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黒いジャガー

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 10年に一度の巨大台風と言われた26号でしたが、こちら群馬ではさほど雨も降らず、たいしたことないなと思っていたら、伊豆大島で甚大な被害を及ぼしたのですね。
 今日からまた雨になるというし、台風27号も接近中ですので、大島の皆さんには充分に警戒していただきたいものです。
 それにしても、東日本大震災以降、町や家が押し流された光景をよく目にしますよね。恐ろしいことです。災害はいつ何どき襲ってくるか分かりませんね、今や。
 
 さて、これまでにも何度か申しました通り、このブログでは、私の愛する、素晴らしい、鑑賞に値する、ぜひ皆さんに観たり聴いたり読んだりしてもらいたい、超一流の映画や音楽や文学作品をご紹介しているわけですが、中には個人的な趣味や思い入れの強さから、必ずしも一流と言えないB級作品(あるいはC級さらにはZ級作品)を選ぶ場合もあります。
 しょうがありませんよね、それは。しょせん作品の好みなんて、その人の嗜好性や育った環境、子供の頃の思い出などに左右されるものですから。
 
 ということで、今回から何回かに分けて、私の大好きなB級映画特集をお送りいたします。第1弾は「黒いジャガー」(1971)です。
 
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 本作はリチャード・ラウンドツリー演じる黒人探偵の名前「シャフト(SHAFT)」が原題なのですが、なぜこのような邦題が付いたのかと申しますと、当時アメリカで盛り上がっていた黒人差別撤廃を訴える公民権運動の一派に上下黒革の制服をまとった「ブラックパンサー党」という黒人グループがおりまして、本作のシャフトもここぞという場面では上下黒革スタイルで決めますので、あっちがパンサーならこっちはジャガーだ的なノリで命名されたのでしょう。安易な発想ですよね、まったく。ただし嫌いな邦題ではありませんけど。
 
 このように商業映画なのに黒人問題をからめて描く作品を「ブラックスプロイテーション映画」と呼びます。「黒いジャガー」はその代表作です。
 
 本作はオープニングシーンがカッコいいんですわ。
 ニューヨーク・タイムズスクエア(大きな電光掲示板のある交差点のビルにはソニーの看板)の地下鉄駅出入口から颯爽と現れる主人公ジョン・シャフト。茶色い革のロングコート(値段高そう)を着たシャフトは、白い息を吐きながら、劇場や映画館が建ち並ぶ(ポルノ映画のネオンも)ブロードウェイ通りをぶらぶらと、いささかガニ股気味に北上します。
 
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 ここで、お馴染み、アイザック・ヘイズによるシャフトのテーマ。このテーマ曲がしびれます。エレキ・ギターの旋律がたまらない名曲です。
 
 で、ここからシャフトは黒人居住区(ハーレム)まで歩いたのでしょうか? ハーレムって確かセントラルパークの北側ですよね。けっこう距離があるように思えるんですけど。それとも降りる地下鉄の駅を間違えたのかな? まさかね。あはは。
 
 ストーリーはと言いますと・・・ハーレムを牛耳る黒人マフィアのボスの一人娘が誘拐された。娘の救出を依頼された私立探偵シャフトは、それがハーレム乗っ取りを企む白人マフィアの仕業だとつきとめ、黒人解放運動をしている友人の協力を得て娘を救い出す・・・という単純な、割とスケールの小さいお話です。
 
 ただ、この映画に登場する人物たちは、シャフトにしろ、ハーレムのマフィアにしろ、黒人解放運動の連中にしろ、みんな突っ張っているんですよね。時にはそれがガキっぽく見えることもあるのですけど、しかしとっても魅力的です。男たちのツッパリぶり、これが本作の最大の見所です。
 
 シャフトは、ここぞという勝負時には、先程も申しましたように上下黒革のスタイルで出陣していきます。これがカッコいい。我らが松田優作アニキも、テレビドラマ「俺たちの勲章」で、このスタイルを真似ていました。
 
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 「黒いジャガー」は大ヒットし、続編が2本作られました。テレビドラマ版も制作されました。さらに2002年にはリメイク作品「シャフト」が作られました。
 それもこれも1本目である本作の出来が良かったからです。安っぽい映画ですけど、寒々としたニューヨークの街角を乾いたタッチで映し出した本作が、中学生の時テレビで観て以来、私は大好きです。
 
 「ブラックスプロイテーション映画」をもう一本。今度は女性版です。
 
 「コフィー」(1973)。
 麻薬中毒にされた妹の復讐をせんと、看護師のコフィーがマフィアに戦争を仕掛けるという、お色気シーンありのアクション映画です。
 
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 主演はパム・グリア。美人でボインの女優さんです。
 タランティーノ監督が彼女の大ファンらしく、彼女を主演にして「ジャッキー・ブラウン」(1997)なる作品を作りました。
 
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 この「コフィー」も、「黒いジャガー」同様、内容的にはたいしたことありませんけど、独特の魅力がある作品です。
 
 本日ご紹介した2本は、B級であっても見所のある作品です。
 機会があれば、ぜひご覧になってみてください。「コフィー」はともかく「黒いジャガー」は面白いと思いますよ、たぶん・・・あはは(汗)・・・

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