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スター・ウォーズ アナザーエピソード1(その4)

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 勝手にシナリオ
 スター・ウォーズ アナザーエピソード1(その4)


 ジェダイ騎士団本部内にあるヨーダの執務室。
 ヨーダ。キラーレ総長。オビワン。カイル。アミダラ卿。アミダラ卿の妻ジョバル。その他の幹部たち(アミダラ夫妻は、映画「女の都」の登場人物みたいな貴族衣装を着ている)。
 神妙な面持ち壁の前に整列しているアナキン、タノ、クワイ、ムンディ。
 
キラーレ総長「まったく貴様らは何というたわけ者なのだ。ヨーダ様が助けてくださったから良いものの、そうじゃなかったら今ごろ殺されていたのだぞ。それが分かっておるのか?」
 
 四人はうつむくばかり。
 
キラーレ総長「ええい、もう顔も見たくないわ。貴様らには我が栄光あるジェダイ騎士団に加わる資格など無い。さっさとここから出てゆけ!」
 
ヨーダ「まぁまぁ、総長、わしに免じて今回だけは大目に見てやってくれぬか」
 
キラーレ総長「また、そんな事を・・・どうしたのですか? 最近ヨーダ様はおかしいですぞ。こんな連中を甘やかしてはいけません。何より他へのしめしがつきません」
 
ヨーダ「総長の申す事は一々ごもっともじゃが、わしも年なのかなぁ、若い者にやり直すチャンスを与えたいのじゃよ」
 
アミダラ卿「私も大騎士の考えに賛成です。若い頃は誰だって一度や二度の過ちを犯すものです。それを許し、正しい道へ導いてあげるのが、われわれ大人の役割じゃありませんか、ねえ、そうでしょう? 総長」
 
ジョバル「まぁ、あなたも若い頃は、このようなハレンチな過ちを犯したのですか?」
 
アミダラ卿「これは言葉のアヤだよ、ジョバル。私は、ご覧の通り、昔から真面目一本の男です」
 
ジョバル「どうだか」
 
 そこへパドメが、しゃなりしゃなりと入って来る。
エキセントリックな着物姿。クレイジーなあんみつ姫という感じ。
 それから、パドメのペット的な存在で、いつもちょこちょこ後をついて回るロボット、R2D2が一緒に入って来て、電子音を発しながらキョロキョロ首を回している。
 
パドメ「わざわざジェダイ本部へ夫婦喧嘩をしにいらしたのですか? お父さま、お母さま」
 
ジョバル「私はあなたが心配で様子を見に来たのですよ、パドメ。女だてらに剣術などに熱中するものだから」
 
パドメ「心配しないで、ママ。わたしは大丈夫だから」
 
 パドメは四人の方を向き、愉快そうに笑う。
 
パドメ「これが噂に聞く一つ目巨人のエサになるところだった四人のバカね」
 
アナキン「バカとは何だ」
 
オビワン「こら、口を慎め、アナキン」
 
パドメ「バカだからバカと言ったのよ。いけなかったかしら?」
 
キラーレ総長「いけなくはありませんよ、パドメお嬢さま。まったくこいつらときたら、どうしようもないバカでして・・・」
 
アナキン「おまえみたいな小娘に俺たちをバカ呼ばわりする資格はねえ」
 
パドメ「わたしが小娘ですって?」
 
アナキン「大人の話に口出しするのは止めて、おままごとでもしていなよ、お嬢ちゃん」
 
パドメ「何ですって?」
 
 睨み合うパドメとアナキン。バチバチと見えない火花が散る。
 
キラーレ総長「アナキン、おまえはアミダラ卿がいらっしゃる前で、パドメお嬢さまに向かって何て失礼な事を言っておるのだ。謝れ、謝らんか」
 
アミダラ卿「構いませんよ。うちのパドメは実際まだほんの子供ですから」
 
ヨーダ「そうかなぁ・・・わしには充分おとなに思えるのじゃがのう・・・」
 
 そう言いながら近づいて来たヨーダは手を伸ばし、パドメのお尻に触ろうとする。
パドメは、アナキンを睨み付けたまま、振り向きもせず強烈な後ろ蹴りをヨーダに喰らわせる。
元いた机の場所までふっ飛び、壁に激突して白目を剥くヨーダ。
 
パドメ「憶えておきなさいよ」
 
 パドメはアナキンにそう言い捨て、プリプリと憤慨した表情で部屋を出て行く。
困惑した様子のR2D2が後に続く。
 
ジョバル「待ちなさい、パドメちゃん」

キラーレ総長「パドメお嬢さま」
 
 ジョバルとキラーレ総長が慌ててパドメの後を追う。
 
アミダラ卿「・・・あー、それでは私の方は、今回の来訪の目的である、帝国軍との戦況について大騎士と相談させて頂きますかな・・・」
 
 そう言って振り返ったアミダラ卿は、ヨーダが鼻血を出して気絶しているのに驚く。
 
アミダラ卿「のわー、大騎士、いかがなされましたか?」
 
 慌てるアミダラ卿をよそに、オビワンが四人に向かって冷静に命じる。
 
オビワン「とりあえず、おまえたちは部屋へ戻れ」
 
 無言のまま自分たちの部屋へ戻る四人。
 複雑な表情でアナキンを見つめるカイル。
 
 
帝国軍本部。
皇帝シディアスが、「宇宙戦艦ヤマト」のデスラー総統のように、高い場所にある特別の椅子でふんぞり返っている。漫画「男組」の《影の総理》のポーズ。金髪。黒い衣装に金の宝飾。長いマント。革のブーツ。油の乗りきった年頃。エネルギーに溢れた表情。悪魔的な微笑み。「野獣暁に死す」の時の仲代達矢の雰囲気。
その前で直立不動するターキン総督とダース・モール。
ターキン総督は長身でやせ型。軍服を着ている。まだ髪は黒い。
ダース・モールは、お馴染みの姿。2メートル近い身長でプロレスラーみたいな体格。
 
シディアス皇帝「このところ進撃の勢いが衰えているのは、どういうわけだ?」
 
ターキン総督「はっ。申し訳ありません。わが軍は開戦直後の電撃作戦で一気に支配星域を拡大致しましたが、その後は共和国軍の猛烈な反撃に遭い、勢いを止められつつあります」
 
ダース・モール「共和国軍は圧倒的な物量で我が方を封じ込めにかかっております。しかも、最近は戦闘の要所でジェダイの騎士を投入してくるので、非常に手を焼いております」
 
シディアス皇帝「それに対して、こちらはどのような手を打つつもりなのかな?」
 
ダース・モール「いま支配下に治めている星の住民を徹底的に絞り上げ、急ピッチで主力戦艦スターデストロイヤーを始めとする自軍兵器の増産に努めております。敵を凌駕する物量が揃いましたら、一気に反転攻勢をかける予定です」
 
シディアス皇帝「ジェダイはどうする?」
 
ダース・モール「ジェダイに対しては、わたし直属のダークフォース部隊を差し向けます。暗黒面のパワーで奴らの生っちょろいフォースなど一蹴してやりますわ」
 
シディアス皇帝「ふっ。モール卿は勇猛果敢だが、少々知恵に欠けるところがあるようだな。ターキン総督、そちはどういう作戦を考えておるか?」
 
ターキン総督「はっ。共和国軍内には当方への内通者がおります。その者を使って情報を集め、敵の裏をかくつもりです」
 
シディアス皇帝「なるほど。こちらは些か知的でスマートな匂いがするな。二人とも期待しておるぞ。良い報告を待っている。以上だ」
 
 ターキン総督とダース・モールは同時に「はっ」と敬礼する。
 
 
 共和国軍の基地内で作戦会議をしているランド提督やシータ提督と幕僚たち。ジェダイ騎士団からは、ヨーダとキラーレ騎士長が出席している。
 宇宙空間。
 共和国のXウィングファイターと帝国軍のTIEファイターによるバトル。
 宇宙戦艦同士の撃ち合い。
 それら戦闘の様子を短めに映す。
 
 
 ジェダイ騎士団本部。
 騎士たちはみな戦場へ出払っているので、内部はがらんとしている。
 留守を命じられた五人は、訓練の無い時間、城の中をモップや雑巾で掃除している。
 季節は真夏で、外はカンカン照り。蒸し暑い。
カイル以外の四人は、例によってうんざりした表情。
 
クワイ「あー、つまんねえな。こんな事なら戦場へ連れていってもらいたかったぜ、俺は」
 
アナキン「なぜ俺たちだけ留守番なんだよ?」
 
タノ「俺たちは先日の件で謹慎処分中だからね」

カイル「そもそも僕たちはまだ正式にジェダイの騎士と認められていないんだよ」
 
アナキン「ふん。実際に戦わせてもらえば、誰にも負けない自信があるけどな」
 
ムンディ「まぁ、うるさい総長がいないだけマシだと思いましょうよ」
 
アナキン「あいつ、ホントむかつくよな。上の人間にはおべっかばかり使いやがって。そのくせ俺たち下の者には厳しくてさ。ジェダイ騎士団の中でも嫌われているんだろう?」
 
カイル「まぁ、実際のところ、キラーレ総長を慕っている人はいないね」
 
クワイ「なぜあんな奴が出世できたんだ? 噂ではフォースの使い手ではないという話じゃないか」
 
カイル「彼は事務畑だからね。長年、共和国軍の総務を担当していたんだ。その事務能力の高さが評価されてジェダイ軍に呼ばれたらしい。なにしろ、ジェダイの騎士は、外で戦う事は得意でも、部屋の中で机に座って事務作業をするのが苦手な人たちばかりだからね」
 
ムンディ「総長は、他の人と違って、数字やデーターに細かい性格だものね」
 
タノ「単にケツの穴が小さいだけだろう」
 
ムンディ「要領が良いんだよ、きっと」
 
アナキン「とにかく俺は嫌いだな、あんな奴。あいつは大騎士のジジイとは違う」
 
クワイ「大騎士の凄さは、このあいだの件で心底思い知らされたからなぁ」 
 
カイル「ヨーダ様の力を思い知ったかい?」
 
タノ「ああ、骨の髄までね。それにしても、あんなに強いとは・・・」
 
ムンディ「びっくりしたよね」
 
クワイ「恐ろしい・・・」
 
アナキン「でも、俺は好きだ。俺はジジイのような強い奴しか信じねえ」
 
 そう言いながらアナキンが二階の窓から遠い青空の彼方を眺めていると、突然その顔に冷たい水が浴びせかけられる。びっくりするアナキン。
 若い女の子の笑い声。
 アナキンが下に目をやると、水着姿(当然、ビキニ)のパドメが、水がちょろちょろ出ているゴムホースを手に持って笑っている。
少し離れた場所の涼しい木陰で待機しているR2D2.
 
パドメ「目が醒めた? おバカさん」

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