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スター・ウォーズ アナザーエピソード1(その6)

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 勝手にシナリオ
 スター・ウォーズ アナザーエピソード1(その6)


 共和国軍本部の作戦指令室。
 ランド提督、シータ提督、幕僚たち、ヨーダ、キラーレ総長、アミダラ卿。
 
ランド提督「最近、我が軍は連敗続きだが、原因はどこにあるだ?」
 
幕僚1「うまく敵に裏をかかれているからであります」
 
シータ提督「情報が洩れているのではないか?」
 
ランド提督「タキオン通信の暗号が帝国側に解読されたのかな?」
 
幕僚1「可能性はあります」
 
ランド提督「それなら急いで暗号を変えないと」
 
幕僚2「それは常時やっております」
 
シータ提督「もっと直接的な形で情報が洩れているのではないですか?」
 
ランド提督「というと?」
 
ヨーダ「提督は我が軍の中に裏切り者がいるとおっしゃるのですか?」
 
シータ提督「そうとしか考えられぬではないですか」
 
ランド提督「それが真実なら忌々しき事態だ」
 
ヨーダ「まったくです。放ってはおけません」
 
アミダラ卿「せっかく帝国軍を抑え込んでいたのに、あー、このままではまた戦況が逆転してしまう」
 
幕僚1「帝国軍が大規模な反撃作戦を計画中との情報もあります」
 
アミダラ卿「ほえー、そうなったら、こちらは一気に宇宙の果てへ追いやられてしまいますぞ」
 
ランド提督「まぁまぁ、アミダラ卿、そんなに悲観なさらないでください。数の上では、まだこちらが上回っているのですから」
 
ヨーダ「しかし、悠長な事は言っておれませぬぞ。早く手を打たなければ」
 
キラーレ総長「どのような手を打つおつもりなのですか?」
 
ヨーダ「それはまだ分からぬが、本当に裏切り者がいるのなら、早急に見つけ出さなければ手遅れになるおそれがある」
 
アミダラ卿「大騎士、ジェダイ騎士団の出撃を、もっと増やしては頂けないでしょうか?」

ヨーダ「ジェダイは元々少数精鋭の特殊部隊ですから、ここぞという戦況のかなめに投入してこそ効果があるのです。むやみに出しても意味がありません」
 
アミダラ卿「でも、このままでは・・・」
 
シータ提督「アミダラ卿は共和国の正規軍では頼りにならないとおっしゃりたいのですかな?」
 
アミダラ卿「いいえ、そんな事はありません。頼りにしておりますよ、もちろん」
 
シータ提督「それなら誤解を生じるような発言はお控え願いたい。軍の士気に影響しますから」
 
ヨーダ「お二人とも、内輪もめしている場合ではありませぬぞ」
 
ランド提督「話を戻させてもらうが、我が軍の中に情報を漏えいしている者がいるのなら、早急にその者を探し出さなければなりません。情報漏えいの警戒レベルを上げ、監視体制を強化しましょう」
 
ヨーダ「今はそれが先決ですな」
 
 
 ジェダイ騎士団本部の剣術道場。
 夜、一人で剣術の練習をしているアナキン。ライトセーバーを抜いては、様々な剣の型を黙々と続ける。その姿を正面から映す(「座頭市物語」に出た天知茂のイメージ)。
 そこへパドメが姿を現す(テンガロンハットにショートパンツのカウボーイファッション)。
 
パドメ「わたしに負けたのが、そんなに悔しいの?」
 
 アナキンは無言で練習を続ける。
 
パドメ「あれからすっかり人が変わったって評判よ。性格が暗くなって無口になったって」
 
 アナキン、無言。
 
パドメ「あのね、わたしとカイルは、小さい時からヨーダ様の特別指導を受けていたの。いえ、正確に言うと、最初にカイルが個人指導を受けていて、それを見た幼なじみのわたしが、カイルと一緒に習うと泣いて駄々をこねたものだから、無理を言って弟子にしてもらったの。何しろ当時のわたしときたら、いつもカイルのそばにいなければ気が済まない子供だったから。カイルから離れられない子供だったから。もちろん、ヨーダ様の個人指導を受けられたのは、そんな風に優遇されたのは、わたしたち二人が名門貴族の子供だったからだけど・・・」
 
 アナキン、無言。
 
パドメ「だから、あなたとは年季が違うのよ。負けても恥じゃないのよ。落ち込む必要は無いのよ」
 
アナキン「誰が落ち込んでいるって?」
 
パドメ「あら、そうじゃないの?」
 
アナキン「勝手に決めつけるな」
 
パドメ「わたしはてっきり、女のわたしに負けたので、この世の終わりが来たみたいに落ち込んでいるのかと思ったわ」
 
アナキン「確かにおれはおまえに負けたさ。おまえだけでなくカイルにも。だけど、現時点で俺が負けるのは、おまえたちだけじゃない」

パドメ「え?」
 
アナキン「俺はまだケノービ軍曹に勝てないし、ヨーダ大騎士にも勝てない」
 
パドメ「そりゃそうだわね」
 
アナキン「俺の目標は、あいつらより強くなって、宇宙一強い騎士になる事だ。おまえやカイルは、その通り道に落ちている小石に過ぎない。小石に躓いたからといって、いちいち気にしていられるか。俺は前へ進むだけだ」
 
パドメ「はぁ? 何よ、その変てこな論理。可笑しくて笑っちゃうんだけど。でも、気に入ったわ。あなたって、案外、見どころがあるのね」
 
アナキン「ふん」
 
パドメ「この調子なら心配なさそうね」
 
アナキン「さっさと帰れ。練習の邪魔だ」
 
パドメ「帰るわよ。あなたに一つご褒美をあげてからね」
 
 そう言うなりパドメはアナキンの頬にチュッとキスする。
 狼狽するアナキン。

パドメ「それじゃ、練習がんばってね」
 
 パドメはそう言って走り去る。
 アナキンは頬を触り、ぼーっとしている。
 
 
 帝国軍本部。
 ターキン総督が電話(みたいなもの)で誰かと会話している。
 
ターキン総督「なに、怪しまれている? 警戒が厳しくなった? もうやめさせて欲しい、だと? そんな身勝手を陛下がお許しになると思っているのか? おまえは今まで通り共和国軍の情報を、こちらへ流せば良いのだ。そのために、これまで多大な報酬を支払って来たのだし、帝国軍が勝利した暁には、軍の重要なポストを用意してあるのだぞ。もし、どうしても降りると言うのなら、こちらにも考えがある。共和国軍におまえの正体をばらすからな。そうなったら、おまえは反逆罪で死刑だ。それでも良いのか? それが嫌なら続けろ。分かったか?」

 そう言うとターキン総督は、イライラした様子で乱暴に受話器を置く。

ターキン総督「まったく、どいつもこいつも頼りない連中ばかりだ」

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