梅雨に入って急に肌寒くなりました。へいっくしょん! ああ風邪気味だわ。
今夜放送のAKB48総選挙、またもや指原莉乃ちゃんが1位なのでしょうか? まゆゆ頑張れ!
当ブログを愛読してくださっている皆さんは、私が単なるスケベでヲタな中年オヤジだということを、よくご存知かと思います。そのスケベな私は、夜、気分転換に、しばしばFC2ライブ配信というのを覗きます。
ニコ生放送なども同じなのでしょうけど、これは一般素人によるライブ映像配信です。考えてみれば、パソコンと小さなカメラさえあれば、誰だって全世界の人が視聴可能な放送局を開設できるんですから、すごいですよね、ネット社会の現代は。
そして、このライブ配信が従来のテレビ放送と違うところは、視聴者もコメントを書いて送ることにより配信に参加できる点です。すなわち、視聴者が書いたコメントは瞬時に配信者へ届きますので、それに対して配信者がコメントを返したり、リクエストに応えたりと、双方向でのやりとりが可能なわけです。
このユニークなライブ配信で私が観るのは、もちろんアダルト版です(汗)。そこでは素人(なのかな?)の女性たちが、あられもない姿を晒しています。通常は無料で始まって、途中から有料放送へ切り替わるというパターンでして、流石に今さらお金を払ってまでも観たいという気持ちにはなりませんので、私はいつも無料放送止まりなのですけど、それでもけっこう楽しめます。女装のオカマ野郎もたくさんおります。とにかく、本当にここは日本なのかと目を疑うほど、淫乱と変態による無法地帯と化しているのがライブ配信放送なのです(ちなみに私はその中で林檎を丸一個アナルに入れるアナル姉さんと芸術的なナイスボディの持ち主であるラムちゃんのファンですw)。
ところが、数日前、FC2でライブ配信をしていた《帽子君》と名乗る男が逮捕されました、公然わいせつ罪で。2年ほど前にも《谷山みぃ》と名乗っていた主婦が、やはり人前で性器を晒したとして公然わいせつ罪で逮捕されております。
私は《帽子君》の放送は観ておりませんが、《谷山みぃ》さんの放送(その頃はもうアダルトな内容ではなく、単なる雑談放送でしたけど。ミニラと呼ぶ可愛い赤ちゃんがそばで寝ていた)は何度か拝見し、コメントを書き入れたこともあります。
もちろん私たちは法律を順守して生活しなければなりませんし、わいせつ行為はいけないんでしょうけど(私自身はポルノ解禁論者でありますけど)、どうしても「逮捕するまでのことがあるのか?」と思ってしまいます。厳重注意で充分だろう、と。
逮捕により《谷山みぃ》さんは全国に本名を晒され、もちろん親戚や友人やご近所の人たちにも知られ、日常生活が困難になる程のたいへんな目にあったはずです。それに値するほどの悪いことをしたのでしょうか、彼女は? 私には彼女が人々を幸せにする天使のように思えるのですけど・・・
さて、以前《美の完全主義者》ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画「家族の肖像」(1974)を取り上げましたけど、日本にも《美の完全主義者》と呼べる監督がおります。それが溝口健二監督・・・言わずと知れた黒澤明、小津安二郎と並ぶ日本映画界ビッグ3の一人です。
黒澤監督や小津監督と比べるとイマイチ知名度が落ちますけど、「好きな映画監督を3人挙げろ」と言われた「気狂いピエロ」(1965)のジャン・リュック・ゴダール監督が「ミゾグチ、ミゾグチ、ミゾグチ」と答えたことでも分かるように、世界の映画界に与えた影響は甚大です。
そんな溝口監督はたいへん多くの作品を撮っていらっしゃいまして、その中でサイレント時代の作品はほとんどフィルムが残っていないのですけど、残っているトーキー作品の中から私が実際に観て強い感銘を受けた溝口監督の代表作4本を、今回はご紹介させていただきます。
「西鶴一代女」(1952)
いまは娼婦に転落しているお春のそれまで辿った数奇な人生を描いた作品です。お春を演じるのは溝口作品常連の田中絹代さん。昭和を代表する名女優ですね。
ちなみに、この作品にヒントを得たジャック・リヴェット監督が、ゴダールの奥さんだった女優アンナ・カリーナ主演で撮った作品が「修道女」(1966)であります。
溝口監督の特徴であるワンシーン・ワンカットによる長回し撮影が、この作品でも随所に効いています。芝居を大切にする人でした、溝口監督は。
「雨月物語」(1953)
上田秋成原作の怪談物語を幽玄の美の中に描き出した作品です。京マチ子さん演じる妖怪が怪しく美しく色っぽい。相手役の森雅之さんも好きだなぁ。二人の共演は黒澤監督の「羅生門」(1950)に続き2回目ですね。森雅之さんの出演作では成瀬己喜男監督の「浮雲」(1955)も忘れ難いです。
「山椒大夫」(1954)
森鷗外原作のお馴染み安寿と厨子王の物語。旅の途中でさらわれた母子。母親は娼婦に売られ、子供たちは山椒大夫という荘園領主の奴隷にされるという、実に可哀想なお話です。
母親を演じるのは田中絹代さん。
息子の厨子王を演じるのは花柳喜章さん。この方はずっと後にNHK大河ドラマ「花神」で西郷隆盛を演じます。当ブログの記事「NHK大河ドラマ「花神」その16」で私は花柳さんをちゃかすような事を書きましたけど、改めてお詫びいたしますね。花柳さん、ごめんちゃい。
そして、娘の安寿役が、当ブログの記事「わが愛しの邦画大女優その1」でご紹介した香川京子さんです。美しくて、可愛くて、優しくて、しっかりしていて、聡明で・・・我が理想の女性です、香川さんは。
また、山椒大夫役の進藤英太郎さんが好きだというのも、以前書いた通りです。こういう味のある役者さんがいなくなっちまったのよね、今は。
映画のラスト・・・遂に母親との再会を果たす厨子王・・・その後、カメラは海へパンして、そこで映画が終わります。
このラストシーンに影響を受けてゴダール監督の「気狂いピエロ」のラストシーンが出来たとウィキペディアには書いてありましたけど、そうなんでしょうか? おそらくそうなんでしょうね。先にも書きました通り、ゴダールは溝口監督の大ファンですからね。
「近松物語」(1954)
近松門左衛門の戯曲を原案とする悲恋物語。
長谷川一夫さん演じる手代の茂兵衛と主人の妻おさんの道ならぬ恋の行方は?・・・というお話です。
おさん役の香川京子さんが若すぎて少し役のイメージに合わないのが欠点ですけど(出来れば京マチ子さんか山田五十鈴さんに演じてもらいたかった)、その他には文句の無い、これぞ溝口健二の最高傑作と呼べる作品です。
カットのひとつひとつが、まるで絵画のように美しく、ビシッときまっています。精神性の高さを感じさせてくれる映画です。
以上、溝口健二監督の作品をご紹介いたしました。
おそらく皆さんは「古い映画ばかりだなぁ」とお思いになったことでしょう。そして「つまらなそうだな」、「観るのはしんどそうだな」、と。
確かに最近の鉄砲をバンバン撃ち合う派手なアクション映画や宇宙人が地球を侵略してくるSF映画を観た方が単純に楽しめるでしょう。しかし、いちど「イワン雷帝」(1944)の記事にも書きました通り、そういうものは観終わったあと何も残りません。
それに対して、溝口監督の作品や「イワン雷帝」などの名作を鑑賞すると、観ているときは多少しんどいかもしれませんけど、観終わったあと必ず何かが残り、何かが自分を変え、そしてエネルギーを与えてくれます。それが芸術の力なのです。
黒澤、小津、溝口のビッグ3以外にも、山中貞雄監督の「丹下左膳餘話 百萬両の壺」(1935)、当ブログの記事「ナスターシャ・キンスキー」と「追悼・山田五十鈴」でご紹介した成瀬己喜男監督の「おかあさん」(1952)や「流れる」(1956)、勅使河原宏監督の「砂の女」(1964)、あるいは当ブログではまだご紹介しておりませんが清水宏監督の「有りがたうさん」(1936)等の作品などなど・・・邦画にも素晴らしい作品がたくさんあります。
あ、そうそう、「つづり方兄妹」(1958)と今井正監督の「キクとイサム」(1956)もお忘れなく。
別にインテリぶるつもりはありませんけど(実際、FC2のライブ配信を観て鼻の下を伸ばしている私がインテリなわけないですよね。なはは)、本当に私はこういう映画が好きなんです。
溝口健二監督作品を初めとする邦画の名作群・・・まだ観ていらっしゃらない方は、がんばってご覧になってみてくださいね。必ず何かが残りますよ。