お盆ですね。
ご先祖様たちも帰っていらっしゃったでしょうか?
・・・とまぁ、しばらく世間話でもしたいところなんですが、暑いのでとっとと先へ進みますね。
真夏の(ぜんぜん怖くない)ホラー特集の第4弾(本当は3回で終わるはずだったんですけど・・・)。本日ご紹介するのは、私の大好きな映画、「悪魔の毒々モンスター」(1984)です。
タイトルはホラーっぽいですけど、中身はぜーんぜん怖くないですからね。その点はご了承くださいね。あはは(汗)・・・
アメリカに、トロマ・エンターテインメントという、B級ならぬZ級の低予算サイテー映画ばかり作っている会社がありましてね、そこから何の間違いか、突然変異か、奇跡的に生まれた傑作が、この「悪魔の毒々モンスター」なのであります。
本作は、内容はもちろんいいんですけど、それ以上に邦題が秀逸ですね。誰が考えたんでしょうか、「毒々(どくどく)」というネーミング。素晴らしい言語感覚です。これぞ天才の仕事ですね。
高級ヘルスクラブの清掃係をしている人のいいメルヴィン(人気お笑いコンビ・アンガールズの田中タイプ)は、会員の若い兄ちゃん姉ちゃんにからかわれ、バレー「白鳥の湖」のコスチュームを着たまま、核廃棄物の詰まったドラム缶に頭からドッポーン。
そのせいで、メルヴィンの顔は両目の位置が上下に激しくずれるほど変形するものの、体の方はプロレスラー並みの筋骨隆々とした体格に変貌。この新しく手に入れた無敵の肉体で、メルヴィンは街のダニどもを退治し始める・・・というのが、おおまかなストーリーです。
見どころはレストランを襲ったギャング一味を退治した際に知り合った盲目の女性サラとメルヴィンの恋物語。サラにはメルヴィンの姿が見えないので、二人は普通の若いカップルのようにイチャイチャ、ベタベタ、チュウチュウします。そこが何とも微笑ましくて、くだらなくて、笑えます。
上の写真はサラとメルヴィンが初めて結ばれた夜のシーンです。何か可笑しいでしょう?
サラを演じているのはアンドリー・マランダという女性なんですが、この方は歌手が本業なのでしょうか? 映画には他に出ていらっしゃらないみたいなんですけど。
ま、それはともかく、彼女は怪物の相手役にふさわしい、色っぽくて可愛い美女でした。
トロマ・エンターテインメント社は、その後も「悪魔の毒々モンスター」の続編(1989)を作ってモンスターを東京へ行かせたり、「悪魔の毒々ハイスクール」(1986)だの「悪魔の毒々おばあちゃん」(1988)だの「カブキマン」(1991)だの、タイトルだけは面白そうな作品をたくさん作りましたけど、どれもダメ。結局、本作だけでしたね、観るに値する作品は。
しかし、これだけは本当に素晴らしい傑作です。私はこの作品を愛して止みません。ぜひ皆さんにも観ていただきたい映画です。
と、これで終わりじゃつまらないので、私にとって思い出深い「悪魔」つながりの作品を、あと2本ご紹介しますね。
まずは「悪魔のはらわた」(1973)。
本作はポップアートの大家、アンディ・ウォーホールの監督作品というふれこみで公開されたのですが、実際はウォーホールは名前を貸しただけで、製作には一切タッチしていないそうです。
これはフランケンシュタインのお話です。前々回の記事の中でご紹介した「フランケンシュタインの花嫁」(1935)と同様に、本作のフランケン博士(演じるのはウド・キア)も、男女のモンスターを交配させて子供を産ませることを夢見ている。
その為には、まず女好きの男の脳が必要だということで、売春宿へ出入りしているスケベそうな男の首を、巨大なハサミでチョッキン。
ハァー、チョッキン、チョッキン、チョッキンなぁー♪
ところが、どうしようもないスケベだと思っていたその男が実はホモだったものですから、さあ大変。いくら女モンスターにモーションをかけさせても、男モンスターの一物はピクリともせず・・・という何ちゅーか、ほんちゅーか、どうでもいいお話です。
本作の最大の魅力は、女モンスターを演じたダリラ・ディ・ラザーロ嬢。彼女が美しいというか、そそるというか、タイプというか、とにかく私は大好きです。
ダリラ嬢は有名雑誌の表紙を飾るトップモデルだったらしいのですけど、この映画のスタッフは、彼女をキャスティングしたというただその一点をもって、才能があったと言えるでしょう。ダリラちゃんの胸からお腹にかけて長く伸びた大きな縫い目・・・セクシーですう・・・ハァ、ハァ・・・
この映画は、そのエロ・グロ趣味が受けて世界じゅうで大ヒットしました。このヒットを受けて同じスタッフが次に作り上げた作品が「処女の生血」(1974)。
フランケンシュタインの次はドラキュラです。
処女の血を吸わないと生きてゆけないドラキュラ伯爵。ところが、世間の女の子たちは遊び回っていて、処女なんか滅多に見つからない。今度こそは大丈夫だろうと思って血を吸っても、またしてもハズレで、ドラキュラ伯爵はゲーロゲロ・・・もう好きにしといて、という感じの映画でした。
最後にご紹介するのは「イルザ ナチ女収容所 悪魔の生体実験」(1974)です。
ナチスの女収容所長が、自分を満足させられなかった男の囚人のチ○コを切り取り、若くて可愛い女の囚人を裸にひんむいていたぶるという、早い話がポルノ映画です。
しかし、これまたその強烈なエロ・グロ趣味が受けて、本作は世界じゅうで大ヒット。この後、ナチス物のポルノ映画がたくさん作られることになります。
いやー、エロ・グロって、ホント強いですねぇ。あはは。
女所長を演じたのは、バスト120センチを誇るダイアン・ソーンおばちゃん。
彼女の演じるイルザは、次にアラブの女収容所長になり(1976)、さらにその次はシベリアの女収容所長となります(1977)。どうでもいい話ですけど。
ちなみに、本作には「本番女優」として日本でも有名だった(らしい)シャロン・ケリー嬢も出演しております。どの方がシャロンさんなのか、私には分かりませんけど。
そのシャロンさんは、日本で梅宮辰夫さんと共演しているんですね。「色情トルコ日記」(1974)なる作品で。
梅宮さんも昔は色んなお仕事をなさっていたんですねぇ・・・