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Channel: 行政書士ふじまるの趣味のページ
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感動の最終回その1「宇宙戦艦ヤマト」

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 愛川欣也さんがお亡くなりになりました。愛川さんというと、一般の方が思い浮かべるイメージは、「なるほど!ザ・ワールド」や「出没!アド街ック天国」等の司会者、あるいは菅原文太さんと共演した映画「トラック野郎」シリーズなどに出演した俳優かと思います。
 そいうえば愛川さんは俳優として、私の最も愛するNHK大河ドラマ「花神」や、私の最も愛するNHK朝の連続テレビ小説「マー姉ちゃん」にも出演し、味のある演技を見せてくださいましたね。

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 しかしながら、私たちの世代にとっては、愛川さんはアニメの声優というイメージが最も強いのです。当ブログの記事「大好きなアニメソングその2」でご紹介したアニメ「スーパースリー」のバラバラのマイトの声や、アニメ「いなかっぺ大将」のニャンコ先生の声などが懐かしいなぁ。

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 それから「おはよう!こどもショー」のロバくん。

   ロバくん ロバくん ロバくんの
   大きなお目々かわいいな
   まんまるクルクルかわいいね
   そんでもってカッコいいね

 どなたの作詞作曲か存じ上げませんけど、上のような「ロバくんのうた」をよく口ずさんでおりました、幼少の折にワタクシは。だって、可愛いロバくんが大好きだったんですもんw

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 愛川欣也さん。マルチな才能を持った素晴らしいタレントさんでした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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 さて、愛川さんの名前が出たところで、今回はアニメのお話です。

 以前、当ブログの記事「タツノコプロのアニメ」で取り上げました「科学忍者隊ガッチャマン」の最終回のように、昔のアニメや特撮ヒーローものには、観ている子供たちに強い感銘を与え、人生の意義を深く教えてくれるような感動的な最終回がいくつかありましたので、これから数回に分けてそれらをご紹介していこうと思います。

 第1回目の今日は「宇宙戦艦ヤマト」です。

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 「宇宙戦艦ヤマト」・・・これこそが私たちの世代の男子を最も熱くさせたアニメです。
 そして、この作品からアニメ《おたく》の時代が始まり、アニメの声優がアイドル並みに人気を博するようになったのです。
 かく言う私も、《おたく》少年の一人として「宇宙戦艦ヤマト」に熱狂し、本作のプロデューサーであり原作者でもある西崎義展さん(色々と問題の多い人でしたけど)によるラジオの特番にじっと耳を傾けていたものです。以前にもどこかで申しましたけど、昔はラジオが《おたく》の情報源だったのです。

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 ちなみに、「宇宙戦艦ヤマト」の原作者は漫画家の松本零士先生だと思っている方がいらっしゃるかもしれませんけど、松本先生が番組に参加した時点で、すでにヤマトのおおまかな骨組みは出来ていたそうですので、原作者とは言い難いですね。
 松本零士先生原作の漫画では、私は「男おいどん」が独特の哀愁が漂っていて好きでした。

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 空飛ぶ戦艦というのなら、ヤマト以前にも、当ブログの記事「大好きな日本映画その1」でご紹介した映画「海底軍艦」(1963)の轟天号や、

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 特撮テレビドラマ「マイティジャック」のマイティ号などがありましたけど、

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 ヤマトがそれらと決定的に違うのは、圧倒的なリアル感の高さでした。

 西暦2199年、ガミラス星人の攻撃により地球生命が滅亡しかかっているところから、この物語は始まります。
 ガミラスが落としてくる《遊星爆弾》により地球表面は放射能で汚染され、火星のような赤茶けた姿に変貌している。
 人類は地下都市を作り、必死にガミラスに対して抵抗するものの、地球の科学力では到底ガミラスには歯が立たず、地球防衛軍の宇宙戦艦は悉くガミラス艦に撃破される。また、地球表面を覆った放射能は次第に地下を侵食し、あと1年で地下都市も放射能まみれになる。
 すなわち、人類絶滅まであと1年。
 そんな時、地球から14万8000光年離れた大マゼラン星雲(現在ではもう《星雲》という言葉は使われませんな。銀河ですよね、正しくは)内のイスカンダルという星からメッセージが届く。自分たちの星には放射能除去装置があるから取りに来い、と。そして、その旅を可能にする波動エンジンの設計図が添えてある。
 かくして、波動エンジンを搭載した宇宙戦艦ヤマトは、1年間で14万8000光年を往復する旅に出るのであった・・・というのが、おおまかなストーリーです。

 いま申しました波動エンジンというアイテムのリアルさに、私ら当時の少年はまず魅了されたのです。なぜなら、それ以前の子供向け作品では、エンジンがクローズアップされる事など皆無だったからです。
 どでかい波動エンジンの描写は、メカに対して強い憧れを抱く少年の心を鷲掴みに致しました。

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 また、地球防衛軍宇宙戦艦の、ちょっとダサい、無骨なデザインも、逆にリアル感があって良かったです。

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 そして、それら宇宙戦艦を動かし方。
 それまでの作品では、主人公の少年が一人で自由気ままにスイスイ運転していた宇宙船が、ヤマトでは乗組員による共同作業となり、艦長の指示にいちいち部下たちが復誦しながら動かしてゆくそのリアルさに、私たちはとても新鮮な思いがし、かつシビれたのです。

 ヤマト発進のシーンが好きです。
 第二次世界大戦で海に沈んだ戦艦大和の残骸にカモフラージュされて密かに建造された宇宙戦艦ヤマト(昔の戦艦大和の形にカモフラージュするのは無理な気がするのですけど、フォルム的に・・・)。いよいよ発進間際という時、ガミラスはヤマトの存在に気づき、超大型ミサイルを発射する。刻一刻と近づいて来るミサイル。しかし、ヤマトはエネルギーが120%充填されるまで動こうとはしない。

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 ヤマトのエネルギー充填率が120%に達し、遂にヤマト発進。
 艦長「発進準備」
 航海長「発進準備」
 艦長「主砲発射準備」
 戦闘隊長「主砲発射準備」
 艦長「ヤマト発進!」
 航海長「ヤマト発進します」
 表面を覆っていた泥が流れ落ちて、ヤマトがぐわーんと姿を現す。

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 艦長「右15度旋回」
 航海長「右15度旋回」
 戦闘隊長「ショックガン動力伝導。自動追尾装置作動。誤差修正上下角3度。目標ヤマトの軸線に乗りました」
 艦長「発射!」
 戦闘隊長「発射!」
 と、こういうようなやりとりがあって主砲が発射されるところに、その段取りのリアルな細かさに、私たちは魅了されたのです。

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 「宇宙戦艦ヤマト」は1974年にテレビ放送されました。
 初放送時は、アニメ「アルプスの少女ハイジ」の裏番組でしたので、視聴率が伸びませんでした。ヤマトが評価されたのは再放送の時からです。当時のテレビは夕方6時の時間帯にアニメの再放送を流していたのです(今は各局ニュースばかりですけど)。
 私も初放送時にはヤマトを観ておらず(ハイジを観ていた)、夕方の再放送でヤマトを観てファンになりました。ここらへんは「ルパン三世」の人気の出方と似ておりますね。

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 人気に火がついたヤマトは、何本も映画化され、続編が何作も作られ、2010年にはキムタク主演の実写版映画「SPACE BATTLE SHIPヤマト」までもが作られましたけど、私が認めるのは1974年の第1作目のみです。他の作品には興味がありません。
 ただ、2作目の映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」(1978)に登場した宇宙戦艦アンドロメダはカッコ良くて好きですけどね(照笑)。

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 宇宙戦艦ヤマトを最初に観た時は、奇妙な形に思えましたね。
 まず、艦底から第三艦橋がでっぱっているところがビックリでした。あんなのがあったら、着地したとき潰れちゃうじゃないのよと思って。
 第一艦橋の上のいちばん高い場所に艦長室があるところは素敵でしたね、ペントハウスみたいで。
 そして、最も奇妙に思えたのが、艦首にある大きな穴。後にそこから波動砲という必殺の武器が発射されることを知るのですけど、最初に観たときは「何じゃこりゃ?」とただただ変てこりんなものに思えました(ちなみに波動砲が発射される直前、発射口にキラキラと光の粒が集まるところが好きです)。

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 では、「宇宙戦艦ヤマト」の登場人物をご紹介いたします。

 ヤマトの艦長は、沖田十三。日露戦争の乃木将軍と東郷平八郎連合艦隊司令長官を合わせたイメージの人なんですかね。松本零士先生は、自分の父親をイメージして描いたとおっしゃっているようですけど。
 ところで、ウィキペディア情報によりますと、この沖田艦長は52歳の設定なんですと。ギョギョ、そんなにお若かったの? あたしゃまた70歳くらいかと思っておりました。だって、現在52歳の有名人と言えば、トム・クルーズよ。日本人なら俳優の豊川悦司さんや歌手の藤井フミヤさんですよ。あるいは松田聖子さんですよ。彼らと同級生にはとても見えませんでしょうに。

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 古代進戦闘隊長と島大介航海長が、本作の実質的な主人公でしょうね。

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 そして、宇宙戦艦ヤマトの紅一点(女性乗組員が一人しかいないというのは不自然すぎるのですけど、松本零士先生は女性を1種類、すなわち髪が長いスレンダーな美女しか描けませんので、彼にキャラクター設定を任せるとこうなりますわな)、森雪ちゃん。

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 先ほど話に出たキムタク主演の実写版では、黒木メイサさんが演じておりましたな。役に合っていたかどうかはともかく、メイサちゃんは好きです。セクシーですから。あはは(汗)・・・

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 アニメでも、森雪ちゃんはセクシー部門の担当でした。特にワープ(超光速走行)のシーンで、中学生だったワタクシはドキドキいたしましたねぇ、ほんまに(苦笑)。

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 森雪の声を担当した麻上洋子さんは、アイドル声優の第一号となり、アニメ「アルプスの少女ハイジ」のクララ役や「未来少年コナン」のモンスリー役でお馴染みの吉田理保子さんと共に、ラジオ「アニメトピア」の初代パーソナリティを務め、その延長で「街角のカフェ」というレコードを発表したというのは、当ブログの記事「ユーチューブでよく聴く曲(カオス篇)」に書いた通りであります。

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 ガミラス星のトップが、デスラー総統。いつもニヤついている、いけ好かない、キザったらしい奴ですw

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 このデスラー総統の声を担当していたのが、伊武雅刀さん。愛川欣也さん同様、後に俳優としても大成するマルチな才能の持ち主です。
 伊武さんのレコード「子供達を責めないで」が好きでした。可笑しくて、くだらなくて。

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 「ターゲットスコープ、オープン! 電影クロスゲージ、明度20!」
 てな感じで波動砲を発射してガミラス軍を蹴散らしながら一路イスカンダルを目指していたヤマトの前に最大の敵が立ちふさがります。
 それが、ガミラス軍の英雄、ドメル将軍です。

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 そして、ドメル将軍率いるドメル艦隊との七色星団での決戦が、「宇宙戦艦ヤマト」のハイライトとなります。
 いやー、興奮しますねぇ。
 このドメル将軍、後ろから見ると見事な逆三角形のボディをしていて、カッコ良いんですわ。デスラー総統がドイツのヒトラーなら、ドメル将軍はロンメル将軍のイメージなのでしょうね。人格的にも立派な軍人さんでした。
 また、ドメル艦隊の三段式空母が素敵。カッチョ良すぎます。

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 ドメル艦隊第一空母から発進した戦闘機隊が、まずヤマトの戦闘機隊(コスモゼロとブラックタイガー)を引きつけ、ヤマトから離します。
 ちなみに、ヤマトの後部にはカタパルト(射出機)が付いているのですけど、そこから発進するのはいつもコスモゼロだけで、ブラックタイガーはヤマトのお尻から発進。どして? せっかく付いているカタパルトは、コスモゼロ1機のためだけのものなの?

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 戦闘機隊がヤマトから離れた隙に、第二空母から発進した急降下爆撃機が、瞬間物質移動装置によってヤマト上空に現れ、急降下爆撃をおこなうというのですけど、上も下も無い宇宙空間で急降下もへったくれもないでしょうが、それにどうせ攻撃するのなら何も武器が付いていない艦底の方からしなよ、と思ったのは私だけでしょうか?

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 急降下爆撃機のあと、第三空母から発進した雷撃機による攻撃を受け、

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 最後に戦闘空母から発進した大型戦闘機のドリルミサイルで、波動砲の発射口が塞がれてしまいます。このシーンって何だかとってもエロいですよね。うふw

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 ドリルミサイルは、間抜けな事に先端部分から中へ入れる構造になっており、中に入った真田技士長がドリルを逆回転させ、ヤマトは何とか危機を脱する(あまりにも都合の良い展開に思えますけど・・・)。

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 ドメル将軍との死闘に勝利したヤマトは、ガミラス星本体も壊滅させ、遂にイスカンダルへ到着する。

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 イスカンダルでは、ガミラス軍との戦闘で死んだと思われていた古代進の兄・古代守が、女王スターシアによって保護されていた。
 ヤマトと共に地球へ帰ろうとする古代守。それを見送るスターシア。

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 しかし、イスカンダルでの日々の中で、二人は愛し合うようになっていたのである。ジャンジャン。
 悲しげに守を見つめ、かすかに顔を横に振った後(この時のスターシアの表情が実に良い!)、
「愛しているわ、守」
 そう言って、泣きながらタラップを駆け降りてゆくスターシア。

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 スターシアを追いかける守。

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 そして、二人は船上でひしっと抱き合うのであった。
 スターシアと共にそのままイスカンダルへ残ることに決めた守。
 こういう展開も、それまでの子供向きアニメではとんとお目にかかったことがありませんでしたので、とても新鮮であり、私たちはうっとりと見とれたものです、この素敵な愛の物語に。

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 遂に地球へ戻って来たヤマト。
 しかし、宇宙伝染病に侵された沖田艦長の肉体は、もう限界を迎えていた。
「佐渡先生、わしをしばらく一人にしてはくれんか」
 近づく地球を目の前に、そう言って主治医を部屋の外へ出した沖田艦長は、ベッドの下から家族の写真を取り出して眺めると
「地球か・・・何もかもすべて懐かしい」
 とつぶやき、静かに息を引き取る。

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 実に感動的なラストでした。
 再放送でヤマトを観ていたとき、初放送時にヤマトを観た友達から
「最後に艦長が死ぬんだぜ」
 と聞かされてビックリした記憶があります。主要登場人物が死ぬなんて、子供向けアニメの世界ではありえなかったからです。
 しかし、実際にこの最終回を観て、私は納得いたしました。
 沖田艦長の死のシーンは、私に命の重さみたいなものを教えてくれた気が致します。

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 ガンダムとかエヴァンゲリオンとか、この後も優れたアニメが登場いたしましたけど、私の世代は何と言ってもヤマトです。ヤマトなんです。
 今でも大好きです、「宇宙戦艦ヤマト」!

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