勝手にシナリオ
スター・ウォーズ アナザーエピソード1(その12)
大混乱のスターデストロイヤー内。
ダース・モールと乗組員たち。
乗組員「このままでは船がもちません。非常用小型宇宙船でお逃げください」
ダース・モール「バカな。誰が逃げるものか。戦うのだ。戦って敵を倒せ」
帝国軍兵士相手に奮戦するパドメ。
しかし、たくさんの帝国軍兵士に包囲され、銃弾を浴びせかけられる。物陰に隠れるものの、そこから一歩も動けない。絶体絶命のパドメ。
帝国軍兵士「とどめだ」
そう言ってパドメを撃とうとした帝国軍兵士の背中に、後ろからライトセーバーのレーザー刃がブスリと突き刺さる。そして、その周囲にいた数人の帝国軍兵士も斬り倒される。
パドメが顔を上げると、アナキンがニヤリと笑っている。
アナキン「何をモタモタしてんだよ、お嬢さま。おまえはそんなに弱かったのか?」
パドメ「言ってくれるわね、アナキン」
アナキン「こっちだ。さっさとついて来い。足手まといになるなよ、お嬢さま」
パドメ「ふん、だ」
アナキンとパドメは、二人並んで走りながら、帝国軍兵士を次々と倒してゆく、お互いの技のキレを目で褒め合いながら。その後ろには、R2D2。
通路を抜け、アナキンのオートバイ型戦闘機が停めてある広いエリアに出たところで、カイルとタノが乗るオートバイ型戦闘機がやって来る。
カイル「パドメ!」
パドメ「カイル!」
カイルは、オートバイ型戦闘機から飛び降り、パドメと抱き合う。
アナキンは「チェッ」という表情をする。
カイルはオートバイ型戦闘機の後部から袋を取り出し、パドメに手渡す。
カイル「君のコスモスーツだ。早く着たまえ」
パドメは、さっそく袋から取り出したコスモスーツを着る。体を入れて、スイッチを押すと、新世紀エヴァンゲリオンみたいに、スーツが体にピタリとフィットする。スーツのメイン色は赤。同じく赤色のヘルメットも被る。
そこへ帝国軍の兵士がなだれ込んでくる。
再び戦闘を開始する四人。
ライトセーバーを持った右手をだらりと下げ、左手で腰のベルトを押さえた格好のアナキンが、通路をこちらへ向かってゆっくりと歩いて来る。その周りを取り囲む帝国軍の兵士たち。アナキンは、体をクルクルと回転させながら、あっという間に周囲の帝国軍兵士全員を斬り倒す。
そして、カメラに向かって、シャキーンとキメの顔。
カイルが戦っている姿。
パドメが、くのいち忍者のように戦っている姿。
タノが戦っている姿。
再びアナキンが戦っている姿。(ここらへんは、「暴れん坊将軍」の松平健さんのイメージ。このシーンのBGMは、もちろん「暴れん坊将軍」)。
帝国軍兵士をやっつけたところでカイルが指示する。
カイル「引き上げだ、みんな」
アナキンがパドメの方を向いて笑いながら言う。
アナキン「パドメ、俺のバイクに乗って行くかい?」
パドメは「イーッ」と顎をつき出して、カイルの後ろに乗る。
苦笑いするアナキン。
カイル「R2はムンディの機に乗せる。ついて来い、R2」
R2D2は頷く。
四人が出発しようとしたところで、オートバイ型戦闘機の横に立ったままのアナキンが、カイルを呼び止める。
アナキン「カイル、俺は後から行くから、先に行ってくれ」
カイル「どうした、アナキン? クワイとムンディが、今この艦のエンジン部に爆薬を仕掛けている。ぐずぐずしていると吹き飛ばされてしまうぞ」
アナキン「そんな事は分かっているさ。だが、俺はその前にこいつと勝負しなければならねえんだ」
そう言ったアナキンの視線の先に目をやると、そこには不気味なオーラを漂わせたダース・モールが立っている。
カイル「時間が無いぞ、アナキン。大丈夫か?」
アナキン「任せておけ。すぐにケリをつけてやるさ」
カイル「分かった。では、俺たちは先に行く。早く来いよ」
アナキン「おう」
カイル、パドメ、タノの三人は飛んで行く。その後をR2D2が猛スピードで追いかけて行く。
ダース・モール「貴様を地獄の道連れにしてやる」
アナキン「へっ。冥途の土産に本当の強さを教えてやるぜ」
ダース・モールとアナキンはライトセーバーを抜く。ダース・モールは二刀流。
裂帛の気合いと共にダース・モールが斬りかかって来る。二人の斬り合いが始まる。火花を散らすライトセーバー。しかし、なかなか決着がつかない。いったん二人は離れる。
アナキン「さすがに強いな、おっさんよ。だが、成長期の真っ只中にある剣と、もう成長が止まった剣とではモノが違うんだよ」
汗だくでゼイゼイと息を切らしながらアナキンの話を聞いているダース・モール。
アナキン「昨日の俺なら負けたかもしれない。しかし、今の俺は負けない。なぜなら、俺はすべてを吸収しながら成長しているからだ、たった今おまえと交えた剣の経験でさえもな。もはや、おまえの剣は見切った。この勝負もらったぜ」
アナキンが勢い良く斬りかかる。そのスピードについていけないダース・モール。アナキンの剣がダース・モールの体を斬り裂く。
ダース・モールは、苦悶の表情を浮かべながら倒れる。その姿を上から見下ろすアナキン。
アナキン「悪く思うなよ。世代交代っていう奴なんだ、これが」
ダース・モール、悔しそうに絶命。
ドーンという爆発音が響き渡る。激しく揺れるフロア。非常警報の音。崩壊し始める艦内。
アナキン「うわ、やっべえ」
アナキンは急いでオートバイ型戦闘機に跨り、次々と崩れ落ちていく通路の中を出口へと向かう。
宇宙空間。遠くにスターデストロイヤーが小さく浮かんでいる。
こちら側では、カイルとパドメが二人乗りでオートバイ型戦闘機に乗って待機している。
タノとクワイも二人乗りでオートバイ型戦闘機に。
タンデム型戦闘機の上の席には、R2D2。パイロット席にはムンディ。
皆はスターデストロイヤーを見つめながら宇宙空間に浮かび、アナキンが脱出して来るのを待っている、心配そうな様子で。
船体のあちらこちらで小さな爆発を起こしているスターデストロイヤー。
タノ「あいつ大丈夫かな?」
クワイ「もうすぐ、あの船、爆発しちゃうよ」
パドメ「アナキン・・・」
カイル「大丈夫だ。アナキンは必ず戻って来るさ」
やがて、スターデストロイヤーは最後の大爆発を起こす。クワイとタノが思わず「おおお」という声を出す。
爆発のまぶしい光。その中から現れる一つの影。アナキンの乗ったオートバイ型戦闘機である。
パドメが片腕を突き上げてガッツポーズをする。
パドメ「やったね、アナキン」(映画「ランボー2 怒りの脱出」のイメージ)
他の全員も大喜びする。
おどけた調子で敬礼ポーズをするアナキン。
カイル「ミッション・コンプリート。帰艦する」
クワイ、タノ、ムンディ「おー」