Quantcast
Channel: 行政書士ふじまるの趣味のページ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 201

スター・ウォーズ アナザーエピソード1(その13)

$
0
0
 勝手にシナリオ
 スター・ウォーズ アナザーエピソード1(その13)


 ジェダイ騎士団本部。
 地下にある部屋で、誰にも見つからないよう、こっそりと通信しているキラーレ総長。
 
キラーレ総長「まさか私もこういう事態になろうとは・・・はい、申し訳ございません・・・ええ、そういたします・・・あ、はい・・・はい・・・失礼致します」
 
 通信機のスイッチを切ったキラーレ総長は、落ち着かない様子で部屋の中をウロウロ歩き回る。
 
キラーレ騎士長「なぜ、あんなところに訓練生たちがいたのだ?・・・オビワンの奴・・・いやはや大変な事になった・・・とにかく、このままでは、わしの身が危ない・・・正体がバレるのは時間の問題だ・・・早くここから逃げ出さなければ・・・」
 
 そう呟いたキラーレ総長は、思い詰めた表情で、洞窟のような通路を、画面左に向かって歩いて行く。通路の壁に映ったキラーレ総長の影(ランプの明かりで照らされている)が、その後を追う。
 キラーレ総長の影がいなくなった後、壁面に下から新しい影がゆっくりと現れる。
 
(ここでBGMは、「助け人走る」のテーマ。インストルメンタルのみ)
 
 ヨーダの影である。
 ヨーダの影は、右手の手の平を大きく開き、ボキボキという関節音を響かせながら強く握りしめ、再び開く(「必殺仕置人」の念仏の鉄みたいに)。そして左方向へ進んでいく。
 
 こちらに背中を向け、鞄に荷物を詰めているキラーレ総長。
 その背中に、いつの間にか忍び寄っていたヨーダが声をかける。
 
ヨーダ「やはり君だったのじゃな?」
 
 キラーレ総長はギクッとして動きを止める。
 
ヨーダ「わしは、わざと嘘の情報を君に流したのじゃ。そして、予め訓練生たちを、あの星域に潜ませていたのじゃ。訓練生がどこにいるかなど、さすがに君も油断して気にも留めないじゃろうからね」
 
キラーレ総長「それでは初めから・・・」
 
ヨーダ「こういう結果になったのは、わしとしても誠に残念じゃ。君のこれまでの功績に免じ、今この場で君が、君自身の手で始末をつけるというのなら、わしは何も言わん。君はノイローゼが原因で自殺したという事にする。君の名誉は保たれる」
 
キラーレ総長「うう・・・」
 
ヨーダ「ま、最後は男らしく、自分で自分のケジメをつけるのじゃな。わしは隣の部屋で終わるのを待っておるぞ。さらばじゃ、総長」
 
 ヨーダはくるりと踵を返し、いつもの杖を持ちながら、こちらへ向かって歩いてくる。
 キラーレ総長の背中がブルブル震えている。こっそり拳銃を握りしめる。
 
キラーレ総長「ヨォーダアアアアア!」

 キラーレ総長は、そう絶叫するや、振り向きざまヨーダに拳銃を向ける。
 その瞬間、ヨーダが目にも止まらぬ速技で杖を抜き、体を一回転させてキラーレ総長を斬る。
 もの凄い形相で固まるキラーレ総長(ぜひ福本清三さんに斬られてもらいたい。ヨーダに斬られる福本さんが見たい)。
 
ヨーダ「わしの、せめてもの情けが、通じなかったのは残念じゃ・・・」
 
 そう言って杖にレーザー刃を納めると、ヨーダは暗い表情でこちらへ歩いて来る。
 カメラのピントが外れ、次第にぼやけてゆくキラーレ総長の姿。
 やがて、左肩から腰の右側にかけ、ズルリと二つに分かれて崩れ落ちるキラーレ総長の体。
 
 
 ジェダイ騎士団本部内の祝賀会場。
 多くの貴族や騎士たちが、五人の訓練生卒業および正騎士昇格を祝福している。
 笑顔のカイル、クワイ、タノ、ムンディ、アナキン(ジェダイ騎士団の制服姿)。
 彼らの真ん中で一緒に笑っているパドメ(早見優「夏色のナンシー」の時のようなミニスカート姿。細く長い生足が美しい)。そばにいるR2D2。
 
 そんな中、アミダラ卿が
 
アミダラ卿「大騎士・・・」
 
 と、元気の無い、か細い涙声で、会場の隅にいるヨーダの肩越しに、後ろから語りかけてくる。顔がボコボコに腫れ上がっている。
 
アミダラ卿「ひどいですよ、私をおとりに使うなんて・・・」
 
ヨーダ「すまん。ちょうど君の細君から内密に頼まれておったものじゃからのう。うちの亭主が浮気ばかりして困っている。だから、一度きついお灸を据えてやってくれ、と」
 
アミダラ卿「そんな・・・きつすぎますよ、このお灸は・・・」
 
ヨーダ「確かにそうかもしれぬが、わしも同じ目に遭うたのじゃから勘弁してくれ」
 
 ここで初めてヨーダの顔が映る。ヨーダの顔も、アミダラ卿と同じように、ボコボコになっている(「あしたのジョー」の中の、ジョーが空港でカルロスを見送るシーンみたいに)。
 はしゃいでいるパドメを眺めながら
 
ヨーダ「おなごは恐ろしい・・・」

アミダラ卿「おっしゃる通りで・・・」
 
オビワン「ヨーダ様・・・」
 
 と、そこへ今度はオビワンが、やはり元気の無い、か細い涙声で話しかけてくる。
 
オビワン「私は包茎じゃないんです」
 
ヨーダ「うん。うん」
 
オビワン「本当に包茎じゃないんです」
 
ヨーダ「分かった。分かった」
 
オビワン「ううう」
 
ヨーダ「分かったから、もう泣くな」
 
 ヨーダは優しくオビワンの頭をなでてやる。
 
 ヨーダ、アミダラ卿、オビワンの、おじさん三人組が、ヒューっと冷たく吹きつける無情の風を肌に感じながら涙目で佇んでいる。
 
 華やかな祝賀会は続いている。
 カイル、クワイ、タノ、ムンディ、アナキン、そしてパドメの笑顔。
 何度かこっそり目を合わせるパドメとアナキン。お互いを意識し合っている様子。しかし、最後には、パドメはカイルの方を向いてしまう。それでもパドメを見つめるアナキン。
 
 「終」の文字。
 
 エンドロールでかかる曲は、テレサ・テンが歌う「煙が目にしみる」。
 
 エンドロールが終わると、最後に「スターウォーズ」のテーマで締めて、おしまい。

             完

Viewing all articles
Browse latest Browse all 201

Trending Articles