先週末に引き続き、今週もまた大雪でたいへんな事になっています。
大量の雪が降った上に、今朝方から雨に変ったので、雪が水分を吸ってどんどん重くなっていて、さすがに家の屋根が潰れるほどではないのですけど、それでも50センチくらい積もっていますからね、その重みで近所のカーポートがふたつ潰れました。
我が家のカーポートも危ないということで、私は朝からカーポートの雪降ろしですよ。たまりません。雪はもう勘弁です。
ソチオリンピック、男子フィギアスケート個人、羽生結弦選手が金メダル獲得。おめでとうございます。素晴らしい。ついに日本も男子フィギアスケートで金メダルを取れる時代になりました。次は真央ちゃんにがんばっていただきたいですね。
で、「ソチオリンピックの記念に」というわけではありませんけど、今回は映画好きのワタクシが、大好きなロシア映画をご紹介したいと思います。そんなにたくさん観ているわけではありませんが、とても印象に残った素晴らしい作品がいくつかありますので。
いちばん好きなロシア映画は、当ブログですでにご紹介した、セルゲイ・エイゼンシュテイン監督の「イワン雷帝」(1944)です。
皆さんはもうご覧になりましたかね? まだなら、ぜひ観ておいてくださいね。世界の映画史に残る傑作ですから。
ミハエル・カラトーゾフ監督の「鶴は翔んでゆく」(1957)という作品も印象深いです。
以前は「戦争と貞操」というすんごいタイトルが付いていたのですが、そのタイトル通りの内容と言いますか、第二次世界大戦下で出征した恋人ボリスの帰りをモスクワで待つベロニカが、ドイツ軍の空襲があった夜、徴兵を逃れた音楽家のプレイボーイと半ば犯されるように関係を持ち、そのまま結婚するものの、やはり音楽家とは別れ、戦死したボリスの帰りをいつまでも待つという可哀想なお話でした。
内容も充分に衝撃的なのですけど、それ以上に衝撃的なのが、この作品の表現力、映像美。大胆なカメラワークと光と影を巧みに交差させたモンタージュ技法によって、今まで観たことのない、素晴らしい映像世界を作り出すことに成功しています。
一見の価値ある映画です。ぜひご覧になってみてください。
そして、ロシア映画と言えば、この人を忘れるわけにはいきませんよね。水のイメージなどの象徴的な映像表現を多用し、人間の心の奥底へ深く入り込む作品を生涯に渡って作り続けた、アンドレイ・タルコフスキー監督です。
日本でも人気の高い監督ですよね。また、タルコフスキー本人も日本びいきで、特に黒澤映画の大ファンだったという話は有名です。作品が反体制的でしたので、本国の旧ソ連では冷遇されることもあったようですけど・・・
タルコフスキー監督は、第二次世界大戦中ドイツ軍によって母と妹を殺された為、パルチザンとなってドイツに抵抗する12歳の少年イワンを描いた「僕の村は戦場だった」(1962)によって、まず国際的な評価を得ます。
これもいい映画です。ぜひ観てください。
次にタルコフスキー監督は、「アンドレイ・ルブリョフ」(1967)という、実在した画家の人生を通じて旧ソ連に生きる芸術家の問題を描いた歴史大作を作ります。これまた見応えのある素晴らしい作品でした。
そんな絶頂期にあったタルコフスキー監督の作った作品が、今回ご紹介する「惑星ソラリス」(1972)です。
原作は、スタニスワフ・レム。
海に覆われた惑星ソラリス、その上空を周回しながら調査する宇宙ステーションからの連絡が途絶える。
ただちに派遣された心理学者は、宇宙ステーション内にはいないはずの子供の姿を目撃して驚く。さらに驚いたことに、心理学者の目の前に自殺した妻が現れる。どうやらソラリスの海が人間の意識の中にあるものを具現化するらしい・・・
重厚で、哲学的で、美しくて、エロチックな力が効いている、心の迷宮を描いたSF映画の傑作です。
この作品の内容を分かりやすく、噛み砕いて解説する能力は私にはありませんけど、何か好きです、この映画。妙に心を惹かれ、感じるものがあります。この作品に関しては、それでいいんだと思います。
その後、タルコフスキー監督は、「鏡」(1975)、「ストーカー」(1979)、「ノスタルジア」(1983)、「サクリファイス」(1986)と、さらに心の闇の奥へ入っていくような作品を撮りましたけど、正直言ってここらへんになると私にはもうチンプンカンプンでした。でも、熱烈なファンが多いのも事実なんですよね。
タルコフスキー監督の最高傑作「惑星ソラリス」、ぜひご覧になってください。
ちなみに、2002年にジョージ・クルーニー主演でリメイクされた「ソラリス」の方は、観る必要がありませんからね。あんなのは時間の無駄ですよ。あはは。