フジテレビ「笑っていいとも」が来年3月で終了するそうです。今日の放送で司会のタモリさんが発表したんですと。
最近はタモリさんも随分とお疲れのようで、タモリさん抜きのコーナーまでありましたから、もう限界なのでしょうね。考えてみれば私が大学生の頃から続いている番組ですものね。長いですよね。まぁ、時代の流れとはいえ、ちと寂しい気持ちが・・・
私の大好きなB級映画特集の、本日は2回目です。
当ブログの記事「ダーティ・メリー、クレイジー・ラリー」の記事にも書きましたけど、私が青春時代を過ごした1970年代は車をぶっ飛ばす映画が多くて、カッコいい車が一台あれば映画が撮れちゃうよ的な雰囲気がありました。
「ダーティ・メリー、クレイジー・ラリー」(1973)の黄緑色のダッジ・チャージャー。
「バニシング・ポイント」(1971)の白いダッジ・チャレンジャー。
そして、わが最高の女神ジャクリーン・ビセットの記事でご紹介したスティーブ・マックィーン主演の名作刑事映画「ブリット」(1968)のフォード・ムスタング(昔ながらのファンはマスタングとは呼ばない)。
どの車にもシビれましたね、私は。超カッチョいーい!
「ブリット」の後、刑事映画ではカーチェイスシーンがお決まりとなりました。
そんな中、「ブリット」と「フレンチ・コネクション」(1971)を成功させたプロデューサー、フィリップ・ダントニというおっちゃんが「よーし、俺さまがカーチェイス映画の決定版を撮ってやろうじゃねえか」とばかりに鼻息荒く自ら監督して作り上げたのが、ロイ・シャイダー主演の「重犯罪特捜班ザ・セブン・アップス」(1973)です。
これは捕まれば懲役7年以上が確実な極悪人ばかりを取り締まる特捜刑事の活躍を描いたドラマです。ロイ・シャイダーの初の主演作ではなかったでしょうか? 彼はこの作品の後、「ジョーズ」(1975)、「オール・ザット・ジャズ」(1979)、「ブルーサンダー」(1983)と大活躍します。
作品自体は、事件の内容がしょぼいですし、悪役にも魅力が無く、正直パッとしない映画です。
ダントニさんが力を入れたカーチェイスシーンは、さすがにそれなりの迫力があるのですが、悲しいかなシャイダーの乗っている車がカッコ良くない。ポンティアック・ベンチュラ・スプリント・クーペという車なんだそうですけど、マックィーンの乗ったムスタングには遠く及ばないダサさでした。こういう時はカッコいい車を出さなきゃダメなんですよ、ダントニはん。
ただ、本作は私が中学生のころ観た思い出の作品ですので、B級はB級ですけど、個人的に大好きな映画です。とにかくシャイダーが素敵。
で、1970年代の最後の年に、カーキチ映画の決定版が登場します。それがメル・ギブソン主演のオーストラリア映画「マッドマックス」(1979)です。
暴走族グループに妻子と友人を殺された警官マックスが、ハイパワーの黒い《インターセプター》なる警察車両に乗って復讐を果たす物語です。
本作に登場するインターセプター、これがなかなかカッコいいんですわ。フォード・ファルコンという車がベースになっているそうなのですけど、フロントのボンネットからスーパーチャージャーのコンプレッサーが飛び出していて、マニア心をくすぐります。
この車のスーパーチャージャーとターボチャージャーで過給されたV8エンジンは600馬力のパワーをたたき出すそうでして、当時はすごいなあと思いましたけど、現在では日産GT-RだってV6ターボで550馬力ありますし、フェラーリのV8もノーマルで600馬力近いパワーを出しておりますので、今じゃたいしたことありませんね。あはは。
「マッドマックス」もいちおう近未来の設定でしたけど、カワサキの大型バイクなんかが多数登場して、ほぼ同時代のお話と言える内容でした。 ところが、続く「マッドマックス2」は、完全に未来の話に変ります。
すなわち核戦争後の荒廃した社会で、ガソリンを奪い合って(他にもっと大切なものがあるんじゃないの?)人々が殺しあっている社会。頭をモヒカン刈りにしたり、変てこなマスクを被った、暴走族の延長のような集団が、ガソリンを求めて、砂漠の石油基地へ襲いかかってきます。
この世界観をそのままパクったのが、漫画「北斗の拳」です。ケンシロウのスタイルはマックスそのものですしね。
昔は色んな事が緩かったのね。
ともかくも、「マッドマックス2」の描く未来社会、これを考えた人は素晴らしい才能だと思います。大好きです、この世界観。お見事。尊敬します。
ただ、三作目となる「マッドマックス/サンダードーム」(1985)となると、もはや少々うんざりでしたね。出演した歌手のティナ・ターナーはがんばっておりましたけど。
来年また本シリーズの新作が公開されるそうですけど、もちろん私は観ませんよ。テレビで放映されたら観るかもしれませんけどね。録画しといて早回しで。あはは。
このような荒廃した未来社会を描いた作品を、ついでにもう一本。
当ブログの記事「何がジェーンに起こったか?」でご紹介した映画「パラダイム」(1987)を監督した《ホラー映画の帝王》ジョン・カーペンター監督の「ニューヨーク1997」(1981)です。これも私の大好きなB級映画の傑作です。
1997年のニューヨーク(もうとっくに過ぎちゃったんですけど・・・それに貿易センタービルがまだある・・・)、マンハッタン島は封鎖され、島全体が巨大な刑務所となり、全国の犯罪者たちがこの無法地帯へ送り込まれていた。
そんな中、エアフォースワンがハイジャックされ、脱出した大統領の乗ったカプセルがマンハッタン島内へ不時着する。
かくして、大統領の救出を恩赦の条件として、かっては戦争の英雄ながら現在は犯罪者になっているスネークが救出に向かうというお話です。
スネークを演じるのは、「パニック・イン・テキサスタワー」(1975)や「潮風のいたずら」(1987)のカート・ラッセル。左目の眼帯が渋いB級ヒーローぶりです。
それから、救出部隊の隊長役で、マカロニ・ウエスタンの大スター、リー・ヴァン・クリーフが出演しています。この人も好きだったなぁ。鋭い眼光に不敵な面構え・・・鷲のようなイメージの素敵な俳優さんでした。
また本作には、無法地帯のボス役で、前回ご紹介した「黒いジャガー」(1971)の音楽を担当したミュージシャンで俳優のアイザック・ヘイズが出演しております。珍し。
本作はB級ながらヒットしましたので、続編として「エスケープ・フロム・LA」(1996)という作品が作られましたけど、こっちは全然ダメでしたね。子供向きの凡作となっておりました。こちらには「コフィー」(1973)のパム・グリアが出ておりました。
今回ご紹介したアクション映画3本、もしかしたら「マッドマックス2」をB級映画にカテゴライズするのは失礼なのかもしれませんけど、それはともかくとしてとっても面白い作品ですから、機会がありましたら、ぜひご覧になってくださいね。ワクワクしますよ。