Quantcast
Channel: 行政書士ふじまるの趣味のページ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 201

笑い仮面

$
0
0
 毎日楽しみにしている世界陸上2013モスクワ大会も、そろそろおしまいですけど、ゆうべの男子マラソンの中本健太郎選手は惜しかったですね。メダルまで、もう少しでしたものね。これからアフリカ選手のゆさぶりによるスピードの変化に対応できる練習を積んでもらって、次の世界陸上かオリンピックでは、メダルを取っていただきたいものです。
 
 それから、男子200メートルは、やはりウサイン・ボルト。最後は流していましたものね。余裕の勝利でしたね。素晴らしい。
 
 あと、ゆうべの放送を観ていたら、ロシアの選手が大活躍でしたけど、やはり地元の強みというのがあるのでしょうね。アウェイよりホームですものね、いつの場合も。
 
 日本も、オリンピック招致にばかりにこだわっていないで、世界陸上でもいいんじゃないでしょうか? 世界陸上群馬大会なんてダメかな? ダメですよね、やはり・・・あはは・・・どうも、すんずれいしました・・・
 しかし、今回の甲子園では、群馬県の前橋育英高校が健闘しているんですよ。
 がんばれ、前橋育英!
 
 さて、前フリはこれくらいにいたしまして、今日の本題へ移ります。
 前回は水木しげる先生の「悪魔くん」をご紹介いたしましたが、水木しげると来れば、この人もピックアップしないわけにはまいりません。
 そうです、水木先生と並ぶ、日本におけるホラー漫画の第一人者、楳図かずお先生です。
 ということで、真夏の(今回はちょいと怖い)ホラー特集第6弾は、楳図かずお先生のマンガを取り上げます。
 
イメージ 1
           (水木先生も個性的ですけど、この人もキャラが濃いですよね)
 
 水木先生原作の実写版「悪魔くん」やアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」のテレビ放送が始まったのが1968年頃で、それによって私たち一般の子供は水木マンガの存在を知ったのですけど、ちょうど同じ頃に楳図マンガも私たちの目の中に飛び込んでまいりました。
 怖かったですねぇ。
 ホラー漫画といっても、正直言って水木先生の作品は、ちっとも怖くありませんでした。どちらかと言うと、鬼太郎にしろネズミ男にしろ、可愛らしい感じ。しかし、楳図先生のマンガは、マジで怖いというか、夜読むとトイレに行けなくなりましたね、私は。
 
 水木先生の描く世界が和風で男性的であったのに対し、楳図先生の描く世界は西洋風で女性的であり、それが狂気や怨念をよりリアルに、より恐ろしく、私たちに感じさせたのです。
 
イメージ 4
 
 1966年頃から「へび少女」などの作品でマンガ家生活をスタートさせた楳図先生は、その後「漂流教室」などの大ヒット作品を生み(この作品は映画「続・猿の惑星」(1970)の影響が大ですね)、また「アゲイン」とその続編である「まことちゃん」というギャグ漫画でもヒットを飛ばしました。
 
 ちなみに、私は「まことちゃん」に登場するロックンローラー、らん丸が大好きです。
 らん丸は、本当の正体は禿げて腰の曲がったジジイのくせに、コンサートの前になると、コンタクトレンズをはめ、頬に綿を詰め、カツラをかぶり、コルセットで腰をまっすぐ伸ばし、上げ底ブーツを履き、セクシーさを強調するため股間に大きなダミーの一物を装着して、ビジュアル系ロックンローラーに変身するのです。か○やつさんがモデルなのでしょうか? とにかく私の大好きなキャラクターです。
 
イメージ 2
 
 あ、それから、デビューしたての頃の楳図先生は、少年誌で「ウルトラマン」を描いていたこともあるんですよ。楳図先生が描くと、ウルトラマンやバルタン星人が、やたら不気味になるんですよね。あはは。
 
 その後も楳図先生は「わたしは真悟」や「14歳」などの問題作を発表するのですが、私はそれらの作品を読んでおりません。たまたま読む機会が無かったんですよね、本当は読みたいんですけど。
 でも、2008年に映画化された「おろち」だって、原作が発表されたのが1969年ですから、やはり未だに私たちを魅了する楳図先生の代表作は、1960年代後半から1970年代初めの作品だと思います。
 
イメージ 3
 
 そこで今回は楳図先生の初期の作品の中から、特に私のお気に入りのマンガを3作ご紹介いたします。
 
 まずは「紅グモ」。
 
イメージ 5
 
 蜘蛛の研究をしている学者の家へ美しい後妻がやって来る。その後妻は亡くなった先妻の娘、たか子と美也子を表向きは可愛がるものの、心の中では二人を殺し、夫が死んだ後の財産を独り占めしようと企んでいる。
 そして遂にある晩、本性をあらわした後妻は、眠っているたか子の口の中へ、夫が研究している紅グモを押し込み、たか子を殺害する。
 たか子は土葬されるが、奇跡的に棺桶の中で息を吹き返す。必死に墓から抜け出すたか子。しかし、その時の恐怖で髪の毛はまっ白、まるでおばあちゃんのような姿に変わる。だが、たか子はそのまま老女になりすまし、後妻へ復讐する為、女中として実家へ入り込む。
 後妻への復讐を果たすたか子。しかし、たか子の体の中で増殖した紅グモたちは、もはやコントロール不可能な状態になっていた・・・というのが、おおまかなストーリーです。
 
 本作は、たぶん私が初めて読んだ楳図先生の作品です。強烈な印象を受けました。特に後妻が紅グモをたか子の口へ入れる時の顔の恐ろしいこと! 思い出してもオシッコが近くなります(本当は年のせいか?)。名作ですよ。ぜひ読んでみてください。
 
 次に「猫目小僧」。
 
イメージ 6
 
 妖怪猫又と人間の間に生まれた(って、どこの変態野郎が猫又とやったんだよ?)猫目小僧。水木マンガのヒーローが鬼太郎なら、楳図マンガのヒーローは、この猫目小僧でしょうね。
 
 どれも怖い話ばかりなのですけど、特に印象深いのが「肉玉」。
 ある一族の人間は先祖代々、人生のある段階で、肉の塊のような妖怪「肉玉」を目撃し、その数日後に必ず死亡する。
 肉玉を見ることを恐れた子孫たちは、自分たちの目を針で・・・プツンと・・・怖いですねえ・・・
 
 あと、人を殺してその血を抜き取り、千手観音像に飲ませていた女の前で、その千手観音像が動き出し・・・という話も怖かったです。
 
 最後は「笑い仮面」。
 
イメージ 7
 
 太平洋戦争中の日本。
 太陽の黒点活動が異常だという研究を発表した主人公の学者は、軍部からその研究発表を撤回しろと迫られたものの拒否した為、拷問されたうえ鉄で出来た《笑い仮面》を被せられ、外側から溶接される。そして反逆者が収容されている島へ送られる。この島の囚人はみな《笑い仮面》を被せられ、《笑い仮面》を被ったまま骨となる運命である。
 同じく島送りになっていた知り合いの学者から、太陽黒点の異常がアリ人間を生みだすという情報を得た主人公は島を抜け出し、謎の《笑い仮面》としてアリ人間と戦う・・・という物語です。
 
 主人公が拷問され、《笑い仮面》を被せられるシーンが、とにかく強烈。
 鉄の仮面のつなぎ目を炎で溶接していく兵士。主人公の悲鳴。焼ける肉の音。ボトボトと流れ落ちる大量の血液・・・小学校低学年の時に読んで以来、トラウマになっております・・・
 
 暑い夏の夜におっかないマンガが読みたくなったら?
 楳図かずお先生の作品、これしかありませんね。
 ぜひ、どうぞ。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 201

Trending Articles