ゆうべの世界陸上モスクワ大会女子200メートル決勝は、100メートルにひき続き、またしてもジャマイカのS・A・フレーザー・プライスの優勝でしたね。体は小さいのに、すごいですね、彼女は。全身がバネのような筋肉で出来ているんでしょうね。
我らのアイドル、アリソン・フェリックスちゃんは残念でしたね。肉離れでしょうか? 次にまたがんばっていただきたいものです。
それから、2位になったコートジボワールのアウレ選手。彼女は選手紹介の時に必ず艶かしい表情で投げキッスをしますよね。何か可笑し。
さて、真夏の(ぜんぜん怖くない)ホラー特集第5弾は、水木しげる原作の「悪魔くん」です。
「悪魔くん」といっても様々なバージョンがありますけど、今回ご紹介するのは1968年放送の実写版「悪魔くん」です。
懐かしいですね。小さい頃、リアルタイムで観ていて、大好きでした。当時わたしは佐賀県佐賀市の赤松小学校に通う子供でした。
その頃、こういう怪獣みたいなバケモノが出てくる実写番組としては、円谷プロの「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」がありまして、それらの作品に比べると子供心にもチープな印象は拭えませんでしたけど、しかしその安っぽさも含めて私の好みは「ウルトラマン」より「悪魔くん」でした。
・・・というか、本当は「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」があまりにも立派すぎたものですから、「悪魔くん」のような少しレベルの低い作品の方に、親しみを感じていたというのが真相でしょうね。考えてみれば「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」は、すでにカラー作品でしたからね。ほとんどの番組がまだ白黒だった時代に。
うちも当時は白黒テレビしかありませんでしたから、リアルタイムでは「ウルトラマン」も「ウルトラセブン」も、私は白黒の画面で観ておりました。
で、水木しげる先生といえば、2010年放送のNHK朝の連続小説「ゲゲゲの女房」ですよね。
先日お亡くなりになった平山亨プロデューサーがモデルとなった船山(演じるのは風間トオルさん)たちの尽力により、遂に水木しげる原作作品が初めてテレビで放送されることになる。それが「悪魔くん」だった。
「悪魔くん」第1回目の放送を、集まった親戚一同と共に、食い入るように見つめる向井理さん演じるしげる。
放送が終わった後、しげるは「悪魔くん」を貸本マンガとして出版・応援してくれた梶原善さん演じる戌井(モデルは桜井昌一氏。水木作品によく登場する出っ歯でメガネをかけたサラリーマンのモデルとなった人)へ涙ながらに電話をかけます。
「あんたが認めてくれた「悪魔くん」が、ようやく世に出ることができました。あんたの編集者としての目は正しかった。ありがとう」
いやー、「ゲゲゲの女房」の、この第106回は、朝から泣けましたね。この回が最終回でも良かったくらいでしたね。素晴らしい回でした。
・・・話を「悪魔くん」に戻しますね。
これは、友達から《悪魔くん》というニックネームをつけられている天才少年・山田真吾が、ファウスト博士の力を借り、「エロイム、エッサイム」という呪文を唱えて地獄から悪魔メフィストを呼び出し、悪魔の魔力によりこの世にはびこる妖怪どもを退治するというお話です。
(講談社「ぼくらが大好きだった特撮ヒーローBESTマガジン」⑧より)
色々な妖怪が登場するのですが、上記写真の左上に載っている、第6話「首人形」に出た一つ目のマネキン人形は、特に記憶に残っています。これはマジで怖かった。
このマネキンのオバケは、「悪魔くん」に登場する全妖怪の中でもダントツの人気があり、フィギアも発売されているようです。でも、こんなのが部屋に置いてあったら、ちょっと怖いなぁ、おいらは・・・
他には雪女が不気味でした。怪獣ペロリゴンは可愛かったです(笑)。
山田真吾を演じたのは、金子光伸さん。彼は「ジャイアントロボ」の主演もしていました。ちょっと舌たらずなしゃべり方が可愛かったですよね。
残念ながら彼は若くしてお亡くなりになったそうですけど、金子さんがこのドラマの中で吹いていた「ソロモンの笛」に憧れた私は、親にせがんで同じようなオカリナを買ってもらい、ピーヒャラ吹いていたのを、よーっく憶えております。
真吾の父親役が「山のあなあな~」でお馴染みの三遊亭圓歌師匠、母親役が「おはよう!こどもショー」司会の楠トシエさんでした。
(講談社「ぼくらが大好きだった特撮ヒーローBESTマガジン」⑧より)
そして、悪魔メフィスト。
チョコレートに目が無いおかしな悪魔でしたが、このメフィストを前半は吉田義夫さんが演じておりました。しかし、吉田さんが病気で降板した為、後半は潮健児さんが担当することになります。潮さんは「仮面ライダー」の地獄大使役でも有名な方です。
この潮氏の自伝「星を喰った男」(ハヤカワ文庫)が、なかなか面白いんですよ。
東映創設期から在籍していた潮さんの様々なスターたちとの交遊録、特に若山富三郎さんや高倉健さんとのエピソードは、非常に読み応えがあります。
たとえば、高倉健さんが潮さんたち子分の役者を20人ばかり引き連れて美空ひばりさんの軍艦のような巨大なお屋敷へ遊びに行った時は、豪華な食事をご馳走になったお礼に、健さん以下全員がスッポンポンになって、ひばりさんの前で踊ったんですって。そういうお茶目な面もあるんですよ、健さんには、と潮さんは書いています。
面白い本ですから、どこかで見かけることがありましたら、ぜひ一読してくださいね。
あ、それから、この本によると、「悪魔くん」当時の潮さんの愛車はジャガーEタイプ。
ジャガーEタイプですよ、あなた。昭和40年代前半の日本で。やっぱりテレビや映画に出ている人は儲かるんですねぇ・・・すごいなぁ・・・
「悪魔くん」では、山下毅雄さん作曲となるテーマ曲も、不気味で、本格的で、良かったですよね。彼は「ルパン三世」ファースト・シーズンの音楽も担当していらっしゃいました。素晴らしい才能ですね。
「悪魔くん」の放送終了後、同じスタッフによって、水木しげる原作の「河童の三平 妖怪大作戦」が作られます。
こちらは内容をよく憶えていないのですけど、記憶を奪われた三平の母親が馬車に乗せられてどこかへ連れてゆかれるシーンが、とても不気味でした。
「悪魔くん」も「河童の三平 妖怪大作戦」もDVDになっています。そして、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」も。
水木しげる先生のこれらの名作を、ぜひご覧になってくださいね。
私もまた「首人形」が観たいなぁ・・・でも、子供の頃みたいに眠れなくなったら、どうしましょう?・・・あはは・・・