネル」(1966年放送)
アーウィン・アレンがプロデュースしたSFドラマをもう1本。
開発途中の時間旅行機「タイムトンネル」の中に入った二人の科学者が、様々な時代の様々な場所へ旅をします。
たいして面白いドラマではありませんでしたけど、タイムトンネルのデザインが、私みたいなSF大好き人間の心をくすぐりました。
「スパイのライセンス」(1969年放送)
スパイ(秘密諜報部員)のドラマというと「スパイ大作戦」が最も有名ですけど、ロバート・ワグナー主演のこのドラマ(旧タイトルは「プロスパイ」)もたいへん面白かったです。
CIAに雇われた元泥棒のワグナーが、自慢の泥棒テクニックを使って、ミッションを完遂します。ワグナーが携帯しているペンチやドライバーが収納された《泥棒道具セット》も、子供心をワクワクさせてくれました。
「ルーツ」(1977年放送)
黒人作家アレックス・ヘイリーが自分の先祖(ルーツ)を調べると、アフリカから奴隷としてアメリカへ連れてこられたクンタ・キンテに辿り着いた。クンタ・キンテからアレックス・ヘイリーへつながる壮大な人間ドラマが今ここに始まる・・・
とても見応えのあるドラマでした。テーマ音楽も素晴らしかった。このドラマ以降、ルーツという言葉が広く一般に使われるようになりました。
「ルーツ」に触発されてか、この時代、他にも「ダラス」や「ホロコースト/戦争と家族」という優れた力作ドラマが放送されました。
「可愛い魔女ジニー」(1966年放送)
魔女が出るドラマといえば「奥さまは魔女」が最も有名ですけど、同時期に放送していたシドニイ・シェルダン原案・脚本となるこのドラマも、たいへん面白い作品でした。
NASAの宇宙飛行士が不時着した島で拾った奇妙な壷の中には、あーら不思議、アラビアンファッションの可愛い魔女ジニーが住んでいたというお話です。
調べましたところジニーの声は、「チャーリーズ・エンジェル」でファラ・フォーセットの吹き替えをした中村晃子さんが担当なさっていたんですね。記憶にありませんけど。
そういえば、韓国のアイドルグループ「少女時代」に「ジニー(GENIE)」という大ヒット曲がありますが、この曲は本作とは関係ないのでしょうか? ランプの精が登場したりして、何となく「可愛い魔女ジニー」を意識しているような気がするのですけど・・・
ちなみに「奥さまは魔女」で、エリザベス・モンゴメリー扮するサマンサの母親エンドラを演じたアグネス・ムーアヘッドは、若い頃はオーソン・ウェルズと共に演劇活動していた女優さんで、ウェルズの名作「市民ケーン」(1941)や「偉大なるアンバーソン家の人々」(1942)にも出演しているんですよ。
ですから、本当は名優なんです、彼女は。「奥さまは魔女」の時は黒柳徹子さんみたいでしたけどね。あはは。
「じゃじゃ馬億万長者」(1962年放送)
「わしら代々山育ち
鉄砲担いで山歩き
おめえの鉄砲が当たるかよ
あーんら、当たった、石油が湧いた
驚いたなぁ、こりゃあ♪」
というわけで、大金持ちになった田舎者の一家が、ビバリーヒルズへ越して来て珍騒動を巻き起こす大爆笑ドラマです。日曜日の朝によく再放送されていて、私は毎週楽しみにしておりました。
一家の構成は、男やもめのジェドとその娘の可愛いエリー、少々オツムが足りない肉体派の甥のジェスロ、そしてアイリーン・ライアン演じるパワフルなおばあちゃんの4人です。
ジェドを演じたのはバディ・イブセンという役者さんなのですけど、彼がオードリー・ヘップバーン主演の「ティファニーで朝食を」(1961)にシリアスな役で登場してきたときには、違和感がありましたねぇ。だって、どうしても「じゃじゃ馬億万長者」が頭にチラついて、彼の顔を観るだけで笑っちゃうんですもの。
エリーを演じたドナ・ダグラス(日本語吹き替えはマリリン・モンローでおなじみの向井真理子さん)は、他の作品ではあまりお見かけしないなと思っていたら、彼女は「ミステリーゾーン」の傑作エピソード「みにくい顔」のヒロインだったのですね。みにくい顔を整形手術で治してもらう少女。しかし、手術後、顔の包帯を外すと・・・これも素晴らしい作品です。機会がありましたら、ぜひご覧になってみてください。
また、一家の隣に住み、一家のお守り役にもなっている銀行の頭取さんも可笑しかったです。
本作は何年か前に映画でリメイクされたんですよね。それは観ておりませんし、興味もありませんけど、昔の「じゃじゃ馬億万長者」はまた観たいなぁ。テレビ局は、日曜日の朝、再放送してくれないかなぁ。ホント、すんごく愉快なドラマなんですよ、これは。大好きです、「じゃじゃ馬億万長者」!