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魅惑の映画音楽その1

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 今日は大きな地震があったのですよ・・・お昼過ぎに・・・突然グラグラっと・・・群馬は震度5弱でしたっけ?・・・けっこう長く揺れていました・・・おっかないなぁ、もう・・・
 
 テレ東「ワールドビジネスサテライト」の大江麻理子アナウンサーが結婚するんですって? がっかり(涙)。ファンだったのにぃ・・・
 
 さて、前回のジェームズ・ディーンの記事の中で映画「エデンの東」(1955)を取り上げ、そのテーマ曲は歴代映画音楽の中でトップクラスの美しさだと申しましたけど、素晴らしい映画音楽は他にもまだたくさんあるんですよ。
 すでにご紹介した作品といたしましては、
 ジョン・バリー作曲の「ある日どこかで」(1980)のテーマ曲。
 ショパンのノクターン(夜想曲)をカーメン・キャバレロがアレンジした「愛情物語」(1956)のテーマ「トゥ・ラブ・アゲイン」。
 当ブログの記事「タワーリング・インフェルノ」と「戦場にかける橋」でご紹介した「慕情」(1955)のテーマ曲。
 「スター・ウォーズ」(1977)などでお馴染みのジョン・ウィリアムズが作曲した「おしゃれ泥棒」(1966)のテーマ曲・・・があります。
 個人的には「青い体験」(1973)のテーマ曲も、聴くと下半身が条件反射的にむっくりと硬直してきて、好きだなぁ・・・あはは(汗)・・・
 
 ということで、今回から2回に分けて、映画そのものはたいした事がないのですけど、そのテーマ曲が素晴らしすぎる作品をご紹介いたします。
 中身的には、巷に溢れる名作映画音楽のラインナップと同じようになり、皆さんよくご存知の作品ばかりでつまらないかもしれませんけど、このブログは私の大好きなものをすべてご紹介するのが趣旨ですので、そこんところはご容赦くださいね。
 
 
 ☆ 「いそしぎ」(1965)のテーマ曲「シャドウ・オブ・ユア・スマイル」
 
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 前回の記事でご紹介した「ジャイアンツ」(1956)に出演したエリザベス・テイラーがシングルマザーの画家に扮し、リチャード・バートン演じる息子が通う学校の校長と不倫するお話です。
 作品としては駄作でした。ただ「いそしぎ」という題名、その日本語の響きがいいですよね。いそしぎ・・・漢字で書くと磯鴫となり面白味が消滅しますけど、ひらがなで「いそしぎ」と書くと何だか不思議なムードが醸し出されます。
 エリザベス・テイラーとリチャード・バートンは私生活上もくっついたり別れたりを繰り返しました。
 
 
 ☆ 「南太平洋」(1949)のテーマ曲「魅惑の宵」
 
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 この映画は、子供のころ両親と一緒にテレビで観たはずなのですけど、内容はまったく記憶にありません。
 でも、「サウンド・オブ・ミュージック」(1959)などを作ったリチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世のコンビによる音楽は、美しすぎますわな。
 
 
 ☆ 「黒いオルフェ」(1959)のテーマ曲「カーニバルの朝」
 
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 ブラジルはリオのカーニバルを舞台にした映画。あまり面白くなかった記憶しかありません。でも、ルイス・ボンファの音楽は素敵でした。
 村上龍さんの小説「限りなく透明に近いブルー」の乱交パーティのシーンに「音楽はルイス・ボンファのゆったりとしたサンバ」という一文がありましたけど、それってこの曲のことでしょうか? 
 
 
 ☆ 「ロミオとジュリエット」(1968)のテーマ曲
 
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 当ブログの記事「遠藤周作の怪奇小説集」で一度ご紹介したオリビア・ハッセー主演の映画。ハッセーはこの作品のジュリエット役で世界的なアイドルとなり、私が中学生の頃は日本でも大人気でした。
 その後、ハッセーは1980年に角川映画「復活の日」に出演し、歌手の布施明さんと結婚します(後に離婚)。
 杏里さんが歌った名曲「オリビアを聴きながら」(作詞作曲・尾崎亜美)のオリビアとは、歌手のオリビア・ニュートン=ジョンのことでしょうけど、私にとってオリビアといえばオリビア・ハッセーしかおりませんです。
 
 
 ☆ 「シェルブールの雨傘」のテーマ曲
 
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 セリフがすべて歌という、考えようによっちゃアホみたいな映画。ただし内容は深刻なものでしたけど。
 当ブログの記事「フレンチ・コネクション」と「ルイス・ブニュエル」でご紹介した通り、主演のカトリーヌ・ドヌーヴが、私は大好きです。
 
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 本作では単なるカワイ子ちゃんでしたけど、その後《魔性の女》に変貌します。
 
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 色っぽいですう、カトリーヌ様。あなたと一緒なら破滅してもいい(苦笑)。
 
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 ☆ 「世界残酷物語」(1962)のテーマ曲「モア」
 
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 昔は今のようにインターネットがありませんし、テレビもまだまだ未成熟でしたので、世界の果てまで行って、そこに住む人々の生活や珍しい風俗などを取材してくるのは、専ら映画の役割でした。
 そんな時代に、《やらせ》を使った怪しげなドキュメンタリー映画を作っていたのが、本作のヤコペッティ監督です。
 この「世界残酷物語」は、その物珍しさから世界中で大ヒットし、続編(1963)も作られました。私なんぞは続編に登場した、お金を払えば若い女の子とキスが出来るコーナーに並ぶ入れ歯のおじいちゃんが忘れられません。
 ヤコペッティ監督は、その後「ヤコペッティの大残酷」(1975)なるドキュメンタリーじゃない普通の映画を作り(最近ようやくDVD化されました)、これは私が中学生の時に公開されました。相当ぶっ飛んだ作品でしたけど、ミシェル・ミラーという女優さんが演じるクネゴンダ姫がエッチで可愛くて、私はけっこう好きでした。
 
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 ミシェル・ミラーさんは、私が20代のころ活躍したAV女優・沙羅樹さんにちょいと雰囲気が似ていましたね。え? そんな人だれも知らないって? うるうる。
 
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 ☆ 「ある愛の詩」(1970)のテーマ曲
 
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 「愛とは決して後悔しないこと」
 というラストのセリフがきまったライアン・オニールとアリ・マッグロー主演の純愛映画です。テレビ放映時には二人の声を三浦友和さんと山口百恵さんが吹き替えていました。
 また、アリ・マッグローは後に「ゲッタウェイ」(1972)で共演したスティーブ・マックイーンと結婚します。
 
 
 ☆ 「男と女」(1966)のテーマ曲
 
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 「ダバダバダ」という男女のスキャットが印象的なフランシス・レイ作曲のテーマ曲が有名です。
 カーレーサー役のジャン=ルイ・トランティニャンとアヌーク・エーメが中年男女の恋を演じます。
 劇中、トランティニャンがフォードGT40を運転していましたね。カッコ良かった。
 
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 それから、アヌーク・エーメ・・・私は彼女の大ファンです。当ブログの記事「気になる女性たち3(昔のいい女篇)」でご紹介した阿川泰子さんに似た感じのクール・ビューティです。
 
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 ただし、「男と女」の時は、残念ながらちょっくら老けておりましたね。老けると険しい顔立ちになるんですよね、彼女は。
 アヌークが最も輝いていたのは、まずはジェラール・フィリップが画家モディリアーニを演じた「モンパルナスの灯」(1958)。
 
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 アヌークはモディリアーニが病死した2日後に自殺した内縁の妻ジャンヌ・エビュテルヌを演じました。
 
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 そして、フェデリコ・フェリーニ監督の「甘い生活」(1960)での金持ちの有閑マダム役。
 
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 独特の気品とけだるい雰囲気が最高でした。
 
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 横からの眺めは、まるでピカソの絵みたいな美しいラインです。
 
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 サングラス姿もバッチリ決まっています。
 
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 大好きですう、アヌーク!
 
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魅惑の映画音楽その2

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 お彼岸ですね。お墓参りに行きましょうか。
 
 テレ東京の大江麻理子アナに続き、今度は女優の仲間由紀恵さんが結婚。ガッカリ。おじさんは悲しいわぁ(苦笑)。
 
 小栗旬さん主演の映画「ルパン三世」が、けっこうヒットしているとか? まったく、世の中、もの好きな人が多いでんなぁ。
 
 さて、前回に引き続き、魅惑の映画音楽をご紹介する第2弾です。中身的には王道の名曲ばかりで、当たり前すぎて面白くないかもしれませんけど、それでもいいものはいいので、ぜひお聴きくださいね。ヨロシクです♪
 
 
 ☆ 「ひまわり」(1970)のテーマ曲
 
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 戦争で引き裂かれた夫婦の悲劇を描いた本作のテーマ曲を作曲したのは、ヘンリー・マンシーニ。美しすぎる名曲です。
 主人公の夫婦を演じたマルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンは、同じヴィットリオ・デ・シーカ監督の「昨日・今日・明日」(1963)でも夫婦を演じていました。こちらもいい映画ですから、ぜひご覧になってください。
 
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 それにしても、この頃のソフィア・ローレンって、米倉涼子さんにそっくりでしたね。
 
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 ☆ 「避暑地の出来事」(1959)のテーマ曲「夏の日の恋」
 
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 この作品を、私は観ておりません。
 しかし、マックス・スタイナーが作曲し、パーシー・フェイスがカバーした本作のテーマ曲「夏の日の恋」は、よく耳にしますし、大好きです。これも美しすぎますよね。
 
 
 ☆ 「夜霧のしのび逢い」(1963)のテーマ曲
 
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 ほんらい映画(本作も私は未見です)とは関係ない曲らしいのですけど、日本ではクロード・チアリさんのギター演奏ですっかりお馴染みの名曲です。
 チアリさん・・・昔はテレビ番組によくご出演なさっていましたけど、最近はあまりお姿を拝見しません。お元気でしょうか?
 
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 ☆ 「ティファニーで朝食を」(1961)のテーマ曲「ムーン・リバー」
 
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 トルーマン・カポーティの原作小説を、《世界の妖精》オードリー・ヘプバーン主演で映画化した作品で、音楽担当は「ひまわり」と同じヘンリー・マンシーニでした。
 劇中、オードリーがギターを弾きながら「ムーン・リバー」を歌うシーンは素敵ですよね。
 
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 ヘンリー・マンシーニの作品では「刑事コロンボ」のテーマ曲も有名です。
 
 また、オードリーの出演作では、「サウンド・オブ・ミュージック」(1965)の記事でいちど言及した、「マイ・フェア・レディ」(1964)の音楽も忘れられません。
 
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 「スペインの雨」や「君住む街角で」などの名曲が続く中で、やっぱり一番いいのは「踊り明かそう」(I Could Have Danced All Night)ですね。
 実際に歌っているのはマニー・ニクソンという人ですけど(最近オードリー自身が歌ったバージョンもDVDに収録された)、聴くと心がウキウキしちゃう名曲です。
 
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 ☆ 「白い恋人たち」(1968)のテーマ曲
 
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 1968年グルノーブル冬季オリンピックの記録映画です。
 この作品も私は観ていないのですけど、前回ご紹介した「男と女」(1966)や「ある愛の詩」(1970)のテーマ曲を作曲したフランシス・レイによるこの曲は、これまた美しすぎますわな。
 
 
 ☆ 「野生のエルザ」(1966)のテーマ曲「ボーン・フリー」
 
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 親とはぐれた仔ライオンとの生活を描いた実話の映画化です。
 音楽担当は、007シリーズや、私がことのほか愛する映画「ある日どこかで」(1980)のジョン・バリー。優しくて、繊細で、それでいて雄大な、ホントいい曲です。
 
 
 ☆ 「八十二日間世界一周」(1956)のテーマ曲
 
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 ジュール・ヴェルヌの小説の映画化。
 ヴィクター・ヤングによるこの作品のテーマ曲を聴くたびに、子供のころ日曜日の朝に放送していたテレビ番組「兼高かおる世界の旅」を思い出すのは、私だけでしょうか?
 
 
 ☆ 「ショウほど素敵な商売はない」(1954)のテーマ曲
 
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 ボードビリアン(日本で言えば寄席芸人)の一家を主人公にしたミュージカル映画です。
 「ショウほど素敵な商売はない」という曲は、もともと1950年に映画化もされた「アニーよ銃をとれ」というミュージカルの中の1曲でした。
 聴く者に元気を与えてくれる名曲で、私は大好きです。
 
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 この作品は本来《ブロードウェイの女王》の異名を持つエセル・マーマン演じる肝っ玉かあさんの物語だったはずなのですけれど、
 
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 後に世界のスーパースターとなるマリリン・モンローがわき役で出ていたため、今ではモンローの出演作としてしか語られなくなってしまいました。
 
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 そのモンローですけど、やっぱり魅力的ですよね。
 ファラ・フォーセットの記事に書きました通り、アメリカでセックス・シンボルとなる女優さんは、本当に肉感的な人ではなく、どちらかと言えば小柄で可愛い人なんですよね。モンローがまさにそうでした。
 
 それからモンローの歌声・・・これががまたいいのよ。モンローは歌心を持った女優さんでした。
 
 そんなモンローの最高傑作はビリー・ワイルダー監督の「お熱いのがお好き」(1959)です。
 
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 本作が白黒映画だと知ったモンローは、たちまち機嫌を悪くし、それと共に薬やアルコールの依存症もあって撮影中はトラブルの連続だったらしいですけど、この作品以上にモンローの魅力をうまく引き出している映画は他に無いと思います。
 特に列車の中でモンローがウクレレを弾きながら「Running Wild」を歌うシーン・・・小さなお人形さんみたいに可愛くて・・・もう素晴らしすぎます。
 
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 そして、舞台上でモンローが歌う「I Wanna Be Loved by You」。
 最高です。ププッピ・ドゥ♡
 
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 モンローのあどけない笑顔。
 
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 機嫌悪そうにしている時の横顔。
 
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 本当に可愛らしい女性でした。
 絵になる女優さん。
 大好きです、マリリン・モンロー。
 
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マルクス兄弟

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 大好評だったNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」が遂に、今日、最終回を迎えましたね。面白いドラマでしたので何となく名残惜しいです。
 このドラマの主人公・村岡花子のお孫さんが書いた本「アンのゆりかご-村岡花子の生涯」を読みますと、「赤毛のアン」の出版に尽力し、本のタイトルを「赤毛のアン」にしようと提案した若い編集者は、出版社倒産後、北海道北見北斗高校の社会科教師になったと書いてありましたけど、あら、北見北斗っておいらの母校じゃん!
 急に親しみがわいてきましたw
 
 ドカベン香川さんがお亡くなりになりました。私が北見北斗高校に通っていた頃から活躍されていた方ですので残念です。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 
 デブといえば(別に香川さんがデブだったと言っているわけじゃないんですよ。デブでしたけど。あはは・・・)、大相撲、逸ノ城の勢いが止まりませんね。
 これから10年くらいは逸ノ城の時代が続くんでしょうね。それにしても遠藤は何やってんだ、コラ。
 
 また性懲りも無くアダルトサイトを覗いていましたところ(汗)、料金請求の画面が消えなくなってしまいました。以前はシステムの復元をすることで消えたのですけど、今回のものはシステムを復元しても消えません。恥を忍んでいつも修理を頼むパソコン会社に電話しましたところ
「料金は8,000円から10,000円です」
 8,000円だぁ? そんなら自分で直すわい!
 ということで、ネットで情報を集め、請求画面消しに挑戦じゃい!
 まずはタスクマネージャー内のmshta.exeを終了させ、タスクスケジューラー内に書き込まれていたRedWriteとSystemBootを削除します。
 これでいったん請求画面は消えるのですけど、パソコンを起動すると再び画面が復活する仕掛けがしてありますので、そいつも削除しなければなりません。
 レジストリ(regedit)を開き、その中のHKEY_CURRENT_USERを開いて、Software→Microsoft→Windows→CurrentVersionへと遡り、ようやく辿り着いたRunとRunOnceに書き込まれているmshtaのタグを削除して終了。ふぅ、疲れた。
 たいへんですけど、パソコンの勉強になりますので、皆さんもアダルトサイトを見ましょうね(笑)。
 あ、念のために言っておきますけど、変な請求画面が出ても、お金を払う必要は一切ありませんからね。こういうのをワンクリック詐欺と呼びます。完全無視してくださいね。
 
 このところ従軍慰安婦に関する記事の件などで朝日新聞がさんざん叩かれていますけど(当然だわな)、朝日と一緒になってありもしない従軍慰安婦問題を煽り、日本の国益を大いに害した非国民が、ジャーナリストの本多勝一です。私が中校生から(北見北斗)高校生の頃は「貧困なる精神」等の著書で大活躍していました。
 その本多勝一について、彼が人気絶頂だった1970年代半ばに、我らが今東光和尚が、歴史的名著「続・極道辻説法」の中で、こう述べています。
 
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 ・・・本多勝一というのは朝日の、あのつまらねえ野郎じゃねえか? 朝日新聞かなんか大新聞を楯にとって、遠吠えしてるだけでよ。こんなやつ、新聞社から放り出されたら、何も読んだり書いたりできやしねえさ。一匹狼にもなれねえ哀れな男で、朝日というバックがあればこそ一人前の顔していられるわけだ・・・
 
 さすが今東光和尚。本多勝一の本質を的確に見抜いていらっしゃいました。
 
 さて、前フリはこれくらいにして、前回の記事の最後にボードビリアンの一家を描いたミュージカル映画「ショウほど素敵な商売はない」(1954)のお話をさせていただきましたけど、この映画のようにボードビリアンの家庭に生まれ、長じると兄弟で各地を回って喜劇の舞台に立っていたのが、今回ご紹介するマルクス兄弟(マルクス・ブラザースと表記されることもある)です。
 ちなみに「資本論」を書いたカール・マルクスと彼らは何の関係もありませんからね。
 舞台で人気を博したマルクス兄弟は活躍の場を映画に移し、映画の世界でも人気者になります。
 
 そうそう、マルクス兄弟は「ラブ・ハッピー」(1949)という映画(私は未見ですけど)で、駆け出し女優時代のマリリン・モンローとも共演しています。
 
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 マルクス兄弟は、元々は5人兄弟だったらしいのですけど、4男のガンモは映画には出演せず、5男のゼッポも「我輩はカモである」(1933)以降メンバーから外れましたので、一般的にはこの3人。
 
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 向かって左からグルーチョ、チコ、ハーポ、です。
 
 まずは墨で描かれた太い髭と眉毛が特徴的なグルーチョ。わけの分からない詭弁をしゃべりまくるマシンガントークと腰をかがめたアヒルみたいな歩き方がトレードマークです。また、ダンスを得意としています。
 
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 グルーチョのパートナー役でよく登場するのが、マーガレット・デュモンという女優さん。彼女が演じる大柄なお金持ちの未亡人と小柄なグルーチョの組合せが、何とも言えぬ可笑しみを誘います。
 
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 一見するとグルーチョが長男っぽいですが、実は3男でして、長男がチコで次男がハーポ。
 医者や政治家などのインテリを演じるグルーチョに、怪しげなチコとハーポがからんでくるというのが、毎度のパターンです。
 
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 チコは、山小屋の管理人みたいな恰好をした、いかにも世間の荒波に揉まれてきたような、貧相な顔の男ですけど、劇中では必ず顔に似合わぬ見事なピアノ演奏を披露してくれます。
 指を踊らせながら演奏するチコのピアノ。うっとりします。
 
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 チコとは正反対にファンタジーな風貌のハーポ。唖の設定で口笛やラッパで返事をします。また、ドラえもんのようにポケットから何でも出て来ます。可愛くて、悪戯好きで、マルクス兄弟のマスコット的存在です。日本のお笑い芸人でいえばネプチューンの堀内健さんみたいなタイプでしょうか?
 ハーポはハープの演奏を見せてくれます。これまたうっとりする腕前です。
 
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 1973年ころ「ビバ!チャップリン」と題して、チャップリンの映画が大々的にリバイバル上映されました。中学生だった私は、そのとき初めてチャップリンの映画を観ました。
 
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 同じように、1984年、「マルクスブラザース・フェステイバル」と題して、マルクス兄弟の「マルクス兄弟・オペラは踊る」(1935)や「マルクス一番乗り」(1937)等が、リバイバル上映されました。
 
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 私が初めてマルクス兄弟の映画を観たのが、この時です。新宿の映画館で観たのですけど、観終わった後、劇場内は拍手喝采でしたね。あまりにも楽しくて。
 ミュージカル仕掛けで、歌あり、踊りあり、笑いあり、のマルクス兄弟の映画は、観る者を幸せな気持ちにさせてくれる宝物です。
 
 同じ喜劇でも、チャップリンの映画は名人芸の喜劇、日本で言えば藤山寛美さんの松竹新喜劇の舞台みたいなイメージです。
 
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 それに対して、マルクス兄弟の喜劇は、チャップリンみたいに高級じゃない、もっと単純なドタバタであり、日本で言えば吉本新喜劇やザ・ドリフターズの「8時だよ! 全員集合」みたいなイメージです。
 実際、マルクス兄弟の映画を初めて観た時、私はドリフみたいだと思いましたもの。
 ドリフのメンバーはマルクス兄弟の映画に影響を受けたのでしょうね。髭ダンスの恰好なんかグルーチョそのものですものね。
 
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 ところで、話が少し逸れるのですけど、ユーチューブでたまたま観たナイツの漫才「言ってはいけないこと」は面白かったなぁ。
 皆さんもぜひご覧になってみてください。大爆笑まちがいなしですよ。
 
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 ・・・えー、話を戻しまして、私が実際に観たマルクス兄弟の映画は、「我輩はカモである」と「マルクス兄弟・オペラは踊る」と「マルクス一番乗り」の3本です。
 この中からマルクス兄弟の傑作ギャグをご紹介いたしますね。
 まずは「我輩はカモである」。
 
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 鏡のギャグがとても有名です。機密書類を盗み出すため首相であるグルーチョの邸宅に忍び込んだチコとハーポ。逃げる途中にハーポは部屋の大鏡を割ってしまう。仕方なくハーポは鏡に映るグルーチョを演じるハメに・・・
 
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 次は「マルクス兄弟・オペラは踊る」(下のDVDは何故かタイトルが原題の直訳「オペラの夜」になっておりますけど)。
 
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 ニューヨークへの船旅。グルーチョにあてがわれた部屋は極小。その狭い部屋へ密行者のチコとハーポと若いオペラ歌手。おまけに次々と人が入ってきて大混乱に・・・
 
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 最後は「マルクス一番乗り」。
 私はこの作品がいちばん気に入っています。水辺でのバレー・ダンスのシーンがお見事ですし、ラスト近くの黒人たちによるダンスも素晴らしいの一言。傑作です。
 
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 馬券売り場でアイスクリーム売りに扮しカモを探すチコ。グルーチョがそのカモに。「トッティー、フルーティー、アーイスクリーム!」というチコの呼び声が何とも可笑し。
 
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 ちなみに、「マルクス一番乗り」でヒロインを演じたモーリン・オサリヴァンは、ターザン映画のジェーン役で有名です。
 そして、彼女の娘が当ブログの記事「カリガリ博士」の中でご紹介した「ローズマリーの赤ちゃん」(1967)で主演したミア・ファローです。
 
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 作家の筒井康隆氏が「私が影響を受けたのはフロイトとマルクスだ」と言ったのは有名です。ここで言うフロイトは精神分析学の祖ジークムント・フロイトですけど、マルクスというのは「資本論」のマルクスではなく、こちらのマルクス兄弟のことなのです。
 
 楽しい映画ですよ。ぜひご覧になってみてくださいね。

ブルース・ブラザース

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 御嶽山の噴火により多くの方がお亡くなりになりました。
 秋の行楽シーズンの最中、晴れ渡った青空の下、山の紅葉を楽しもうと思って頂上付近にいた人たちは、たまりませんよね、とつぜん噴火されちゃ。今回は水蒸気爆発による噴火でしたけど、これがもし溶岩を伴う噴火でしたら、もっと甚大な被害が生じていたことでしょう。恐ろしいことです。
 警戒レベルを上げておくべきだったと気象庁が非難されていますけど、難しいですよね、こういう判断は。特に今の季節は地元にとって一番の稼ぎ時でしたからね。観光客のいない真冬とかだったら、警戒レベルがすんなり上がったのでしょうけど・・・お亡くなりになった方にはお気の毒でしたとしか言いようがありません。自然の驚異には敵いません。
 
 お亡くなりになったと言えば、社民党党首だった土井たか子さんがお亡くなりになりました。土井さんの死を受けて作家の百田尚樹氏が「彼女は北朝鮮による拉致を否定したばかりか、拉致被害者家族の情報を北朝鮮に流した疑いのある売国奴」とツィッターしたところ、たくさんの人から「死んだ人に何てこと言うんだ」と批判されたそうです。
 日本人である我々が、《死者に鞭打つ行為》を嫌う心情はよく理解できるのですけど、しかしながら拉致被害者の事を考えたら、これくらい言われてもしょうがないんじゃないの、土井さんは。旧社会党の連中は、共産主義者たちとグルになって、日本を貶めることばかりしてきましたからね、今まで。
 
 私のブログで何度か言及した《エロの無法地帯》FC2ライブアダルト配信ですけど、遂にFC2に捜査の手が入るというニュースが流れた途端、さっと潮が引くように皆いなくなりましたね、今まで配信していたレギュラー連中が。しばらくは息を潜めておとなしくしているんでしょうね、奴らは。あはは。
 
 という感じで暗いニュースが多い昨今ですが、いつまでも暗い気持ちでいてもしょうがありませんので、ここらへんで楽しいお話を、少し・・・
 前回、ユーチューブにアップされているナイツの漫才「言ってはいけないこと」が面白いと書きましたけど、他にも面白い作品がたくさんアップされているんですよ(いつまでアップされているか保証は出来ませんけど)。その中から特に私が気に入っている作品を、いくつかご紹介しちゃいますね。
 
 まずは横山やすしと西川きよしの漫才「大砲」。
 さすがはやすきよ。うまいです。名人芸。横山のやっさんがとにかく可笑し。
 
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 次にコント集団「ザ・ニュースペーパー」の松下アキラ扮する小泉総理による《さよなら原発講演》。これも非常にうまいです。真理をついた笑いが、お見事!
 
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 ザ・ドリフターズの《サウナでヤクザに遭遇》というコントも大好きです。カトちゃんの表情が可笑しくて。
 
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 それから、柳沢慎吾さんの、むかし時代劇で若山富三郎さんと共演した時のエピソード。何度観ても笑えます。数ある慎吾話の最高傑作ですね、これは。
 
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 若山富三郎さん関連では、安岡力也さんをはめた昔懐かしいドッキリ番組が、最近アップされました。若山さんと清川虹子さんの(ウソの)結婚式に招待された力也。会費はひとり1万円と聞いていたところ、他の出席者たちが軒並み100万円やら50万円という大金を持ってきたものだから、さぁ大変。焦る力也は・・・という内容です。これまた笑えますよ。若山先生の演技が上手い! ぜひご覧になってみてください。
 
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 さて、前フリはこれくらいにして、本題に入らさせていただきますね。と言っても、やはりお笑い系の話ですけど。
 前回「マルクス兄弟」のお話をいたしましたが、新しいマルクス兄弟と呼びうるのが、アメリカの人気テレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」から生まれたジョン・ベルーシとダン・エイクロイドによるブルース・ブラザースです(ちなみに彼らに憧れた日本のユニットがバブルガム・ブラザースです)。
 今回は彼ら主演の映画「ブルース・ブラザース」(1980)をご紹介いたします。
 
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 監督は「狼男アメリカン」(1981)やマイケル・ジャクソンのプロモーションビデオ「スリラー」で有名なジョン・ランディスです。
 
 刑務所を出所したブルース・ブラザースの兄ジェイク(ジョン・ベルーシ)が弟のエルウッド(ダン・エイクロイド)と共に、経営難に陥った孤児院を救うため、バンドを作ってお金儲けをしようとするお話です。
 その間に、歌あり、踊りあり、派手なカーアクションありで私たちを楽しませてくれるのですけど、いちばん楽しいのが多彩な大物ゲスト出演者の面々です。
 まずは、ジェイクに神の啓示をもたらすファンキーな牧師役に、《ソウルの帝王》《ミスター・ダイナマイト》ジェームス・ブラウン。
 
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 ジェームス・ブラウンは「ロッキー4/炎の友情」(1985)でのステージも忘れられませんね。
 
 孤児院の管理をする老人役が《ジャズシンガー界の大御所》キャブ・キャロウェイ。舞台上で往年の大ヒットナンバー「Minnie the Moocher」を歌ってくれます。
 
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 観客と一体となって合唱する
 
   ハリハリハリハイ
   オリオリオリオー
   ヒリヒリヒリヒー
   ハリハリハリホー
 
 が最高に盛り上がります。
 
 大衆食堂のおかみさん役が、《ソウルの女王》《ローリングストーンズ誌が選ぶ偉大なシンガーベスト100第1位》アレサ・フランクリン。
 
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 彼女が食堂でパワフルに熱唱する「Think」は、最近もどこかのCMで使われていました。
 
 楽器店の店主役が《R&Bの神様》レイ・チャールズです。レイがピアノを弾きながら「シェゲナ・ベイビー(shake it up baby)」と歌ってくれます。
 
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 この他にジェイクをつけ狙う謎の女役が、「スター・ウォーズ」(1977)のレイア姫ことキャリー・フィッシャー。
 
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 「未知との遭遇」(1977)のスティーヴン・スピルバーグ監督もちょい役で出演しています。
 
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 そして主演の二人・・・ジョン・ベルーシの方は「サタデー・ナイト・ライブ」でサムライ食堂のコントをやっていましたね。
 太っちょ体型ながら踊らせればスピーディで軽やかなステップを踏み、サム・ハン・キンポーみたいにバク転も自由自在。歌もお上手。なかなか芸達者な人です。
 
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 しかしながら、ベルーシはヤクの大量摂取が原因で、1982年に急死してしまいます。
 
 ダン・エイクロイド・・・この人はなかなかの才人でして、歌もダンスも芝居もOKな上に、脚本も書きます。「ブルース・ブラザース」も彼が脚本を書いています。
 また、彼は歴史的な音楽イベント「USA for AFRICA」に参加して「We Are The World」を歌いました。いちばん後ろの列に眼鏡をかけた姿で立っています。
 
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 この後、ダン・エイクロイドは、自身が脚本を書いた「ゴースト・バスターズ」(1984)に出演します。ベルーシが生きていればビル・マーレイが演じた役をやるはずでした。
 
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 エイクロイドがゴーストの出現に驚いた顔・・・いい表情していますw
 
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 ダン・エイクロイドの出演作で、私なんぞが印象深いのは、「花嫁はエイリアン」(1988)です。
 
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 エイリアンの花嫁を演じたキム・ベイシンガーが、とにかくきれいで色っぽくて・・・
 
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 た、たまりませんですよね、この乳首ポッツンが・・・ハァ、ハァ・・・
 
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 キム・ベイシンガーはテレビドラマ「チャールズ・エンジェル」第1シーズンの「潜入! 戦慄の女囚刑務所」という回にゲスト出演していました。
 この時も、ファラ・フォーセットのお家芸である乳首ポッツンを披露しておりましたから、スタッフはキムをファラの後継者に予定していたのでしょうか?
 キムのチャールズ・エンジェル・・・これも観てみたかった・・・
 
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 ついでにもう一枚、映画「ネバーセイ、ネバーアゲイン」(1983)から、キムのサービスショットを・・・ごっくんですう・・・
 
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 「花嫁はエイリアン」でダン・エイクロイドの娘を演じたのが、アリソン・ハニガンちゃん。
 
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 可愛らしい美少女だなぁと思っておりましたけど、大人になったら、そこいらにいる平凡な娘になってしまいましたね。ガッカリ。
 
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 話を「ブルース・ブラザース」に戻しまして・・・本作は、本当に現代版マルクス兄弟映画と呼べる、実に楽しい映画です。
 オーティス・レディングの「I Can`t Turn You Loose」のご機嫌なイントロに合わせて登場し、ソロモン・バークの「Everybody Needs Somebody to Love」やサム&デイヴの「Soul Man」など、二人が歌う往年の名曲の数々・・・しびれます・・・
 おススメです。
 ぜひご覧になってみてください。
 あ、そうそう、1998年に続編「ブルース・ブラザース2000」が公開されましたけど、私は観ておりませんし、観る気もしませんです。あはは。

記憶に残る本(その他諸々篇その1)

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 雨ですね。台風が近づいているのでしょうか? 雨が降ると御嶽山での捜索が遅れます。早く全員が見つかるといいですね。
 
 訪問履歴に知らない名前があると、どういう人が読んでくれているんだろうと思って時々クリックするのですけど、「まだ記事がありません」というのが、けっこう多いんですよ。こういう人たちはブログを開設するだけで記事を書く気が無いのでしょうか? 私にはさっぱり理解不能なのですけど。
 
 さて、外は雨ですし、読書の秋でもありますから、今回は記憶に残る本のお話の続き、「その他諸々篇」をお送りいたします。
 気になった本がありましたら、ぜひ読んでみてくださいね。
 
 三島由紀夫じゃないですけど、私も自分の貧弱な肉体にコンプレックスを持った時期がありまして、いっぱつ筋骨隆々の逞しいボディになってやろうじゃないかと奮起し、バーベルやダンベルを買い込み(池袋西武デパートのスポーツ用品コーナーでいちばん高い品物を買った)自宅でトレーニングに励んだことがあります。
 そのときトレーニングの教科書にしたのが、チャック・ウィルソン氏の「トレーニング・バイブル」という本でした。これはとてもいい本です。
 
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 また《ボディビル界の百恵ちゃん》西脇美智子さんの「ボディビル・マジック」という本も愛読しておりました。
 
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 西脇さんは当時タレントとしても活躍し、数々のテレビドラマや日活ロマンポルノ映画、さらにはジャッキー・チェン主演の映画「大福星」(1985)にもご出演なさいました。
 
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 残念ながら体調を壊してトレーニングをやめた私はチャックさんや西脇さんのようなスペシャルな体型にはなれませんでしたけど(それでも当時は女の子の前で裸になると、「あら、水泳でもやってたの?」と驚かれる程度にはなっていた)、バーベルやダンベルは腐る物ではないので、今も私の部屋に残っております。ベンチプレス用の台なんかも・・・一生残るんでしょうね、こういう物は・・・また、トレーニングを再開しようかしら・・・最近お腹が出てきたことだし・・・あはは(汗)・・・
 
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 当ブログの記事「30年前の現代思想」に書きました通り、1980年代初頭はニューウェーブな論客たちが多数登場した時代でして(現東京都知事の舛添要一氏もこの時期に登場した)、その中で私が最も好きだったのが、呉智英(くれともふさ、ごちえいと読んでも可)さんです。
 呉さんの「封建主義その論理と情熱」や「インテリ大戦争」、「読書家の新技術」という著書を、大学時代、私は愛読いたしました。現在活躍中の評論家・宮崎哲弥氏も、呉さんの大ファンだそうです。
 
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 呉さんの特徴は、自ら《インテリ》と名乗る膨大な博識で、似非知識人どもをコテンパンにやっつけるところにあるのですけど、そのやっつけ方が相手をおちょくる感じで、それが呉さんの巧みな文章と相まって、とっても痛快なのです。
 たとえば、校内暴力を無くすため教科書からデモや一揆の記述を無くし、代わりに水戸黄門や間宮林蔵の記述を載せろ、という高千穂商科大学助教授・名越二荒之助の意見を
 
 ・・・のみならず、間宮林蔵の反社会的性格は、渡辺崋山の『全楽堂日録』によれば(名越センセ、読んでるか、どうじゃ、ウリャウリャ)、はなはだしい変人、生まれついてのワガママ者で・・・
 
 と、こんなふうに批判します。ね、痛快でしょう?
 
 
 同じく当ブログの記事「30年前の現代思想」で取り上げた吉本隆明氏の「書物の解体学」も大好きな本です。
 
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 特にヘンリー・ミラーについて書かれた文章が印象に残りました。
 
 ・・・やがて、「私のいとこのジーンは、全然くだらない人間になってしまったし、スタンリーは最低の落伍者になった。かって私の最大の親友であったこの二人のほか、もう一人の友人ジョイは、いま郵便配達人になっている。私は、なにが彼らの人生をそんなものにしたかを考えると、泣けてくるのである。子供のころの彼らは実に立派だった・・・」(南回帰線)。そうだ、「なにが彼らの人生を」だ。それを知っていることが、ミラーの深い井戸であった・・・
 
 また、吉本さんが引用する、ミラー『わが読書』(田中西二郎訳)の中の一文。
 
 ・・・この書(『青二才のジャン』)の終わりに近く、父親の死が近づいた頃、親子はリンデンの樹の下で静かに語り合う。「わしが誤りを冒したのは」と、父が言う。「わしが親切な、人のためになる人間になりたいと思うたときであった。お前も、わしのように誤りを冒すじゃろう」悲痛な言葉である。あまりにも本当すぎる言葉だ。ここを読んだとき、ぼくは泣いた。ジオノのお父さんの言葉を思いだして、ぼくは再び泣く。ぼくはジオノのため、ぼく自身のため、《親切に》《人のために》なろうとして努力してきたすべての人のために泣く。心のうちでは《誤り》であることを知りながら、いまなお努力している人々のために・・・
 
 
 呉智英と同じように、似非知識人や似非科学者どもをおちょくりながら撃退するのが、と学会の「トンデモ本の世界」シリーズです。
 私はこのシリーズからたくさんの事を学ばさせていただいております。
 
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 《フィクションなら許されるか?》というタイトルで、門田泰明氏のトンデモ小説「黒豹スペース・コンバット」(トンデモな内容でありながらも大ベストセラー)を解説した文章が、特に面白かったです。
 
 ・・・そもそも、「黒豹」とは何か?
 これは特命武装検事・黒木豹介(すごい名前!)のニックネームである。検事といっても法定に立ったりはしない。国内はもちろん世界各地を飛び回り、日本の平和を乱す敵をぶち殺しまくる。愛用の拳銃はベレッタM92。専用の戦闘ヘリ・ヒューイコブラ(なんと座席が横に並んでいる!)まで持っている・・・
 
 また、「黒豹スペース・コンバット」には、宇宙空間で登場人物たちが火の粉をまき散らしながら飛ぶ流星に危うくぶつかりそうになるシーンがあるのですけど、登場人物の一人が、ふうっと大きな溜息をつきながら、「凄いですねえ、宇宙は」と言う記述に対して
 
 ・・・あのなあ! 「凄いですねえ」じゃねえよ!
 言うまでもないが、流星は地球の大気圏に入ってはじめて、空気との摩擦で燃えるのである・・・
 
 
 私は歴史の話、特に古代史の話が好きなのですけど、関裕二氏の「聖徳太子は蘇我入鹿だった」に始まる多数の著書には、大いに刺激をうけました。
 ただし、このブログにも書きました通り、私は古田武彦先生の説に共鳴する者ですから、関さんの御説には必ずしも賛成はいたしませんけどね。あはは。
 しかしながら、ものすごく古代史の勉強になりますし、また文章が平易で読みやすい。日本の古代史に興味がある方には、入門書としておススメです。
 
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 歴史のお話ならこのシリーズを忘れるわけにはまいりません。井沢元彦氏の「逆説の日本史」シリーズ。私の愛読書です。
 
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 古代篇のところでは日本人の心に巣食う怨霊信仰、言霊信仰がクローズアップされましたけど、近世篇に入ると(それと最近出版された「逆説の世界史」では)朱子学の弊害についての記述に、多くのページが費やされています。
 
 家柄や身分に関係なく実力ある者をどんどん登用した織田信長。しかし、その信長は、自分が取り立てた明智光秀に殺されてしまう。
 その二の舞いになりたくない家康は、自分の幕府を作るにあたり、大名を譜代と外様に分け、外様大名には国の政策に一切タッチさせないようにし、学問としては主君に対する忠義を重視する朱子学を奨励した。これで大名の謀反を防げると家康は考えました。
 ところが、幕末になると、日本の主君は天皇であり、徳川家は真の主君ではないという考えが広まり、結果的に朱子学によって徳川幕府が滅ぼされる事になるのですから、歴史は皮肉です。
 
 その朱子学の弊害その1。商業の蔑視。
 A地点で100円で買った物をB地点へ運び150円で売り、その差額を利益にするのが商業ですが、朱子学ではそんな商業を同じ物を知らん顔をして高い値段で売る詐欺みたいなものだと軽蔑します。
 江戸時代の身分が「士農工商」と商人がいちばん下なのは、この朱子学の影響でした。
 
 もちろん西洋にも商業や金融を蔑視する考えはあって、そういう皆から軽蔑される仕事を主にユダヤ人がおこなっていたので(社会から差別されていた彼らにはそれしか生きる道が無かった)、シェイクスピアの「ベニスの商人」のシャイロックのような人物が創造されたわけですけど、プロテスタントが商業を価値のある行為と認めて以降、西洋では商業に対する偏見は無くなりました。
 
 幕末の3大改革というと、何となく私たちは、傾きかけた徳川幕府を建て直すべく、《暴れん坊将軍》徳川吉宗や松平定信が頑張ったと思いがちですけど、その実は朱子学で頭がゴリゴリに固まった吉宗や定信が、商業活動を制限し質素倹約を無理強いしたせいで、社会が深刻なデフレに陥り、徳川幕府の寿命を縮めただけなのでした。
 ですから、本当はケインズ的な積極経済政策を推し進め、幕府の財政を立て直そうとした田沼意次の方が正しかったのですけど、朱子学が支配する世界では意次は失脚し、長いあいだ悪者扱いにされたのです(現在では意次の評価は極めて高い)。
 
 この商業を蔑視し農業を最重要視する考えは現代にも生きておりまして、毛沢東による文化大革命時代、中国では多くの知識人が強制的に農村へ送られて農作業に従事させられましたし、カンボジアではポル・ポト政権による徹底的な知識人弾圧+農業重視政策が採られました。
 
 朱子学の弊害その2。極端な「孝」の重視。
 主君に対する「忠」と親に対する「孝」、これらを重視するのが朱子学ですが、この2つのうち「孝」の方がより重視されます。
 ですから、たとえば国の存亡をかけた戦争中であっても、指揮官のもとへ故郷の親が病気だという知らせが届けば、その指揮官は戦争をおっ放り出してでも故郷へ帰るのが正しい行動なのです、朱子学の精神からは。
 また、年老いた両親と妻と幼い子供を抱えた貧しい男がいたとして、誰かを殺して食い扶持を減らさなければ全員が餓死するとしたら、朱子学の精神からは老い先短い親ではなく、幼いわが子を殺すのが正しいのです。
 
 このような朱子学が身に染みついておりますと、先祖の決めた教えに逆らうのが難しくなります。先祖は親の倍数だからです。
 アヘン戦争で中国がイギリスにあっけなく敗れた原因も、昔からのやり方に固執して西洋の新しい技術や兵器を取り入れようとしなかった為です。その点、日本は朱子学の影響が少なかったせいか、はたまた坂本龍馬や高杉晋作らが偉かったせいか、臨機応変に西洋の進んだ技術を取り入れ、西洋列強諸国の植民地にならずに済みました。
 
 また、朱子学の支配する世界では、公の意識が育ちにくくなります。国よりも親や親族を第一に考えるのでは、そうなりますわな。
 韓国大統領が退任後、必ずと言っていいほど親族による汚職で摘発されるのは、このためです。
 また、食品を偽装し、大気を汚染する中国の企業や人々。これらも公の意識の欠如が原因です。他人に迷惑をかけてもとにかく金を稼ぎ、お金持ちになったら一族で国を捨て海外へ移住する、というのが奴らの腹なのです。
 
 井沢さんの本を読むと、こんなふうに朱子学がいかにアジア諸国に悪影響を及ぼしたかが、よく分かります。ぜひご一読を。
 
 また、さきほど毛沢東の文化大革命について少し言及いたしましたけど、その愚かさを知るのにはユン・チアンの小説「ワイルド・スワン」が最適です。こちらも必読ですよ。
 
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 10冊ばかり本をご紹介しようと思っておりましたところ、疲れちゃったので、今日はこれくらいにしておきます。
 続きは次回ということで。よろしくです♪

記憶に残る本(その他諸々篇その2)

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 昨日の午後から群馬では台風一過の青空が広がっています。気持ちいいですよね、秋の青空は。
 
 改編期ですからテレビでは特番が多いのですけど、2014仁川アジア大会男子マラソンにカンボジア代表として出場していた猫ひろしさんが、翌日「TBSオールスター感謝祭」に出演し、赤坂ミニマラソンを走っていたのには驚きました。なんだかなぁ(苦笑)。
 
 2014年度のノーベル物理学賞は、実用的な青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇名城大教授と天野浩名古屋大教授、中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授に決定!
 おめでとうございます。
 村上春樹さんの文学賞はどうなりますでしょうか?
 
 さて、途中になっていた記憶に残る本(その他諸々篇)の続きです。前回は井沢元彦さんの「逆説の日本史」まで話が進みましたよね。
 その流れで歴史に関する本を、もう一冊。一坂太郎氏の「司馬遼太郎が描かなかった幕末」です。
 
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 一坂さんは、これまでも明治維新に関する本を何冊かお出しになっていますけど、本書では単なる英雄譚に陥りがちの司馬遼太郎の小説を検証し、歴史というものは一人の人間が颯爽とカッコよく立ち振る舞うだけでどうにかなるような単純なものではないんだよ、ということを教えてくれます。
 司馬遼太郎ファン(私もそうです)が読んでも楽しめる内容です。歴史好きの方は、ぜひご一読を。
 
 
 次はわりと新しめの本を・・・
 白井聡氏の「永続敗戦論」です。
 
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 領土問題を始めとする日本を取り巻く現在の国際問題は、日本が第二次世界大戦で敗戦したという事実をうやむやにしている事(一例を挙げれば「敗戦記念日」ではなく「終戦記念日」としているだとか)に発すると論じる本です。
 それが、事実上その属国となっているアメリカに対してはこびへつらい、他のアジア諸国に対してはヒステリックな強い態度に出る原因だと言うのですが、そんな事言われたら私なんぞは、確かに日本はアメリカには負けたけど中国や朝鮮に負けたわけじゃない、と言い返したい気持ちになるのですけど、こういう考えが白井さんのおっしゃる永続敗戦の心理なのでしょうか?
 ま、このように本書の主張に全面的に賛成はしませんけど(特に上の写真を見てもらえば分かるように朝日新聞が絶賛したというところも引っかかる)、それでもたいへん刺激的な、教えられるところの多い本です。
 
 たとえば、日本が抱える3つの領土問題、北方領土、竹島、尖閣諸島に関して、多くの日本人は
「北方領土は第二次世界大戦終戦間際のどさくさに紛れて旧ソ連が無理やり盗んでいった」
「竹島も、日本が敗戦で元気の無かった時期に、韓国がうまいこと盗んでいった」
「尖閣諸島は、地下に大量の石油が埋蔵されていると知った中国が領土的野心を抱き、それまでは見向きもしなかったくせに最近になって急に自分たちの領土だと主張し始めた」
 と、こんなふうに思っています。
 ところが、本書を読むとそんなに単純では無い事が、よく分かります。問題は日本のポツダム宣言受諾とサンフランシスコ平和条約締結のどちらを重視するかなのですけど、詳しくは本書をお読みください。
 
 第二次世界大戦後の世界において、真に主権国家と呼べるのは、アメリカとロシア(旧ソ連)しかないという本書の指摘は重要です。
 
 また、第二次世界大戦後のパワーバランスでは、ソ連ならびに北朝鮮、中国という共産圏との間に、韓国と台湾がクッションのようにいてくれたお陰で、戦後日本の繁栄があったという指摘も重要です。
 日本が共産主義国家とちょくせつ対峙する地理的状況にあったら、アメリカの日本に対する支配の度合いが違っていたでしょうからね。
 
 それに関連して、たびたび《押しつけ憲法》と批判される現行憲法ですけど、皮肉なことにアメリカによって押し付けられた憲法、とくに憲法9条があったからこそ、日本はアメリカによる共産圏との戦争、すなわち朝鮮戦争やベトナム戦争に付き合わずに済み(韓国は付き合わされた)、経済的発展を遂げる事が出来たという指摘も重要です。
 
 とても刺激的で勉強になる本です。ぜひご一読を。
 
 
 当ブログでたびたびその名前を出させて頂いた三橋貴明さんの本を、私は愛読しております。
 
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 三橋さんはたくさんの本を出していらっしゃって、どの本を読んでも似たり寄ったりの内容なのですけど、彼の主張ポイントは三つ。
 
 一つ目はデフレ論です。
 橋本内閣、小泉内閣、そして民主党政権・・・日本はバブル経済が崩壊した後ずっとデフレだったのに、構造改革の名の下、無駄をはぶけ、民間に出来る事は民間に、コンクリートから人へと、インフレを抑制する真逆の政策ばかりを続けてきた為、日本はデフレをこじらせ、現在の泥沼状態に陥った(安倍内閣が何とかデフレから脱却しようとしておりますけど・・・でも、消費税を10%にするようじゃ、お先真っ暗ですな)。
 
 二つ目は日本経済破綻論者に対する反論。
 日本は借金大国で、このまま行けばギリシャみたいに破綻する(だから借金を減らすため増税をしなければならない)と主張する連中の嘘を暴き、増税して自分たちの権限を拡大したい財務省を牽制します。
 
 三つ目は韓国や中国やEU諸国の経済分析です。
 特に何かと日本と衝突する事が多い韓国と中国の経済はどうなっているのか? その真実を冷静に分析し、彼らとの付き合い方を伝授してくれます。
 
 勉強になりますよ、三橋さんの本は。
 
 
 最近の本では増田俊也氏の「なぜ木村政彦は力道山を殺さなかったのか」も面白かったです。
 
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 1954年、《昭和の巌流島》《空手と柔道どちらが強いか?》と日本じゅうの注目を浴びた(らしい。私が生まれる前の話ですから、よく知りませんけど)、力道山と木村政彦による世紀の一戦が行われました。
 結果は力道山のKO勝ち。
 木村政彦は、その後、《力道山に負けた男》としてしか人々の記憶に残らなくなり、やがてその存在は忘れ去られます。
 
 ところが、1990年代に入り、何でもありのアルティメット大会(UFC)で圧倒的な強さを見せたグレイシー柔術が注目されると、その祖であるエリオ・グレイシーを破った男として、木村政彦は再び注目を浴びることになります。
 
 本書はそんな木村政彦の人生を追いながら、柔道やプロレスやその他格闘技の歴史を分かりやすく教えてくれる、たいへん得難い本です。柔道にはもともと打撃があった事を、私は本書で初めて知りましたもの。
 
 作家の平野啓一郎氏による本書の書評「この本にはやるせなさが満ちている」が心に滲みます。
 
 ところで、力道山や木村政彦などマッチョな人たちの話題から急に連想したのですけど、前回ボディビルの話を少しさせていただきました。
 私がアーノルド・シュワルツェネッガーやシルベスター・スタローンのような体になるべく、「ザバス・プロテインXX」を飲みながらせっせとバーベルやダンベルを持ち上げていた20代の頃、憧れのボディビルダーと言えば、男性ではフランク・ゼーン。
 
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 女性ではジュリエット・バーグマンでした。
 
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 誰も知らないでしょうけど、こんな人たちのことは。でも、私にとってはとっても懐かしい人たちです。あはは(汗)・・・
 
 
 再びクラシックな本の話に戻ります。
 禅の本「臨済録」が、私は大好きです。
 
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 臨済和尚のエネルギッシュな行動と「仏を外に求めるのではなく、自分の心の中に見出すようでなければダメだ」という教えが、私の心にビビッと響きました。
 
 
 同じように岡倉天心(本名は覚三)の「茶の本」も、私の心にビビッと響いた一冊です。
 
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 茶道の歴史を通じて日本人の精神世界を語る天心。いいですよねぇ、こういう本は。ホントしみじみといい。心の清涼剤ですな、これは。
 
 
 永井荷風の「断腸亭日乗」を、私は愛読しております。
 
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 これは荷風が亡くなるまでつけた日記です。臨在和尚のようなエネルギッシュさで若い愛人との情交を楽しみ、浅草や赤線地帯を探検する荷風じいさん。なかなかのものです。
 読み物としてもたいへん面白いです。荷風はよく蔵書を虫干します。これが何か可笑し。
 
 また、愛人お歌との情事から彼女の発狂のくだりは、一篇の小説みたいです。
 お歌との別れの際、彼女が可愛がっていた白犬を引き取り、みんなから「白(しろ)」と呼ばれていたその犬を、あまりにもありきたりな名前では可哀想だからと「只魯(しろ)」という名前にするところなど、いかにも荷風らしくてチャーミングです。
 
 下の写真はストリッパーのお姉さま方に囲まれてご満悦の荷風先生。こんなジジイになりたいものです。
 
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 本書と荷風の小説「濹東綺譚」を合わせて作られたのが、新藤兼人監督の映画「濹東綺譚」(1992)です。
 
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 当ブログの記事「気になる女性たち3(昔のいい女篇)」に書きました通り、主演の墨田ユキさんがとても素敵で美しかったです。
 
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 1960年に映画化された際は、墨田ユキさんが演じたお雪の役を、当ブログの記事「わが愛しの邦画大女優その1」でご紹介した山本富士子さんが演じていらっしゃいました。
 
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 他にお雪を演じるとすれば、誰がいいですかね?
 まだ私のブログではご紹介したことのないクラシックな美しさを誇る邦画大女優さんを、何人か挙げてみますね。
 司葉子さんなんかいいですよね。
 
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 現在は息子さんの奥さんが元Winkの相田翔子さんですよね。キリッとした美人でした。
 
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 大島渚監督の奥さんだった小山明子さんもいいな。
 
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 私も小山さんの乳が吸いたいですう(苦笑)。
 
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 加山雄三さんと「若大将シリーズ」でコンビだった星由里子さんも外せませんね。
 
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 水着姿もとっても素敵。
 
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 二谷英明さんの奥さんだった白川由美さんも良かったです。一時は郷ひろみさんの母親でもあったわけですよね、彼女は。
 
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 うーん、セクシーですう。
 
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 岡田茉莉子さんも可愛かったです。
 
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 そして色っぽかったです。
 
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 高田美和さんは、勝新太郎主演の「座頭市兇状旅」(1963)や「大魔神」(1966)の頃は、可憐な乙女だったのに
 
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 日活ロマンポルノ映画「軽井沢夫人」(1982)では、一転、大胆な濡れ場を演じ
 
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 その後は大人の色気で私たちモテない男子一同を悩殺してくださいました。ハァ、ハァ・・・
 
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 という事で、最後はまたしても話が脱線してしまいましたけど、今回ご紹介した本はどれも素晴らしいので、ぜひお読みくださいね。
 精神が刺激されますよ。

素晴らしき角川映画

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 村上春樹さんのノーベル文学賞受賞は今年もダメでしたけど、テレビでは馴染みのカフェに集まった《ハルキスト》なる変な兄ちゃん姉ちゃんたちが落選の報にガッカリする様子を、さかんに流しておりました。
 何ですか、あれは? くだらんものを映すな。私はテレビ局にそう言いたい。
 そもそも村上春樹の小説が世界各国で愛読されているという事実が、私には信じられません。どこがいいの、あんな小説の? 私には精神の衰弱あるいは幼稚化としか感じられないのですけどね。
 
 声優の家弓家正さんがお亡くなりになりました。家弓さんと言えば宮崎駿監督の最高傑作「未来少年コナン」のレプカ局長。ピストル型の焼き鏝をコナンの眼前に突き出して「よく見ろ。熱いぞ」。キャー、しびれるお声。大好きな声優さんでした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 
 ラーメン店で口論になった他の客を踏み殺した体重120キロの巨漢の男。こいつは人を殺した後も平然とラーメンを食べ続け、駆けつけた警官に「メシを食ってる場合じゃないだろう」と一喝されると、「これが最後の晩餐なものですから」とぬかしたとか。
 このクズ野郎は自分を映画か何かの登場人物と勘違いしているのですかね? 現実に対する意識が非常に希薄なように思えるのですけど。現実には、このバカ一人のお陰で、こいつの親戚一同がどんな悲しい目に遭うことか。死刑でも刑が軽すぎますな、こういう不愉快極まる畜生は。
 
 さて、本日は懐かしい角川映画のお話をさせていただきます。
 ちょうど私が高校生の頃スタートした角川映画には、プロデューサーである角川書店社長・角川春樹氏の
 「洋画に負けない日本映画を作る!」
 「日本映画界に革命を起こす!」
 そういうパッションが満ち溢れていて、作品の出来はともかく、私なんぞはその心意気をたいへん愛しておりました。
 
 角川映画からテレビで大々的に映画のCMを流すようになったんですよね。それまではテレビで映画のCMなんか観たことがありませんでしたからね。「読んでから観るか、観てから読むか」などのキャッチフレーズが頻繁に登場するようになり、角川映画は日本の広告のスタイルも変えました。
 
 記念すべき角川映画第1作目は「犬神家の一族」(1976)でした。
 
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 この作品により日本中で横溝正史の一大ブームが起き、かく言う私も横溝先生の推理小説「八つ墓村」や「本陣殺人事件」等を夢中になって読みました。ホント面白かったです。
 
 「犬神家の一族」は亡くなった信州財閥界重鎮の遺産を巡るドロドロした肉親同士の争いを描いた物語で、そのおどろおどろしい雰囲気が観客を惹きつけました。
 監督は日本映画界の巨匠・市川崑。市川監督はお亡くなりになる2年前(2008年)に本作をリメイクなさいましたけど、それだけ思い入れのある作品だったのでしょうね、この「犬神家の一族」は。
 
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 事件の謎を解明する私立探偵・金田一耕助を演じたのは石坂浩二さん。少しとぼけたところもある知的な二枚目・石坂さんは、金田一耕助に適役でした。
 
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 金田一耕助が滞在するホテル(旅館?)の女中役の坂口良子さんが、とっても可愛く、そして演技上手だったのは、以前お話した通りです。
 
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 そして、本作のヒロインが、島田陽子さんです。
 
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 美しかったなぁ、当時の島田陽子さんは。(私が勝手に考えるところの)70年代3大美人女優のひとり島田陽子さん(ちなみに他の2人は松坂慶子さんと中野良子さんです)。この当時はテレビや映画に引っ張りだこでした。
 
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 「仮面ライダー」や中村雅俊さんと共演した「われら青春!」の時の島田陽子さんは、笑うとエクボが出来て、もうたまらないくらい可愛かったです。
 
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 着物姿もお似合いです。
 
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 映画では「黄金の犬」(1979)と同じ角川映画「白昼の死角」(1979)の時の島田陽子さんが最高にセクシーでした。映画そのものはどうでもいい作品でしたけど・・・ショーケンと共演したテレビドラマ「くるくるくるり」がまた観たいな。
 最近の落ちぶれた(失礼!)島田陽子さんを拝見するのはつらいです。
 大好きです、島田陽子さん!
 
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 また、大野雄二さんが作曲した本作のテーマ曲が、美しすぎる名曲なんですわ。大好きです、私はこのテーマ曲が。何度聴いてもうっとりします。
 ちなみにテレビ版では古谷一行さんが金田一耕助を演じていたのですけど、茶木みやこさんが歌うテレビ版の主題歌「まぼろしの人」もまた隠れた名曲です。ご存知ない方は一度ユーチューブで聴いてみてください。大野さんの映画版主題曲はもちろん素晴らしいですけど、茶木みやこさんの曲も不気味なムードが漂っていて素敵ですよ。
 
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 角川映画第2作目は、森村誠一原作「人間の証明」(1977)。
 これにより今度は森村誠一ブームが起きました。
 
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 まず、この「人間の証明」というタイトルがいいですよね、キャッチーで。同じ中身であっても、これがナントカ殺人事件とかいうタイトルだったら、こんなに人気は出なかったと思います。やっぱ作品のタイトルって大切ですね。
 
 本作ではニューヨークロケを敢行いたしました。
 日本人としては大柄な松田優作でも、外人さんと並ぶと細くて小柄に見えるものなんだなぁ、とそういう感想を抱いた記憶があります。
 
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 この作品の鍵となるのが、西条八十の「帽子」という詩です。
 
   母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね?
   ええ、夏、碓井から霧積へ行く道で、
   谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ
 
 テレビCMでは松田優作がこの詩を朗読していました。
 また、この詩を基に作られ、出演者のひとりジョー山中さんが歌う「人間の証明のテーマ」は、私のカラオケの十八番でもある名曲です。
 
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 角川映画第3作目は、2作目と同じく森村誠一原作となる、「野性の証明」(1978)でした。
 
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 主演は高倉健さん。
 昨年、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で再び注目された薬師丸ひろ子さんが、本作でデビューいたしました。
 
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 自衛隊の特殊部隊兵士(ちなみに、特殊部隊の訓練シーンでアメリカ人教官に扮していたのは、大人気テレビドラマ「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」でオスカー・ゴールドマン局長を演じたリチャード・アンダーソン)だった高倉健さんが、訓練中ある村の大量殺人事件に出くわし、その村でただひとり生き残った薬師丸ひろ子ちゃんを養女にして東北地方のある町で暮らしていたところ、自衛隊と癒着関係にあるその町の名士の悪行三昧が明るみに出てきて・・・というのがおおまかなストーリーです。
 
 見どころはアメリカでロケした戦闘シーン。設定上は自衛隊の国内演習場となっておりますけど、とても日本とは思えない風景の場所を本物の戦車が走り、ヘリコプターが飛び交います。
 健さんが空に向かって撃つシーンの機関銃も本物でしょう。
 
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 このように角川映画は、1作目2作目3作目と、どんどんスケールアップしてゆきました。
 
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 そして本作のヒロインが中野良子さん。島田陽子さんと並ぶ(私が勝手に考えるところの)70年代3大美人の一人(もう一人は松坂慶子さん)です。
 
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 健さんと中野良子さんは「君よ憤怒の河を渉れ」(1976)でも共演いたしました(良子さんの横にいるのは大滝秀治さんですね)。
 
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 ということで、ここで久しぶりに、私のブログではすっかりお馴染みの、中野良子さんオンステージを始めさせていただきます(苦笑)。
 良子さん、大好きですう!
 
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 うわ、何て可愛いんでしょう、中野良子さんは。
 
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 良子さんのキリッとした表情がたまりませんですう。
 
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 ウギャアアア、もうどうにでもしてちょうだい、中野良子さあああああん。
 
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 ・・・えー、話を元に戻しまして、その後も角川映画は前野曜子さんの記事でご紹介した松田優作主演の「蘇える金狼」(1979)や千葉真一さん主演の「戦国自衛隊」(1979)などの佳作を世に送り出しましたが、
 
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 角川映画らしい金のかかった大作と言えばこれ、「復活の日」(1980)です。
 
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 何と南極ロケを敢行したのですからすごいですよね。
 
 細菌兵器による人類の絶滅を描いた本作の原作者は、日本SF界の第一人者・小松左京です。小松先生原作の映画化作品としては、他に「日本沈没」(1973)や由美かおるさんのおっぱいが忘れられない「エスパイ」(1974)等があります。
 
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 あ、そうそう、三浦友和さんの無重力SEXで有名な「さよならジュピター」(1984)なるサイテー映画もありましたね。あはは(汗)・・・
 
 主演は草刈正雄さん。人気テレビドラマ「ライフルマン」のチャック・コナーズも出演していました。
 
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 ヒロインは、布施明さんの奥さんだった、オリビア・ハッセーでした。
 
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 日本映画界に革命を起こすべく奮闘した角川映画でしたが、80年代に入りますと薬師丸ひろ子さん主演の「セーラー服と機関銃」(1981)や
 
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 原田知世さん主演の「時をかける少女」(1983)が大ヒットしたことから
 
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 大作映画主義を捨て、薬師丸・原田によるアイドル映画路線にシフトします。こちらの方が儲かるのですから、しょうがありませんわな。
 確かに当時は薬師丸ひろ子ちゃんも
 
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 原田知世ちゃんも初々しくて可愛かったですけどね。
 
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 それから、この当時は石原真理子ちゃんが、日本でいちばん可愛い女の子だった時期もあったんですよ。今では、やたらに鼻の穴が大きい、気持ちの悪いおばさんですけど。
 たしか人気絶頂期には明石家さんまさんとも交際していたんですよね、彼女は。羨ましいぞ、さんま。
 
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 このように角川映画は途中から路線変更いたしまして、路線変更後の作品にはまったく興味がありませんけど、初期の角川映画作品のことは今でも愛しています。
 角川春樹、あんたはエラかった。
 私は角川春樹のパワーと情熱を尊敬します。

大好きな日本映画その1

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 季節の変わり目だからでしょうか、最近また体調が良くないのよねぇ。急に寒くなりましたからねぇ。風邪なのかなぁ?
 
 病気と言えば、日本でデング熱が流行ったと思ったら、アメリカでは2人目のエボラ出血熱感染が発覚。怖いですねぇ。日本には入って来ないでしょうね、エボラ出血熱。
 
 さて、前回は懐かしい角川映画について語らせていただきましたけど、ついでに私の大好きな日本映画の中から、まだ取り上げていなくて、しかも単独で記事にする程の知識を持ち合わせていない作品を、これから2回に分けてどどっとご紹介しようと思います。
 また長い記事になりそうな・・・しんどいなぁ・・・もう年だからなぁ・・・あはは(汗)・・・
 
 角川映画第1作目「犬神家の一族」(1976)の後、引き続き東宝は同じ市川崑監督・石坂浩二主演で、「悪魔の手毬歌」(1976)、「獄門島」(1977)、「女王蜂」(1978)と金田一耕作シリーズを作りました。
 どの作品も大好きなのですけど、最後の作品となった「病院坂の首縊りの家」(1979)が、特に懐かしいです。
 
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 まずタイトルがいいですよね。「病院坂の首縊りの家」。「病院坂」と「首縊り」という言葉の組み合わせが何とも言えぬ不気味さを醸し出しています。
 原作者の横溝正史先生は、こんなふうに言語感覚が非常に優れたお方でして、「犬神家」、「八つ墓村」、「獄門島」・・・と作品のタイトルを聞くだけでぞくぞくしちゃいます。
 
 私はこの作品を当時住んでいた福島県富岡町の小さな映画館で観ました(国家公務員だった父は色んな場所へ転勤したのです)。ひどくボロい映画館でしたので映像や音響の状態が非常に悪く、私は半分くらいしか理解出来なかったのですけど、それも含めて懐かしい思い出です。。
 その富岡町も、東日本大震災の福島第一原発事故により、現在は無人の町と化しているんですよね。何か悲し。
 
 この作品には、後に宗教にはまって芸能界を引退することになる桜田淳子さんが出ています。淳子さんは一人二役を熱演していらっしゃいましたよ。
 
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 また、本人役で横溝先生が、かなり長い時間、出演なさっています。今となっては貴重な映像です。最後の「また紅茶か・・・」という先生のセリフが渋い!
 
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 ここ30年の日本映画界で最も才能のあった監督が伊丹十三です。
 伊丹さんは俳優、エッセイスト、商業デザイナー、イラストレーター、映画監督、とマルチに活躍した才人で、日本のジャン・コクトーと呼べるお方でした。
 
 俳優としては、当ブログの記事「NHK大河ドラマ」に書きましたように、「国盗り物語」の足利義昭役が印象深いです。
 また、チャールストン・ヘストン主演で義和団の乱を描いたハリウッド映画「北京の55日」(1963)での柴五郎大佐役も忘れられません。
 
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 そんな伊丹さんの監督作品の中で、私の最もお気に入りの作品が、「タンポポ」(1985)です。
 
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 宮本信子さんが経営する潰れかけたラーメン店を繁盛させるべく山崎努さんや渡辺謙さんが奮闘する本作は、伊丹さんの才気だけで出来上がっているような作品でして、私はこの作品のシュールさを非常に愛しています。
 また、本筋とは関係の無い登場人物のひとり、黒田福美さんや
 
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 洞口依子さんがとにかくエロくて(洞口さんは「マルサの女2」も良かった)、そういう点でも大満足な作品でした(笑)。
 
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 伊丹作品では、他に「マルサの女」(1987)ならびに「マルサの女2」(1988)が素晴らしかったです。
 
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 エロい映画と言えば、80年代前半の柳町光男監督の映画がエロかったですねぇ。
 まずは中上健次原作の「十九歳の地図」(1979)。
 
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 新聞配達をしながら予備校へ通っている青年が、世の中に対し屈折した感情を抱き、嫌な客の家へイタズラ電話をかけて憂さ晴らしをするというアウトサイダーなお話です。
 主人公の新聞配達仲間で、30歳になるダメ男を、今年お亡くなりになった蟹江敬三さんが演じています。その蟹江さんの女で、人目憚らず空き地で小便をする、少し頭のおかしなビッコの売春婦マリアを演じたのが、《70年代最強のスーパー・アニマル女優》沖山秀子さんです。
 
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 この沖山秀子さんというのが実にすごいお方でして、雑誌「映画秘宝」に載った藤木TDC氏の文章によれば、三國連太郎さんの追悼記事でご紹介した「神々の深き欲望」(1968)に出演した秀子さんは今村昌平監督の愛人となり、監督との破局後は「ゴダール映画への出演をおじゃんにされたから五百万円よこせ」とあるカメラマンを恐喝したかどで逮捕。留置場では全裸になって男性受刑者を歓喜させ(「みんな何日も女の体を見てないからね。私はブタ箱をパラダイスにしてやったんだよ」)、出所後は精神病院に入院。そしてマンションの7階から投身自殺。いや、正確に言うと自殺未遂。死ななかったから・・・
 ですから、この映画でのビッコの足も、足の大きな傷跡も、すべて本物。すんごいおばさんです。そんな秀子さんは2011年にお亡くなりになりました。
 
 柳町監督作品としては「さらば愛しき大地」(1982)も良かったです。
 
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 次第に寂れていく農村。農業では食っていけない根津甚八さん演じる主人公は、大型トラックの運転手を始めるものの、やがて覚醒剤に手を出し・・・というお話です。
 根津さんと秋吉久美子さんによるドロドロした濡れ場シーンが何ともエロかったです。
 秋吉久美子さんは、同じ時期、森田芳光監督の「の・ようなもの」(1981)でも、ソープ嬢役で見事な演技を見せてくれました。
 
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 当ブログの記事「NHK大河ドラマを彩る女優たち2」にも書きましたけど、1970年代半ばから1980年代前半の秋吉久美子さんは、本当に素晴らしかったです。天性の女優でした。
 
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 「さらば愛しき大地」は中上健次原作ではありませんけど、中上テイストの強い作品でした。このように中上作品が性に合う柳町監督が「十九歳の地図」に続いて撮った中上作品が、北大路欣也さん主演の「火まつり」(1985)です。
 
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 この作品で柳町監督の快進撃はストップします。どうしてかって? それは実際に本作をご覧になれば分かります。サイテー邦画の金字塔「幻の湖」(1982)と肩を並べるすごさでしたよ、この「火まつり」は。あはは(汗)・・・
 
 大人向けの映画の話が続きましたので、ここらへんで子供向け映画の話題を少し・・・
 
 当ブログの記事「50円のプラモデル」でお話いたしました通り、私は東宝のゴジラシリーズよりも大映のガメラシリーズや大魔神シリーズの方が好きでした。大映のモンスターの方が魅力的に感じられたのですね、私には。
 
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 「大魔神」(1966)の時の高田美和さんがものすごく可愛かったというのは、先日「記憶に残る本(その他諸々篇その2)」でお話した通りです。
 
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 そんな私ですが、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」(1967)に登場したゴジラの息子・ミニラは大好きでした。
 
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 このミニラ、こいつが可笑しんですわ。情けない顔しちゃってさ。火を吹けば丸い輪みたいなものしか出ないし。カマキリ怪獣にはなめられるし。
 ミニラの登場でゴジラの性別、雄か雌かが問題になりましたけど、いずれにせよ配偶者がいるわけなんでしょう? つまりゴジラは複数いるということなんですよね。と言うか、ゴジラ一族がこれまでずっと生存してきたのなら、一定数の仲間が必ずいるはずです。どこかにゴジラの秘密の島があるのでしょうか? ま、どうでもいい話ではありますけど。
 
 東宝特撮映画では「海底軍艦」(1963)が大好きでした。
 
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 太平洋に沈んだムー大陸(ちなみにムー大陸については当ブログの記事「大好きなアニメソングその5」の中の「戦え!オスパー」について書いた部分で語っております)の一族が、地上への復活を目論み、攻撃を仕掛けてくる。
 迎え撃つは大日本帝国海軍の生き残りが密かに完成させたスーパーウルトラ潜水艦「轟天号」。艦長は神宮司大佐(演じる田崎潤さんがカッコいい!)。
 この轟天号ちゅーのが凄いんですわ、奥さん。潜水艦なのに空も飛ぶんでっせ。おまけに先端には巨大なドリルが付いておますから地下にも潜れるっちゅーわけですわ。「マイティジャック」や「宇宙戦艦ヤマト」の前に、日本にはこんなごっつい船があったんでっせ。どや、すごいでっしゃろ?
 
 ・・・えー、デタラメ関西弁での説明はこれくらいに致しまして(苦笑)、ムー大陸の女王を演じる小林哲子さんに、私なんぞは激しく惹かれましたね。
 女王様らしく高飛車な態度で「マンダのいけにえにせよ」と命じるシーンなんか最高でした。
 
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 ちなみにマンダというのはこの龍みたいな怪物なのですが、あまり強くないのよね。見かけ倒しのしょぼい奴でした(笑)。
 
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 下は本多猪四郎監督と一緒に写真に収まる小林哲子さんです。うーん、気品があります。大好きです、哲子お姉さま♡
 
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 他に東宝の特撮モノでは、以前ご紹介した「妖星ゴラス」(1962)と「緯度0大作戦」(1969)が好きです。
 
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 「緯度0大作戦」には、なぜか「第三の男」(1949)や「ナイアガラ」(1953)の名優ジョセフ・コットンが出演しております。えらく落ちぶれちゃったのね。トホホ・・・
 この作品に登場するライオンと鷹を合体させた怪物グリホンが、私は大好きです。これのフィギアが欲しいな(子供っぽくてすいません)。
 
 最後は大人と子供の中間である青春映画のご紹介を。
 薬師丸ひろ子ちゃん主演の「セーラー服と機関銃」(1981)が有名な相米慎二監督の「台風クラブ」(1985)です。
 
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 台風で校舎に取り残された高校生男女のバカ騒ぎ・・・学校をさぼって東京へ冒険しに行く女子高校生・・・
 エネルギーがあり余っている青春時代のもやもやした気分をよく表現した快作だと思います。いい作品です。ぜひ一度ご覧になってみてください。
 
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 ということで、続きは次回です。おやすみなさい。

大好きな日本映画その2

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 阪神タイガースが9年ぶりに日本シリーズ進出。おめでとうございます。昔から「阪神が勝てば景気が良くなる」と言われておりますから、ぜひ日本一になっていただきたいものです。
 
 小渕優子経済産業大臣が辞任か? そもそもなぜこんな人が大臣をやっているのでしょうね? 父親の地盤を引き継いで国会議員になったというだけの、何の能力も実力も無い、ただのお姉ちゃんが。日本は平和だわ。
 
 75歳の病院理事長が散弾銃で30歳妻と無理心中。年の差、何と45歳! お金さえあれば孫と言ってもいいくらいの若い奥さんが貰えるんですね。
 くやしいです!(と、ザブングル加藤さんの顔真似をするふじまる君でしたw)。
 
 大好きな日本映画の話の続きです。
 その前に角川映画で好きな作品を1本ご紹介するのを忘れておりました。「魔回転生」(1981)です。沢田研二さんが天草四郎時貞を演じ、千葉真一さんが柳生十兵衛を演じた本作を、私はけっこう気に入っています。
 ジュリー(沢田研二さんの愛称)は、この当時、日本一のイケメンでして、現在のキムタクやマツジュンみたいな存在でした。
 
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 千葉真一さんと言えば、角川映画の記事でちょこっと言及した「戦国自衛隊」(1979)のラスト、設定上は妙蓮寺とされている古い藁葺き屋根のお寺で他の自衛隊共々殺されるのですけど、その後お寺は燃やされます。
 大丈夫なんでしょうね? あれはセットだったんでしょうね? たかが映画のために貴重な文化財を本当に燃やしたわけじゃないんでしょうね?
 あまりにもお寺が本物っぽかったので、それがずっと気にかかっているんですよ、私は。
 
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 さて、ここ30年間で最も才能のあった邦画監督といえば、前回ご紹介した伊丹十三監督の他に、ビートたけしこと北野武監督がおります。
 様々なタレントや文化人らが映画監督にチャレンジしておりますけど、本当に才能があったのは伊丹さんとたけしさんだけでしたね。この二人は、みずみずしい感性に溢れた、作家性の強い、素晴らしい日本映画の傑作を生み出してくれました。
 
 たけしさんの作品をぜんぶ観たわけではないのですが、観た中で私が一番好きな作品は、「3-4×10月」(1990)です。
 これもたけしさんお得意のバイオレンス映画のジャンルに入るのでしょうけど、伊丹十三監督の傑作「タンポポ」(1985)的なシュールさがあって、同じ題材を扱った「ソナチネ」(1993)よりも遥かに良い出来栄えでした。
 元ボクシング世界チャンピオンの渡嘉敷勝男さんが、いい味を出していました。「HANA-BI」(1998)の薬師寺保栄さんもそうですが、ボクサーだった方を上手に使いますね、たけしさんは。
 
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 他には、サザンオールスターズの桑田佳祐さんが監督した映画「稲村ジェーン」(1990)を「あんなものサーフィン映画じゃない」と批判して(まったくおっしゃる通りなのですけど)作った「あの夏、いちばん静かな海」(1991)や、落ちこぼれ高校生ふたりの夢と挫折を描いた「キッズリターン」(1996)が良かったです。
 現在、青春映画を撮らせたら、たけしさんがピカ一ですね。
 
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 バイオレンス系の作品では「BROTHER」(2001)が素晴らしかったです。加藤雅也さん、寺島進さん、大杉漣さん・・・出演者たちの演技もお見事でした。
 タランティーノ監督の「レザボア・ドッグス」(1992)や「パルプ・フィクション」(1994)と並ぶ傑作だと思います、これは(タランティーノとたけしさんには血脈を感じます)。
 
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 最近の「アウトレイジ」(2010)や「アウトレイジ・ビヨンド」(2012)もとても面白いのですけど、たけしさん独特の遊び心いっぱいな若々しい感性が薄れ、普通のヤクザ映画化しつつある点が、いささか残念です。
 
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 そういえば先日たけしさんも出演したテレビのバラエティ番組で、今年映画を初監督した劇団ひとりさんが映画評論家を貶して「自分では映画を作れないくせに偉そうなこと言うな」みたいな発言をすると、共演していた土田晃之さんも「テレビの野球解説者は元プロ野球選手ばかりなのに、なぜ俺たちが舞台に立って漫才をしたことも無い演芸評論家と称する連中に評論されなければならないんだ」という趣旨の事をおっしゃっておりました。こんなふうに考える人は案外多いのかもしれません。
 劇団ひとりさんや土田さんが評論家のレベルが低いとおっしゃるのはいいですけど、評論家という存在は不要だとおっしゃるのなら、それは違うと私は思います。
 だって、そんな事言い出したら、たけしさんの「TVタックル」等に出演していた政治評論家の三宅久之さんは政治家だった経験が無いため政治を語る資格が無かったということになり、デーモン小暮閣下がテレビで相撲の解説をするのもダメということになるじゃないですか。確かにテレビやラジオのプロ野球中継では元プロ野球選手の方が解説なさっていますけど、スポーツ新聞等ではプロ野球選手だったことのない普通の記者が試合の評論をしていますよね。これもダメなんでしょうか?
 そもそも漫才も映画も専門家に観てもらうためのものではなく、素人である一般人に観てもらうためのものなのですから、「素人が批評すんな」と言うのは本末転倒です。
 また、こんなふうに評論家を牽制する人には「俺の作品を批判するな。黙って良いと認めろ。そのまま受け入れろ」という弱い心が潜んでいるように思います。誰だって自分の作品を褒めてもらいたいし、貶されたくないものですけど、他人に批評される事を避けていたら前進はありません。謙虚な心で他人の批評に耳を傾け、次の作品をより良いものにしていただきたいものです。
 
 先程「現在、青春映画を撮らせたら、たけしさんがピカ一」と書きましたけど、私が中学生の頃はショーケンこと萩原健一さんがピカ一でした。
 そのショーケンが大人気テレビドラマ「太陽にほえろ!」降板後、神代辰巳監督との名コンビで作った青春映画が「青春の蹉跌」(1974)です。ものすごく優れた作品というわけではありませんけど、中学生時代に北海道北見市の映画館で観た、私には懐かしい作品です。
 
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 石川達三原作の本作は、エリートコースを進む青年が出世の邪魔になった女を殺すという、エリザベス・テイラーが最も美しかった映画「陽のあたる場所」(1949)の日本版と呼べる作品でした。
 その出世の邪魔になった女役が桃井かおりさん。
 最初観た時は、デブっとしていて、情緒不安定な感じのする、気持ち悪いお姉ちゃんだなぁと思っておりましたけど、この後70年代後半から80年代前半にかけて、秋吉久美子さんと共に時代を象徴する女優となります。
 下はショーケンと桃井さんのツーショット写真です。二人が並ぶと雰囲気が出ますね。
 
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 桃井さんは、この時期ショーケンとの共演が多く、名作テレビドラマ「傷だらけの天使」でも共演しておりますし、「青春の蹉跌」に続くショーケンと神代監督のタッグ作「アフリカの光」(1975)でも共演しておりました。
 「アフリカの光」は、人気絶頂だったショーケンが「真夜中のカーボーイ」(1969)を超える映画を作ろうと挑んだ作品ですけど、とんだ失敗作でしたね。「青春の蹉跌」の方がずっとマシでした。あはは(汗)・・・
 
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 青春と言えば、私が高校に入学した頃、大阪にある架空の大学、南河内大学応援団に所属する学生たちを描いた、どおくまん原作の漫画「嗚呼!! 花の応援団」が大ヒットいたしました。
 それまでの漫画には無かったエロさ、アナーキーさ、お下劣さ、大阪独特のボケがいっぱい詰まった、たいへんパワフルなこの漫画は、小林よしのり先生の「東大一直線」と共に、たちまち私たち男子のハートをガッチリ掴んだのでした。
 
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 主人公・青田赤道が発する「クエックエックエッ」や「ちょんわちょんわ」という奇声や「シビアー」、「役者やのォー」というセリフは流行語になりましたし、関西ではオ○ンコのことを「おめこ」と言うというのも、この漫画で初めて知りました。かんと炊き(おでんのこと)やアルサロ(アルバイトサロン)、1回生(1年生のこと)という言葉も初めて知りましたね。
 そして何よりも私に大阪に対する憧れを植え付けてくれたのが、この漫画です。読んでいて大阪弁のセリフが何と心地よかったことか。当ブログの記事「大阪のたこ焼き」に書きました通り、私は大阪大好き人間なのですけど、そのきっかけを作ったのが、この「嗚呼!! 花の応援団」なのでした。
 
 エピソードの中では、青田赤道が会津白虎大学の大虎清正と決闘する話が、特に印象深いです。
 
 どおくまんプロに所属する小池たかし先生の「浪花人生激情」や「怒りの吹田テレビ」も大好きだというのは、当ブログの記事「記憶に残るマンガ」でお話した通りです。
 
 この人気漫画を映画会社が放っておくわけありません。さっそく日活が曽根中生監督で映画化いたしました。
 今年の8月にお亡くなりになった曽根中生監督は、当ブログの記事「記憶に残る本(日本文学篇)」でご紹介した坂口安吾原作の「不連続殺人事件」(1977)の監督でもありますけど、何を撮らせても安っぽいB級作品しか生み出せなかった才能ゼロの監督でしたねぇ。
 出演者の大半がセリフ棒読みの素人という理由があるにせよ、映画版「嗚呼!! 花の応援団」も、いかにも曽根中生監督らしい実に安っぽく低俗な作品でした。ただし、私はこの作品の安っぽさを、今でも愛しておるのですけどね。あはは。
 
 映画「嗚呼!! 花の応援団」は3作作られまして、その中では井上治之さん(下の写真)が青田赤道を演じた2作目「嗚呼!!花の応援団 役者やのォー」(1976)が気に入っています(井上さんは、現在、大阪で《青田赤道の店》なる鉄板焼き屋さんを経営なさっているそうです)。
 
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 ところで、日活映画のため、このシリーズにはロマンポルノのきれいどころが多数出演しているのが、嬉しいところです。
 1作目「嗚呼!! 花の応援団」(1976)には「天使のはたわら 赤い教室」(1979)の水原ゆう紀さんが出ています。チョンの間の売春婦役の彼女に恋をした応援団の1回生が、彼女が客を取っているアパートの下で一生懸命エールを送る場面は、思わずジーンと来る名シーンでした。
 
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 2作目には色っぽさナンバーワンの宮井えりなさんと
 
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 テレビドラマ「子連れ狼」で乞胸お雪を演じた片桐夕子さんが出演していました。
 
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 3作目「嗚呼!! 花の応援団 男涙の親衛隊」(1977)には、「不連続殺人事件」にも出演した泉じゅんさんが出ています。ずばりタイプです。
 
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 そして、3作すべてに青田赤道憧れの女性役で出演していたのが、宮下順子さんです。着物姿がとてもよくお似合いのしっとりした美人です。
 
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 また、2作目3作目に「役者やのォー」のセリフでお馴染みの薬痴寺先輩役で出演していた、なぎらけんいちさんは、まさにハマリ役でしたね。
 
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 それから、曽根監督と同じく今年お亡くなりになった龍虎さんが、青田赤道が唯一頭の上がらない剛田先輩役でご出演なさっておりました。
 
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 他には応援団幹部・下村役の坂田金太郎さんがいい味を出していらっしゃいました。
 曽根中生監督の偉大なるB級映画「嗚呼!! 花の応援団」シリーズ、どこかで観る機会がありましたら、くれぐれも期待はせずに、ご覧になってみてください。
 私はむかし駄菓子屋で食べた懐かしい5円の駄菓子のように愛しています、このシリーズを。
 
 1970年代前半の日本は公害問題の高まりなどから人々が未来に対する不安を抱いた時代でした。
 そんな時代を象徴する映画が、角川映画の記事でご紹介した「復活の日」(1980)の原作者でもある小松左京原作の「日本沈没」(1973)です。
 
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 主演は藤岡弘さんといしだあゆみさん。いしださんのビキニ姿が垂涎ものでした。
 
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 可愛かったですよね、若い頃のいしだあゆみさんは。
 
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 「日本沈没」の大ヒットを受けて東宝が次に制作したのが、五島勉氏のベストセラー(私も当時買って読んだ)の映画化「ノストラダムスの大予言」(1974)です。
 
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 中学生だった私は本作を封切り時に映画館で観ました(同時上映は当ブログの記事「ブルース・リーが大好き」や「セクシーな歌謡曲」でご紹介した「ルパン三世 念力珍作戦」でした)。つまらない作品でしたねぇ。
 本作は封印作品になっていて、現在は観れないんですよね。放射能による奇形児のシーンなどがまずいのだとか。ま、わざわざ観るほどの作品ではありませんから、どうでもいいですけどね。
 本作のヒロインは由美かおるさんです。
 
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 由美かおるさんは、この時期、同じ東宝の「エスパイ」(1974)でもヒロインを演じており、大活躍でした。
 
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 「エスパイ」と「日本沈没」の原作者である小松左京先生の超問題作「さよならジュピター」(1984)については、角川映画の記事のところで少し言及いたしました。
 
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 あの時お話いたしました三浦友和さんの無重力SEXシーンがこれです。
 
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 偉大なる小松左京先生を借金地獄に追い込んだ迷作「さよならジュピター」、機会がありましたら、ぜひ一度ご覧になってみてくださいね。「幻の湖」(1982)同様、あまりの内容に全身の力が抜けますよ。なはははは・・・
 
 以前、三國連太郎さんの追悼記事で一度ご紹介した「八甲田山」(1977)が、私は大好きです。高倉健さんと北大路欣也さんの規律正しい軍人ぶりが何とも素敵で。
 
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 また、本作で案内人役を演じた秋吉久美子さんがものすごく素晴らしかったのは、当ブログの記事「NHK大河ドラマ彩る女優たち2」でお話した通りです。
 
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 最後はちょいと古い映画のお話を・・・
 阪東妻三郎主演の「無法松の一生」(1943)です(私はこの作品を大学生のとき高田馬場にあったACTミニシアターで観ました。この小さい映画館は懐かし)
 
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 ある事件がきっかけで陸軍大尉と親しくなった九州は小倉の車引きで、無法松と恐れられる暴れん坊の松五郎が、大尉の死後、その未亡人への恋心を胸の内に秘めながら、大尉のひとり息子・敏雄(演じるのは後の長門裕之さん)の父親がわりになるというお話です。
 
 成長するにつれ自分を「ぼん」と呼ぶ松五郎を煙たがる敏雄。旧制中学に入った敏雄は他校の生徒との喧嘩に駆り出される。敏雄も喧嘩する年頃になったかと目を細めて喜ぶ松五郎。両校の生徒が入り乱れる大乱闘を木の影からこっそり見物していた松五郎の前で、ひ弱な敏雄は逃げようとする。それを見た松五郎は
「ぼん、なぜ逃げるんや? ええか、よく見ちょれ。喧嘩ってのはこうするんや!」
 そう言うなり、目の前にいた大男を一発でノックダウンさせ、そのまま大暴れ・・・
 阪妻(阪東妻三郎の愛称)の魅力爆発の名シーンです。
 
 阪妻は、元々は「雄呂血」(1925)など無声映画の剣劇スターだったのでしょうが、本作で見せた頼もしくて愛嬌のある人間味溢れる父親像こそが、最も彼の資質に合った役柄だと思います。
 とにかくスクリーンから伝わってくる阪妻の人間的魅力がすごいのよ。伊藤大輔監督は1958年に本作を三船敏郎主演でリメイクしておりますけど、あの三船敏郎でさえも阪妻の魅力には遠く及びませんでしたね。
 
 ちなみに阪妻の実子が、田村高廣さん、田村正和さん、田村亮さんです。
 
 阪妻の作品では他に、大阪の将棋指し阪田三吉を演じた「王将」(1948)や
 
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 大井川の渡し人足・寅八が、狐退治に行った際に拾った赤ん坊・善太(演じるのは後の津川雅彦さん)の父親になって育てるという、「無法松の一生」と同じテイストの作品「狐が呉れた赤ん坊」(1945)が良かったです。
 泣いたなぁ、「狐が呉れた赤ん坊」のラストシーンには。
 
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 本当に魅力的な、誰もが惚れる男でした、阪妻は。
 ぜひ一度ご覧になってみてください、阪東妻三郎主演のこれらの作品を。
 阪妻の人間的魅力にメロメロになりますよ。
 
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ジェームズ・ディーン

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 今週も変な天気でしたね。北海道は大雨でしたし。
 こちら群馬でも、火曜日か水曜日か忘れましたけど、朝方ドカーンというもの凄い音がして「すわ、北朝鮮のミサイル襲来か?」と慌ててはね起きましたところ、これがカミナリなんですよね。でも、カミナリって大きなのが来る前にゴロゴロという予兆があるものじゃないですか。そういうのが無くていきなりドカーンですもの。いよいよおへそが盗られるのかと、おっかなかったです(笑)。
 
 テレビで放送された「エヴァンゲリヲン新劇場版:Q」(2012)を観たのですけど、何でしょうね、これは。どんどん意味不明になっていくんですけど。
 大概の作品がそうですけど、エヴァも最初のテレビ放映版がいちばん面白かったですね。続編が出るたびに変てこりんになっていく・・・
 
 水原希子さんが出ているスズキワゴンRスティングレーのCMがカッコいいですね。バックに流れる曲は「ウッドストック」の記事の中でご紹介したジャニス・ジョプリンの「Move Over」。しびれます。
 
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 リチャード・キールさんがお亡くなりになりました。
 私の世代にとっては「007 私を愛したスパイ」(1977)と「007 ムーンレイカー」(1979)のジョーズ役でお馴染みの俳優さんです。ジャッキー・チェンと一緒に「キャノンボール2」(1984)にも出演なさっていましたね。
 大好きな俳優さんでした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 
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 しかしながら、今週もっとも注目を集めたニュースは、何といっても錦織圭選手の全米オープン決勝進出でしたね。
 残念ながら決勝戦では敗れてしまいましたけど、テニスの4大大会(グランドスラム)の決勝に日本人選手が残るなんて、快挙もいいとこです。
 それにしても、錦織選手と共に名前の挙がった世界のトップ選手たち・・・ジョゴビッチ、ツォンガ、フェデラー、マレー、チリッチ・・・みなさん有名な方たちばかりなんでしょうけど、私はまったく知りませんでした・・・私にとってテニス選手といえば、今でもボルグとマッケンローですからね・・・我ながら古いなぁ・・・あはは(汗)・・・
 
 いずれにせよ錦織選手がこれから野球のイチロー選手のように世界的なスーパースター選手になることを期待するばかりです。
 ところで、そのイチロー選手ですけど、かねてから彼を見るたびに風貌がジェームズ・ディーンに似ていると私は思っておりました。
 ということで、いささか強引ですけど(汗)、今回はジェームズ・ディーン主演の映画をご紹介したいと思います。
 
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 24歳で事故死したジェームズ・ディーンのまともな出演作は3本しかありません。
 まずは「理由なき反抗」(1955)です。
 
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 ジミー(ジェームズ・ディーンの愛称)は街の不良少年を演じます。大きな瓶に入った牛乳をごくごく飲むシーンが印象的でした。
 相手役は「ウエストサイド物語」(1961)のナタリー・ウッド。彼女は「刑事コロンボ」の記事でご紹介した「グレート・レース」(1965)にも出ていました。きれいなお姉さんですね。
 
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 次に「エデンの東」(1955)。
 
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 原作はジョン・スタインベック。私のブログでは小説「怒りの葡萄」と「朝めし」をご紹介したアメリカの文豪です。
 しかしながら、この映画を観たあとスタインベックの原作を読むと(ん?)という気持ちになりますよ。なぜなら原作は映画の中でジョー・ヴァン・フリートが演じた主人公の母親ケイト(原作ではキャシー)の話が大半を占めるからです。
 
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 この母親(キャシー)の部分から原作をちゃんと描いたのが、「ジョニーは戦場へ行った」(1971)のティシモー・ボトムズ主演のテレビドラマ「エデンの東」(1981)です。
 
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 キャシーを演じたのは、私が愛して止まない映画「ある日どこかで」(1980)のジェーン・シーモアでした。
 
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 好きだわぁ、ジェーン・シーモア。このドラマを私は観ていないのですけど、観てみたいです、ジェーンが出ているのなら。うっとりするほど美しいですものね、ジェーンは。大好きです。
 
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 映画の方に話を戻しますね。
 ジミーは父親の愛に飢えたナイーヴな青年を演じます。
 
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 ジミーが列車の屋根に無断乗車し、母親のいる町へ行くシーンが印象的でした。
 
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 また、レナード・ローゼンマン作曲のテーマ曲が秀逸です。歴代映画音楽中、最高の1曲と評価する人が多い美しい名曲です。ぜひヴィクター・ヤング・オーケストラ版で聴いてみてくださいね、ユーチューブにアップされていますから。
 
 本作の欠点はヒロインを演じたジュリー・ハリスでしょうね。だってあまり可愛くないんですもの。彼女は当ブログの記事「シャーリイ・ジャクスンのくじ」でご紹介した「たたり」(1963)の女霊媒師役が適役でしたね。
 
 そして、ジミー最後の出演作が「ジァイアンツ」(1956)です。
 
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 これは、テキサスの大牧場主が、新しい時代の波に翻弄されながらも、誇り高く生きてゆく物語です。
 原作者はエドナ・ファーバー。彼女は1931年と1960年に映画化された「シマロン」の原作者でもあります。このうち1931年度版で主役を演じたのは「ママの思い出」(1948)のアイリーン・ダンでした。
 「シマロン」も名作です。ぜひご覧になってみてください。
 
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 監督は、その「ママの思い出」や「シェーン」(1953)で有名な巨匠ジョージ・スティーヴンスです。
 
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 主人公の牧場主を演じるのは、ロック・ハドソン。
 
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 甘いマスクとマッチョな肉体が売りの、日本でいえば小林旭的な、昔風のハリウッド二枚目俳優です。
 彼の出演作では、他にドイツ軍の要塞を破壊するイギリス兵を描いた「トブルク戦線」(1967)が面白かったです。
 
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 ジーナ・ロロブリジーダと共演した「9月になれば」(1961)という楽しい作品もありましたね。ロロ(ジーナ・ロロブリジーダの愛称)も大好きです。
 
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 それにしても、本作で男の中の男を演じたハドソンが実はホモ太郎侍で、最後はエイズでお亡くなりになるとは・・・世の中わからんもんですなぁ・・・しみじみ・・・
 
 ハドソンのところへ嫁に来た東部の名門一族の娘を演じたのが、エリザベス・テイラー。この当時のリズ(エリザベス・テイラーの愛称)はホントきれいでした。
 
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 リズの出演作で最も有名なのが「クレオパトラ」(1963)です。
 この「クレオパトラ」は、20世紀フォックス社を倒産の危機に追い込んだ《映画史上空前の失敗作》として有名ですけど、そんなに悪い映画でしょうか? 私はそれほど悪い作品だと思わないのですけどね。シーザー役のレックス・ハリソンに風格があって素敵でしたしね。
 
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 そして、人妻リズに密かに想いを寄せているひねくれ者の牧童ジェット・リンクを演じるのが、我等がジミーです。
 
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 ハドソンの姉から遺言で僅かな土地を譲り受けたジミー。ところが、その土地から石油が出たから、さあ大変。次第に衰退していくハドソンとは逆にジミーは栄華を極めてゆく。しかし・・・というのが、おおまかなストーリーです。
 
 他の出演者では、メキシコ人女性と結婚するハドソンの息子を演じたのが、「イージー・ライダー」(1969)のデニス・ホッパー。この頃は真面目な若手俳優でした(苦笑)。
 
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 ハドソンの娘を演じたのが、キャロル・ベイカー。特に美人だと私は思わないのですけど、このヤフーブログには彼女の熱狂的なファンがいるみたいです(微笑)。
 
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 ジミーはスピード狂でした。下の写真はジミーが愛車ポルシェ・スピードスターを洗車しているところです。
 
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 そして、本作の撮影中、ジミーはポルシェ・550スパイダーで事故死します。自身が出場するレース会場へ行く途中の事故でした。
 
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 しかしながら、ブルース・リー同様、若くして死んだことによりジミーは伝説の人となります。
 三島由紀夫はジミーを「夭折の資格に生きた男」と呼びました。
 
 そんなジミーの魅力・・・それは新しさだと思います。だって、ロック・ハドソンを見ると、いかにも昔の二枚目だなと思いますけど、ジミーをいま見てもそれほど古さを感じませんものね。存在が新しいんですよね、ジミーは。
 伝説となる人物は必ず新しい何かをもたらします。当時の若者は、まだ潜在的であったかもしれませんけど、確実に顕在化しつつあった新しい時代の青年像を先取りして示してくれたジミーに熱狂したのです。
 
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 また、三島由紀夫は「不道徳教育講座」の中で、ジミーに関する次のような逸話を紹介しております。
 
 ・・・一体、見かけはヤクザっぽく、目つきもすごく、ひねくれているけど、内心は純情、気がやさしく、非常に心持ちがきれい・・・というような流行の青年像は、どこから出て来たのかと考えてみるに、結局「エデンの東」のジェームズ・ディーンに帰着するようである。こういうタイプは、女性の中の母親性を無類に刺激するらしく、映画評論家のK・K女史(※注・たぶん小森和子さん)のごときは、ディーンの死をきいてさめざめと泣き、ごはんもノドをとおらず、ディーンの一周忌にはJ・Dと頭文字を焼き込んだ葬式饅頭を知友に配り、私をつかまえては
「あなた、ニューヨークで、ディーンのよく行くレストランで、ディーンのいつも坐っていた席でごはんをたべてたって言ってたけど、そのときあなた、どんなズボンはいてた?」
 と訊くから
「さァ忘れちゃった」
 と答えると、
「そのとき穿いてたズボンを私に頂戴。ディーンの坐ってた場所に坐ったズボンを」
 と、おどろくべき要求を出し、つい先だって、ついにディーンの墓参のためアメリカへ旅立ちました・・・
 
 それでは最後にジェームズ・ディーンについてジャン・コクトーが書いた文章(梁木靖弘訳)を引用して、本日はおしまいにしたいと思います。
 
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 ・・・不服従は青春最高の贅沢だと考えられよう。だから、あまりに青春が自由すぎて、不服従が不可能であるという時代ほど悪いものはない。ジェームズ・ディーンは、私の眼には、習慣に対する不服従の一種の大天使と映る。そして彼の最高に美しい不服従の行為とは、約束された栄光に対して彼の死がつきつけた恐るべき拒絶のことではないか? 彼はいわば教師たちに舌を出して、教室の窓から逃げ出す小学生のように、この世から出ていった・・・
 ・・・ひとつの幻覚・・・一睡の夢・・・ひとりの若者、彼はあまりに速くつっ切ったので、進路の途中のメカニズムをひとつとして汚さない・・・これがジェームズ・ディーンであり、この故に多くの若者たちが、彼を大理石の彫刻より堅い雪像に仕立てあげたのだ・・・

魅惑の映画音楽その1

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 今日は大きな地震があったのですよ・・・お昼過ぎに・・・突然グラグラっと・・・群馬は震度5弱でしたっけ?・・・けっこう長く揺れていました・・・おっかないなぁ、もう・・・
 
 テレ東「ワールドビジネスサテライト」の大江麻理子アナウンサーが結婚するんですって? がっかり(涙)。ファンだったのにぃ・・・
 
 さて、前回のジェームズ・ディーンの記事の中で映画「エデンの東」(1955)を取り上げ、そのテーマ曲は歴代映画音楽の中でトップクラスの美しさだと申しましたけど、素晴らしい映画音楽は他にもまだたくさんあるんですよ。
 すでにご紹介した作品といたしましては、
 ジョン・バリー作曲の「ある日どこかで」(1980)のテーマ曲。
 ショパンのノクターン(夜想曲)をカーメン・キャバレロがアレンジした「愛情物語」(1956)のテーマ曲「トゥ・ラブ・アゲイン」。
 当ブログの記事「タワーリング・インフェルノ」と「戦場にかける橋」でご紹介した「慕情」(1955)のテーマ曲。
 「スター・ウォーズ」(1977)などでお馴染みのジョン・ウィリアムズが作曲した「おしゃれ泥棒」(1966)のテーマ曲・・・があります。
 個人的には「青い体験」(1973)のテーマ曲も、聴くと下半身が条件反射的にむっくりと硬直してきて、好きだなぁ・・・あはは(汗)・・・
 
 ということで、今回から2回に分けて、映画そのものはたいした事がないのですけど、そのテーマ曲が素晴らしすぎる作品をご紹介いたします。
 中身的には、巷に溢れる名作映画音楽のラインナップと同じようになり、皆さんよくご存知の作品ばかりでつまらないかもしれませんけど、このブログは私の大好きなものをすべてご紹介するのが趣旨ですので、そこんところはご容赦くださいね。
 
 
 ☆ 「いそしぎ」(1965)のテーマ曲「シャドウ・オブ・ユア・スマイル」
 
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 前回の記事でご紹介した「ジャイアンツ」(1956)に出演したエリザベス・テイラーがシングルマザーの画家に扮し、リチャード・バートン演じる息子が通う学校の校長と不倫するお話です。
 作品としては駄作でした。ただ「いそしぎ」という題名、その日本語の響きがいいですよね。いそしぎ・・・漢字で書くと磯鴫となり面白味が消滅しますけど、ひらがなで「いそしぎ」と書くと何だか不思議なムードが醸し出されます。
 エリザベス・テイラーとリチャード・バートンは私生活上もくっついたり別れたりを繰り返しました。
 
 
 ☆ 「南太平洋」(1949)のテーマ曲「魅惑の宵」
 
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 この映画は、子供のころ両親と一緒にテレビで観たはずなのですけど、内容はまったく記憶にありません。
 でも、「サウンド・オブ・ミュージック」(1959)などを作ったリチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世のコンビによる音楽は、美しすぎますわな。
 
 
 ☆ 「黒いオルフェ」(1959)のテーマ曲「カーニバルの朝」
 
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 ブラジルはリオのカーニバルを舞台にした映画。あまり面白くなかった記憶しかありません。でも、ルイス・ボンファの音楽は素敵でした。
 村上龍さんの小説「限りなく透明に近いブルー」の乱交パーティのシーンに「音楽はルイス・ボンファのゆったりとしたサンバ」という一文がありましたけど、それってこの曲のことでしょうか? 
 
 
 ☆ 「ロミオとジュリエット」(1968)のテーマ曲
 
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 当ブログの記事「遠藤周作の怪奇小説集」で一度ご紹介したオリビア・ハッセー主演の映画。ハッセーはこの作品のジュリエット役で世界的なアイドルとなり、私が中学生の頃は日本でも大人気でした。
 その後、ハッセーは1980年に角川映画「復活の日」に出演し、歌手の布施明さんと結婚します(後に離婚)。
 杏里さんが歌った名曲「オリビアを聴きながら」(作詞作曲・尾崎亜美)のオリビアとは、歌手のオリビア・ニュートン=ジョンのことでしょうけど、私にとってオリビアといえばオリビア・ハッセーしかおりませんです。
 
 
 ☆ 「シェルブールの雨傘」のテーマ曲
 
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 セリフがすべて歌という、考えようによっちゃアホみたいな映画。ただし内容は深刻なものでしたけど。
 当ブログの記事「フレンチ・コネクション」と「ルイス・ブニュエル」でご紹介した通り、主演のカトリーヌ・ドヌーヴが、私は大好きです。
 
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 本作では単なるカワイ子ちゃんでしたけど、その後《魔性の女》に変貌します。
 
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 色っぽいですう、カトリーヌ様。あなたと一緒なら破滅してもいい(苦笑)。
 
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 ☆ 「世界残酷物語」(1962)のテーマ曲「モア」
 
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 昔は今のようにインターネットがありませんし、テレビもまだまだ未成熟でしたので、世界の果てまで行って、そこに住む人々の生活や珍しい風俗などを取材してくるのは、専ら映画の役割でした。
 そんな時代に、《やらせ》を使った怪しげなドキュメンタリー映画を作っていたのが、本作のヤコペッティ監督です。
 この「世界残酷物語」は、その物珍しさから世界中で大ヒットし、続編(1963)も作られました。私なんぞは続編に登場した、お金を払えば若い女の子とキスが出来るコーナーに並ぶ入れ歯のおじいちゃんが忘れられません。
 ヤコペッティ監督は、その後「ヤコペッティの大残酷」(1975)なるドキュメンタリーじゃない普通の映画を作り(最近ようやくDVD化されました)、これは私が中学生の時に公開されました。相当ぶっ飛んだ作品でしたけど、ミシェル・ミラーという女優さんが演じるクネゴンダ姫がエッチで可愛くて、私はけっこう好きでした。
 
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 ミシェル・ミラーさんは、私が20代のころ活躍したAV女優・沙羅樹さんにちょいと雰囲気が似ていましたね。え? そんな人だれも知らないって? うるうる。
 
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 ☆ 「ある愛の詩」(1970)のテーマ曲
 
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 「愛とは決して後悔しないこと」
 というラストのセリフがきまったライアン・オニールとアリ・マッグロー主演の純愛映画です。テレビ放映時には二人の声を三浦友和さんと山口百恵さんが吹き替えていました。
 また、アリ・マッグローは後に「ゲッタウェイ」(1972)で共演したスティーブ・マックイーンと結婚します。
 
 
 ☆ 「男と女」(1966)のテーマ曲
 
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 「ダバダバダ」という男女のスキャットが印象的なフランシス・レイ作曲のテーマ曲が有名です。
 カーレーサー役のジャン=ルイ・トランティニャンとアヌーク・エーメが中年男女の恋を演じます。
 劇中、トランティニャンがフォードGT40を運転していましたね。カッコ良かった。
 
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 それから、アヌーク・エーメ・・・私は彼女の大ファンです。当ブログの記事「気になる女性たち3(昔のいい女篇)」でご紹介した阿川泰子さんに似た感じのクール・ビューティです。
 
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 ただし、「男と女」の時は、残念ながらちょっくら老けておりましたね。老けると険しい顔立ちになるんですよね、彼女は。
 アヌークが最も輝いていたのは、まずはジェラール・フィリップが画家モディリアーニを演じた「モンパルナスの灯」(1958)。
 
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 アヌークはモディリアーニが病死した2日後に自殺した内縁の妻ジャンヌ・エビュテルヌを演じました。
 
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 そして、フェデリコ・フェリーニ監督の「甘い生活」(1960)での金持ちの有閑マダム役。
 
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 独特の気品とけだるい雰囲気が最高でした。
 
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 横からの眺めは、まるでピカソの絵みたいな美しいラインです。
 
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 サングラス姿もバッチリ決まっています。
 
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 大好きですう、アヌーク!
 
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魅惑の映画音楽その2

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 お彼岸ですね。お墓参りに行きましょうか。
 
 テレ東京の大江麻理子アナに続き、今度は女優の仲間由紀恵さんが結婚。ガッカリ。おじさんは悲しいわぁ(苦笑)。
 
 小栗旬さん主演の映画「ルパン三世」が、けっこうヒットしているとか? まったく、世の中、もの好きな人が多いでんなぁ。
 
 さて、前回に引き続き、魅惑の映画音楽をご紹介する第2弾です。中身的には王道の名曲ばかりで、当たり前すぎて面白くないかもしれませんけど、それでもいいものはいいので、ぜひお聴きくださいね。ヨロシクです♪
 
 
 ☆ 「ひまわり」(1970)のテーマ曲
 
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 戦争で引き裂かれた夫婦の悲劇を描いた本作のテーマ曲を作曲したのは、ヘンリー・マンシーニ。美しすぎる名曲です。
 主人公の夫婦を演じたマルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンは、同じヴィットリオ・デ・シーカ監督の「昨日・今日・明日」(1963)でも夫婦を演じていました。こちらもいい映画ですから、ぜひご覧になってください。
 
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 それにしても、この頃のソフィア・ローレンって、米倉涼子さんにそっくりでしたね。
 
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 ☆ 「避暑地の出来事」(1959)のテーマ曲「夏の日の恋」
 
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 この作品を、私は観ておりません。
 しかし、マックス・スタイナーが作曲し、パーシー・フェイスがカバーした本作のテーマ曲「夏の日の恋」は、よく耳にしますし、大好きです。これも美しすぎますよね。
 
 
 ☆ 「夜霧のしのび逢い」(1963)のテーマ曲
 
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 ほんらい映画(本作も私は未見です)とは関係ない曲らしいのですけど、日本ではクロード・チアリさんのギター演奏ですっかりお馴染みの名曲です。
 チアリさん・・・昔はテレビ番組によくご出演なさっていましたけど、最近はあまりお姿を拝見しません。お元気でしょうか?
 
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 ☆ 「ティファニーで朝食を」(1961)のテーマ曲「ムーン・リバー」
 
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 トルーマン・カポーティの原作小説を、《世界の妖精》オードリー・ヘプバーン主演で映画化した作品で、音楽担当は「ひまわり」と同じヘンリー・マンシーニでした。
 劇中、オードリーがギターを弾きながら「ムーン・リバー」を歌うシーンは素敵ですよね。
 
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 ヘンリー・マンシーニの作品では「刑事コロンボ」のテーマ曲も有名です。
 
 また、オードリーの出演作では、「サウンド・オブ・ミュージック」(1965)の記事でいちど言及した、「マイ・フェア・レディ」(1964)の音楽も忘れられません。
 
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 「スペインの雨」や「君住む街角で」などの名曲が続く中で、やっぱり一番いいのは「踊り明かそう」(I Could Have Danced All Night)ですね。
 実際に歌っているのはマニー・ニクソンという人ですけど(最近オードリー自身が歌ったバージョンもDVDに収録された)、聴くと心がウキウキしちゃう名曲です。
 
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 ☆ 「白い恋人たち」(1968)のテーマ曲
 
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 1968年グルノーブル冬季オリンピックの記録映画です。
 この作品も私は観ていないのですけど、前回ご紹介した「男と女」(1966)や「ある愛の詩」(1970)のテーマ曲を作曲したフランシス・レイによるこの曲は、これまた美しすぎますわな。
 
 
 ☆ 「野生のエルザ」(1966)のテーマ曲「ボーン・フリー」
 
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 親とはぐれた仔ライオンとの生活を描いた実話の映画化です。
 音楽担当は、007シリーズや、私がことのほか愛する映画「ある日どこかで」(1980)のジョン・バリー。優しくて、繊細で、それでいて雄大な、ホントいい曲です。
 
 
 ☆ 「八十二日間世界一周」(1956)のテーマ曲
 
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 ジュール・ヴェルヌの小説の映画化。
 ヴィクター・ヤングによるこの作品のテーマ曲を聴くたびに、子供のころ日曜日の朝に放送していたテレビ番組「兼高かおる世界の旅」を思い出すのは、私だけでしょうか?
 
 
 ☆ 「ショウほど素敵な商売はない」(1954)のテーマ曲
 
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 ボードビリアン(日本で言えば寄席芸人)の一家を主人公にしたミュージカル映画です。
 「ショウほど素敵な商売はない」という曲は、もともと1950年に映画化もされた「アニーよ銃をとれ」というミュージカルの中の1曲でした。
 聴く者に元気を与えてくれる名曲で、私は大好きです。
 
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 この作品は本来《ブロードウェイの女王》の異名を持つエセル・マーマン演じる肝っ玉かあさんの物語だったはずなのですけれど、
 
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 後に世界のスーパースターとなるマリリン・モンローがわき役で出ていたため、今ではモンローの出演作としてしか語られなくなってしまいました。
 
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 そのモンローですけど、やっぱり魅力的ですよね。
 ファラ・フォーセットの記事に書きました通り、アメリカでセックス・シンボルとなる女優さんは、本当に肉感的な人ではなく、どちらかと言えば小柄で可愛い人なんですよね。モンローがまさにそうでした。
 
 それからモンローの歌声・・・これががまたいいのよ。モンローは歌心を持った女優さんでした。
 
 そんなモンローの最高傑作はビリー・ワイルダー監督の「お熱いのがお好き」(1959)です。
 
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 本作が白黒映画だと知ったモンローは、たちまち機嫌を悪くし、それと共に薬やアルコールの依存症もあって撮影中はトラブルの連続だったらしいですけど、この作品以上にモンローの魅力をうまく引き出している映画は他に無いと思います。
 特に列車の中でモンローがウクレレを弾きながら「Running Wild」を歌うシーン・・・小さなお人形さんみたいに可愛くて・・・もう素晴らしすぎます。
 
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 そして、舞台上でモンローが歌う「I Wanna Be Loved by You」。
 最高です。ププッピ・ドゥ♡
 
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 モンローのあどけない笑顔。
 
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 機嫌悪そうにしている時の横顔。
 
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 本当に可愛らしい女性でした。
 絵になる女優さん。
 大好きです、マリリン・モンロー。
 
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マルクス兄弟

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 大好評だったNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」が遂に、今日、最終回を迎えましたね。面白いドラマでしたので何となく名残惜しいです。
 このドラマの主人公・村岡花子のお孫さんが書いた本「アンのゆりかご-村岡花子の生涯」を読みますと、「赤毛のアン」の出版に尽力し、本のタイトルを「赤毛のアン」にしようと提案した若い編集者は、出版社倒産後、北海道北見北斗高校の社会科教師になったと書いてありましたけど、あら、北見北斗っておいらの母校じゃん!
 急に親しみがわいてきましたw
 
 ドカベン香川さんがお亡くなりになりました。私が北見北斗高校に通っていた頃から活躍されていた方ですので残念です。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 
 デブといえば(別に香川さんがデブだったと言っているわけじゃないんですよ。デブでしたけど。あはは・・・)、大相撲、逸ノ城の勢いが止まりませんね。
 これから10年くらいは逸ノ城の時代が続くんでしょうね。それにしても遠藤は何やってんだ、コラ。
 
 また性懲りも無くアダルトサイトを覗いておりましたところ(汗)、料金請求の画面が消えなくなってしまいました。以前はシステムの復元をすることで消えたのですけど、今回のものはシステムを復元しても消えません。恥を忍んでいつも修理を頼むパソコン会社に電話いたしましたら
「料金は8,000円から10,000円です」
 8,000円だぁ? そんなら自分で直すわい!
 ということで、ネットで情報を集め、請求画面消しに挑戦じゃい!
 まずはタスクマネージャー内のmshta.exeを終了させ、タスクスケジューラー内に書き込まれていたRedWriteとSystemBootを削除します。
 これでいったん請求画面は消えるのですけど、パソコンを起動すると再び画面が復活する仕掛けがしてありますので、そいつも削除しなければなりません。
 レジストリ(regedit)を開き、その中のHKEY_CURRENT_USERを開いて、Software→Microsoft→Windows→CurrentVersionへと遡り、ようやく辿り着いたRunとRunOnceに書き込まれているmshtaのタグを削除して終了。ふぅ、疲れた。
 たいへんですけど、パソコンの勉強になりますので、皆さんもアダルトサイトを見ましょうね(笑)。
 あ、念のために言っておきますけど、変な請求画面が出ても、お金を払う必要は一切ありませんからね。こういうのをワンクリック詐欺と呼びます。完全無視してくださいね。
 
 このところ従軍慰安婦に関する記事の件などで朝日新聞がさんざん叩かれていますけど(当然だわな)、朝日と一緒になってありもしない従軍慰安婦問題を煽り、日本の国益を大いに害した非国民が、ジャーナリストの本多勝一です。私が中校生から(北見北斗)高校生の頃は「貧困なる精神」等の著書で大活躍していました。
 その本多勝一について、彼が人気絶頂だった1970年代半ばに、我らが今東光和尚が、歴史的名著「続・極道辻説法」の中で、こう述べています。
 
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 ・・・本多勝一というのは朝日の、あのつまらねえ野郎じゃねえか? 朝日新聞かなんか大新聞を楯にとって、遠吠えしてるだけでよ。こんなやつ、新聞社から放り出されたら、何も読んだり書いたりできやしねえさ。一匹狼にもなれねえ哀れな男で、朝日というバックがあればこそ一人前の顔していられるわけだ・・・
 
 さすが今東光和尚。本多勝一の本質を的確に見抜いていらっしゃいました。
 
 さて、前フリはこれくらいにして、前回の記事の最後にボードビリアンの一家を描いたミュージカル映画「ショウほど素敵な商売はない」(1954)のお話をさせていただきましたけど、この映画のようにボードビリアンの家庭に生まれ、長じると兄弟で各地を回って喜劇の舞台に立っていたのが、今回ご紹介するマルクス兄弟(マルクス・ブラザースと表記されることもある)です。
 ちなみに「資本論」を書いたカール・マルクスと彼らは何の関係もありませんからね。
 舞台で人気を博したマルクス兄弟は活躍の場を映画に移し、映画の世界でも人気者になります。
 
 そうそう、マルクス兄弟は「ラブ・ハッピー」(1949)という映画(私は未見ですけど)で、駆け出し女優時代のマリリン・モンローとも共演しています。
 
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 マルクス兄弟は、元々は5人兄弟だったらしいのですけど、4男のガンモは映画には出演せず、5男のゼッポも「我輩はカモである」(1933)以降メンバーから外れましたので、一般的にはこの3人。
 
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 向かって左からグルーチョ、チコ、ハーポ、です。
 
 まずは墨で描かれた太い髭と眉毛が特徴的なグルーチョ。わけの分からない詭弁をしゃべりまくるマシンガントークと腰をかがめたアヒルみたいな歩き方がトレードマークです。また、ダンスを得意としています。
 
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 グルーチョのパートナー役でよく登場するのが、マーガレット・デュモンという女優さん。彼女が演じる大柄なお金持ちの未亡人と小柄なグルーチョの組合せが、何とも言えぬ可笑しみを誘います。
 
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 一見するとグルーチョが長男っぽいですが、実は3男でして、長男がチコで次男がハーポ。
 医者や政治家などのインテリを演じるグルーチョに、怪しげなチコとハーポがからんでくるというのが、毎度のパターンです。
 
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 チコは、山小屋の管理人みたいな恰好をした、いかにも世間の荒波に揉まれてきたような、貧相な顔の男ですけど、劇中では必ず顔に似合わぬ見事なピアノ演奏を披露してくれます。
 指を踊らせながら演奏するチコのピアノ。うっとりします。
 
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 チコとは正反対にファンタジーな風貌のハーポ。唖の設定で口笛やラッパで返事をします。また、ドラえもんのようにポケットから何でも出て来ます。可愛くて、悪戯好きで、マルクス兄弟のマスコット的存在です。日本のお笑い芸人でいえばネプチューンの堀内健さんみたいなタイプでしょうか?
 ハーポはハープの演奏を見せてくれます。これまたうっとりする腕前です。
 
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 1973年ころ「ビバ!チャップリン」と題して、チャップリンの映画が大々的にリバイバル上映されました。中学生だった私は、そのとき初めてチャップリンの映画を観ました。
 
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 同じように、1984年、「マルクスブラザース・フェステイバル」と題して、マルクス兄弟の「マルクス兄弟・オペラは踊る」(1935)や「マルクス一番乗り」(1937)等が、リバイバル上映されました。
 
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 私が初めてマルクス兄弟の映画を観たのが、この時です。新宿の映画館で観たのですけど、観終わった後、劇場内は拍手喝采でしたね。あまりにも楽しくて。
 ミュージカル仕掛けで、歌あり、踊りあり、笑いあり、のマルクス兄弟の映画は、観る者を幸せな気持ちにさせてくれる宝物です。
 
 同じ喜劇でも、チャップリンの映画は名人芸の喜劇、日本で言えば藤山寛美さんの松竹新喜劇の舞台みたいなイメージです。
 
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 それに対して、マルクス兄弟の喜劇は、チャップリンみたいに高級じゃない、もっと単純なドタバタであり、日本で言えば吉本新喜劇やザ・ドリフターズの「8時だよ! 全員集合」みたいなイメージです。
 実際、マルクス兄弟の映画を初めて観た時、私はドリフみたいだと思いましたもの。
 ドリフのメンバーはマルクス兄弟の映画に影響を受けたのでしょうね。髭ダンスの恰好なんかグルーチョそのものですものね。
 
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 ところで、話が少し逸れるのですけど、ユーチューブでたまたま観たナイツの漫才「言ってはいけないこと」は面白かったなぁ。
 皆さんもぜひご覧になってみてください。大爆笑まちがいなしですよ。
 
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 ・・・えー、話を戻しまして、私が実際に観たマルクス兄弟の映画は、「我輩はカモである」と「マルクス兄弟・オペラは踊る」と「マルクス一番乗り」の3本です。
 この中からマルクス兄弟の傑作ギャグをご紹介いたしますね。
 まずは「我輩はカモである」。
 
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 鏡のギャグがとても有名です。機密書類を盗み出すため首相であるグルーチョの邸宅に忍び込んだチコとハーポ。逃げる途中にハーポは部屋の大鏡を割ってしまう。仕方なくハーポは鏡に映るグルーチョを演じるハメに・・・
 
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 次は「マルクス兄弟・オペラは踊る」(下のDVDは何故かタイトルが原題の直訳「オペラの夜」になっておりますけど)。
 
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 ニューヨークへの船旅。グルーチョにあてがわれた部屋は極小。その狭い部屋へ密行者のチコとハーポと若いオペラ歌手。おまけに次々と人が入ってきて大混乱に・・・
 
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 最後は「マルクス一番乗り」。
 私はこの作品がいちばん気に入っています。水辺でのバレー・ダンスのシーンがお見事ですし、ラスト近くの黒人たちによるダンスも素晴らしいの一言。傑作です。
 
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 馬券売り場でアイスクリーム売りに扮しカモを探すチコ。グルーチョがそのカモに。「トッティー、フルーティー、アーイスクリーム!」というチコの呼び声が何とも可笑し。
 
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 ちなみに、「マルクス一番乗り」でヒロインを演じたモーリン・オサリヴァンは、ターザン映画のジェーン役で有名です。
 そして、彼女の娘が当ブログの記事「カリガリ博士」の中でご紹介した「ローズマリーの赤ちゃん」(1967)で主演したミア・ファローです。
 
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 作家の筒井康隆氏が「私が影響を受けたのはフロイトとマルクスだ」と言ったのは有名です。ここで言うフロイトは精神分析学の祖ジークムント・フロイトですけど、マルクスというのは「資本論」のマルクスではなく、こちらのマルクス兄弟のことなのです。
 
 楽しい映画ですよ。ぜひご覧になってみてくださいね。

ブルース・ブラザース

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 御嶽山の噴火により多くの方がお亡くなりになりました。
 秋の行楽シーズンの最中、晴れ渡った青空の下、山の紅葉を楽しもうと思って頂上付近にいた人たちは、たまりませんよね、とつぜん噴火されちゃ。今回は水蒸気爆発による噴火でしたけど、これがもし溶岩を伴う噴火でしたら、もっと甚大な被害が生じていたことでしょう。恐ろしいことです。
 警戒レベルを上げておくべきだったと気象庁が非難されていますけど、難しいですよね、こういう判断は。特に今の季節は地元にとって一番の稼ぎ時でしたからね。観光客のいない真冬とかだったら、警戒レベルがすんなり上がったのでしょうけど・・・お亡くなりになった方にはお気の毒でしたとしか言いようがありません。自然の驚異には敵いません。
 
 お亡くなりになったと言えば、社民党党首だった土井たか子さんがお亡くなりになりました。土井さんの死を受けて作家の百田尚樹氏が「彼女は北朝鮮による拉致を否定したばかりか、拉致被害者家族の情報を北朝鮮に流した疑いのある売国奴」とツィッターしたところ、たくさんの人から「死んだ人に何てこと言うんだ」と批判されたそうです。
 日本人である我々が、《死者に鞭打つ行為》を嫌う心情はよく理解できるのですけど、しかしながら拉致被害者の事を考えたら、これくらい言われてもしょうがないんじゃないの、土井さんは。旧社会党の連中は、共産主義者たちとグルになって、日本を貶めることばかりしてきましたからね、今まで。
 
 私のブログで何度か言及した《エロの無法地帯》FC2ライブアダルト配信ですけど、遂にFC2に捜査の手が入るというニュースが流れた途端、さっと潮が引くように皆いなくなりましたね、今まで配信していたレギュラー連中が。しばらくは息を潜めておとなしくしているんでしょうね、奴らは。あはは。
 
 という感じで暗いニュースが多い昨今ですが、いつまでも暗い気持ちでいてもしょうがありませんので、ここらへんで楽しいお話を、少し・・・
 前回、ユーチューブにアップされているナイツの漫才「言ってはいけないこと」が面白いと書きましたけど、他にも面白い作品がたくさんアップされているんですよ(いつまでアップされているか保証は出来ませんけど)。その中から特に私が気に入っている作品を、いくつかご紹介しちゃいますね。
 
 まずは横山やすしと西川きよしの漫才「大砲」。
 さすがはやすきよ。うまいです。名人芸。横山のやっさんがとにかく可笑し。
 
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 次にコント集団「ザ・ニュースペーパー」の松下アキラ扮する小泉総理による《さよなら原発講演》。これも非常にうまいです。真理をついた笑いが、お見事!
 
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 ザ・ドリフターズの《サウナでヤクザに遭遇》というコントも大好きです。カトちゃんの表情が可笑しくて。
 
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 それから、柳沢慎吾さんの、むかし時代劇で若山富三郎さんと共演した時のエピソード。何度観ても笑えます。数ある慎吾話の最高傑作ですね、これは。
 
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 若山富三郎さん関連では、安岡力也さんをはめた昔懐かしいドッキリ番組が、最近アップされました。若山さんと清川虹子さんの(ウソの)結婚式に招待された力也。会費はひとり1万円と聞いていたところ、他の出席者たちが軒並み100万円やら50万円という大金を持ってきたものだから、さぁ大変。焦る力也は・・・という内容です。これまた笑えますよ。若山先生の演技が上手い! ぜひご覧になってみてください。
 
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 さて、前フリはこれくらいにして、本題に入らさせていただきますね。と言っても、やはりお笑い系の話ですけど。
 前回「マルクス兄弟」のお話をいたしましたが、新しいマルクス兄弟と呼びうるのが、アメリカの人気テレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」から生まれたジョン・ベルーシとダン・エイクロイドによるブルース・ブラザースです(ちなみに彼らに憧れた日本のユニットがバブルガム・ブラザースです)。
 今回は彼ら主演の映画「ブルース・ブラザース」(1980)をご紹介いたします。
 
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 監督は「狼男アメリカン」(1981)やマイケル・ジャクソンのプロモーションビデオ「スリラー」で有名なジョン・ランディスです。
 
 刑務所を出所したブルース・ブラザースの兄ジェイク(ジョン・ベルーシ)が弟のエルウッド(ダン・エイクロイド)と共に、経営難に陥った孤児院を救うため、バンドを作ってお金儲けをしようとするお話です。
 その間に、歌あり、踊りあり、派手なカーアクションありで私たちを楽しませてくれるのですけど、いちばん楽しいのが多彩な大物ゲスト出演者の面々です。
 まずは、ジェイクに神の啓示をもたらすファンキーな牧師役に、《ソウルの帝王》《ミスター・ダイナマイト》ジェームス・ブラウン。
 
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 ジェームス・ブラウンは「ロッキー4/炎の友情」(1985)でのステージも忘れられませんね。
 
 孤児院の管理をする老人役が《ジャズシンガー界の大御所》キャブ・キャロウェイ。舞台上で往年の大ヒットナンバー「Minnie the Moocher」を歌ってくれます。
 
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 観客と一体となって合唱する
 
   ハリハリハリハイ
   オリオリオリオー
   ヒリヒリヒリヒー
   ハリハリハリホー
 
 が最高に盛り上がります。
 
 大衆食堂のおかみさん役が、《ソウルの女王》《ローリングストーンズ誌が選ぶ偉大なシンガーベスト100第1位》アレサ・フランクリン。
 
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 彼女が食堂でパワフルに熱唱する「Think」は、最近もどこかのCMで使われていました。
 
 楽器店の店主役が《R&Bの神様》レイ・チャールズです。レイがピアノを弾きながら「シェゲナ・ベイビー(shake it up baby)」と歌ってくれます。
 
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 この他にジェイクをつけ狙う謎の女役が、「スター・ウォーズ」(1977)のレイア姫ことキャリー・フィッシャー。
 
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 「未知との遭遇」(1977)のスティーヴン・スピルバーグ監督もちょい役で出演しています。
 
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 そして主演の二人・・・ジョン・ベルーシの方は「サタデー・ナイト・ライブ」でサムライ食堂のコントをやっていましたね。
 太っちょ体型ながら踊らせればスピーディで軽やかなステップを踏み、サム・ハン・キンポーみたいにバク転も自由自在。歌もお上手。なかなか芸達者な人です。
 
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 しかしながら、ベルーシはヤクの大量摂取が原因で、1982年に急死してしまいます。
 
 ダン・エイクロイド・・・この人はなかなかの才人でして、歌もダンスも芝居もOKな上に、脚本も書きます。「ブルース・ブラザース」も彼が脚本を書いています。
 また、彼は歴史的な音楽イベント「USA for AFRICA」に参加して「We Are The World」を歌いました。いちばん後ろの列に眼鏡をかけた姿で立っています。
 
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 この後、ダン・エイクロイドは、自身が脚本を書いた「ゴースト・バスターズ」(1984)に出演します。ベルーシが生きていればビル・マーレイが演じた役をやるはずでした。
 
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 エイクロイドがゴーストの出現に驚いた顔・・・いい表情していますw
 
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 ダン・エイクロイドの出演作で、私なんぞが印象深いのは、「花嫁はエイリアン」(1988)です。
 
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 エイリアンの花嫁を演じたキム・ベイシンガーが、とにかくきれいで色っぽくて・・・
 
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 た、たまりませんですよね、この乳首ポッツンが・・・ハァ、ハァ・・・
 
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 キム・ベイシンガーはテレビドラマ「チャールズ・エンジェル」第1シーズンの「潜入! 戦慄の女囚刑務所」という回にゲスト出演していました。
 この時も、ファラ・フォーセットのお家芸である乳首ポッツンを披露しておりましたから、スタッフはキムをファラの後継者に予定していたのでしょうか?
 キムのチャールズ・エンジェル・・・これも観てみたかった・・・
 
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 ついでにもう一枚、映画「ネバーセイ、ネバーアゲイン」(1983)から、キムのサービスショットを・・・ごっくんですう・・・
 
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 「花嫁はエイリアン」でダン・エイクロイドの娘を演じたのが、アリソン・ハニガンちゃん。
 
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 可愛らしい美少女だなぁと思っておりましたけど、大人になったら、そこいらにいる平凡な娘になってしまいましたね。ガッカリ。
 
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 話を「ブルース・ブラザース」に戻しまして・・・本作は、本当に現代版マルクス兄弟映画と呼べる、実に楽しい映画です。
 オーティス・レディングの「I Can`t Turn You Loose」のご機嫌なイントロに合わせて登場し、ソロモン・バークの「Everybody Needs Somebody to Love」やサム&デイヴの「Soul Man」など、二人が歌う往年の名曲の数々・・・しびれます・・・
 おススメです。
 ぜひご覧になってみてください。
 あ、そうそう、1998年に続編「ブルース・ブラザース2000」が公開されましたけど、私は観ておりませんし、観る気もしませんです。あはは。

記憶に残る本(その他諸々篇その1)

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 雨ですね。台風が近づいているのでしょうか? 雨が降ると御嶽山での捜索が遅れます。早く全員が見つかるといいですね。
 
 訪問履歴に知らない名前があると、どういう人が読んでくれているんだろうと思って時々クリックするのですけど、「まだ記事がありません」というのが、けっこう多いんですよ。こういう人たちはブログを開設するだけで記事を書く気が無いのでしょうか? 私にはさっぱり理解不能なのですけど。
 
 さて、外は雨ですし、読書の秋でもありますから、今回は記憶に残る本のお話の続き、「その他諸々篇」をお送りいたします。
 気になった本がありましたら、ぜひ読んでみてくださいね。
 
 三島由紀夫じゃないですけど、私も自分の貧弱な肉体にコンプレックスを持った時期がありまして、よーしいっぱつ筋骨隆々の逞しいボディになってやろうじゃないかと奮起し、バーベルやダンベルを買い込み(池袋西武デパートのスポーツ用品コーナーでいちばん高い品物を買った)自宅でトレーニングに励んだことがあります。
 そのときトレーニングの教科書にしたのが、チャック・ウィルソン氏の「トレーニング・バイブル」という本でした。これはとてもいい本です。
 
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 また《ボディビル界の百恵ちゃん》西脇美智子さんの「ボディビル・マジック」という本も愛読しておりました。
 
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 西脇さんは当時タレントとしても活躍し、数々のテレビドラマや日活ロマンポルノ映画、さらにはジャッキー・チェン主演の映画「大福星」(1985)にもご出演なさいました。
 
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 残念ながら体調を壊してトレーニングをやめた私はチャックさんや西脇さんのようなスペシャルな体型にはなれませんでしたけど(それでも当時は女の子の前で裸になると、「あら、水泳でもやってたの?」と驚かれる程度にはなっていた)、バーベルやダンベルは腐る物ではないので、今も私の部屋に残っております。ベンチプレス用の台なんかも・・・一生残るんでしょうね、こういう物は・・・また、トレーニングを再開しようかしら・・・最近お腹が出てきたことだし・・・あはは(汗)・・・
 
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 当ブログの記事「30年前の現代思想」に書きました通り、1980年代初頭はニューウェーブな論客たちが多数登場した時代でして(現東京都知事の舛添要一氏もこの時期に登場した)、その中で私が最も好きだったのが、呉智英(くれともふさ、ごちえいと読んでも可)さんです。
 呉さんの「封建主義その論理と情熱」や「インテリ大戦争」、「読書家の新技術」という著書を、大学時代、私は愛読いたしました。現在活躍中の評論家・宮崎哲弥氏も、呉さんの大ファンだそうです。
 
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 呉さんの特徴は、自ら《インテリ》と名乗る膨大な博識で、似非知識人どもをコテンパンにやっつけるところにあるのですけど、そのやっつけ方が相手をおちょくる感じで、それが呉さんの巧みな文章と相まって、とっても痛快なのです。
 たとえば、校内暴力を無くすため教科書からデモや一揆の記述を無くし、代わりに水戸黄門や間宮林蔵の記述を載せろ、という高千穂商科大学助教授・名越二荒之助の意見を
 
 ・・・のみならず、間宮林蔵の反社会的性格は、渡辺崋山の『全楽堂日録』によれば(名越センセ、読んでるか、どうじゃ、ウリャウリャ)、はなはだしい変人、生まれついてのワガママ者で・・・
 
 と、こんなふうに批判します。ね、痛快でしょう?
 
 
 同じく当ブログの記事「30年前の現代思想」で取り上げた吉本隆明氏の「書物の解体学」も大好きな本です。
 
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 特にヘンリー・ミラーについて書かれた文章が印象に残りました。
 
 ・・・やがて、「私のいとこのジーンは、全然くだらない人間になってしまったし、スタンリーは最低の落伍者になった。かって私の最大の親友であったこの二人のほか、もう一人の友人ジョイは、いま郵便配達人になっている。私は、なにが彼らの人生をそんなものにしたかを考えると、泣けてくるのである。子供のころの彼らは実に立派だった・・・」(南回帰線)。そうだ、「なにが彼らの人生を」だ。それを知っていることが、ミラーの深い井戸であった・・・
 
 また、吉本さんが引用する、ミラー『わが読書』(田中西二郎訳)の中の一文。
 
 ・・・この書(『青二才のジャン』)の終わりに近く、父親の死が近づいた頃、親子はリンデンの樹の下で静かに語り合う。「わしが誤りを冒したのは」と、父が言う。「わしが親切な、人のためになる人間になりたいと思うたときであった。お前も、わしのように誤りを冒すじゃろう」悲痛な言葉である。あまりにも本当すぎる言葉だ。ここを読んだとき、ぼくは泣いた。ジオノのお父さんの言葉を思いだして、ぼくは再び泣く。ぼくはジオノのため、ぼく自身のため、《親切に》《人のために》なろうとして努力してきたすべての人のために泣く。心のうちでは《誤り》であることを知りながら、いまなお努力している人々のために・・・
 
 
 呉智英と同じように、似非知識人や似非科学者どもをおちょくりながら撃退するのが、と学会の「トンデモ本の世界」シリーズです。
 私はこのシリーズからたくさんの事を学ばさせていただいております。
 
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 《フィクションなら許されるか?》というタイトルで、門田泰明氏のトンデモ小説「黒豹スペース・コンバット」(トンデモな内容でありながらも大ベストセラー)を解説した文章が、特に面白かったです。
 
 ・・・そもそも、「黒豹」とは何か?
 これは特命武装検事・黒木豹介(すごい名前!)のニックネームである。検事といっても法定に立ったりはしない。国内はもちろん世界各地を飛び回り、日本の平和を乱す敵をぶち殺しまくる。愛用の拳銃はベレッタM92。専用の戦闘ヘリ・ヒューイコブラ(なんと座席が横に並んでいる!)まで持っている・・・
 
 また、「黒豹スペース・コンバット」には、宇宙空間で登場人物たちが火の粉をまき散らしながら飛ぶ流星に危うくぶつかりそうになるシーンがあるのですけど、登場人物の一人が、ふうっと大きな溜息をつきながら、「凄いですねえ、宇宙は」と言う記述に対して
 
 ・・・あのなあ! 「凄いですねえ」じゃねえよ!
 言うまでもないが、流星は地球の大気圏に入ってはじめて、空気との摩擦で燃えるのである・・・
 
 
 私は歴史の話、特に古代史の話が好きなのですけど、関裕二氏の「聖徳太子は蘇我入鹿だった」に始まる多数の著書には、大いに刺激をうけました。
 ただし、このブログにも書きました通り、私は古田武彦先生の説に共鳴する者ですから、関さんの御説には必ずしも賛成はいたしませんけどね。あはは。
 しかしながら、ものすごく古代史の勉強になりますし、また文章が平易で読みやすい。日本の古代史に興味がある方には、入門書としておススメです。
 
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 歴史のお話ならこのシリーズを忘れるわけにはまいりません。井沢元彦氏の「逆説の日本史」シリーズ。私の愛読書です。
 
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 古代篇のところでは日本人の心に巣食う怨霊信仰、言霊信仰がクローズアップされましたけど、近世篇に入ると(それと最近出版された「逆説の世界史」では)朱子学の弊害についての記述に、多くのページが費やされています。
 
 家柄や身分に関係なく実力ある者をどんどん登用した織田信長。しかし、その信長は、自分が取り立てた明智光秀に殺されてしまう。
 その二の舞いになりたくない家康は、自分の幕府を作るにあたり、大名を譜代と外様に分け、外様大名には国の政策に一切タッチさせないようにし、学問としては主君に対する忠義を重視する朱子学を奨励した。これで大名の謀反を防げると家康は考えました。
 ところが、幕末になると、日本の主君は天皇であり、徳川家は真の主君ではないという考えが広まり、結果的に朱子学によって徳川幕府が滅ぼされる事になるのですから、歴史は皮肉です。
 
 その朱子学の弊害その1。商業の蔑視。
 A地点で100円で買った物をB地点へ運び150円で売り、その差額を利益にするのが商業ですが、朱子学ではそんな商業を同じ物を知らん顔をして高い値段で売る詐欺みたいなものだと軽蔑します。
 江戸時代の身分が「士農工商」と商人がいちばん下なのは、この朱子学の影響でした。
 
 もちろん西洋にも商業や金融を蔑視する考えはあって、そういう皆から軽蔑される仕事を主にユダヤ人がおこなっていたので(社会から差別されていた彼らにはそれしか生きる道が無かった)、シェイクスピアの「ベニスの商人」のシャイロックのような人物が創造されたわけですけど、プロテスタントが商業を価値のある行為と認めて以降、西洋では商業に対する偏見は無くなりました。
 
 幕末の3大改革というと、何となく私たちは、傾きかけた徳川幕府を建て直すべく、《暴れん坊将軍》徳川吉宗や松平定信が頑張ったと思いがちですけど、その実は朱子学で頭がゴリゴリにこり固まった吉宗や定信が、商業活動を制限し質素倹約を無理強いしたせいで、社会が深刻なデフレに陥り、徳川幕府の寿命を縮めただけなのでした。
 ですから、本当は貿易などの商活動を盛んにして、ケインズ的な積極経済政策を推し進めることで幕府の財政を立て直そうとした田沼意次の方が正しかったのですけど、朱子学が支配する世界では意次は失脚し、長いあいだ悪者扱いにされてしまったのです(現在では意次の評価は極めて高い)。
 
 この商業を蔑視し農業を最重要視する考えは現代にも生きておりまして、毛沢東による文化大革命時代、中国では多くの知識人が強制的に農村へ送られて農作業に従事させられましたし、カンボジアではポル・ポト政権による徹底的な知識人弾圧+農業重視政策が採られました。
 
 朱子学の弊害その2。極端な「孝」の重視。
 主君に対する「忠」と親に対する「孝」、これらを重視するのが朱子学ですが、この2つのうち「孝」の方がより重視されます。
 ですから、たとえば国の存亡をかけた戦争中であっても、指揮官のもとへ故郷の親が病気だという知らせが届けば、その指揮官は戦争をおっ放り出してでも故郷へ帰るのが正しい行動なのです、朱子学の精神からは。
 また、年老いた両親と妻と幼い子供を抱えた貧しい男がいたとして、誰かを殺して食い扶持を減らさなければ全員が餓死するとしたら、朱子学の精神からは老い先短い親ではなく、幼いわが子を殺すのが正しいのです。
 
 このような朱子学が身に染みついておりますと、先祖の決めた教えに逆らうのが難しくなります。先祖は親の倍数だからです。
 アヘン戦争で中国がイギリスにあっけなく敗れた原因も、昔からのやり方に固執して西洋の新しい技術や兵器を取り入れようとしなかった為です。その点、日本は朱子学の影響が少なかったせいか、はたまた坂本龍馬や高杉晋作らが偉かったせいか、臨機応変に西洋の進んだ技術を取り入れ、西洋列強諸国の植民地にならずに済みました。
 
 また、朱子学の支配する世界では、公の意識が育ちにくくなります。国よりも親や親族を第一に考えるのでは、そうなりますわな。
 韓国大統領が退任後、必ずと言っていいほど親族による汚職で摘発されるのは、このためです。
 また、食品を偽装し、大気を汚染する中国の企業や人々。これらも公の意識の欠如が原因です。他人に迷惑をかけてもとにかく金を稼ぎ、お金持ちになったら一族で国を捨て海外へ移住すればいい、というのが奴らの腹なのです。
 
 井沢さんの本を読むと、こんなふうに朱子学がいかにアジア諸国に悪影響を及ぼしたかが、よく分かります。ぜひご一読を。
 
 また、さきほど毛沢東の文化大革命について少し言及いたしましたけど、その愚かさを知るのにはユン・チアンの小説「ワイルド・スワン」が最適です。こちらも必読ですよ。
 
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 10冊ばかり本をご紹介しようと思っておりましたところ、疲れちゃったので、今日はこれくらいにしておきます。
 続きは次回ということで。よろしくです♪

記憶に残る本(その他諸々篇その2)

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 昨日の午後から群馬では台風一過の青空が広がっています。気持ちいいですよね、秋の青空は。
 
 改編期ですからテレビでは特番が多いのですけど、2014仁川アジア大会男子マラソンにカンボジア代表として出場していた猫ひろしさんが、翌日「TBSオールスター感謝祭」に出演し、赤坂ミニマラソンを走っていたのには驚きました。なんだかなぁ(苦笑)。
 
 2014年度のノーベル物理学賞は、実用的な青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇名城大教授と天野浩名古屋大教授、中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授に決定!
 おめでとうございます。
 村上春樹さんの文学賞はどうなりますでしょうか?
 
 さて、途中になっていた記憶に残る本(その他諸々篇)の続きです。前回は井沢元彦さんの「逆説の日本史」まで話が進みましたよね。
 その流れで歴史に関する本を、もう一冊。一坂太郎氏の「司馬遼太郎が描かなかった幕末」です。
 
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 一坂さんは、これまでも明治維新に関する本を何冊かお出しになっていますけど、本書では単なる英雄譚に陥りがちの司馬遼太郎の小説を検証し、歴史というものは一人の人間が颯爽とカッコよく立ち振る舞うだけでどうにかなるような単純なものではないんだよ、ということを教えてくれます。
 司馬遼太郎ファン(私もそうです)が読んでも楽しめる内容です。歴史好きの方は、ぜひご一読を。
 
 
 次はわりと新しめの本を・・・
 白井聡氏の「永続敗戦論」です。
 
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 領土問題を始めとする日本を取り巻く現在の国際問題は、日本が第二次世界大戦で敗戦したという事実をうやむやにしている事(一例を挙げれば「敗戦記念日」ではなく「終戦記念日」としているだとか)に発すると論じる本です。
 それが、事実上その属国となっているアメリカに対してはこびへつらい、他のアジア諸国に対してはヒステリックな強い態度に出る原因だと言うのですが、そんな事言われたら私なんぞは、確かに日本はアメリカには負けたけど中国や朝鮮に負けたわけじゃない、と言い返したい気持ちになるのですけど、こういう考えが白井さんのおっしゃる永続敗戦の心理なのでしょうか?
 ま、このように本書の主張に全面的に賛成はしませんけど(特に上の写真を見てもらえば分かるように朝日新聞が大絶賛したというところも引っかかる)、それでもたいへん刺激的な、教えられるところの多い本です。
 
 たとえば、日本が抱える3つの領土問題、北方領土、竹島、尖閣諸島に関して、多くの日本人は
「北方領土は第二次世界大戦終戦間際のどさくさに紛れて旧ソ連が無理やり盗んでいった」
「竹島も、日本が敗戦で元気の無かった時期に、韓国がうまいこと盗んでいった」
「尖閣諸島は、地下に大量の石油が埋蔵されていると知った中国が領土的野心を抱き、それまでは見向きもしなかったくせに最近になって急に自分たちの領土だと主張し始めた」
 と、こんなふうに思っています。
 ところが、本書を読むとそんなに単純では無い事が、よく分かります。問題は日本のポツダム宣言受諾とサンフランシスコ平和条約締結のどちらを重視するかなのですけど、詳しくは本書をお読みください。
 
 第二次世界大戦後の世界において、真に主権国家と呼べるのは、アメリカとロシア(旧ソ連)しかないという本書の指摘は重要です。
 
 また、第二次世界大戦後のパワーバランスでは、ソ連ならびに北朝鮮、中国という共産圏との間に、韓国と台湾がクッションのようにいてくれたお陰で、戦後日本の繁栄があったという指摘も重要です。
 日本が共産主義国家とちょくせつ対峙する地理的状況にあったら、アメリカの日本に対する支配の度合いが違っていたでしょうからね。
 
 それに関連して、たびたび《押しつけ憲法》と批判される現行憲法ですけど、皮肉なことにアメリカによって押し付けられた憲法、とくに憲法9条があったからこそ、日本はアメリカによる共産圏との戦争、すなわち朝鮮戦争やベトナム戦争に付き合わずに済み(韓国は付き合わされた)、経済的発展を遂げる事が出来たという指摘も重要です。
 
 とても刺激的で勉強になる本です。ぜひご一読を。
 
 
 当ブログでたびたび名前を出させて頂いた三橋貴明さんの本を、私は愛読しております。
 
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 三橋さんはたくさんの本を出していらっしゃって、どの本を読んでも似たり寄ったりの内容なのですけど、彼の主張ポイントは三つ。
 
 一つ目はデフレ論です。
 橋本内閣、小泉内閣、そして民主党政権・・・日本はバブル経済が崩壊した後ずっとデフレだったのに、構造改革の名の下、無駄をはぶけ、民間に出来る事は民間に、コンクリートから人へと、インフレを抑制する真逆の政策ばかりを続けてきた為、日本はデフレをこじらせ、現在の泥沼状態に陥った(安倍内閣が何とかデフレから脱却しようとしておりますけど・・・でも、消費税を10%にするようじゃ、お先真っ暗ですな)。
 
 二つ目は日本経済破綻論者に対する反論。
 日本は借金大国で、このまま行けばギリシャみたいに破綻する(だから借金を減らすため増税をしなければならない)と主張する連中の嘘を暴き、増税して自分たちの権限を拡大したい財務省を牽制します。
 
 三つ目は韓国や中国やEU諸国の経済分析です。
 特に何かと日本と衝突する事が多い韓国と中国の経済はどうなっているのか? その真実を冷静に分析し、彼らとの付き合い方を伝授してくれます。
 
 勉強になりますよ、三橋さんの本は。
 
 
 最近の本では増田俊也氏の「なぜ木村政彦は力道山を殺さなかったのか」も面白かったです。
 
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 1954年、《昭和の巌流島》《空手と柔道どちらが強いか?》と日本じゅうの注目を浴びた(らしい。私が生まれる前の話ですから、よく知りませんけど)、力道山と木村政彦による世紀の一戦が行われました。
 結果は力道山のKO勝ち。
 木村政彦は、その後、《力道山に負けた男》としてしか人々の記憶に残らなくなり、やがてその存在は忘れ去られます。
 
 ところが、1990年代に入り、何でもありのアルティメット大会(UFC)で圧倒的な強さを見せたグレイシー柔術が注目されると、その祖であるエリオ・グレイシーを破った男として、木村政彦は再び注目を浴びることになります。
 
 本書はそんな木村政彦の人生を追いながら、柔道やプロレスやその他格闘技の歴史を分かりやすく教えてくれる、たいへん得難い本です。柔道にはもともと打撃があった事を、私は本書で初めて知りましたもの。
 
 作家の平野啓一郎氏による本書の書評「この本にはやるせなさが満ちている」が心に滲みます。
 
 ところで、力道山や木村政彦などマッチョな人たちの話題から急に連想したのですけど、前回ボディビルの話を少しさせていただきました。
 私がアーノルド・シュワルツェネッガーやシルベスター・スタローンのような体になるべく、「ザバス・プロテインXX」を飲みながらせっせとバーベルやダンベルを持ち上げていた20代の頃、憧れのボディビルダーと言えば、男性ではフランク・ゼーン。
 
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 女性ではジュリエット・バーグマンでした。
 
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 誰も知らないでしょうけど、こんな人たちのことは。でも、私にとってはとっても懐かしい人たちです。あはは(汗)・・・
 
 
 再びクラシックな本の話に戻ります。
 禅の本「臨済録」が、私は大好きです。
 
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 臨済和尚のエネルギッシュな行動と「仏を外に求めるのではなく、自分の心の中に見出すようでなければダメだ」という教えが、私の心にビビッと響きました。
 
 
 同じように岡倉天心(本名は覚三)の「茶の本」も、私の心にビビッと響いた一冊です。
 
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 茶道の歴史を通じて日本人の精神世界を語る天心。いいですよねぇ、こういう本は。ホントしみじみといい。心の清涼剤ですな、これは。
 
 
 永井荷風の「断腸亭日乗」を、私は愛読しております。
 
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 これは荷風が亡くなるまでつけた日記です。臨在和尚のようなエネルギッシュさで若い愛人との情交を楽しみ、浅草や赤線地帯を探検する荷風じいさん。なかなかのものです。
 読み物としてもたいへん面白いです。荷風はよく蔵書を虫干します。これが何か可笑し。
 
 また、愛人お歌との情事から彼女の発狂のくだりは、一篇の小説みたいです。
 お歌との別れの際、彼女が可愛がっていた白犬を引き取り、みんなから「白(しろ)」と呼ばれていたその犬を、あまりにもありきたりな名前では可哀想だからと「只魯(しろ)」という名前にするところなど、いかにも荷風らしくてチャーミングです。
 
 下の写真はストリッパーのお姉さま方に囲まれてご満悦の荷風先生。こんなジジイになりたいものです。
 
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 本書と荷風の小説「濹東綺譚」を合わせて作られたのが、新藤兼人監督の映画「濹東綺譚」(1992)です。
 
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 当ブログの記事「気になる女性たち3(昔のいい女篇)」に書きました通り、主演の墨田ユキさんがとても素敵で美しかったです。
 
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 1960年に映画化された際は、墨田ユキさんが演じたお雪の役を、当ブログの記事「わが愛しの邦画大女優その1」でご紹介した山本富士子さんが演じていらっしゃいました。
 
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 他にお雪を演じるとすれば、誰がいいですかね?
 まだ私のブログではご紹介したことのないクラシックな美しさを誇る邦画大女優さんを、何人か挙げてみますね。
 司葉子さんなんかいいですよね。
 
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 現在は息子さんの奥さんが元Winkの相田翔子さんですよね。キリッとした美人でした。
 
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 大島渚監督の奥さんだった小山明子さんもいいな。
 
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 私も小山さんの乳が吸いたいですう(苦笑)。
 
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 加山雄三さんと「若大将シリーズ」でコンビだった星由里子さんも外せませんね。
 
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 水着姿もとっても素敵。
 
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 二谷英明さんの奥さんだった白川由美さんも良かったです。一時は郷ひろみさんの母親でもあったわけですよね、彼女は。
 
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 うーん、セクシーですう。
 
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 岡田茉莉子さんも可愛かったです。
 
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 そして色っぽかったです。
 
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 高田美和さんは、勝新太郎主演の「座頭市兇状旅」(1963)や「大魔神」(1966)の頃は、可憐な乙女だったのに
 
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 日活ロマンポルノ映画「軽井沢夫人」(1982)では、一転、大胆な濡れ場を演じ
 
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 その後は大人の色気で私たちモテない男子一同を悩殺してくださいました。ハァ、ハァ・・・
 
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 という事で、最後はまたしても話が脱線してしまいましたけど、今回ご紹介した本はどれも素晴らしいので、ぜひお読みくださいね。
 精神が刺激されますよ。

素晴らしき角川映画

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 村上春樹さんのノーベル文学賞受賞は今年もダメでしたけど、テレビでは馴染みのカフェに集まった《ハルキスト》なる変な兄ちゃん姉ちゃんたちが落選の報にガッカリする様子を、さかんに流しておりました。
 何ですか、あれは? くだらんものを映すな。私はテレビ局にそう言いたい。
 そもそも村上春樹の小説が世界各国で愛読されているという事実が、私には信じられません。どこがいいの、あんな小説の? 私には精神の衰弱あるいは幼稚化としか感じられないのですけどね。
 
 声優の家弓家正さんがお亡くなりになりました。家弓さんと言えば宮崎駿監督の最高傑作「未来少年コナン」のレプカ局長。ピストル型の焼き鏝をコナンの眼前に突き出して「よく見ろ。熱いぞ」。キャー、しびれるお声。大好きな声優さんでした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 
 ラーメン店で口論になった他の客を踏み殺した体重120キロの巨漢の男。こいつは人を殺した後も平然とラーメンを食べ続け、駆けつけた警官に「メシを食ってる場合じゃないだろう」と一喝されると、「これが最後の晩餐なものですから」とぬかしたとか。
 このクズ野郎は自分を映画か何かの登場人物と勘違いしているのですかね? 現実に対する意識が非常に希薄なように思えるのですけど。現実には、このバカ一人のお陰で、こいつの親戚一同がどんな悲しい目に遭うことか。死刑でも刑が軽すぎますな、こういう不愉快極まる畜生は。
 
 さて、本日は懐かしい角川映画のお話をさせていただきます。
 ちょうど私が高校生の頃スタートした角川映画には、プロデューサーである角川書店社長・角川春樹氏の
 「洋画に負けない日本映画を作る!」
 「日本映画界に革命を起こす!」
 そういうパッションが満ち溢れていて、作品の出来はともかく、私なんぞはその心意気をたいへん愛しておりました。
 
 角川映画からテレビで大々的に映画のCMを流すようになったんですよね。それまではテレビで映画のCMなんか観たことがありませんでしたからね。「読んでから観るか、観てから読むか」などのキャッチフレーズが頻繁に登場するようになり、角川映画は日本の広告のスタイルも変えました。
 
 記念すべき角川映画第1作目は「犬神家の一族」(1976)でした。
 
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 この作品により日本中で横溝正史の一大ブームが起き、かく言う私も横溝先生の推理小説「八つ墓村」や「本陣殺人事件」等を夢中になって読みました。ホント面白かったです。
 
 「犬神家の一族」は亡くなった信州財閥界重鎮の遺産を巡るドロドロした肉親同士の争いを描いた物語で、そのおどろおどろしい雰囲気が観客を惹きつけました。
 監督は日本映画界の巨匠・市川崑。市川監督はお亡くなりになる2年前(2008年)に本作をリメイクなさいましたけど、それだけ思い入れのある作品だったのでしょうね、この「犬神家の一族」は。
 
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 事件の謎を解明する私立探偵・金田一耕助を演じたのは石坂浩二さん。少しとぼけたところもある知的な二枚目・石坂さんは、金田一耕助に適役でした。
 
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 金田一耕助が滞在するホテル(旅館?)の女中役の坂口良子さんが、とっても可愛く、そして演技上手だったのは、以前お話した通りです。
 
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 そして、本作のヒロインが、島田陽子さんです。
 
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 美しかったなぁ、当時の島田陽子さんは。(私が勝手に考えるところの)70年代3大美人女優のひとり島田陽子さん(ちなみに他の2人は松坂慶子さんと中野良子さんです)。この当時はテレビや映画に引っ張りだこでした。
 
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 「仮面ライダー」や中村雅俊さんと共演した「われら青春!」の時の島田陽子さんは、笑うとエクボが出来て、もうたまらないくらい可愛かったです。
 
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 着物姿もお似合いです。
 
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 映画では「黄金の犬」(1979)と同じ角川映画「白昼の死角」(1979)の時の島田陽子さんが最高にセクシーでした。映画そのものはどうでもいい作品でしたけど・・・ショーケンと共演したテレビドラマ「くるくるくるり」がまた観たいな。
 最近の落ちぶれた(失礼!)島田陽子さんを拝見するのはつらいです。
 大好きです、島田陽子さん!
 
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 また、大野雄二さんが作曲した本作のテーマ曲が、美しすぎる名曲なんですわ。大好きです、私はこのテーマ曲が。何度聴いてもうっとりします。
 ちなみにテレビ版では古谷一行さんが金田一耕助を演じていたのですけど、茶木みやこさんが歌うテレビ版の主題歌「まぼろしの人」もまた隠れた名曲です。ご存知ない方は一度ユーチューブで聴いてみてください。大野さんの映画版主題曲はもちろん素晴らしいですけど、茶木みやこさんの曲も不気味なムードが漂っていて素敵ですよ。
 
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 角川映画第2作目は、森村誠一原作「人間の証明」(1977)。
 これにより今度は森村誠一ブームが起きました。
 
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 まず、この「人間の証明」というタイトルがいいですよね、キャッチーで。同じ中身であっても、これがナントカ殺人事件とかいうタイトルだったら、こんなに人気は出なかったと思います。やっぱ作品のタイトルって大切ですね。
 
 本作ではニューヨークロケを敢行いたしました。
 日本人としては大柄な松田優作でも、外人さんと並ぶと細くて小柄に見えるものなんだなぁ、とそういう感想を抱いた記憶があります。
 
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 この作品の鍵となるのが、西条八十の「帽子」という詩です。
 
   母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね?
   ええ、夏、碓井から霧積へ行く道で、
   谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ
 
 テレビCMでは松田優作がこの詩を朗読していました。
 また、この詩を基に作られ、出演者のひとりジョー山中さんが歌う「人間の証明のテーマ」は、私のカラオケの十八番でもある名曲です。
 
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 角川映画第3作目は、2作目と同じく森村誠一原作となる、「野性の証明」(1978)でした。
 
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 主演は高倉健さん。
 昨年、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で再び注目された薬師丸ひろ子さんが、本作でデビューいたしました。
 
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 自衛隊の特殊部隊兵士(ちなみに、特殊部隊の訓練シーンでアメリカ人教官に扮していたのは、大人気テレビドラマ「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」でオスカー・ゴールドマン局長を演じたリチャード・アンダーソン)だった高倉健さんが、訓練中ある村の大量殺人事件に出くわし、その村でただひとり生き残った薬師丸ひろ子ちゃんを養女にして東北地方のある町で暮らしていたところ、自衛隊と癒着関係にあるその町の名士の悪行三昧が明るみに出てきて・・・というのがおおまかなストーリーです。
 
 見どころはアメリカでロケした戦闘シーン。設定上は自衛隊の国内演習場となっておりますけど、とても日本とは思えない風景の場所を本物の戦車が走り、ヘリコプターが飛び交います。
 健さんが空に向かって撃つシーンの機関銃も本物でしょう。
 
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 このように角川映画は、1作目2作目3作目と、どんどんスケールアップしてゆきました。
 
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 そして本作のヒロインが中野良子さん。島田陽子さんと並ぶ(私が勝手に考えるところの)70年代3大美人の一人(もう一人は松坂慶子さん)です。
 
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 健さんと中野良子さんは「君よ憤怒の河を渉れ」(1976)でも共演いたしました(良子さんの横にいるのは大滝秀治さんですね)。
 
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 ということで、ここで久しぶりに、私のブログではすっかりお馴染みの、中野良子さんオンステージを始めさせていただきます(苦笑)。
 良子さん、大好きですう!
 
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 うわ、何て可愛いんでしょう、中野良子さんは。
 
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 良子さんのキリッとした表情がたまりませんですう。
 
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 ウギャアアア、もうどうにでもしてちょうだい、中野良子さあああああん。
 
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 ・・・えー、話を元に戻しまして、その後も角川映画は前野曜子さんの記事でご紹介した松田優作主演の「蘇える金狼」(1979)や千葉真一さん主演の「戦国自衛隊」(1979)などの佳作を世に送り出しましたが、
 
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 角川映画らしい金のかかった大作と言えばこれ、「復活の日」(1980)です。
 
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 何と南極ロケを敢行したのですからすごいですよね。
 
 細菌兵器による人類の絶滅を描いた本作の原作者は、日本SF界の第一人者・小松左京です。小松先生原作の映画化作品としては、他に「日本沈没」(1973)や由美かおるさんのおっぱいが忘れられない「エスパイ」(1974)等があります。
 
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 あ、そうそう、三浦友和さんの無重力SEXで有名な「さよならジュピター」(1984)なるサイテー映画もありましたね。あはは(汗)・・・
 
 主演は草刈正雄さん。人気テレビドラマ「ライフルマン」のチャック・コナーズも出演していました。
 
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 ヒロインは、布施明さんの奥さんだった、オリビア・ハッセーでした。
 
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 日本映画界に革命を起こすべく奮闘した角川映画でしたが、80年代に入りますと薬師丸ひろ子さん主演の「セーラー服と機関銃」(1981)や
 
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 原田知世さん主演の「時をかける少女」(1983)が大ヒットしたことから
 
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 大作映画主義を捨て、薬師丸・原田によるアイドル映画路線にシフトします。こちらの方が儲かるのですから、しょうがありませんわな。
 確かに当時は薬師丸ひろ子ちゃんも
 
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 原田知世ちゃんも初々しくて可愛かったですけどね。
 
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 それから、この当時は石原真理子ちゃんが、日本でいちばん可愛い女の子だった時期もあったんですよ。今では、やたらに鼻の穴が大きい、気持ちの悪いおばさんですけど。
 たしか人気絶頂期には明石家さんまさんとも交際していたんですよね、彼女は。羨ましいぞ、さんま。
 
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 このように角川映画は途中から路線変更いたしまして、路線変更後の作品にはまったく興味がありませんけど、初期の角川映画作品のことは今でも愛しています。
 角川春樹、あんたはエラかった。
 私は角川春樹のパワーと情熱を尊敬します。

大好きな日本映画その1

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 季節の変わり目だからでしょうか、最近また体調が良くないのよねぇ。急に寒くなりましたからねぇ。風邪なのかなぁ?
 
 病気と言えば、日本でデング熱が流行ったと思ったら、アメリカでは2人目のエボラ出血熱感染が発覚。怖いですねぇ。日本には入って来ないでしょうね、エボラ出血熱。
 
 さて、前回は懐かしい角川映画について語らせていただきましたけど、ついでに私の大好きな日本映画の中から、まだ取り上げていなくて、しかも単独で記事にする程の知識を持ち合わせていない作品を、これから2回に分けてどどっとご紹介しようと思います。
 また長い記事になりそうな・・・しんどいなぁ・・・もう年だからなぁ・・・あはは(汗)・・・
 
 角川映画第1作目「犬神家の一族」(1976)の後、引き続き東宝は同じ市川崑監督・石坂浩二主演で、「悪魔の手毬歌」(1976)、「獄門島」(1977)、「女王蜂」(1978)と金田一耕作シリーズを作りました。
 どの作品も大好きなのですけど、最後の作品となった「病院坂の首縊りの家」(1979)が、特に懐かしいです。
 
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 まずタイトルがいいですよね。「病院坂の首縊りの家」。「病院坂」と「首縊り」という言葉の組み合わせが何とも言えぬ不気味さを醸し出しています。
 原作者の横溝正史先生は、こんなふうに言語感覚が非常に優れたお方でして、「犬神家」、「八つ墓村」、「獄門島」・・・と作品のタイトルを聞くだけでぞくぞくしちゃいます。
 
 私はこの作品を当時住んでいた福島県富岡町の小さな映画館で観ました(国家公務員だった父は色んな場所へ転勤したのです)。ひどくボロい映画館でしたので映像や音響の状態が非常に悪く、私は半分くらいしか理解出来なかったのですけど、それも含めて懐かしい思い出です。。
 その富岡町も、東日本大震災の福島第一原発事故により、現在は無人の町と化しているんですよね。何か悲し。
 
 この作品には、後に宗教にはまって芸能界を引退することになる桜田淳子さんが出ています。淳子さんは一人二役を熱演していらっしゃいましたよ。
 
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 また、本人役で横溝先生が、かなり長い時間、出演なさっています。今となっては貴重な映像です。最後の「また紅茶か・・・」という先生のセリフが渋い!
 
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 ここ30年の日本映画界で最も才能のあった監督が伊丹十三です。
 伊丹さんは俳優、エッセイスト、商業デザイナー、イラストレーター、映画監督、とマルチに活躍した才人で、日本のジャン・コクトーと呼べるお方でした。
 
 俳優としては、当ブログの記事「NHK大河ドラマ」に書きましたように、「国盗り物語」の足利義昭役が印象深いです。
 また、チャールストン・ヘストン主演で義和団の乱を描いたハリウッド映画「北京の55日」(1963)での柴五郎大佐役も忘れられません。
 
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 そんな伊丹さんの監督作品の中で、私の最もお気に入りの作品が、「タンポポ」(1985)です。
 
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 宮本信子さんが経営する潰れかけたラーメン店を繁盛させるべく山崎努さんや渡辺謙さんが奮闘する本作は、伊丹さんの才気だけで出来上がっているような作品でして、私はこの作品のシュールさを非常に愛しています。
 また、本筋とは関係の無い登場人物のひとり、黒田福美さんや
 
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 洞口依子さんがとにかくエロくて(洞口さんは「マルサの女2」も良かった)、そういう点でも大満足な作品でした(笑)。
 
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 伊丹作品では、他に「マルサの女」(1987)ならびに「マルサの女2」(1988)が素晴らしかったです。
 
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 エロい映画と言えば、80年代前半の柳町光男監督の映画がエロかったですねぇ。
 まずは中上健次原作の「十九歳の地図」(1979)。
 
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 新聞配達をしながら予備校へ通っている青年が、世の中に対し屈折した感情を抱き、嫌な客の家へイタズラ電話をかけて憂さ晴らしをするというアウトサイダーなお話です。
 主人公の新聞配達仲間で、30歳になるダメ男を、今年お亡くなりになった蟹江敬三さんが演じています。その蟹江さんの女で、人目憚らず空き地で小便をする、少し頭のおかしなビッコの売春婦マリアを演じたのが、《70年代最強のスーパー・アニマル女優》沖山秀子さんです。
 
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 この沖山秀子さんというのが実にすごいお方でして、雑誌「映画秘宝」に載った藤木TDC氏の文章によれば、三國連太郎さんの追悼記事でご紹介した「神々の深き欲望」(1968)に出演した秀子さんは今村昌平監督の愛人となり、監督との破局後は「ゴダール映画への出演をおじゃんにされたから五百万円よこせ」とあるカメラマンを恐喝したかどで逮捕。留置場では全裸になって男性受刑者を歓喜させ(「みんな何日も女の体を見てないからね。私はブタ箱をパラダイスにしてやったんだよ」)、出所後は精神病院に入院。そしてマンションの7階から投身自殺。いや、正確に言うと自殺未遂。死ななかったから・・・
 ですから、この映画でのビッコの足も、足の大きな傷跡も、すべて本物。すんごいおばさんです。そんな秀子さんは2011年にお亡くなりになりました。
 
 柳町監督作品としては「さらば愛しき大地」(1982)も良かったです。
 
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 次第に寂れていく農村。農業では食っていけない根津甚八さん演じる主人公は、大型トラックの運転手を始めるものの、やがて覚醒剤に手を出し・・・というお話です。
 根津さんと秋吉久美子さんによるドロドロした濡れ場シーンが何ともエロかったです。
 秋吉久美子さんは、同じ時期、森田芳光監督の「の・ようなもの」(1981)でも、ソープ嬢役で見事な演技を見せてくれました。
 
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 当ブログの記事「NHK大河ドラマを彩る女優たち2」にも書きましたけど、1970年代半ばから1980年代前半の秋吉久美子さんは、本当に素晴らしかったです。天性の女優でした。
 
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 「さらば愛しき大地」は中上健次原作ではありませんけど、中上テイストの強い作品でした。このように中上作品が性に合う柳町監督が「十九歳の地図」に続いて撮った中上作品が、北大路欣也さん主演の「火まつり」(1985)です。
 
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 この作品で柳町監督の快進撃はストップします。どうしてかって? それは実際に本作をご覧になれば分かります。サイテー邦画の金字塔「幻の湖」(1982)と肩を並べるすごさでしたよ、この「火まつり」は。あはは(汗)・・・
 
 大人向けの映画の話が続きましたので、ここらへんで子供向け映画の話題を少し・・・
 
 当ブログの記事「50円のプラモデル」でお話いたしました通り、私は東宝のゴジラシリーズよりも大映のガメラシリーズや大魔神シリーズの方が好きでした。大映のモンスターの方が魅力的に感じられたのですね、私には。
 
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 「大魔神」(1966)の時の高田美和さんがものすごく可愛かったというのは、先日「記憶に残る本(その他諸々篇その2)」でお話した通りです。
 
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 そんな私ですが、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」(1967)に登場したゴジラの息子・ミニラは大好きでした。
 
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 このミニラ、こいつが可笑しんですわ。情けない顔しちゃってさ。火を吹けば丸い輪みたいなものしか出ないし。カマキリ怪獣にはなめられるし。
 ミニラの登場でゴジラの性別、雄か雌かが問題になりましたけど、いずれにせよ配偶者がいるわけなんでしょう? つまりゴジラは複数いるということなんですよね。と言うか、ゴジラ一族がこれまでずっと生存してきたのなら、一定数の仲間が必ずいるはずです。どこかにゴジラの秘密の島があるのでしょうか? ま、どうでもいい話ではありますけど。
 
 東宝特撮映画では「海底軍艦」(1963)が大好きでした。
 
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 太平洋に沈んだムー大陸(ちなみにムー大陸については当ブログの記事「大好きなアニメソングその5」の中の「戦え!オスパー」について書いた部分で語っております)の一族が、地上への復活を目論み、攻撃を仕掛けてくる。
 迎え撃つは大日本帝国海軍の生き残りが密かに完成させたスーパーウルトラ潜水艦「轟天号」。艦長は神宮司大佐(演じる田崎潤さんがカッコいい!)。
 この轟天号ちゅーのが凄いんですわ、奥さん。潜水艦なのに空も飛ぶんでっせ。おまけに先端には巨大なドリルが付いておますから地下にも潜れるっちゅーわけですわ。「マイティジャック」や「宇宙戦艦ヤマト」の前に、日本にはこんなごっつい船があったんでっせ。どや、すごいでっしゃろ?
 
 ・・・えー、デタラメ関西弁での説明はこれくらいに致しまして(苦笑)、ムー大陸の女王を演じる小林哲子さんに、私なんぞは激しく惹かれましたね。
 女王様らしく高飛車な態度で「マンダのいけにえにせよ」と命じるシーンなんか最高でした。
 
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 ちなみにマンダというのはこの龍みたいな怪物なのですが、あまり強くないのよね。見かけ倒しのしょぼい奴でした(笑)。
 
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 下は本多猪四郎監督と一緒に写真に収まる小林哲子さんです。うーん、気品があります。大好きです、哲子お姉さま♡
 
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 他に東宝の特撮モノでは、以前ご紹介した「妖星ゴラス」(1962)と「緯度0大作戦」(1969)が好きです。
 
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 「緯度0大作戦」には、なぜか「第三の男」(1949)や「ナイアガラ」(1953)の名優ジョセフ・コットンが出演しております。えらく落ちぶれちゃったのね。トホホ・・・
 この作品に登場するライオンと鷹を合体させた怪物グリホンが、私は大好きです。これのフィギアが欲しいな(子供っぽくてすいません)。
 
 最後は大人と子供の中間である青春映画のご紹介を。
 薬師丸ひろ子ちゃん主演の「セーラー服と機関銃」(1981)が有名な相米慎二監督の「台風クラブ」(1985)です。
 
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 台風で校舎に取り残された高校生男女のバカ騒ぎ・・・学校をさぼって東京へ冒険しに行く女子高校生・・・
 エネルギーがあり余っている青春時代のもやもやっとした気分をよく表現した快作だと思います。いい作品です。ぜひ一度ご覧になってみてください。
 
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 ということで、続きは次回です。おやすみなさい。

大好きな日本映画その2

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 阪神タイガースが9年ぶりに日本シリーズ進出。おめでとうございます。昔から「阪神が勝てば景気が良くなる」と言われておりますから、ぜひ日本一になっていただきたいものです。
 
 小渕優子経済産業大臣が辞任か? そもそもなぜこんな人が大臣をやっているのでしょうね? 父親の地盤を引き継いで国会議員になったというだけの、何の能力も実力も無い、ただのお姉ちゃんが。日本は平和だわ。
 
 75歳の病院理事長が散弾銃で30歳妻と無理心中。年の差、何と45歳! お金さえあれば孫と言ってもいいくらいの若い奥さんが貰えるんですね。
 くやしいです!(と、ザブングル加藤さんの顔真似をするふじまる君でしたw)。
 
 大好きな日本映画の話の続きです。
 その前に角川映画で好きな作品を1本ご紹介するのを忘れておりました。「魔回転生」(1981)です。沢田研二さんが天草四郎時貞を演じ、千葉真一さんが柳生十兵衛を演じた本作を、私はけっこう気に入っています。
 ジュリー(沢田研二さんの愛称)は、この当時、日本一のイケメンでして、現在のキムタクやマツジュンみたいな存在でした。
 
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 千葉真一さんと言えば、角川映画の記事でちょこっと言及した「戦国自衛隊」(1979)のラスト、設定上は妙蓮寺とされている古い藁葺き屋根のお寺で他の自衛隊共々殺されるのですけど、その後お寺は燃やされます。
 大丈夫なんでしょうね? あれはセットだったんでしょうね? たかが映画のために貴重な文化財を本当に燃やしたわけじゃないんでしょうね?
 あまりにもお寺が本物っぽかったので、それがずっと気にかかっているんですよ、私は。
 
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 さて、ここ30年間で最も才能のあった邦画監督といえば、前回ご紹介した伊丹十三監督の他に、ビートたけしこと北野武監督がおります。
 様々なタレントや文化人らが映画監督にチャレンジしておりますけど、本当に才能があったのは伊丹さんとたけしさんだけでしたね。この二人は、みずみずしい感性に溢れた、作家性の強い、素晴らしい日本映画の傑作を生み出してくれました。
 
 たけしさんの作品をぜんぶ観たわけではないのですが、観た中で私が一番好きな作品は、「3-4×10月」(1990)です。
 これもたけしさんお得意のバイオレンス映画のジャンルに入るのでしょうけど、伊丹十三監督の傑作「タンポポ」(1985)的なシュールさがあって、同じ題材を扱った「ソナチネ」(1993)よりも遥かに良い出来栄えでした。
 元ボクシング世界チャンピオンの渡嘉敷勝男さんが、いい味を出していました。「HANA-BI」(1998)の薬師寺保栄さんもそうですが、ボクサーだった方を上手に使いますね、たけしさんは。
 
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 他には、サザンオールスターズの桑田佳祐さんが監督した映画「稲村ジェーン」(1990)を「あんなものサーフィン映画じゃない」と批判して(まったくおっしゃる通りなのですけど)作った「あの夏、いちばん静かな海」(1991)や、落ちこぼれ高校生ふたりの夢と挫折を描いた「キッズリターン」(1996)が良かったです。
 現在、青春映画を撮らせたら、たけしさんがピカ一ですね。
 
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 バイオレンス系の作品では「BROTHER」(2001)が素晴らしかったです。加藤雅也さん、寺島進さん、大杉漣さん・・・出演者たちの演技もお見事でした。
 タランティーノ監督の「レザボア・ドッグス」(1992)や「パルプ・フィクション」(1994)と並ぶ傑作だと思います、これは(タランティーノとたけしさんには血脈を感じます)。
 
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 最近の「アウトレイジ」(2010)や「アウトレイジ・ビヨンド」(2012)もとても面白いのですけど、たけしさん独特の遊び心いっぱいな若々しい感性が薄れ、普通のヤクザ映画化しつつある点が、いささか残念です。
 
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 そういえば先日たけしさんも出演したテレビのバラエティ番組で、今年映画を初監督した劇団ひとりさんが映画評論家を貶して「自分では映画を作れないくせに偉そうなこと言うな」みたいな発言をすると、共演していた土田晃之さんも「テレビの野球解説者は元プロ野球選手ばかりなのに、なぜ俺たちが舞台に立って漫才をしたことも無い演芸評論家と称する連中に評論されなければならないんだ」という趣旨の事をおっしゃっておりました。こんなふうに考える人は案外多いのかもしれません。
 劇団ひとりさんや土田さんが評論家のレベルが低いとおっしゃるのはいいですけど、評論家という存在は不要だとおっしゃるのなら、それは違うと私は思います。
 だって、そんな事言い出したら、たけしさんの「TVタックル」等に出演していた政治評論家の三宅久之さんは政治家だった経験が無いため政治を語る資格が無かったということになり、デーモン小暮閣下がテレビで相撲の解説をするのもダメということになるじゃないですか。確かにテレビやラジオのプロ野球中継では元プロ野球選手の方が解説なさっていますけど、スポーツ新聞等ではプロ野球選手だったことのない普通の記者が試合の評論をしていますよね。これもダメなんでしょうか?
 そもそも漫才も映画も専門家に観てもらうためのものではなく、素人である一般人に観てもらうためのものなのですから、「素人が批評すんな」と言うのは本末転倒です。
 また、こんなふうに評論家を牽制する人には「俺の作品を批判するな。黙って良いと認めろ。そのまま受け入れろ」という弱い心が潜んでいるように思います。誰だって自分の作品を褒めてもらいたいし、貶されたくないものですけど、他人に批評される事を避けていたら前進はありません。謙虚な心で他人の批評に耳を傾け、次の作品をより良いものにしていただきたいものです。
 
 先程「現在、青春映画を撮らせたら、たけしさんがピカ一」と書きましたけど、私が中学生の頃はショーケンこと萩原健一さんがピカ一でした。
 そのショーケンが大人気テレビドラマ「太陽にほえろ!」降板後、神代辰巳監督との名コンビで作った青春映画が「青春の蹉跌」(1974)です。ものすごく優れた作品というわけではありませんけど、中学生時代に北海道北見市の映画館で観た、私には懐かしい作品です。
 
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 石川達三原作の本作は、エリートコースを進む青年が出世の邪魔になった女を殺すという、エリザベス・テイラーが最も美しかった映画「陽のあたる場所」(1949)の日本版と呼べる作品でした。
 その出世の邪魔になった女役が桃井かおりさん。
 最初観た時は、デブっとしていて、情緒不安定な感じのする、気持ち悪いお姉ちゃんだなぁと思っておりましたけど、この後70年代後半から80年代前半にかけて、秋吉久美子さんと共に時代を象徴する女優となります。
 下はショーケンと桃井さんのツーショット写真です。二人が並ぶと雰囲気が出ますね。
 
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 桃井さんは、この時期ショーケンとの共演が多く、名作テレビドラマ「傷だらけの天使」でも共演しておりますし、「青春の蹉跌」に続くショーケンと神代監督のタッグ作「アフリカの光」(1975)でも共演しておりました。
 「アフリカの光」は、人気絶頂だったショーケンが「真夜中のカーボーイ」(1969)を超える映画を作ろうと挑んだ作品ですけど、とんだ失敗作でしたね。「青春の蹉跌」の方がずっとマシでした。あはは(汗)・・・
 
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 青春と言えば、私が高校に入学した頃、大阪にある架空の大学、南河内大学応援団に所属する学生たちを描いた、どおくまん原作の漫画「嗚呼!! 花の応援団」が大ヒットいたしました。
 それまでの漫画には無かったエロさ、アナーキーさ、お下劣さ、大阪独特のボケがいっぱい詰まった、たいへんパワフルなこの漫画は、小林よしのり先生の「東大一直線」と共に、たちまち私たち男子のハートをガッチリ掴んだのでした。
 
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 主人公・青田赤道が発する「クエックエックエッ」や「ちょんわちょんわ」という奇声や「シビアー」、「役者やのォー」というセリフは流行語になりましたし、関西ではオ○ンコのことを「おめこ」と言うというのも、この漫画で初めて知りました。かんと炊き(おでんのこと)やアルサロ(アルバイトサロン)、1回生(1年生のこと)という言葉も初めて知りましたね。
 そして何よりも私に大阪に対する憧れを植え付けてくれたのが、この漫画です。読んでいて大阪弁のセリフが何と心地よかったことか。当ブログの記事「大阪のたこ焼き」に書きました通り、私は大阪大好き人間なのですけど、そのきっかけを作ったのが、この「嗚呼!! 花の応援団」なのでした。
 
 エピソードの中では、青田赤道が会津白虎大学の大虎清正と決闘する話が、特に印象深いです。
 
 どおくまんプロに所属する小池たかし先生の「浪花人生激情」や「怒りの吹田テレビ」も大好きだというのは、当ブログの記事「記憶に残るマンガ」でお話した通りです。
 
 この人気漫画を映画会社が放っておくわけありません。さっそく日活が曽根中生監督で映画化いたしました。
 今年の8月にお亡くなりになった曽根中生監督は、当ブログの記事「記憶に残る本(日本文学篇)」でご紹介した坂口安吾原作の「不連続殺人事件」(1977)の監督でもありますけど、何を撮らせても安っぽいB級作品しか生み出せなかった才能ゼロの監督でしたねぇ。
 出演者の大半がセリフ棒読みの素人という理由があるにせよ、映画版「嗚呼!! 花の応援団」も、いかにも曽根中生監督らしい実に安っぽく低俗な作品でした。ただし、私はこの作品の安っぽさを、今でも愛しておるのですけどね。あはは。
 
 映画「嗚呼!! 花の応援団」は3作作られまして、その中では井上治之さん(下の写真)が青田赤道を演じた2作目「嗚呼!!花の応援団 役者やのォー」(1976)が気に入っています(井上さんは、現在、大阪で《青田赤道の店》なる鉄板焼き屋さんを経営なさっているそうです)。
 
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 ところで、日活映画のため、このシリーズにはロマンポルノのきれいどころが多数出演しているのが、嬉しいところです。
 1作目「嗚呼!! 花の応援団」(1976)には「天使のはたわら 赤い教室」(1979)の水原ゆう紀さんが出ています。チョンの間の売春婦役の彼女に恋をした応援団の1回生が、彼女が客を取っているアパートの下で一生懸命エールを送る場面は、思わずジーンと来る名シーンでした。
 
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 2作目には色っぽさナンバーワンの宮井えりなさんと
 
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 テレビドラマ「子連れ狼」で乞胸お雪を演じた片桐夕子さんが出演していました。
 
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 3作目「嗚呼!! 花の応援団 男涙の親衛隊」(1977)には、「不連続殺人事件」にも出演した泉じゅんさんが出ています。ずばりタイプです。
 
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 そして、3作すべてに青田赤道憧れの女性役で出演していたのが、宮下順子さんです。着物姿がとてもよくお似合いのしっとりした美人です。
 
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 また、2作目3作目に「役者やのォー」のセリフでお馴染みの薬痴寺先輩役で出演していた、なぎらけんいちさんは、まさにハマリ役でしたね。
 
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 それから、曽根監督と同じく今年お亡くなりになった龍虎さんが、青田赤道が唯一頭の上がらない剛田先輩役でご出演なさっておりました。
 
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 他には応援団幹部・下村役の坂田金太郎さんがいい味を出していらっしゃいました。
 また、「異邦人」というグループが歌う本作のテーマ曲が大好きで、時々ユーチューブで聴きます。
 曽根中生監督の偉大なるB級映画「嗚呼!! 花の応援団」シリーズ、どこかで観る機会がありましたら、くれぐれも期待はせずに、ご覧になってみてください。
 私はむかし駄菓子屋で食べた懐かしい5円の駄菓子のように愛しています、このシリーズを。
 
 1970年代前半の日本は公害問題の高まりなどから人々が未来に対する不安を抱いた時代でした。
 そんな時代を象徴する映画が、角川映画の記事でご紹介した「復活の日」(1980)の原作者でもある小松左京原作の「日本沈没」(1973)です。
 
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 主演は藤岡弘さんといしだあゆみさん。いしださんのビキニ姿が垂涎ものでした。
 
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 可愛かったですよね、若い頃のいしだあゆみさんは。
 
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 「日本沈没」の大ヒットを受けて東宝が次に制作したのが、五島勉氏のベストセラー(私も当時買って読んだ)の映画化「ノストラダムスの大予言」(1974)です。
 
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 中学生だった私は本作を封切り時に映画館で観ました(同時上映は当ブログの記事「ブルース・リーが大好き」や「セクシーな歌謡曲」でご紹介した「ルパン三世 念力珍作戦」でした)。つまらない作品でしたねぇ。
 本作は封印作品になっていて、現在は観れないんですよね。放射能による奇形児のシーンなどがまずいのだとか。ま、わざわざ観るほどの作品ではありませんから、どうでもいいですけどね。
 本作のヒロインは由美かおるさんです。
 
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 由美かおるさんは、この時期、同じ東宝の「エスパイ」(1974)でもヒロインを演じており、大活躍でした。
 
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 「エスパイ」と「日本沈没」の原作者である小松左京先生の超問題作「さよならジュピター」(1984)については、角川映画の記事のところで少し言及いたしました。
 
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 あの時お話いたしました三浦友和さんの無重力SEXシーンがこれです。
 
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 偉大なる小松左京先生を借金地獄に追い込んだ迷作「さよならジュピター」、機会がありましたら、ぜひ一度ご覧になってみてくださいね。「幻の湖」(1982)同様、あまりの内容に全身の力が抜けますよ。なはははは・・・
 
 以前、三國連太郎さんの追悼記事で一度ご紹介した「八甲田山」(1977)が、私は大好きです。高倉健さんと北大路欣也さんの規律正しい軍人ぶりが何とも素敵で。
 
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 また、本作で案内人役を演じた秋吉久美子さんがものすごく素晴らしかったのは、当ブログの記事「NHK大河ドラマ彩る女優たち2」でお話した通りです。
 
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 最後はちょいと古い映画のお話を・・・
 阪東妻三郎主演の「無法松の一生」(1943)です(私はこの作品を大学生のとき高田馬場にあったACTミニシアターで観ました。この小さい映画館は懐かし)
 
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 ある事件がきっかけで陸軍大尉と親しくなった九州は小倉の車引きで、無法松と恐れられる暴れん坊の松五郎が、大尉の死後、その未亡人への恋心を胸の内に秘めながら、大尉のひとり息子・敏雄(演じるのは後の長門裕之さん)の父親がわりになるというお話です。
 
 成長するにつれ自分を「ぼんぼん」と呼ぶ松五郎を煙たがる敏雄。旧制中学に入った敏雄は他校の生徒との喧嘩に駆り出される。敏雄も喧嘩する若い衆になったかと目を細めて喜ぶ松五郎。両校の生徒が入り乱れる大乱闘を木の影からこっそり見物していた松五郎の前で、ひ弱な敏雄は逃げようとする。それを見た松五郎は
「ぼんぼん、なぜ逃げるんや? ええか、よく見ちょれ。喧嘩ってのはこうするんや!」
 そう言うなり、目の前にいた大男を一発でノックダウンさせ、そのまま大暴れ・・・
 阪妻(阪東妻三郎の愛称)の魅力爆発の名シーンです。
 
 阪妻は、元々は「雄呂血」(1925)など無声映画の剣劇スターだったのでしょうが、本作で見せた頼もしくて愛嬌のある人間味溢れる父親像こそが、最も彼の資質に合った役柄だと思います。
 とにかくスクリーンから伝わってくる阪妻の人間的魅力がすごいのよ。伊藤大輔監督は1958年に本作を三船敏郎主演でリメイクしておりますけど、あの三船敏郎でさえも阪妻の魅力には遠く及びませんでしたね。
 祇園太鼓を叩く阪妻の姿、素敵すぎます。
 
 ちなみに阪妻の実子が、田村高廣さん、田村正和さん、田村亮さんです。
 
 阪妻の作品では他に、大阪の将棋指し阪田三吉を演じた「王将」(1948)や
 
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 大井川の渡し人足・寅八が、狐退治に行った際に拾った赤ん坊・善太(演じるのは後の津川雅彦さん)の父親になって育てるという、「無法松の一生」と同じテイストの作品「狐が呉れた赤ん坊」(1945)が良かったです。
 泣いたなぁ、「狐が呉れた赤ん坊」のラストシーンには。
 
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 本当に魅力的な、誰もが惚れる男でした、阪妻は。
 ぜひ一度ご覧になってみてください、阪東妻三郎主演のこれらの作品を。
 阪妻の人間的魅力にメロメロになりますよ。
 
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必殺シリーズ

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 20日に小渕・松島両大臣が辞任したと思ったら、今度は小渕優子さんの後任として経済産業大臣になった宮沢さんが、政治活動費からSMバーへの支払いをしていた事実が発覚。別に違法ではないですけどイメージが悪すぎますわな。よりによってSMバーとはね。これじゃ安倍政権の支持率も下がるわけだ。
 
 同じ20日には大阪市役所で橋下大阪市長と在特会(在日特権を許さない市民の会)桜井会長との討論会が開催されました。
 皆さんもテレビでご覧になりましたでしょう? 約10分間、「うるせえ」とか「お前」とか、罵り合いに終始した討論会。
 橋下市長に関しては以前「フリークスとピンク・フラミンゴ」という記事にも書きましたけど、今回の討論会を見て、つくづく彼は政治家には向かないのだなぁと思いましたね。橋下さんが在特会のような胡散臭い連中を嫌うのは良く分かりますけど、彼らを嫌いだという本心をむき出しにして、しかも彼らと同じレベルの言葉でしゃべっちゃあきませんわな、いっぱしの政治家ならば。
 それでも、論戦で在特会を圧倒すれば、まだ救いはあったのでしょうけど、論戦でも負けていましたからね。
「文句があるのなら国会議員に言え」、「言いたい事があるのなら選挙に出て訴えろ」という橋下さんの市民運動を否定するかのような物言いは疑問ですし、橋下さんが「おまえ、自分には世の中を変えられる力があると勘違いしているんじゃないのか?」と言ったところ桜井会長に「それはあんたでしょう」と返されておりましたけど、まさにその通りですね。一時は自分が日本を動かすんだと調子に乗ってたんじゃないの、橋下さんは。でもね、単細胞な人間に国の舵取りを任せるわけにはいかないのよ、残念ながら。
 
 23日、矢口真里さんが「情報ライブ・ミヤネ屋」で1年5カ月ぶりにテレビ復帰。えらく話題になっておりましたけど、私にはどうでもいいニュースでした。矢口さんがなぜ人気があったのか理解出来ないワタクシですから・・・あはは(汗)・・・
 
 さて、以前「時代劇が大好き」という記事を書きましたけど、書き忘れていた作品がありましたので、ここでちょっくらフォローさせて頂きますね。
 
 長谷川一夫と京マチ子主演の映画「大仏開眼」(1952)が好きです。
 大仏開眼をテーマにしたドラマは2010年にもNHKで放送されましたけど、1952年の映画版は古さゆえの気品と格調に満ちていて、なかなか見応えのある良い映画でした。
 
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 それから、市川雷蔵主演の「眠狂四郎」シリーズも大好きです。
 
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 勝新太郎主演の「座頭市」シリーズと並んで大人気だった大映の「眠狂四郎」シリーズ。その魅力の一つはエロいところ。何だか妙にエッチなのよね、眠狂四郎の映画は。ま、そこが好きなんですけどね、私は。あはは(汗)・・・
 当ブログの記事「わが愛しの邦画大女優その2」でご紹介した藤村志保さんが出演した「眠狂四郎女妖剣」(1964)なんか非常に淫靡だったわぁ。激しくそそられたわぁ。
 
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 また「眠狂四郎炎情剣」(1965)の中村玉緒さんも色っぽかったです。現在の玉緒さんとはまるで別人ですね。
 
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 ちなみに、この「眠狂四郎炎情剣」には、胸のところに乳房をまさぐる金太郎の刺青を彫った女が登場するのですけど、これが「子連れ狼」に登場する乞胸お雪の元ネタなのでしょうか?
 
 と、このように昔の時代劇には、ただ単に面白いだけでなく、エロさも兼ね備えた大人のドラマが多かったのです。
 テレビでは中村敦夫さん主演の「木枯らし紋次郎」もエロかった。
 そして、高視聴率を誇っていたフジテレビの紋次郎を打倒すべく、テレビ朝日が世に送り出したのが今回ご紹介する必殺シリーズなのです。私の大好きなテレビシリーズです。
 
 必殺シリーズ第1弾は、1972年放送の「必殺仕掛人」。池波正太郎の小説を原作とする、世の中の悪人どもを金で雇われた殺し屋(すなわちこっちも悪人)が退治するという、画期的なダークヒーローの登場でした。
 
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 仕掛人(要するに殺し屋のことです)の元締役が山村聰さん。その奥さん役が先ほど話に出た中村玉緒さん。
 仕掛人の一人で剣の達人・西村左内を演じるのが、二代目長谷川一夫と呼べるほど端正な二枚目フェイスの林与一さんでした。
 
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 そして、坊主頭の針医者、仕掛人・藤枝梅安を演じるのが、緒形拳さんです。
 油ぎった男の色気と殺人者の狂気が併存した見事な演技でした。他の俳優さんも藤枝梅安を演じておりますけど、緒形さん演じる梅安さんが最高でしたね。というより梅安は緒形さん以外には考えられません。
 
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 梅安さんは仕掛針(ていうかどう見ても畳針なんですけど・・・)を敵の延髄にぶすりと突き刺して殺します。
 
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 緒形さんは、今年お亡くなりになった林隆三さん(当ブログの記事「気になる女性たち3(昔のいい女篇)」参照)と共演した「必殺必中仕置屋稼業」において、
 
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 小さなカミソリで敵の首をさっと斬り割いて殺す《知らぬ顔の半兵衛》を演じておりましたけど、ホント針やカミソリなどの小道具の使い方が上手いですね、緒形さんは。
 
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 必殺シリーズ第2弾は、1973年放送の「必殺仕置人」。
 
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 この作品から私はリアルタイムで必殺シリーズを観ました。たぶん紋次郎を観ていたのでしょうけど仕掛人の時は観ておりませんでした。仕掛人を観たのは再放送です。
 
 本作で藤田まことさん演じる中村主水が初登場します。
 
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 同時に菅井きんさん演じる主水の義母せんと白木万理さん演じる主水の妻りつも初登場します。
 
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 殺し屋の一人は坊主頭という仕掛人の設定を踏襲して、本作では山崎努さんが坊主頭の骨接ぎ医者《念仏の鉄》を演じます。
 
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 この鉄が指の骨をボキボキいわせて敵の首や脊椎を折って殺すシーンが大人気となりました。
 また骨が折れるシーンをレントゲン映像にする大胆さ! 必殺シリーズは、シリーズが進むにつれて時代劇のわくをはみ出してゆくのですけど、その原点はこのレントゲン映像にあると思います。
 
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 そして、もうひとり忘れちゃいけないのが、《棺桶の錠》を演じた沖雅也さんです。
 キャー、カッコいい、雅也アニキ!
 沖縄出身の孤独で寡黙で無欲で心の奥に正義の炎をメラメラと燃やしている《棺桶の錠》・・・女に興味を示さず黙々と棺桶を作り続ける錠の姿は、今にして思えば雅也アニキそのものだったんですねぇ・・・しみじみ・・・
 
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 錠の殺し道具はカートリッジ式の手槍。八角形の金属棒から鋭利な刃先を抜き出すと抜いた鞘の部分を柄のお尻に装着し(このときギリギリという金属のねじが締まる音がする)、コンパクトな手槍を作り、それを敵の頭や首に突き刺して殺します。
 
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 雅也アニキの演じた錠が作った若い兄ちゃんの殺し屋の系図は、この後「助け人走る」で宮内洋さんが演じた《島帰りの龍》や「必殺仕事人」で三田村邦彦さんが演じた《飾り職人の秀》に受け継がれてゆくわけですけど、どの人も雅也アニキの圧倒的な存在感には遠く及びませんでしたね。
 
 雅也アニキは「必殺仕置屋稼業」のクールな《市松》役も良かった。
 
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 また「太陽にほえろ!」のスコッチ刑事も素敵でした。
 
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 私も雅也アニキと一緒に六尺ふんどしを締めて浜辺を歩きたかった。
 大好きです、雅也アニキ!!!
 
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 必殺シリーズは「仕掛人」、「仕置人」と続きましたので、次も「仕○人」パターンだろう、そしてたぶんそれは「仕事人」だろうと思っておりましたところ、意外にも第3弾のタイトルは「助け人走る」でした。
 「助け人」というネーミングに違和感があった上に「必殺」の文字が消えた事で、私たちファンは大いに戸惑ったものです。
 
 ちなみに、このシリーズのスタッフは「仕事人」というネーミングをあまりにも安直で誰でも考えつくと嫌ったのか、なかなか採用しようとはせずに、この後も「仕留人」、「仕業人」、「からくり人」、「商売人」と続いた後、ようやく1979年になって初めて「仕事人」というネーミングを使います。
 しかし、その後も懲りずに「仕舞人」や「仕切人」、「橋掛人」(なんじゃ、そりゃ?)、「剣劇人」(???)という珍妙なる名称をひねり出すのですが、仕事人でいいじゃないのよ、そんなに無理せずに・・・と思うのは私だけでしょうか?
 
 話を戻しまして「助け人走る」ですが、タイトルには若干の不満がありましたけど、内容的には前2作に勝るとも劣らない面白い作品でした。
 
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 山村聰さん演じる元締の下で働く闇の助け人・・・ひとりは田村高廣さん(前回ご紹介した阪妻の息子さんですよ。顔がそっくりでしょう?)演じる剣の達人・中山文十郎。
 ドラマの後半、この文さんが殺しの道具として使う刀の形をした鉄棒が好きでした。重い鉄の棒で敵の骨を砕いて殺すのよ。迫力があったなぁ。
 
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 もう一人の助け人は、坊主頭枠の殺し屋で、中谷一郎さん演じる辻平内。
 平内さんは長いキセルの吸い口を抜くと現れる鋭く尖った先端を敵の首に突き刺して殺します。なぜキセルが武器なのか、それは未だに謎です。
 
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 ドラマの後半からは、さっきちょっと話に出た《島帰りの龍》という奴が登場しますけど、私にはどうでもいいキャラクターでした。
 また、ここまでの3作では、秋野太作(当時は津坂匡章)さんと野川由美子さんが、わきを固めておりました。
 
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 「必殺仕事人」の時代になると、野川由美子さんが演じた役割を、鮎川いずみさん演じるところの《何でも屋の加代》が務めておりましたね。
 
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 先程、昔の時代劇にはエロい作品が多かったと書きましたけど、「仕掛人」、「仕置人」、「助け人」と3作ともエッチなシーンが多く、特に「助け人」の第4話「島抜大海原」という回に出ていた、島流しになったショックで気がふれた商家の若奥さんを演じた川崎あかねさん(当ブログの記事「金環蝕」参照)がエロいことこの上なく、中学生だった私がハァハァ言いながらその回を観ておりましたところ、父から「いやらしい番組を観てるんじゃねえぞ!」と叱られたものでした。トホホ・・・
 
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 女性の話が出たついでに書いておきますけど、必殺シリーズの女性アイドルといえば、何といっても西崎みどりさんです。
 まず最初に彼女が歌った「暗闇仕留人」のエンディングテーマ「旅愁」が大ヒットいたしました。
 
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 その後、みどりさんは、京マチ子さん主演の「必殺仕舞人」等に出演なさいました。
 「旅愁」を歌っていた頃のみどりさんは素朴で可愛い美少女でしたけど、「仕舞人」の時はすっかり美しきレディになっておりましたね。
 
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 必殺シリーズの音楽を担当したのが平尾昌晃さんです。
 どれも聴くとワクワクする素晴らしい名曲ばかりなのですけど、面白いのは《ヒデとロザンナ》の出門英さんが《夜鶴の銀平》を演じた「必殺仕事人Ⅴ旋風篇」の殺しの場面で流れる曲。途中で平尾さんが作曲した「私の城下町」そっくりのメロディが流れてきて、それが何とも可笑しくて、私は大好きでした。
 
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 他に必殺シリーズで特筆すべき事柄といえば、1981年放送の「新・必殺仕事人」から登場した中条きよしさん演じる《三味線屋の勇次》と
 
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 山田五十鈴さん演じるおりくが大好きです。
 
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 お二人とも色気があって素敵ですよね。
 
 本日はここで終わりでも良いのですけど、時代劇つながりで最近読んだ本の話を、おまけにひとつ・・・
 明智光秀の子孫である明智憲三郎さんがお書きになった「本能寺の変431年目の真実」です。
 話題の本ですので前から読みたかったのですが、たまたま図書館で借りられたので、さっそく読んでみました。
 
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 明智光秀の謀反により織田信長が死んだ本能寺の変に関しては謎が多いんですよね。
 ①光秀の謀反の動機は何か?
 ②事実上の天下人であった信長が、なぜたいした護衛もつけずに本能寺に滞在していたのか?
 ③秀吉や家康は謀反の企てを知っていたのか?
 
 これらの疑問に明智さんが辻褄の合う明快な答えを提示してくれます。
 さらには、これまた謎である千利休切腹の理由、関白秀次切腹の理由、謀反人・光秀の娘である細川ガラシャが無事だった理由、光秀の家臣・斉藤利三の娘が春日局になれた理由、三代将軍・家光の名前の秘密・・・等についても、これからこの本を読む人のために詳しくは申しませんけど、驚くべき解答を出してくれます。
 もうビックリの内容で、成程そう考えると確かに辻褄が合うな、と感心すること大の本でした。
 ただ、明智さんの説に従うと信長は、自分が仕掛けた罠に自分で引っかかった、とんだ間抜け者ということになり、そこにちょいと疑問が残らないわけではないのですが・・・
 それにしても本書は、これまで考えた事の無い結論を示してくれる、たいへん刺激的な本です。
 歴史好きの人にも、そうじゃない人にも、おススメです。ぜひ、ご一読を。
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