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007 ロシアより愛をこめて

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 マレーシア航空機はまだ見つからないんですよね。一体どこへ消えたんでしょうか? まったく奇妙キテレツな話です。
 当初は事故が疑われておりましたが、最近では機長もしくは副機長の関与によるハイジャック説が有力なようで、いずれにせよ一刻も早く無事に発見されることを願うばかりです。
 
 ひと昔まえなら、こういう事件が起きるとすぐに「これはUFOの仕業だ」とか、「いやいや、新たなバミューダトライアングルに違いない」などと《トンデモ学者》や《トンデモ評論家》たちが騒いだものですけど、最近そういうのはもう流行らないんですかね?
 
 さらに古く私たちの世代になると、「これは世界征服を企む謎の秘密結社の仕業にちがいない」と考え、「ジェームズ・ボンドみたいなスパイがすでに捜査を開始しているはずだ」などと空想を膨らませてしまいます。
 なにしろ、私たちが子供の頃は東西冷戦の時代であり、映画「007シリーズ」やテレビ「スパイ大作戦」などの大ヒットにより、我々はスパイという存在に強い憧れを持っておりましたからねぇ。そういえば「サンスター・スパイ手帳」という大ヒットグッズもありましたね。水に溶けるメモ・・・懐かし・・・
 
 そういうわけで、春休みにオススメの名作映画特集の第2回目である本日は、スパイ映画の最高傑作「007 ロシアより愛をこめて」(1963 旧タイトルは「007 危機一発」。この「一髪」をあざとく「一発」に替えたタイトルを考案したのは、映画評論家の水野晴郎さんだそうです)を取り上げます。
 
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 「007 ドクター・ノオ」(1962 旧タイトルは「007は殺しの番号」)に始まる007シリーズは、殺人を許可されている00ナンバーのイギリス諜報部員007ことジェームズ・ボンドの活躍を描いた物語です。
 
 ここで「007」を、今の若い方は、英語での読み方と同じように「ダブル・オー・セブン」と読まれたかと思います。しかし、私の世代では「ゼロ、ゼロ、セブン」という読み方の方に親しみがあります。映画評論家の淀川長治さんは(わざとでしょうけど)「ゼロ、ゼロ、ナナ」と読んでいらっしゃいました。結局、日本語でどう読もうと構わないということですね。
 
 で、「007 ロシアより愛をこめて」の内容はと言いますと、第1作目で同志ドクター・ノオを失った秘密結社「スペクター」の首領が、その復讐としてボンドにハニー・トラップを仕掛け殺そうと企むという、イマイチよく分からないお話なんですけど、ただトルコのイスタンブールからアガサ・クリスティの小説にも使われたオリエント急行に乗ってパリへ向かうという舞台設定が、何とも豪華でロマンチックで素敵でした。
 ホント、本作と第3作目である「007 ゴールドフィンガー」(1964)は、とっぴょうしも無いストーリーながら妙にリアリティがあって、高級感に溢れていて、丁寧に大真面目に作られていて、とても良質な大人のためのおとぎ話になっておりました。
 
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 また、「ゴールドフィンガー」に登場したボンドカー、アストンマーチンDB5がカッコ良かったですよね。
 ボンドカーと呼ばれる車はシリーズを通して何台か出てまいりましたけど、アストンマーチンDB5が最高でした。これこそがボンドカーです。
 
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 ・・・えー、話を「ロシアより愛をこめて」に戻しますね。
 
 主演のジェームズ・ボンドを演じたのは、ショーン・コネリー。現在までに6人の俳優がボンドを演じておりますけど、初代のコネリーを超える人はまだ現れておりません。
 タフで、大胆で、ず太くて、欲望をギラギラさせていて、人殺しも平気そうな面構えをしているコネリーが、ボンドにはピッタリでした。他の役者が演じるボンドは線が細すぎる!
 あと、テレビ放映時のコネリーの吹き替えは、若山弦蔵さんで決まりですね。
 
 ボンドを付け狙うスペクターの殺し屋を演じたのが、ロバート・ショウ。「スティング」(1973)、「サブウェイ・パニック」(1974)、「ジョーズ」(1975)・・・と私が中学生のころ大活躍していた俳優です。おっと、私が最も好きな女優、ジャクリーン・ビセット主演の「ザ・ディープ」(1977)にも出演していましたね。ジャクリーンのポッツン乳首以外はどうでもいい映画でしたけど。あはは。
 渋くて、逞しくて、狂気を孕ませていて、大好きな役者さんでした。早世なさったのが誠に残念です。
 
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 それから、密かにスペクターの一員になっていたロシア(旧ソ連)の女大佐を演じたのが、ロッテ・レーニャ。映画「三文オペラ」(1931)などに出演したオーストリアの舞台女優です。日本の女優さんに喩えると吉田日出子みたいな人です。つまり芸術家ですね、彼女は。
 
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 あと、チェスの名人でもあるスペクターのナンバー5を演じた役者さんは、私の大好きなテレビドラマ「謎の円盤UFO」でドクター・ジャクソンを演じておりました。
 
 しかし、007シリーズといえば、何と言ってもボンドガールと呼ばれる美女たちですよ。
 本作のヒロインであるボンドを誘惑する指令を受けたロシアの女スパイを演じたダニエラ・ビアンキは、歴代最高のボンドガールと称されております。私もまったく同意見です。ダニエラちゃん、最高ですう・・・ハァ、ハァ・・・
 
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 ロシアから奪った暗号解読機レクターを持ってボンドとダニエラが、オリエント急行に乗って西へ向かい、途中で列車を降りた二人に敵のヘリコプターが、そして敵のボート軍団が襲い掛かります。ハラハラドキドキの大活劇です。面白いですよ。ぜひご覧になってみてください。
 
 今回はこれで終わりでもいいんですけど、ついでだからもう少し・・・
 
 さて、先程ボンド役はショーン・コネリー以外には考えられないという趣旨の話をいたしましたが、どうしてもあと一人だけ選ぶとすれば、ロジャー・ムーアとなります。
 ポール・マッカートニー&ウイングスが主題歌を担当し、「ある日どこかで」(1980)のジェーン・シーモアがボンドガールになった「007 死ぬのは奴らだ」(1973)から3代目ボンドを演じることになったロジャー・ムーアは、それまでのコネリーのマジで重いボンドとは違い、ダンディで品が良くてちょっとおとぼけな軽めのボンドを創り出しました。
 
 そして、ムーアがボンドを演じた「007 私が愛したスパイ」(1977)、「007 ムーンレイカー」(1979)、「007 ユア・アイズ・オンリー」(1981)の3作品の頃、007シリーズは最も華やかで最も娯楽性に富んだ時期を迎えます。スタントマンによるアクションシーンは究極のレベルに達し、世界の至る国、至る地域を舞台にする007作品は、一種の豪華な観光映画の様相を呈していました。
 
 この3作品の中で、私の最もお気に入りなのが、「007 ムーンレイカー」です。「スターウォーズ」(1977)、「未知との遭遇」(1978)の大ヒットにより世界的なブームとなったSFX映画の影響を受けて、遂にボンドは宇宙空間へ(!)飛び出します。
 
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 ムーンレイカーと名づけられたスペースシャトルが何者かに奪われる。その調査を開始したボンドは、スペースシャトルを作っている会社のオーナー、ドラックスが怪しいと睨む。ドラックスは宇宙ステーションから地球へ毒薬入りカプセルを撃ち込み、人類をいったん地球上から絶滅させた上で、自分たち一派が新しい人類の祖になるという野望を抱いていた・・・
 
 この作品でまず素晴らしいのは冒頭のスカイダイビングシーン。
 007映画には冒頭に《つかみ》としてちょっとしたアクションシーンがあるのがお約束でして(「私を愛したスパイ」では崖からの大ジャンプ。「ユア・アイズ・オンリー」ではヘリコプターにつかまったまま空を飛ぶ)、本作でボンドはパラシュート無しで飛行機から突き落とされます。
 そうなってもボンドは慌てること無く先に落ちた敵に追いつき、彼のパラシュートを奪うのですけど、これら一連のシーンが現在のようなCGによる映像ではなく、本当にスタントマンが飛んで撮影しているので、すんごい迫力です。劇場で初めてこのシーンを観たとき、驚いた私は思わず「スーパーマンみたい!」と叫んでしまったくらいですもの(恥)。
 
 ドラックスを演じるのは、マイケル・ロンズデール。「ジャッカルの日」(1973)で暗殺者ジャッカルを追い詰める刑事役だった人です。品があって、不気味で、私は好きな役者さんです。
 
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 それから、おかっぱ頭に着流し姿の、まるで都はるみさんと「浪花恋しぐれ」をデュエットしたときの岡千秋さんみたいな東洋人が、ドラックスの手下として登場します。
 好きですね、007映画は、こういう東洋人キャラが。
 ゴールドフィンガー(演じたのは「パリは燃えているか」(1966)等で有名なゲルト・フレーベ)にも、山高帽を手裏剣のように使うハロルド坂田さん演じる東洋人の手下がおりましたものね。
 
 ドラックスの手下といえば、リチャード・キール演じる《ジョーズ》が、「私を愛したスパイ」に続いて再登場いたします。
 でも、今回の《ジョーズ》は、何だか可愛くていい奴です。《ジョーズ》の純愛物語が観ていて微笑ましいですよ(笑)。
 
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 そして、ボンドガール。メインのボンドガールであるロイス・チャイルズもいいけれど、私の好みは断然ボンドを案内するヘリコプターのパイロットに扮したコリンヌ・クレリーです。
 映画「O嬢の物語」(1975)のヒロインを演じたセクシー美女です。大ファンです。じゅる。
 
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 イタリアのベニスから、ブラジルのリオのカーニバル、さらに宇宙へとボンドと一緒に贅沢な旅が出来るこの作品は、大オススメです。ぜひご覧になってみてくださいね。
 
 007映画であと付け加える事と言えば・・・ボンドの上司「M」を演じたバーナード・リーが貫禄があって素敵でした。
 「Q」役のデズモンド・リュウェリンもいい味を出していました。
 そして、ロイス・マクスウェル演じるMの秘書マネーペニーとボンドの毎度のやり取りが大好きでした(笑)。

トムとジェリー

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 ようやく春らしい暖かさがやって来ましたね。
 それでも去年の今ごろ書いた記事(湯浅真沙子「秘帳」)を読み返しますと、上野の桜が満開だったそうですから、今年はやはり寒いのでしょうね。北海道や東北はついこのあいだ大雪でしたしね。
 
 4月になると消費税率が8%になります。
 また、4月9日でウインドウズXPのサポートが終了いたします。皆さんの中でXPをお使いの方は、もう新しいパソコンをご用意なさったでしょうか? 私は買いました。
 消費税は上がるし、色々と出費がかさみますなぁ・・・国がデフレから脱却するためには、我々がどんどんお金を使わなければならないという事は分かっておりますけど、でもねぇ・・・
 
 さて、春休みにオススメの名作映画特集ですが、今回はちょいと気分を変えてテレビアニメにいたします。皆さんよくご存知の「トムとジェリー」です。
 
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 いまテレビアニメと申しましたけど、ウィキペディアによると元々「トムとジェリー」は、劇場映画のフィルム巻き戻しの時間つなぎ用に作られたアニメだったそうです。
 そういえば昔の映画館では映画と映画の間に短い白黒のニュース映像なんかをよく流していましたねぇ・・・ちっとも面白くないやつを・・・
 あんな感じで「トムとジェリー」が流されていたのなら、お客さんはさぞ喜んだでしょうね。たぶん目的の映画よりオマケの「トムとジェリー」の方を気に入った人が大半だったろうと思います。だって、チャップリンの映画と同じくらい素晴らしいですものね、「トムとジェリー」は。芸術品ですね、これは。
 
 この偉大なアニメ「トムとジェリー」を生み出したのが、ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラという二人のアニメーターです。
 「トムとジェリー」の第1作目が作られたのは、何と戦前の1940年というから、もうビックリですね。そんな昔に、こんなにクオリティが高く、こんなに感性が新しく、こんなに心の豊かなアニメ作品を作り得たのですから、ハンナ=バーベラは間違いなく天才でした。
 
 宮崎アニメがどうのこうのと論じる人がおりますけど、「トムとジェリー」に比べたら幼稚園レベルですな、あんなもの。
 アニメーションの命は絵が動くことですが、「トムとジェリー」みたいにスピーディに、大胆に、イマジネーション豊富に動くアニメが他にあるでしょうか? 今に至るまで世界のアニメーションは、ウォルト・ディズニー作品と「トムとジェリー」を超えられずにいます。
 
 ただ、「トムとジェリー」の作品中にはハンナ=バーベラ以外のアニメーター作品も混じっていて、それらの作品は面白くないし、絵のタッチも好きじゃないんですよねぇ。「トムとジェリー」は、やはりハンナ=バーベラ作品じゃないとあきまへんな。
 他の人のはまったくダメ。新しく作られたのもダメ。そうそう、下の写真の絵のタッチのハンナ=バーベラの手による「トムとジェリー」しか認めませんね、ワタクシは。
 
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 ハンナ=バーベラは「トムとジェリー」の後、自分たちのプロダクションを作り、良質のアニメ作品を世に送り出します。
 「フランケンロボ」、「スーパースリー」、「宇宙怪人ゴースト」、「大魔王シャザーン」、「宇宙忍者ゴームズ」、「チキチキマシン猛レース」・・・あら、私が子供のころ夢中になって観ていた海外アニメは、みんなハンナ=バーベラ・プロダクション作品じゃないのよ。お世話になりました、ハンナ=バーベラ先生。
 
 日本では1964年にTBSで「トムとジェリー」の放送が開始されました。ですから、おそらく私は初放送の時から「トムとジェリー」を観ております。
 その後、「トムとジェリー」は夕方などに何回も再放送されて、私も何回も観ましたけど、何回観ても面白く、飽きることはありません。ずっと魅了されっぱなしです。
 
 ただし、現在NHKで再放送されたり、DVD化されているのは、このTBS版じゃないんですよね。
 細かい事を言うようですけど、「トムとジェリー」はアニメ「いなかっぺ大将」で西一の声を担当した八代駿さんがトムの声で、アニメ「一休さん」で一休の声を担当し「どろろ」や「ムーミン」のテーマソングを歌った藤田淑子さんがジェリーの声で、コメディアンの谷幹一さんの優しく暖かいナレーションが付いていて、真ん中作品があるTBS版じゃないと嫌だなぁ。
「ネズミだって生き物さ。ネーコだって生き物さ。トムとジェリー、仲良くケンカしな♪」
 という三木鶏郎作詞・作曲、梅木マリとフォーコインズによる日本版オリジナル主題歌も無いと寂しいですしね。
 このTBS版、つい1年ほど前まではユーチューブにたくさんアップされていたのに、このあいだ検索したらそのほとんどが削除されておりました。けしからん。日本文化の向上のためだ、ケチケチすんな! 声を大にしてそう言いたいです、私は。
 
 では、ぜんぶ面白いハンナ=バーベラ版「トムとジェリー」ですけど、その中でも特に私のお気に入りのエピソードをいくつかご紹介いたしますね。
 
 
 「台所戦争」
 
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 いつも腹ペコで、まだおむつが取れないジェリーの従弟の子ネズミ・ニブルスとジェリーが、テーブルの上のごちそうを狙います。それを阻止しようと奮戦するトム。
 トムの尻尾の先にロウソクの火が付いて、しばらくブスブスとくすぶっていたと思ったら、ボッと一気に燃え上がってトムが真っ黒になるというギャグが大好きでした。ハシゴでも同じパターンがありましたね。秀逸です。
 
 
 「ごきげんないとこ」
 
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 トムに苛められて困っていたジェリーは、従兄のマッスルに助けを求めます。このマッスルがものすごく腕っぷしの強いネズミだったから、さあ大変。トムさんはピンチに。
 
 
 「人造ネコ」
 
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 「トムとジェリー」ではお馴染みの太った黒人の家政婦さん。顔を映さない演出がセンスいいですよね。
 彼女は、なまけ者で役立たずのトムの代わりにしようと、ロボットネコを購入する。
 ロボットネコを初めて見た時のトムの「ウォーホッホ」という(吹き替えじゃなく)英語の笑い声が何とも可笑し。
 他にもトムは痛い目にあったとき「アアアアーーーーッ!」と絶叫したり、「ウホ、ウホ、ウホ」と痛がったりするのですけど、この部分だけ吹き替えじゃなく英語の原音を使っているんですよね。それがたまらなく可笑しくて、私は大好きでした。
 
 
 「ピアノコンサート」
 
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 コンサートホールで華麗な演奏を見せるピアニストのトム。しかし、トムが弾くピアノはジェリーの寝ぐらだったから、さあ大変。目を醒ましたジェリーのいたずらが始まる。
 
 
 「ブルおじさん」
 
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 ブルドックのスパイクの足に刺さった画鋲を抜いてあげたジェリー。スパイクは感謝の印に鈴を渡し「困ったことがあったら、この鈴を鳴らしてね。そうすれば、すぐに助けに行くからね」と言う。トムに襲われそうになると鈴を鳴らすジェリー。たちまちスパイクが現れ、トムをやっつける。だが・・・
 鎖に繋がれたスパイクがワンワンと激しく吠える口先に、トムが木の棒を差し出すとたちまちそれがバットに彫り上がり、そのバットでスパイクの頭を殴るギャグが大好きでした。
 それから、この回には出ませんでしたが、他の回に登場するスパイクの息子、タイクがとても可愛かったです。
 
 他に「トムとジェリー」の登場キャラでは、トムの恋敵となるノラ猫のブッチがやさぐれていて、いい味を出していました。
 そのブッチとトムが求愛する可愛い子ちゃんの白ネコも良かったです。
 トムを自分の母親と思い込んだアヒルの子供も可愛かったです。
 
 ギャグでは、どの話か忘れましたけど(真ん中作品だったかもしれません)、線路の前に来て右側を見ると遥か遠くまで列車の姿は見えない。左側も同じ。それで安心して線路を渡り始めた途端、右側から猛スピードでやって来た列車に轢かれ、それが通りすぎるや今度は左側から猛スピードでやって来た列車に轢かれるというギャグが大好きでした。
 
 それから、「トムとジェリー」の舞台となる大きな屋敷、芝刈り機で芝を刈る広い庭、プールやテニスコート、冷蔵庫の中のでっかい肉、ラグビーボールみたいな細長い形のスイカ、穴のあいたチーズ、パイやケーキ・・・これらは豊かなアメリカの象徴であり、昭和40年代の日本人の憧れでした。
 だって、あまりにも生活のレベルが違いすぎましたものね、当時の日本とでは。
 「トムとジェリー」や「奥さまは魔女」に登場するアメリカの一般家庭の姿は、あの頃の私たちにとっては、まるで夢のような光景だったのです。
 
 TBS版「トムとジェリー」は30分番組であり、最初と最後の約10分間に「トムとジェリー」を流し、真ん中の約10分間には別のアニメを流していました。それが「真ん中の話」とか「真ん中作品」と呼ばれるものでして、これまた素晴らしく面白い作品が揃っておりました。
 特に犬のスパイク(「トムとジェリー」に登場するブルドックのスパイクとは別)が出る作品がお気に入りです。
 
 
 「冬眠中はお静かに」
 
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 雇い主である熊が冬眠している間、絶対に音を立ててはいけないと命じられたスパイク。しかし、スパイクの仕事を横取りしようと企むビーグル犬が、様々ないたずらを仕掛けてくる・・・
 ほとんど古典落語レベルの完成度に達している爆笑まちがいなしの名作です。
 
 
 「逃げてはみたけど」
 
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 終身刑を言い渡されたスパイクは、スプーンで穴を掘って刑務所を脱走する。ところが、隠れた場所が刑務所長が買ったテレビの中だったから、さあ大変。このピンチをどう切り抜ける、スパイク?
 
 
 以上、可愛くて、楽しくて、心が豊かになる「トムとジェリー」のお話でした。
 また、そのうちユーチューブにTBS版がアップされると思いますから、そうしたらぜひご覧になってくださいね。「真ん中作品」の方は再びアップされていたような・・・
 
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 史上最高のアニメです、「トムとジェリー」。 

シェーン

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 暖かいです。春ですね。
 
 さて、春休みにおススメの名作映画特集も、今回がラストです。最後は西部劇の名作映画をご紹介いたします。
 
 西部劇ですよ、あーた。何かピンときませんでしょう? 実は私もそうです。西部劇にはそれほど思い入れがありません。
 でも、私の父親くらいの世代の人には、西部劇が大好きな人が多いんですよね。たぶん彼らの時代は、胸躍らせたアクション映画といえば、西部劇がメインだったからでしょうね。私の時代は映画「ダーティハリー」(1971)やテレビドラマ「太陽にほえろ!」などの刑事モノがメインでしたから、西部劇と聞くと正直どうしても古臭いイメージを抱いてしまいます。
 
 しかし、そんな私でも、大好きな西部劇が無いわけじゃないんですよ。
 当ブログでご紹介した映画「荒野の七人」(1960)や「続・荒野の用心棒」(1964)は大好きですし、クリント・イーストウッド主演のテレビドラマ「ローハイド」もよく観ておりました。
 それからアニメ「荒野の少年イサム」が好きでしたねぇ。
 
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 日本人留学生とインディアンの娘とのあいだに生れたイサムは、小さいとき洪水に流されて行方不明になる。イサムを拾って育てたのは、強盗団のウィンゲート一家。ウィンゲートはイサムに拳銃やライフル銃の使い方を徹底的に仕込む。お陰で超1流の腕を持つガンマンとなったイサムだったが、人を殺すのが嫌でウィンゲート一家から逃亡し、父を探す旅に出る・・・というお話でした。
 
 ウィンゲート一家からの逃走中に紛れ込んだ孤児院が無法者の一団に占拠され、小さい子供たちと女性教師が人質になる。人殺しの道具である銃はもう二度と手にしないと誓ったイサムは、無法者たちによる数々の屈辱に耐えながら無抵抗を続ける。しかし、最後の最後に、女性教師の「銃は人を助ける道具でもあるのよ」という言葉に励まされたイサムが遂に立ち上がり、たった一人で無法者たち全員を退治するという物語最初の方のエピソードが、とても痛快で大好きでした。
 
 また、「オーッ、サンボーイ、ぼくらのイサム♪」という、東京ムービー企画部作詞、梶原一騎原作のアニメ「巨人の星」や当ブログの記事「追悼・山崎豊子」でご紹介した田宮二郎さん主演のテレビドラマ「白い巨塔」のテーマ曲で有名な渡辺岳夫さん作曲で、ボーカル・ショップが歌ったテーマソングも大好きでして、今でも時々口ずさむほどです。
 
 んで、西部劇といえば、何といってもジョン・フォード監督作品ですよね。
 
 代表作としては、まず「駅馬車」(1939)。
 
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 映画評論家の淀川長治さんが、ユナイテッド・アーチスト社に勤めるサラリーマン時代に初めて宣伝を担当した映画が、この作品だったんですよね。そのせいもあってか淀川さんは本作がいたくお気に入りで、私が中学生の時よく聴いていた「淀川長治ラジオ名画劇場」というラジオ番組(インターネットがまだ無かった当時、マニアックな情報はラジオから仕入れていたのです)の最初の頃のオープニングテーマは、「駅馬車」のテーマ曲を使っていらっしゃいました、たしか。
 
 町と町とをつなぐ駅馬車に乗り合わせた人々・・・詐欺師、妊婦、セールスマン、アル中の医者、金を横領した銀行家、売春婦、そしてお尋ね者のリンゴ・キッド(リンゴ・キッドを演じた《ミスター西部劇》ジョン・ウェインの若いこと!)。
 この駅馬車にアパッチ族が襲い掛かります。必死に応戦するカーリー保安官とリンゴ・キッド。思わず手に汗を握る迫力です。
 
 モーパッサンの中編小説「脂肪の塊」を参考にしたとフォード監督が発言している通り、この作品は単にアクションドラマとしてだけでなく、人間ドラマとしても秀逸であり、登場人物の人間性がとても巧みに描きだされておりました。また、「刑事コロンボ」を演じるはずだった俳優、トーマス・ミッチェルが、アル中の医者役でいい味を出しておりましたね。
 
 逮捕される前に親の仇であるプラマー三兄弟と決着をつけさせてくれと頼むリンゴ。カーリー保安官は了承する。リンゴは、アパッチ族との戦闘においても使わずに残しておいた3発の弾丸を銃に込め、果し合いに向う。そして4発の銃声。酒場にプラマー兄弟の一人が戻ってくる。あれ、リンゴはやられちゃったの? 誰もがそう思った瞬間、その男がばったりと倒れる・・・という、その後、様々な映画やドラマでさんざん使い回されたお約束のくだりのルーツが、この「駅馬車」でした。
 
 ちょっと古いですけど、観終わったあと爽やかで幸せな気持ちにさせてくれる名作です。まだ観ていらっしゃらない方は、ぜひご覧になってくださいね。
 
 ジョン・ウェインはフォード監督と組んでその後も様々な西部劇に出演いたしましたけど、フォード作品で他に私のお気に入りなのは、西部劇ではない「静かなる男」(1952)です。
 
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 試合の相手を死なせたショックでボクサーを辞め、故郷であるアイルランドの小さな村に帰ってきたウェイン演じる主人公。彼は静かな生活を望み、モーリン・オハラ演じる村の娘と結婚するが、つまらぬ事が原因で妻の兄と対立し、最後はとうとう村じゅうの人の前で兄とボクシングで決着をつけるハメになるという、たいへんおおらかで、牧歌的で、人間味に溢れ、これまた観ると幸せな気持ちになれる名作です。こちらもおススメですよ。
 
 ジョン・ウェイン主演作では他に、ハワード・ホークス監督の、アフリカでの猛獣狩りを描いた「ハタリ!」(1962)も好きです。
 ヘンリー・マンシー二作曲で、どなたが日本語歌詞をつけたのか分かりませんけど、「ぼくらは小さな象、子供の象なんだぞおー。ほらー、見てよ♪」という曲が有名ですよね。
 
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 ジョン・フォード監督の西部劇で他に好きなのは、「荒野の決闘」(1946)。ヘンリー・フォンダが保安官ワイアット・アープを演じ、ヴィクター・マチュアがドク・ホリデーを演じた、いわゆる《OK牧場の決闘》モノです。
 バート・ランカスターとカーク・ダグラスが主演し、ジョン・スタージェスが監督した映画「OK牧場の決斗」(1967)の方はあまり好きじゃありませんけど、こちらは大好きです。
 
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 この作品の静かでのんびりとした雰囲気が好きです。
 床屋さんで髭を剃ってもらった後、アープ保安官が事務所の表に椅子を出し、そこに腰かけて日なが一日通りを眺めているようなシーンが特に好きでした。
 
 また、「駅馬車」もそうでしたけど、フォード映画にはお馴染みの広い荒野、そそり立つ奇岩、高い空といった風景が、何とも言えず良いです。
 
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 「オー、マイ・ダーリン、オー、マイ・ダーリン、オー、マイ・ダーリン、クレメンタイン♪」という、本作の原題を歌詞にした曲も耳に残ります。
 名作です。この作品もぜひご覧になってくださいね。
 
 ・・・と、長らく西部劇について語ってまいりましたけど、最後はいよいよ今日の本題である、西部劇の中で私が最も好きな作品、「シェーン」(1953)です(ハヒー、やっとたどり着いたわ。それにしても前フリが長すぎるなぁ。すでにもうヘトヘトなんですけどぉ・・・汗)。
 
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 ワイオミング州の開拓地にふらりと現れた流れ者のガンマン、シェーン。
 彼は親しくなった開拓農民のスターレット一家のもとに身を寄せ、この地で銃を捨て農民として生きようと一度は決心するものの、開拓農民たちを守る為に再び銃を取り、一人で無法者の牧畜業者ライカー一家と決闘するというお話です。
 
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 シェーンを演じたのは、アラン・ラッド。
 他にはたいした作品に出演しておりませんし、特に演技派というわけでもありませんけど、この「シェーン」での演技だけは素晴らしかったです。
 まともな人生を歩めない哀しみを内に秘め、孤独で、物静かで、控え目で、生きる事に疲れていて、それでいて心の奥深くには正義の炎を燃やし続けているシェーンを、実に巧みに演じておりました。見事な名演技です。
 
 シェーンとプラトニックな愛を交わし合うスターレットの妻マリアンを演じたのが、ジーン・アーサー。フランク・キャプラ監督の「オペラハット」(1936)の女優さんですね。本作が彼女の最後の映画出演作となりました。
 
 マリアンの夫、ジョー・スターレットを演じたのは、ヴァン・ヘフリン。いかにも無骨な開拓農民という風貌の役者さんです。
 後に彼は、私の最も好きな女優、ジャクリーン・ビセットが出演した映画「大空港」(1970)に、「シェーン」の時の精悍な風貌がウソのようなうらぶれた姿で登場し、家族に保険金を残すため自分が乗っている飛行機を爆破する犯人を演じます。
 この「大空港」も名作ですよ。ぜひご覧になってくださいね。
 
 それから、ライカーが雇った早撃ちガンマン・ウィルソン役を、ジャック・パランスが演じています。黒い服に身を包み、痩せて背が高く、ニヒルな表情のパランスは、まさに悪の用心棒という感じ。渋くてステキです。
 パランスは、「気狂いピエロ」(1965)のゴダールが監督し、ブリジット・バルドーが主演した映画「軽蔑」(1963)にも出ていましたね。
 
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 スターレットの一人息子ジョーイはシェーンが大好きで、しかも男の子なものですからシェーンが腰に下げている拳銃に興味津々であり、ある日とうとう我慢できなくなってシェーンに拳銃の撃ち方を教えてくれと頼む。
 このシェーンがジョーイに拳銃の撃ち方を教えるシーンが実に素晴らしいんです。
「何を撃って欲しい?」
 シェーンがそう尋ねると、ジョーイは「あそこの白い石」と言って遠くに転がっている大きな石を指さす。
 次の瞬間、シェーンは目にも止まらぬ早技で銃を抜き、弾丸を発射する。響き渡る轟音。ジョーイは思わず両手で耳をふさぐ。撃ち終えた後の静寂。辺りに漂う硝煙。ジョーイはその迫力に呆然となる。
 
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 銃を撃つ時の、シェーンの体をスッと伸ばした姿勢が、とてもカッコ良く、私は大好きです。
 
 ラスト、ライカー一家を倒したシェーンは、引き留めるジョーイに
「人を殺した人間は、もう町にはいられないんだよ。強い男になるんだぞ、ジョーイ」
 そう言って馬に跨り去っていく。
 遠ざかるシェーンの後ろ姿に向かって叫ぶジョーイ。その声がワイオミングの山にこだまする。
「シェーン、カンバーック!」
 昔は屈指の名シーンと呼ばれておりましたけど、今の若い方はご存知でしょうか?
 
 監督はジョージ・スティーヴンス。「ママの思い出」(1948)やジェームズ・ディーン最後の出演作「ジャイアンツ」(1956)の監督です。「ジャイアンツ」については、いずれこのブログで取り上げる予定です。
 また、ヴィクター・ヤング作曲のテーマ曲は、耳に心地よい名曲です。
 
 映画「シェーン」に関しては、冒頭のシェーンの登場シーンで、後ろに横切るバスが小さく映っているとか、(他の西部劇も同じですけど)黒人が一人も登場しないのは歴史的におかしいとか、山に向かって去っていったシェーンはけっきょく山中で死亡したのだといったトリビアな話題もありますけど、とにかく心に暖かいものが残る素晴らしい名作です。
 さすがにこの作品を観ていない人は少ないと思いますが、もしまだ観ていらっしゃらない方がおりましたら、必ずご覧になってくださいね。必修ですよ(笑)。

禁断のセクシーアイドルその1

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 昨日(3月31日)で32年間つづいたフジテレビ「笑っていいとも」が遂に最終回を迎え、今日からはもう4月です。
 
 本日から消費税率が8%となりました。あまり意識が無いかもしれませんけど、郵便料金も消費税増税と共に普通ハガキと封書に必要な料金がそれぞれ52円と82円に上がりましたので、ご注意くださいね。
 
 色々と出費は増えますけど、もうすぐ関東地方も桜が満開になることですし、陽気な春にふさわしく、今回から3回に渡って、久しぶりにエロい話題を取り上げたいと思います。
「また、ふじまるちゃんの困った病気が始まったわね」
 と呆れないでくださいね。エロだって日本文化を陰で支える重要なコンテンツなのですから。
 私にはかような日本文化の裏の歴史を後世に伝える崇高な使命があるのです。うおっほん(本当はただ単にスケベなだけじゃないのとは言わないでくださいね)。
 
 以前、「私の大好きなアイドルその3(セクシー篇)」という記事の中でノーパン喫茶のイヴちゃんをご紹介した際、1980年代初頭は性風俗産業に革命が起きた時代だったという趣旨の文章を書きましたけど、革命は何も性風俗産業だけでなく、もっと身近なエロ本の世界でも起きておりました。
 
 夜な夜な寂しい男たちを慰めてくれたエロ本には、メジャーどころでは昔から「週刊プレイボーイ」や「平凡パンチ」、「GORO」などという雑誌がありましたが、男の欲望は果てしなく、次第にもっと淫靡でもっと刺激的なものを追い求めるようになります。その結果たどり着くのが、一般の書店では売られていない本がごっそり並んだ自動販売機、いわゆる自販機本でした。
 スケベな男たちは、「どんないやらしい写真が載っているのだろう」と目を血走らせながら、夜中にこっそり自動販売機へ向かったのですよ・・・実際にはそれほどたいした内容ではなかったのですけどね、いま思えば・・・あはは・・・
 しかし、ともかくもこの時代のエロ本の頂点は、自販機本でした。
 
 ところが、1980年代初頭、革命的なエロ本が登場いたします。それがビニール本(通称ビニ本)です。
 これは自動販売機ではなく、アダルトショップや、エロ本しか売っていない本屋さん、もしくは古本屋で売られていました。本屋の店頭に並んでいるといっても立ち読みは出来ないんですよね。なぜならビニールに包まれているから。中身を見たいと思ったら、買ってビニールを破らなければなりません(何だかこの《破る》という行為が妙にエロっちいですよね。うふふ)。
 
 そのビニール越しに見る表紙の写真が実に扇情的でして・・・パンティストッキングを履いただけのノーパンのモデルさんがこちらを向いてニッコリと微笑んでいる・・・その股間には(ノーパンですから)黒々としたアンダーヘアーが・・・当時はエロ本といえどもアンダーヘアーを見せるのはご法度の時代でしたから、我々スケベな男子一同はハンマーで脳天をかち割られたような衝撃を受けました・・・しかもアンダーヘアーの合間からは《具》が見えそうな見えなさそうな・・・も、もう辛抱たまらん・・・もっと詳しく見たい・・・中身を確かめたい・・・ハァ、ハァ・・・
 という事になったわけです。バカでしょう? 男って。ぐっすん。
 
 このビニ本界のアイドルといえば、まずはこの人。小川恵子さん。当時のトップアイドル、薬師丸ひろ子さんを彷彿とさせる美少女です。
 下の写真では「みすずちゃん」となっておりますが、彼女は中原みすずという名前でも活動しておりました。他には薬師丸ひろみと名乗ったことも・・・
 小川恵子さんに限らず、ビニ本や裏本に出ていたアンダーグランドなモデルたちは、みなさん名前なんかいい加減でして、どれが正しい芸名か、はたまたその芸名が本当に正しいのか、イマイチ不明確であることを、あらかじめお断りしておきます。
 
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 また、この顔もよく見かけましたね。木下真由美さん。大きな乳輪が印象的でした。今では汚ったねえ顔のババアになっているんでしょうね。でも、お世話になりました、木下さん。えへへ。
 
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 ビニ本が出てしばらくすると、次は待っていたかのようにモロ出しの裏本が登場いたしました。
 
 私が裏本の存在を初めて知ったのは大学生の時でして、コンパのあと友達数人と新宿歌舞伎町をブラブラ歩いていたら、アダルトショップに人だかりが出来ているんですね。「何だろう?」と思って友達とアダルトショップの中を覗き込みましたところ、そこには何と世に出現したばかりの裏本の巨大な見本写真(もちろんモロ出し)が、でかでかと貼ってあるじゃありませんか。
 ビックリしましたねぇ。「こんな事が公然とおこなわれる時代になったんだ」と、私は明治維新を迎えた伊藤博文の如く、新時代の到来に身震いしたものです。
 
 そのとき売られていた裏本「金閣寺」やら「万葉集」は1冊1万円くらいしましたので、とてもそんな高価なものは買えないなと思っておりましたところ、一緒だった友達の一人に医者の息子(つまり金持ち)がおりましてね、そいつがせっせと歌舞伎町へ通っては裏本や裏ビデオを買って来るようになったんですわ。もちろん私も見せてもらいました。むふふ。
 
 裏本界のアイドルといえば、まずはこの人。「裏本のヨシ子ちゃん」こと宮地ヨシ子さん。ハードなプレイに定評がありました。
 彼女はまた名作裏ビデオ「極悪非道ホテトルあらし」にも出演しておりましたね。
 
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 次は小悪魔的な美少女、三浦ルネさん。ほとんど裏の世界ばかりでのご活躍でしたけど、唯一「ザ・ハンティング」なる表ビデオに出演していらっしゃいました。
 
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 森下優子さん。彼女も裏の世界で大活躍でしたね。彼女が出演した裏ビデオ「マリンブルー」は名作として高く評価されております。
 
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 ここからは表の世界でも活躍した裏アイドルをご紹介いたしますね。
 
 まずは「私の大好きなアイドルその3(セクシー篇)」でもご紹介した、私が最もお気に入りの裏アイドル、橋本杏子さん。彼女は「最後のピンク女優」とも呼ばれておりました。
 もう忘れちゃった人がほとんどでしょうから、念のためもういちど写真を載せておきますね。大蔵映画作品で杏子さんが「スケバン刑事」ならぬ「スケパン刑事」に扮した勇姿です。うーん、勇ましい♡
 
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 中山あずささん。私はタイプじゃありませんでしたけど、彼女はテレビの深夜番組(昔はエッチで楽しい番組が多かった!)にちょいちょい出演なさっていました。
 
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 押元晴美さん。表ビデオの世界でも人妻役などで活躍いたしました。
 
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 島崎梨乃さん。「11PM」のカバーガールをしていた若い頃のかたせ梨乃さんに少しお顔が似ていることから、こういう芸名が付けられたのでしょうね。
 彼女は日活ロマンポルノ「ザ・生贄2」(1986)というメジャー作品(?)にも出演なさいました。
 
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 そして、裏本、裏ビデオといえば、この人ですよ。田口ゆかりさん。女王の登場です。
 
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 ゆかりさんは、ヌードモデル、裏本、裏ビデオ、表ビデオ、大蔵ポルノ映画、ソープランド嬢etc・・・と、ほとんどすべてのエロ業界を通過した後、1992年に信州戸倉上山田温泉でストリッパーとして働いていた時に覚醒剤所持で逮捕されます。
 普通はそれでおしまいのはずなのですが、さすがに女王は違いますね、たしか今でも現役で表ビデオにご出演なさっているはずです・・・上の写真とは別人のような崩れ太った醜いお姿を晒して・・・エッチな大衆食堂のおばさん役などで・・・もちろん私は観たことがありませんけど・・・誰が観るんだ、あんなビデオ?・・・世の中って不思議・・・
 
 次回に続きます。

禁断のセクシーアイドルその2

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 チリ沖で大きな地震があり、日本にも小型の津波が到達いたしましたけど、何か不気味ですよね。太平洋のプレートが動いているようで。再び東日本大震災みたいな事にならなければ良いのですが・・・
 
 さて、前回、懐かしいビニ本と裏本をご紹介いたしましたところ、これが殊のほか不評でして、訪問者もコメントも激減し、「終わったな、ふじまる・・・」という声さえチラホラ聞こえてくる今日この頃ですが、何のこれしきの事でへこたれていては男が廃るというものです。フン、フン、フーンだ。
 《ふじまる死すとも、エロは死せず!》
 たとえ世間の顰蹙を買おうとも、かくの如き不退転の決意で、本日もまたエロ話を続けさせていただきます(・・・と偉そうな事をほざいておりますけど、本当はこういう記事が書くのが、いちばん気楽で楽しいのです。むふふ)。
 
 実際、エロというのはバカに出来ないんですよ、奥さん。
 
 今回の話の舞台となっている1980年代前半は家庭用ビデオが普及し始めた時代でもありまして、それと共にアダルトビデオ(AV)や裏ビデオが登場してきたのですけど、当初ビデオの規格にはパナソニックや日立が推すVHSとソニーが推すベータの2種類がありました。ところが、裏ビデオは、なぜかVHSばかりだったんですね。
 その結果、裏ビデオが観れないという理由でベータの売り上げは伸びず、結果的に日本のビデオはVHSの独占となってしまったのです。かくいう私も「ソニーの方が画質がいいだろう」と思ってベータを買おうといたしましたところ、友達から「バッカだなぁ。それじゃ裏ビデオが観れないじゃん」と忠告されて止めましたものね。あはは(汗)。
 当時は、ビデオデッキを1台買うと裏ビデオをおまけに付けてくれる電気屋さんまであった程でして、社会を動かすエロパワーの強大さを私はまざまざと実感した次第であります。
 
 現在でも、パソコンの扱いが苦手だという人がいれば、その人はエロサイトを観ることを目的にしてパソコンの勉強すればいいんですよ。そうすれば上達が早いですから。
 
 また、文章が上手くなる一番の秘訣は本をたくさん読む事ですけど、何も高尚な文芸書ばかりが本じゃありませんからね。エロ小説でいいんです。エロ小説を100冊も読めば、誰でも文章力がアップするはずです。
 実は私も、高校生の頃、親に隠れてこっそりと、今は無きコバルト社発行の「SMマガジン」というエロ小説雑誌を愛読しておりまして、そのお陰で私は写真よりも言葉にエロスを感じるようになってしまいました。作品中の文章やセリフに欲情出来るようになれば・・・あなたも立派な変態、いえ文章家です(苦笑)。
 
 「SMマガジン」なんか懐かしいなぁ・・・「裏窓」とか昔はエロい雑誌がたくさんありましたよね・・・
 今のエロ本には興味がありませんけど、高校生のころ読んでいたエロ本は、また読んでみたいなぁ・・・それとか昭和50年代前半の「週刊プレイボーイ」や「GORO」・・・いま読んでも全然エロくないんでしょうけど・・・そんな事はちっとも構わないから・・・
 
 さっき少し話に出た裏ビデオは、「洗濯屋ケンちゃん」という作品が第1号とされていますけど、その後「ホットライン」や「女教師性日記」、「夫婦愛の賛歌」などの名作が生まれます。
 こういうのも、もういちど観てみたいなぁ・・・最近の裏DVDなんか観たくないけどさ・・・
 
 さて、感傷に耽るのはこれくらいにして、前回の続きです。
 
 裏本も、初期の作品は、オバさんのヌードモデルが、ただ単に女性器をアップにして見せるだけのものでしたけど、次第に内容がエスカレートし、それと共にモデルの質も格段に上がって行きました。
 そこで、今回は裏本黄金時代を彩ったアイドルスター(?)たちを、一挙にご紹介いたしますね。彼女たちを押さえれば裏本の知識はもう卒業ですよん(え、そんな知識いらないって? うるうる)。
 
 
 まずは、この人。裏本のマリアちゃんです。
 
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 「マリア」という裏本で彼女が私たちの前に登場した時には歓声が上がったものです。よくぞこんなに可愛い娘が裏本に出てくれたと思って。
 彼女は「渡瀬ミク」という芸名で表ビデオでも活躍したのですけど、いつの間にか消えてしまいました。ところが、2011年に、何十年かぶりに雑誌でヌードを披露したんですね。それでマスコミが「渡瀬ミク、熟女DVDで復活か?」と騒いだのですが、けっきょく復活は無かったみたいです。ま、私は興味がありませんけど・・・
 
 
 次は「半分少女」の女の子。
 
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 ちなみに「半分少女」というのは、当時の小泉今日子さんのヒット曲です。
 彼女も「なぜこんなに可愛い娘が裏本に?」と私たちを驚かせた一人です。いかにも清純な美少女というイメージでしたからね。
 しかし、裏本では大人気だった彼女も、「青木さやか」という芸名で(お笑いの人じゃありませんよ、念のため)表ビデオに進出するといまいちパッとせず、早々と消えてしまいましたね。
 
 
 山本順子さん。
 
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 1980年代前半はテレビ番組「オールナイトフジ」が仕掛けた《女子大生ブーム》の時代だったんですけど、彼女はそんな女子大生の一人にでもいそうなナチュラルな魅力のモデルさんでした。
 たしか彼女は裏作品のみでの活躍で、表ビデオには進出しなかったんですよね。もったいない。
 
 
 この人も裏作品のみでの活躍でした。早瀬沙樹さん。
 
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 今で言う癒し系の美女でした。今井美樹さんといったタイプでしょうか。
 
 
 続いては沖田真子ちゃん。
 
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 美人で人気のモデルさんでした。彼女が出演した裏ビデオ「朝まで待てない」も名作です。
 彼女は「朝倉まゆみ」という芸名でメジャーデビューするはずだったのですが、なぜかそのまま消えてしまったんですよね。何があったのでしょうか?
 
 
 井上可菜さん。
 
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 スレンダーな和風美女です。
 彼女は裏本、裏ビデオの他に、表ビデオやポルノ映画、さらにはストリップでも活躍したビッグネームでした。
 
 
 竹下ゆかりさん。
 
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 彼女もまたビッグネームでしたねぇ。愛くるしい笑顔がステキでした。現在離婚騒動中の中山美穂ちゃん初主演ドラマ「毎度おさわがせします」にもゲスト出演していました。
 
 
 生田美鈴さん。
 
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 にしきのあきらさんの奥さんで、テレビドラマ「太陽にほえろ!」ではゴリさんの恋人を演じた武原英子さん(残念ながら乳がんで早世)を連想させる上品な感じのモデルさんです。
 彼女も裏作品のみでの活躍でした。
 
 
 では、ここからはメジャーな活躍をしたモデルさんです。
 まずは速水舞さん。
 
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 巨乳タレントのはしりですね。日活ロマンポルノに出演したり、テレビの深夜番組に出たりと、当時は大活躍でした。
 
 
 そして、ラストはこの人。我らが滝川真子ちゃん。
 
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 一言でいうと《可愛い女》という感じの女性でした。天真爛漫でエッチ・・・パッパラパーな感じの女の子って可愛いじゃないですか? 何でも言うこと聞いてくれそうで。そんなイメージです。
 当時、滝川真子さんは、速水舞さん以上に日活ロマンポルノやテレビの深夜番組で大活躍していました。確か美保純さんのライバル的存在ではなかったでしょうか? レコードデビューもしましたね。
 
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 特に「TV海賊チャンネル」の《ティッシュタイム》コーナー・・・いったい何人の男がお世話になったことでしょう?・・・え、私ですか?・・・私はですねぇ・・・ご想像にお任せしたところで、次回に続きます。あはは・・・

禁断のセクシーアイドルその3

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 群馬はいま桜が満開です。本日の昼間、高崎市役所横の城址公園は、お花見の人でいっぱいでした。春ですね。
 
 俳優の蟹江敬三さんがお亡くなりになりました。去年、NHK朝の連続小説「あまちゃん」でお見かけしたと思っていたら、もうこの世にはいらっしゃらないんですものね。ショックです。「あまちゃん」の時は元気そうだったのに・・・確かに老けてはおりましたけど・・・
 蟹江さんは、最近でこそ善人の役を演じていらっしゃいましたけど、私が学生の頃は悪役ばかりでした。あとはポルノ映画でヒロインを犯す役。でも、三国連太郎さん大滝秀治さんもそうでしたけど、もと悪役出身の俳優さんって人間的に味がありますよね。存在感がハンパじゃありませんよね。蟹江さんもまさにそういう感じでした。
 映画「19歳の地図」(1979)での演技が特に印象深いです。大好きな役者さんでした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 
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 さて、女性読者の顰蹙を買いながらも不退転の決意(?)で続けてきた禁断のセクシーアイドル特集も、いよいよ今回がラストです。
 
 繰り返し申しますけど、エロというのもバカに出来ないんですよ、奥さん。
 
 先日も手塚治虫先生の机の奥から未発表のイラスト、それもすんごくエロいイラストが多数発見されたという報道がありましたよね。
 天才・手塚治虫先生とビニ本や裏本を同視するつもりはさらさらありませんけど、《シェイクスピアとエロ本を同じ土俵で語る》というのが私の揺るぎないスタンスですので(それって、どういうスタンスだ?)、本日も張り切って語らせていただきますです。よーし、ばっちこーい!
 
 さて、1980年代前半のエロシーンを語る上で忘れてはならない重要なスターを、まだご紹介しておりませんでした。それが《Dカップ京子》こと中村京子さんです。
 
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 人懐っこい笑顔とDカップの巨乳がチャームポイントの中村京子さんは、巨乳タレントの草分け的存在であり、また黎明期のAV界を牽引したパイオニアでした。ひと頃はビアガーデンで女相撲もやっていらっしゃいましたね、たしか。
 また、京子さんはその能天気な見かけとは裏腹に(失礼!)けっこう知的な方でして、様々な雑誌でコラムやエッセイを連載していらっしゃいました。
 現在は新宿ゴールデン街でスナックを経営していらっしゃいます。去年の11月に東京MXテレビ「5時に夢中!」で京子さんのお店が紹介されたんですよね。すっかり萎れた姿になっておりましたけど昔の京子節は健在でした。
 京子さんはスナック経営の傍ら、前々回ご紹介した田口ゆかりさんと同じく、だらりーんと崩れきった体型を全面にフィーチャーして、現在も熟女ビデオにご出演なさっているとのことですが、一体どんな人が好んで観るのでしょうね? そのビデオ。まったく世の中には不思議な嗜好の方がいらっしゃるようで・・・
 
 次いきますね。
 
 ビニ本出身でスターになった人といえば、この人。《隣のお姉さん》こと八神康子さんです。癒し系の美女でした。康子さんに優しく癒されたい・・・当時の男たちはみなそう願ったものです。
 
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 裏本ではこの方もよくお見かけしましたね。名取裕子さんにちょいと似ていることから《裏本の裕子さん》と呼ばれておりました。
 
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 それから《猫目少女》と呼ばれていたこの人も。
 
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 あと、個人的には《サユリ》と名付けられたこのモデルさんも好みだったんですけど・・・角川映画「探偵物語」(1983)の時の薬師丸ひろ子さんみたいで・・・
 
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 裏ビデオ出身のスターといえば、下の写真のように「杉本未央」という芸名でも活動した、菊島里子さん。海外輸出用の名作裏ビデオ「遊女」が有名です。
 健康的なムチムチボディが魅力の里子さんは、数多くの雑誌の主にSM系のグラビアで活躍いたしました。
 
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 裏ビデオ出身のスターをもう一人。菊池エリさん。名作裏ビデオ「みえちゃった」が有名です。童顔と少し太めのだらしないボディの組み合わせが男性の欲情をかき立てました。
 エリさんも様々な雑誌のグラビアやAVで大活躍でしたね。一時期は名古屋のキャバクラにも在籍していらっしゃって、名古屋でのサラリーマン時代に行こうと思ってお店に電話いたしましたところ、すでにお辞めになった後でした。うーん、残念! エリさんと一緒にお酒が飲みたかった!
 
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 当時は「オレンジ通信」や「アップル通信」、「マスカット」という似たような作りの雑誌がありまして、そこに裏本や裏ビデオの情報がたくさん載っておりました。これらの雑誌も懐かし。
 
 1980年代前半はまた、それまでマイナーで日蔭の存在だったストリップに、初めてスポットライトが当たった時代でもありました。ストリップ劇場からメジャーなアイドルスターが誕生するようになったのです。その第1号が美加マドカさんです。
 
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 わたし個人といたしましては「こんなブスのどこがいいんだ?」(失礼!)という感じでしたけど、その人気は凄まじく、遂には彼女主演の日活ロマンポルノ映画「指を濡らす女」(1984)までもが作られる有様でした。
 
 その後も青山未央さん等のアイドルストリッパーが何人か登場いたしましたが、正直申しまして、たいして可愛くありませんでした。ところが、遂にと言いますか、やっと本当に誰もがその可愛らしさを認めざるを得ないアイドルストリッパーが登場いたします。
 それが影山莉菜ちゃんです。
 
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 酒井のりピーちゃんみたいなルックスの莉菜ちゃんはたちまち大人気となり、様々なメディアで大活躍いたしました。
 
 それにしても1980年代前半のストリップ劇場は、一方ではこの影山莉菜ちゃんや仁科夕希さん、六本木樹里さんなどのアイドルスターを排出する反面、他方ではどんどんステージが過激になってゆき、ものすごくパワフルでクレイジーな空間となっておりましたね。
 昔ながらのストリップ劇場の雰囲気が好きでした・・・場末のチープな感じが・・・寺山修司や唐十郎の前衛劇場みたいで・・・船橋の若松劇場なんか懐かしいなぁ・・・ついこのあいだ閉館しちゃったんですよね・・・本八幡マノン劇場や西船OS劇場、池袋スカイ劇場・・・昭和の匂いがするストリップ劇場がどんどん消えてゆきます・・・あのころ見たプッシーキャットさんや紺野リサさんは、今どうしていらっしゃるのでしょうか?・・・ハァ・・・
 
 1980年代も後半になると、いよいよアダルトビデオが全盛期を迎えます。
 その頃のスターと言えば、まずはこの人。小林ひとみさんです。
 
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 わたし個人といたしましては、この小林ひとみさんも全然タイプじゃなかったんですけどねぇ・・・乳首が黒いしさ・・・でも、巷では社会現象と呼べるくらいの大人気でした。どして?
 
 また、当ブログの記事「私の大好きなアイドルその3(セクシー篇)」でご紹介したノーパン喫茶のイヴちゃんと同じ風俗店出身のアイドル、早川愛美さんも大人気でした。
 彼女は、前回ご紹介した滝川真子ちゃん同様に、「TV海賊チャンネル」の《ティッシュタイム》コーナーで、妄想だらけの我々モテない男たちを慰めてくれました。ありがとう、愛美ちゃん!
 
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 アイドル並みに可愛いAVスターといえば、秋元ともみちゃんも忘れられません。たしか後に所属していた事務所が職業安定法違反等で摘発されて、彼女がひどく安い賃金で働かされていた事実が明るみに出たんですよね。哀れなり、ともみちゃん!
 
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 小林ひとみさんも早川愛美ちゃんも秋元ともみちゃんも、それぞれメジャーな活躍をいたしましたけど、しかしながらAV界出身で最も成功したアイドルと言えば、やっぱりこの人、飯島愛さんですよね。
 
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 テレビの深夜番組「ギルガメシュナイト」で初めてお見かけした時から、可愛い女性だなぁと思っておりました。最後にあのような結果になったのが誠に残念です。
 
 それでは、おしまいに比較的新しいAVアイドルの中から、私のお気に入りの女性を2名ご紹介させていただきます。もっとも、「新しい」と言っても、私の場合10年以上前の人になりますけど・・・
 
 まずは南波杏ちゃん。ハードなプレイに定評がありました。話に聞くところでは彼女は群馬県のご出身だとか・・・高崎駅前とかを歩いていないかしら・・・焼きまんじゅうを食べながら・・・もし見かけたらサインをもらうんだけどなぁ・・・欲しいなぁ、杏ちゃんのサイン・・・
 
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 それから川島和津実ちゃん。
 
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 歴代のAV女優の中で最も可愛かったのが、この和津実ちゃんではないでしょうか? ま、人それぞれ好みがありますので、一概には断定できませんけど。でも、少なくとも私は、和津実ちゃんがナンバーワンだと思います。 
 噂では和津実ちゃんのどちらかの足は小指が1本欠けているとか・・・両親による虐待のせいで・・・こんなに可愛い顔をしていても、AVに出るような娘にはやはり何かがあるんですね、過去に。つらい何かが・・・
 
 以上で私の懐かしいエロ話はおしまいです。
 え? 最近のAVの中でいちばんエロいやつを教えろって?
 もうそんな元気はありません。南無阿弥陀仏(涙)。

フォークナー「あの夕陽」

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 季節の変わり目のせいか、風邪気味で体調が悪いです。皆さんは大丈夫でしょうか?
 
 大丈夫と言えば、ウィンドウズXPのサポートが明日までですよね。企業や公共機関では、まだまだたくさんのXPパソコンが使われているとか。大丈夫なんでしょうか?
 
 明日と言えば、理研に不服申し立てをした小保方晴子さんが、明日、記者会見を開くそうですけど、本当にオボちゃんは私たちの前に現れるのでしょうか?
 
 私のこのブログも今日(8日)で2度目の誕生日を迎えました。これもひとえに読んでくださった皆様のお陰と感謝しております。ありがとうございます。
 でも、すいませんねぇ、終わる終わると言いながら、なかなか終わらなくて。
 前から申し上げている通り、このブログは私の愛する文学作品や映画、音楽などをぜんぶ紹介し終えたら、そこで最終回となるわけですけど、まだ少し残っているんですよ、皆様にご紹介したい作品が。ですから、今しばらくお付き合いくださいね。よろしくです♪
 
 さて、記念すべき第2回目の誕生日である本日のテーマは文学、アメリカのノーベル賞作家ウィリアム・フォークナーの作品を取り上げます。
 
 私が大学生の時、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」を始めとするラテンアメリカの文学が大流行いたしまして、そのラテンアメリカの作家たちに大きな影響を与えたのが、フォークナーのいわゆる《ヨクナパトーファ・サーガ》だという説明でした。
 そこで私もフォークナーの「響きと怒り」や「八月の光」、「サンクチュアリ」という代表作を読んでみたのですけど、何だかピンと来ないし、面白くないんですよね。
 映画「気狂いピエロ」(1965)のゴダール監督が、フォークナーを大好きで、よく作品中に引用しているのが、私にはさっぱり理解できませんでした。
 
 しかし、後に「冷血」や「ティファニーで朝食を」等の小説で知られるトルーマン・カポーティの対話集「カポーティとの対話」(ローレンス・グローベル著、川本三郎訳、文藝春秋社刊)を読みましたところ、カポーティがこう発言していたんですね。
 
 
 ・・・彼(フォークナー)の作品は完全に無謀だ。私はフォークナーをそれほど評価しているとはいえない・・・その多くの作品において、彼は、読者の頭を混乱させる、自己抑制のきかなかった作家だったといっていい・・・
 ・・・フォークナーはスタイリストではなかった。彼は一種まとまりのない文章におちこんでしまって、それを本当にコントロールすることができなかった。彼は何かについて書くという作家だった。そう、彼にとって重要なのは内容だった。彼は文章にも注意を払ったが、あくまで内容の作家だった。彼はいい文章を書けなかった・・・
 
 
 フォークナーの長編小説に対する的確な批評だと私は思います。ヘミングウェイやスタインベックなど他のアメリカ作家と違って《意識の流れ》を描くフォークナーの文章は読みずらく、分かりずらく、彼の試みが成功しているとは到底思えないからです。
 
 ところが、そんなカポーティでさえも絶賛しているのが、フォークナーの短編小説、特に今回ご紹介する「あの夕陽」です。
「次の世代まで忘れられないでいる作家は?」
 という質問に対して、カポーティはこう答えています。
「フォークナーもアメリカの作家の中で残ると思うが、彼の場合もいくつかの短編小説によってだ」
 私も同感です。
 そして、この私もフォークナーの短編小説「あの夕陽」に、初めて読んだとき以来ずっと魅了され続けております。
 
 物語の舞台は架空の土地ヨクナパトーファ郡ジェファーソン。黒人差別が根強い南部の町という設定になっており、そこに住むコンプソン家に雇われている若い黒人の洗濯女ナンシーが主人公です。
 
 洗濯仕事の収入だけでは食っていけないナンシーは、白人に体を売って小金を稼いでいた。ナンシーの客の中には町の名士もいて、彼らは金持ちのくせにたびたびナンシーに支払う金を踏み倒していた。立場の弱いナンシーがそれに対して抗議しても聞き入れられることは無く、反対に暴力を振るわれるばかりだった。
「あたしは黒ん坊にすぎないのよ」とナンシーは言う。「これもあたしが悪いんじゃないけどね」
 
 そのうちナンシーが妊娠する。夫であるジージアスの種じゃない子を。
 ジージアスは言う。
「おれには白人の台所をうろつくことはできねえ。しかし、白人はおれんところの台所をうろついたってかまわねえんだよ。白人は勝手におれの家にはいってきても、おれはそいつをとめることもできねえんだ。白人がおれの家にはいってきてえと思うが最後、おれは家なんか持たねえとおんなじこった」
 
 ジージアスは姿をくらます。それ以来、ジージアスに殺されると怯え始めたナンシーは仕事が手につかず、さらに一人で家へ帰れなくなり、コンプソン家の人々を困惑させる・・・というのが、おおまかなストーリーです。
 
 本作が素晴らしいのは、この物語を子供たちの視線から描いていることです。物語を語るのはコンプソン家の長男である9歳のクウェンティン。父親やナンシーら大人たちの会話と、7歳の妹キャディー、5歳の弟ジェイソンの会話が同列に並べられ、それが作品に躍動感と立体感を与えています。お見事です。この作品ひとつでフォークナーは世界文学史に残ると言っても過言では無いでしょう。
 
 それでは新潮文庫「フォークナー短編集」(龍口直太郎訳)より「あの夕陽」のラスト部分を引用して、本日はおしまいとさせていただきます。ナンシーの家にいた子供たちを父親が連れて帰るシーンです。
 本書には他にも「エミリーにバラを」等の優れた短編小説が収録されていますので、ぜひ読んでみてくださいね。
 
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「バカバカしい」と父はいった。「まあ、あしたの朝、イの一番に台所へやってくるのは、きっとおまえさんだろうよ」
「たぶん眼にとまるものをなにか見るでしょうね」とナンシーはいった。「だけど、それがなんであるか、神さまだけがごぞんじでしょうよ」
 暖炉の前にすわった彼女を、そのままそこに残して、私たちは立ち去った。
「ここに来て、かんぬきをかけておくれ」
 と父はいった。しかし、彼女は動こうともしなかった。彼女はそこの、ランプと暖炉のあいだにじっとすわったまま、私たちのほうをふたたび見ることさえしなかった。小道をすこし下がったところからふり返ると、開いた戸口から彼女の姿を見ることができた。
「いったい、お父ちゃん」とキャディーがたずねた。「どんなことが起きるの?」
「なんにも」
 と父は答えた。ジェイソンは父におんぶしていたので、私たちのうちでいちばん背が高かった。私たちは溝のなかにおりていった。私はおちついて溝のなかを見た。月の光と陰の交わるあたりには、べつにたいしたものも見えなかった。
「もしジージアスがここに隠れているとすれば、あの人はあたしたちを見ることができるでしょうね?」
 とキャディーはいった。
「やっこさんはあすこにいやしないよ」と父はいった「とっくの昔に、どこかへ行っちゃったさ」
「姉ちゃんがぼくをこさせたんだ」とジェイソンは高いところでいった。夜空を背景にしてながめると、まるで父の胴体に、大小二つの頭がついているようだった。「ぼくは来たくなかったんだよ」
 私たちは溝から出た。ナンシーの家とその開いた戸口はまだ見ることができたが、戸をあけたまま、火の前にすわっているナンシーは見えなかった。彼女は疲れてしまったからである。
「ああ、すっかり疲れちゃった」と彼女はいった。「あたしは黒ん坊にすぎないんだわ。そんなこと、あたしの罪じゃないけど」
 しかし、彼女の声は聞くことができた。というのは、私たちが溝から上がったすぐあとで、彼女は、例の歌声ではないが、歌声でなくもない音をたてはじめたからである。
「お父ちゃん、これからは、だれがうちの洗濯をしてくれるの?」
 と私がたずねた。
「ぼく黒ん坊じゃないよ」とジェイソンは、父の頭のすぐそばの、高いところでいった。
「おまえはそれよりもっと悪いんだわ」とキャディーがいった。「告げ口屋だからね。もしなにかが飛びだしてきたら、おまえは黒ん坊よりもこわがるね」
「こわがらないさ」
 とジェイソン。
「おまえは泣きだすよ」
 とキャディー。
「これ、キャディー!」
 と父はしかった。
「ぼく泣かないよ!」
「臆病猫だよ」
 とキャディーはいった。
「これ、キャンダシー!」
 と父はいった。

ユーチューブでよく聴く曲(カオス篇その3)

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 今週のニュースは何と言っても9日におこなわれた小保方晴子さんの会見ですよね。
 皆さん、ご覧になりました? 佐村河内さんの会見同様、何とも腑に落ちない、嘘つき感アリアリの会見でしたよね。
「STAP細胞はあります!」
 そして
「わたしはSTAP細胞の作成に200回以上成功しています!」
 と力強く断言したオボちゃんですけど、なぜ世界中の学者が実験を再現できないのかを問われると
「実験にはちょっとしたコツがあるんです♡」
 ならば、その《ちょっとしたコツ》とやらを教えてよと頼んでも、それは現段階では教えられない、ですと。そんなら、どうやって世界じゅうの学者に実験を再現してもらえばいいのよ? それが無いとSTAP細胞の実在が証明できないのよ。あんた、それが分かっているの?
 また、3年間で2冊の実験ノートしか無かったとの報道に反論したオボちゃんは
「そんなことはありません。ノートはもっとあります」
「どれくらい?」
「4、5冊・・・」
 さすがにこれには失笑が漏れましたね。誰も作れないSTAP細胞を200回以上も作成したと豪語する人の実験ノートが4、5冊ですって。オボちゃんは地球人ではないのかもしれません。
 いま「誰も作れない」と書きましたけど、オボちゃんによると
「わたしとはインディペンデントに作成に成功した人はいます」
 ですって。でも「それは誰?」と尋ねても
「個人名は言えません」
 だけどさぁ、STAP細胞を作成できる可能性のある人間なんか限られているでしょう? どうせ近しい学者仲間の一人なんでしょう? もし本当にそういう人がいるのなら、オボちゃんが現在このような窮地に立っているわけですから、「わたしがSTAP細胞の再現に成功しました」と自ら名乗り出るはずじゃないの? 今に至るまでそれが無いという事は、そんな人は実在しないのですよ、オボちゃん。
 結局、STAP細胞というのは、オボちゃんがおとぎの国で作った万能細胞だったということでしょうね。メルヘンの世界でなら何でも可能ですものね。
 
 ということで、気分を変えて、本日は「ユーチューブでよく聴く曲(カオス篇)」の第3回目です。ジャンルを問わず好きな曲をごちゃごちゃ紹介してゆきますね。
 
 
 ☆ 夏色のナンシー
 
 先月、《夏オンナ》レジェンド、安西マリアさんがお亡くなりになりましたけど(合掌)、私の時代の《夏オンナ》は早見優ちゃんです。当時は地上に舞い降りた天使のように可愛かったです。
 そして早見優ちゃんと言えばこの曲(作詞・三浦徳子、作曲・筒美京平)ですよね。
 
   恋かな YES! 恋じゃない YES!
   愛かな YES! 愛じゃない
   風が吹くたび気分も揺れる
   そんな年頃ね
 
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 ☆ Yeah! めっちゃホリディ
 
 早見優ちゃんは1980年代のアイドルですけど、21世紀初めのアイドルといえば松浦亜弥ちゃん。彼女の大ヒット曲「Yeah! めっちゃホリディ」(作詞作曲・つんく)は名曲です。
 
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   Yeah! めっちゃホリディ
   ウキウキな夏希望
   Yeah! ズバッとサマータイム
   ノリノリで恋したい
 
 「ズバッと」という箇所の振り付けが特徴的で、面白くて、好きでした。
 
 それから、松浦亜弥ちゃんのモノマネというとニューハーフのはるな愛さんが有名ですけど、ミラクルひかるさんのモノマネも秀逸です。「始まってるニー」で始まるミラクルひかるさんによる《あやや》のモノマネ、ユーチューブにアップされていますから、ぜひ視聴してみてください。笑えますよ。
 
 
 ☆ I SHOULD BE SO LUCKY
 
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 オーストラリアのアイドル、カイリー・ミノーグのヒット曲を、mihimaruGT(それにしても変なユニット名)がカバー。「気分上々↑↑」もいいけど、こちらもいい曲(日本語歌詞・hiroko and mitsuyuki miyake)です。
 
   あのコのようにもっとキレイだったら
   器用だったら
   揺らぐ気持ち抑えないで
   今すぐにでも伝えるのに
 
 松浦亜弥ちゃんのところで話に出たミラクルひかるさんは、mihimaruGTのボーカルhirokoさんのモノマネもしています。これもたいへん上手です。
 ミラクルひかるさんがhirokoさんらに扮した「5人のディーバ」という映像をユーチューブで探してご覧になってみてください。大爆笑しますよ、特に中島美嘉さんとELTの持田香織さんのパーツで。
 
 
 ☆ Movin‘on without you
 
 先程から話に出ているミラクルひかるさんのモノマネの原点といえば、やはりこの人、宇多田ヒカルさんですよね。彼女の曲の中で私がいちばん好きなのがこれです。
 
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   ふざけたアリバイ
   知らないフリはもう出来ない
   こんな思い出ばかりの二人じゃないのに
   せつなくなるはずじゃなかったのにどうして
   いいオンナ演じるのはまだ早すぎるかな
 
 
 ☆ 春先小紅
 
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 モノマネといえば清水ミチコさんが、この曲(作詞・糸井重里、作曲・矢野顕子)を歌った矢野顕子さんのモノマネを得意としていますよね。独特の声と歌い方で真似しやすいですものね。
 
   自分で言うのも変だけど
   今日は何だかキレイです
   ホラ 春先小紅 
   ミニミニ見に来てね
   陽だまり かげろう ゆらゆら春の夢
 
 私が中学生の頃、「夜のヒットスタジオ」で何度か矢野さんがピアノを弾きながら「丘を越えて行こうよ♪」なんて歌ったのですけど、とても異質な存在というか、周りから浮きまくっていましたね。当時の歌番組にはそぐわない人でした。それだけ時代の先へ行っていたという事でしょうか?
 
 
 ☆ 接吻
 
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 矢野さんと同じニューミュージック系のアーティスト、オリジナル・ラヴのヒット曲(作詞作曲・田島貴男)。いい曲です。
 
   長く甘い口づけを交わす
   深く果てしなくあなたを知りたい
   FALL IN LOVE
   熱く口づけるたびに
   痩せた色の無い夢を見る
 
 
 ☆ お祭りさわぎ
 
 オリジナル・ラヴもじゃっかん夜の匂いがいたしますけど、ニック・ニューサとなるとこれはもう完全に水商売の世界ですね。彼らの「サチコ」と「お祭りさわぎ」(作詞作曲・PEE&NAO)は、スナックのカラオケで歌うための曲と言ってもいいでしょう。もちろん私も歌います。十八番(おはこ)です♪
 
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   そんな目をしてアタシを見ないで
   女ひとり生きてくのも悪かないわ
   とっかえひっかえドレスを変えて
   今夜もどこかでお祭りさわぎ
 
 
 ☆ 東京娘
 
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 桜たまこさんのこの曲(作詞・石坂まさお、作曲・杉本真人)も夜の曲ですよね。
「おじさん、チャカチャチャッチャチャ♪」
 という出だしが何とも可笑しくて好きです。
 
 
 ☆ 非常のライセンス
 
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 私が小学校高学年の頃、「キイハンター」という面白いテレビドラマを放送しておりました。《国際警察特別室》なる正体不明の組織に属する捜査官が、とにかく悪い連中をやっつけるお話です。《サニー・チバ》こと千葉真一さんによるスタント無しのアクションシーンが見ものでした。
 このドラマの出演者の一人だった野際陽子さん(後に千葉さんと結婚、離婚)が歌った主題歌がこれです。
 野際さんのヘタクソな歌声が聴く者を癒してくれます。
 
 
 ☆ 花嫁
 
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 古い曲ですけど、はしだのりひことクライマックスによるこの曲(作詞・北山修、作曲・端田宣彦・坂庭省悟)も好きだなぁ。しみじみといいですよね。
 
   花嫁は夜汽車に乗って嫁いでゆくの
   あの人の写真を胸に
   海辺の町へ
 
 
 ☆ 心を開いて
 
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 前にも一度ご紹介したZARDは名曲ばかりですけど、その中でもこの曲(作詞・坂井泉水、作曲・織田哲郎)が私はお気に入りです。
 
   人と深く付き合うこと
   わたしもそんなに得意じゃなかった
   でもあなたを見ているとわたしと似ていてもどかしい
   そういうところがたまらなく好きなの

赤い砂漠

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 韓国済州島近くでの海洋事故。修学旅行の学生を乗せた大型客船が転覆して、映画「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)状態になっていますけど、船が横倒しになってから完全に転覆するまでに2時間ほど余裕があったそうですから、その間に船から脱出することは出来なかったのでしょうか?
 今は一人でも多くの子供が無事に戻って来ることを祈るばかりです。
 
 中華料理人の周富徳さんがお亡くなりになりました。
 周さんは1990年代、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」やフジテレビ「料理の鉄人」で大活躍した中華料理の名人です。
 「浅草橋ヤング洋品店」での、周さんが各国の料理人と対戦する《お料理湾岸戦争》シリーズや、「料理の鉄人」での《和食の鉄人》道場六三郎氏との対決などは、とても見ごたえがあって面白かったなぁ・・・そして、周さんの作るチャーハンや蒸しタマゴ・・・本当においしそうで、いちど食べてみたかったです。
 心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 
 お亡くなりになったと言えば、小説「百年の孤独」で有名なコロンビアのノーベル文学賞作家、ガルシア・マルケスもお亡くなりになったんですよね。
 おそらく現代の小説家に最も影響を与えた作家であろうマルケス・・・豊かな想像力と活力によって《滅びゆくジャンル》と呼ばれていた現代小説を蘇らせたマルケス・・・マルケスのノーベル文学賞受賞によって、当時、世界じゅうでラテンアメリカ文学がブームになりました・・・かくいう私も大学生のとき「百年の孤独」を読んでガーンとやられた一人です・・・
 マルケスの小説をまだ読んだことの無い方は、ぜひ「百年の孤独」と「予告された殺人の記録」と「族長の秋」を読んでみてください。「純文学ってこんなに面白かったの?」と驚きますよ。
 
 さて、マルケスは映画好きで有名でしたけど、彼がまだ無名で映画のシナリオなどの勉強していた1960年代初めは、前衛的・芸術的映画が大きく花開いた時代でした。
 フランスには「気狂いピエロ」(1965)のジャン・リュック・ゴダール監督や「去年マリエンバートで」(1961)のアラン・レネ監督、「大人は判ってくれない」(1959)のフランソワ・トリュフォー監督らがいて、いわゆる彼らのヌーベルバーグが世界を席巻しておりましたし、イタリアにはフェデリコ・フェリーニ監督やルキノ・ヴィスコンティ監督、スウェーデンには「鏡の中にある如く」(1961)のイングマール・ベルイマン監督、スペインにはルイス・ブニュエル監督、日本には大島渚監督や「砂の女」(1964)の勅使河原宏監督・・・と映画が最高に熱い時代でした。
 
 そんな映画の熱い時代を担っていた一人が、今回ご紹介するイタリアのミケランジェロ・アントニオーニ監督です。彼は「情事」(1960)、「夜」(1961)、「太陽はひとりぼっち」(1962)の《愛の不毛三部作》によって現代人の心の闇に迫りました。
 
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 ただ、あんまり面白くなかったんですよね、私には上記の3作が。ピンと来ないというか、深さを感じないというか、あざといというか・・・後に作られた「欲望」(1967)もひどかったですし・・・
 
 2008年に志田未来ちゃんと山田優さん主演で「正義の味方」というテレビドラマを放送しておりましたけど、そのテーマ曲が「太陽はひとりぼっち」のテーマ曲にそっくり。
「あ、パクリだ!」
 と私なんぞは思ったものです。特徴的なメロディですからすぐに分かりますよね。「正義の味方」の曲を作曲したのは、当ブログの記事「ユーチューブでよく聴く曲(アーティスト篇)」でご紹介したピチカート・ファイブの小西康陽さん。才能のある人なのに、こんな疑わしい事をしちゃあきまへんなぁ。
 
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 と、まあ、このようにアントニオーニ監督をあまり評価しない私ですけど、それでも彼の「赤い砂漠」(1964)だけは大好きです。
 これは傑作。素晴らしい。
 
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 寒々とした工場地帯。
 通りに立ってパンを食べている男のところへ子連れの女がやって来て
「そのパンを売ってちょうだい」
 驚いた男が
「これは食べかけだし、同じパンがすぐそこの店に売っているよ」
 と言うものの、女は
「そのパンじゃないとダメなの」
 そう言って、強引に男からパンを買い取ると、勢いよくパンにかぶりつく。その表情、怖い・・・でも、美しい・・・
 
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 主人公は交通事故の影響で精神が少しおかしくなった女。彼女の心の荒廃を無機質で寒々とした工場の風景や計算して人工的に配置された色彩で表現していきます。とにかく、この作品の色彩感覚が素晴らしい。ゴダール監督が本作の色の使い方に影響を受けたと告白しているように、色彩の力をまざまざと感じさせてくれる作品です。
 
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 主人公の女を演じるのは、モニカ・ヴィッティ。アントニオーニ作品の常連であり、一時はプライベートにおいてもアントニオーニ監督のパートナーだった女優さんです。
 
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 このモニカ・ヴィッティがいいんですよね。虚無的な眼差し・・・ぷっくらと厚い唇・・・ちょうど山口百恵さんをもっと大人っぽく、色っぽくしたような感じの女優さんです。アントニオーニ作品の魅力の大半は、このモニカ・ヴィッティにあると言っても過言ではないでしょう。もちろん私も大好きです。
 
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 モニカの相手役はリチャード・ハリス。1970年代に「ジャガーノート」(1974)や「カサンドラ・クロス」(1976)等の作品で大活躍することになる知的マッチョです。
 後のリチャード・ハリスを知った上で本作を観ると違和感がありますよね、七三分けで真面目そうにしているハリスが。あはは。
 
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 ふだん娯楽映画ばかりご覧になっている人には、こういう映画は退屈に思えるかもしれません。ある程度年齢の行っている方は、今さらこのような作品を観る気にはならないでしょう。
 しかし、年齢の若い人は、自分に無いものを、鋭い感性を、異質な世界を体に吸収するために、こういう芸術的な映画をたくさん観るべきです。
 私なんぞも若い頃はゴダールやフェリーニやベルイマンなどの映画をたくさん観たものです。当時はレンタルDVDなんかありませんでしたから、雑誌「ぴあ」片手に早稲田通りの「ACTミニシアター」や池袋の文芸坐等を探し回って・・・そうそう、当ブログの記事「フリークスとピンク・フラミンゴ」でご紹介したアートシアター新宿の《黙壺子(もっこす)フィルム・アーカイブ》というのもありましたね・・・懐かし・・・
 
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 それにしても、演技とはいえ、気のふれた女って何でこんなに美しく見えるのでしょう? モニカ・ヴィッティの魅力にメロメロになる傑作です。ぜひご覧になってみてください。

記憶に残るマンガ3

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 オバマ大統領が日本で「尖閣諸島は日米安保の適用範囲」と明言したのは素晴らしいですけど、韓国へ行って「従軍慰安婦は重大な人権侵害」と、あたかも旧日本軍による朝鮮人女性への強制連行があったような物言いをしたのは極めて不愉快ですな。
 だって、そんな事実は無いのですから。
 従軍慰安婦と呼ばれた朝鮮人の女性はいましたよ。でも、それはほとんどが親に売られた可哀想な娘さんたちだったのです。日本人の娼婦も同じです。
 それを今になって日本が非人道的な戦争犯罪を犯したという嘘を声高に叫び、日本から金をせびり取ろうとするのですから、いやらしいですよね、韓国人たちは。先日の済州島近くでの客船転覆事故を見ても分かる通り、性根が腐っているんですな、あいつらは。日本人のような誇り高きサムライ・スピリットに欠けているのです。
 いま金欲しさに日本へやって来て売春している韓国人女性たちの事も、そのうち強制的に日本へ連れて来られて売春を強要されたと言いだすことでしょう。まったく図々しいんだから、朝鮮人や中国人どもは。
 
 群馬県の富岡製糸場跡が世界文化遺産に登録される事が決定したんですね。おめでとうございます。
 
 ゆうべテレビをみていたら去年公開された宮崎駿監督の映画「風立ぬ」の影響で《シベリア》が大人気になっていると申しておりました。
 嬉しいじゃあーりませんか。シベリアといっても若い方はピンと来ないかもしれませんが、これはカステラの間に羊羹を挟んだお菓子なのです。そして、甘党の私は、小学生の頃から甘納豆とシベリアが大好物なのです。よーし、今夜もシベリアをデザートにしようっと・・・あはは・・・
 
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 テレビといえば、現在フジテレビの《月9》で「極悪がんぼ」というドラマを放送中です。これは、自らも行政書士であり、行政書士を主人公としたマンガ「カバチタレ!」が大ヒットした田島隆先生原作のドラマです。
 
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 ただ原作と違って、主人公が女性(NHK朝の連続小説「カーネーション」の尾野真千子さん)なんですよね。以前「カバチタレ!」がドラマ化された時も主人公が女性(深津絵里さん)に変えられていましたし、「特上カバチ!!」は櫻井翔さん主演のおちゃらけた内容になっておりましたし、田島先生は映像化に恵まれていないのかもしれません。せっかくの素晴らしい原作なのですから「半沢直樹」みたいな渋い本格的なドラマにすればいいのにね。バカですよね、テレビ局、特にフジテレビは。
 
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 で、今回は「極悪がんぼ」放送を記念して(?)、久しぶりに私の大好きな思い出のマンガをご紹介しようと思います。では、どどっと一気にどうぞ。
 
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 ☆ すがやみつる「ゲームセンターあらし」
 
 家庭用テレビゲームが登場する前、コンピューターゲームは専らゲームセンターでおこなうものでした(インベーダーゲームは喫茶店でしたけど。懐かし)。そんな時代を舞台に、石野あらしという出っ歯の少年が、《炎のコマ》や《エレクトリック・サンダー》などの必殺技を駆使して、様々な難題をクリアしていく物語です。
 
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 そう、これは単なるゲームのお話では無いのです。
 
 たとえば、ある日突然CIAに拉致されたあらし少年は、誤ってロシアへ向けて発射されたミサイルを撃墜して欲しいと頼まれます。このままミサイルがロシアに到達すれば核戦争になり世界が亡びる。これを回避するには君の腕だけが頼りだと説得されて。かくして、あらし少年は大きなスクリーンの前で人工衛星を操作し、そこから発射するレーザー光線でミサイルを撃ち落としていきます。もちろん《炎のコマ》などのスーパーテクニックを駆使しながら。
 
 また、ある日突然死んで天国へ呼ばれたあらし少年は、そこでとんでもない光景を目にします。何とテレビゲームにはまった天国の神様(情けなや・・・)が地獄の閻魔大王と対戦して負け、その代償として閻魔大王に天国を奪われた(!)というのです。このままでは善人も死んだ後は地獄送りにされてしまう。かくして、あらし少年は天国を奪い返すため神様に代わって閻魔大王と勝負する・・・
 
 ・・・と、まぁ、こんなふうに呆れるというか、荒唐無稽なお話が続くわけですけど、あまりのバカらしさに私は逆にファンになってしまったのです。なはは。
 
 
 ☆ 川崎のぼる「いなかっぺ大将」
 
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 ギャグ漫画ではこの作品も忘れられません。ふんどし姿の我らが大ちゃんが、猫のニャンコ先生らと共に大活躍します。
 ちなみにアニメ版の主題歌を歌っていたのは天童よしみさんでした。
 
 
 ☆ とりいかずよし「トイレット博士」
 
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 《マタンキ》、《7年殺し》・・・私の世代には懐かしいギャグ漫画です。確かダウンタウンの松ちゃんも思い出のマンガとしてこの作品を挙げておりました。
 
 
 ☆ とり・みき「るんるんカンパニー」
 
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 シュールな笑いのギャグ漫画です。秋田冒険王先生がとにかく可笑し。
 
 
 ☆ 上村純子「いけない!ルナ先生」
 
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 神谷家に下宿している女子大生のルナ。その家のひとり息子わたるは勉強もスポーツもダメな無気力少年。このままではわたるが人生の落伍者になると心配したルナは、わたるの興味を引くように、自慢の豊満な肉体を使って勉強やスポーツを教える・・・という何とも羨ましいお話です。
 こういうお話ですもの、私が大好きだったのは言うまでもありませんわな。あはは(汗)。
 
 
 ☆ 望月三起也「ワイルド7」
 
 ギャグ系のマンガが続きましたので、ここからはシリアス系の作品を。
 
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 法で裁けない極悪人たちを始末するため警視庁に創設された超法規的バイク集団「ワイルド7」が悪人どもを容赦なくぶっ殺してゆきます。
 とにかく望月先生による銃やバイクのリアルな描写が魅力的なんです。主人公・飛葉ちゃんが乗っているホンダCB750FOUR、ヘボピーのハーレー、両国のサイドカー付きカワサキ、ユキの対戦車ライフル搭載ドゥガティ、オヤブン愛用の大型拳銃パイソン・マグナム・・・とマニア心をくすぐるアイテム満載。冷静沈着な草波隊長も渋くて好きでした。
 
 お話の中では「地獄の神話」というタイトルのエピソードが特に面白かったです。
 
 「ワイルド7」は私が小学生のとき小野進也さん主演でテレビドラマ化され、これも好きでよく観ていました(大好きな真理アンヌさんが出ておりましたので♡)。
 
 2011年に瑛太さん主演で映画化されましたけど・・・これは論外でしたね・・・あはは・・・
 
 
 ☆ 寺沢武一「ゴクウ」
 
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 前野曜子さんの記事でご紹介したアニメ「スペースコブラ」の原作者でもある寺沢先生の近未来アクションコミックです。
 私立探偵ゴクウは何者かに人工の左目を与えられる(ここら辺は「バイオニック・ジェミー」みたい)。その左目には様々なセンサー機能が付いている他、世界中のコンピューターにアクセス出来る機能があり、お陰でゴクウはコンピューターで動くあらゆる物を自由に操ることが可能となる。
 この左目と思いのままに伸び縮みする如意棒を与えられたゴクウが、世界じゅうの悪い奴らをやっつけるという物語です。都会的でセクシーで面白いですよ。
 
 
 ☆ 諸星大二郎「孔子暗黒伝」
 
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 諸星大二郎は異能のマンガ家です。彼は古代史に関する独自の仮説を基に奇想天外な物語を組み立てるのが得意です。
 本書では、孔子、老子、そしてインドの釈迦までもが登場して(3人とも同時代の人)、摩訶不思議な物語を繰り広げます。それは他のマンガ家の作品では決して味わえないオリジナルな世界です。
 ぜひいちど体験してください。
 
 
 ☆ 横山光輝「三国志」
 
 「三国志」というと昔は吉川英治の小説で親しんだ人が大多数でしたけど、私の世代はだんぜん横山マンガ版です。吉川版もいいですけど、横山版の方がずっと面白いと思います。
 
 2008年には三国志のハイライト、《赤壁の戦い》を描いた「レッドクリフ」という映画が公開されましたよね。たいした作品ではありませんでしたけど。
 
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 印象的なエピソードには事欠かないのですけど、私が特に好きなのは主人公・劉備が死ぬシーン。
 死期を悟った劉備は、枕元に孔明を呼び、
「自分がここまでの存在になれたのは、すべて貴殿のような素晴らしい軍師を得たお陰だ」
 と礼を述べる。そして
「私の人生に思い残す事があるとすれば、幼い息子のことだけだ」
 と言う。
「成長した息子に皇帝としての資質が備わっているならば、これを補佐してやって欲しい。しかし、もし不幸にして息子にその資質が無いときは、人民のため君が代わって皇帝になり国を治めてくれ」
 この言葉に孔明は感涙を流す・・・
 
 いいですよねぇ。こういうマンガこそ子供たちに読んで欲しいですよね。
 冒頭に申しましたように、私は現代の中国人と朝鮮人が大嫌いですけど、昔は彼らの中にもこういう立派な人がいたんですねぇ。
 孔子も老子も、三国志に登場する英雄たちも、ブルース・リーも大好きなのに、近頃の中国人たちは何でしょね?・・・はぁ・・・

ゲーテとの対話

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 世間的には今日からゴールデンウイークなのかもしれませんけど、しがない行政書士のワタクシには何の関係もありません・・・ぐっすん・・・
 
 それにしても暖かくなりましたね。2か月半前は大雪で雪かきをしていたのがウソのようです。
 こう暖かくなるとバイクなんかにはもってこいの季節です。ゴールデンウイーク中にバイクでツーリングに出かける方もいらっしゃることでしょう。いいなぁ。おいらもバイクに乗りたいなぁ、昔みたいに。
 
 前回ご紹介した望月三起也先生のコミック「ワイルド7」の飛葉ちゃんはホンダCB750FOUR(いわゆるナナハン)に乗っていましたけど、おいらは大型免許を持っておりませんのでホンダCB350FOURでいいや。
 
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 私が子供の頃はこういうバイクがたくさん走っておりました。片側2本づつの4本出しマフラーが渋い!
 欲しいなぁ・・・でも、いま買うと70万円以上するんですよね・・・クラシックカーは高いなぁ・・・お小遣いを貯めないとね・・・あはは(汗)・・・
 
 バイクといえば、カワサキの1400ccのバイクエンジン(バイクなのに200馬力もある!)を載せたカナダの三輪スポーツビークル、T-REX14Rというのもカッコいいです。現在、最先端のマシンですね。こちらは700万円以上するので私にはとても買えませんけど、一度くらい乗ってみたいなぁ。ポルシェやフェラーリをぶっちぎる速さだそうですよ。
 
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 さて、前フリはこれくらいにして、今回はまた文学のお話です。
 
 「~との対話」という類の本があります。考えてみれば聖書はイエスとの対話と言えますし、「論語」は孔子との対話といえるでしょう。こんなふうに過去の偉人の思想や人間性、そしてその息遣いを感じることの出来るありがたい本が対話集なのです。
 そんな対話集の中から特に私の印象に残った作品を4冊ご紹介いたします。
 
 
 「兄 小林秀雄との対話」(高見沢潤子著 講談社)
 
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 高見沢潤子さんは、日本を代表する文芸評論家にしてランボーの翻訳でも有名な小林秀雄の実の妹であり、「のらくろ」でおなじみの漫画家・田河水泡氏の奥さんだった方です。この高見沢さんが小林秀雄に文学や芸術について質問し、また小林との子供の頃の思い出を語っています。高見沢さんの偉大な兄を尊敬する気持ちがよく表れている微笑ましい本です。
 
 印象的な記述は多いです。
 たとえば、
 
 ・・・(小林秀雄の)飲み仲間に、女の子のようにおかっぱにして、前髪を眉毛のところまでたらした、小がらな、青白い、少年のような青年がいた。いつも、酔っぱらっていた。酔って大きな声で、けんかをふっかけるような調子で、議論をしていた。よくうちの三毛ねこをつかまえては、
「やい、哲学者!」
 と、大声でよびかけた。しかし、酔っていないときは、まるで別人のようにおとなしい、神妙な人だった。それがわたしの見た中原中也さんである・・・
 
 この本の中で小林秀雄は「若い時はとにかく本を乱読しろ。そして一流の作家は全集で読め」と言います。
 
 ・・・なにを読んだらいいかってきかれるたびに、「トルストイ全集」を買って、半年ばかりなにも読まずに、それだけをよみなさい、っていったものだ。しかし、それを実行した人はひとりもいないね。実際に読んでみなけりゃ、どういう得があるか、けっしてわかるもんじゃないよ。読書ばかりじゃない。この世は、実際にやってみなければわからないことだけでなりたっている・・・
 
 
 「カポーティとの対話」(ローレンス・グローベル著 川本三郎訳 文芸春秋社)
 
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 いちどフォークナーの記事で言及しましたかね、「冷血」や「ティファニーで朝食を」の作家トルーマン・カポーティとの対話集です。カポーティがその毒舌でズバズバと現代作家たちを斬っていきます。特に「マイラ」の原作者であるゴア・ヴィタルのことはボロクソ。
 他にも
「ノーベル文学賞? あんなものはジョークさ」
 と痛快です。
 
 そんなカポーティも三島由紀夫のことは高く評価していたようです。
 
 ・・・私はそんなにたくさんの日本の作家を知っているわけではないが、彼は、私が会った共感を持って話し合うことができた数少ない作家のひとりだ。彼は、西洋人のものの見方に切りかえて話すことができた。だから私は、彼に起こったすべてのこと、あんなふうに自殺したことや、首が切られたこと、あの軍隊にまつわることに驚いてしまったんだ。いや、軍隊についてはそんなに驚かなかった。私は彼が一種のセミ・ファシストの精神を持っているのを知っていたから。
 
 (彼はすぐれた作家だったと思いますか?)
 
 ああ、彼は非常にすぐれた作家だったと思う・・・
 
 
 「カフカとの対話」(グスタフ・ヤノーホ著 吉田仙太郎訳 みすず書房)
 
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 「変身」を読んで以来カフカの大ファンであり、幸運にもそんな憧れのカフカの知遇を得たヤノーホ少年が、カフカと交わした会話をまとめた、ミステリアスな存在であるカフカの《人となり》がある程度わかる貴重な本です。
 
 様々な事について語っているのですけど、カフカがチャールズ・チャップリンについて言及しているところが特に印象に残りましたので、その部分を引用いたしますね。さすがはカフカという感じの鋭く美しい考察です。
 
 ・・・これはまったく精力的な、仕事に憑かれた男です。彼の眼には、低俗なものの度し難さを思う絶望の焔が灼熱しているのですが、しかし彼は降参しない。本物の滑稽家がすべてそうであるように、彼は猛獣の牙を備えていて、その牙でもって彼は世界に襲いかかります。そのやり方は、彼にしかない独特のやり方です。彼は(白塗りの顔と、黒い眼の隈どりにもかかわらず)感傷的なピエロでもなければ、辛辣な批評家でもない。チャップリンは技術者です。彼は機械の支配する世界の人間だが、その世界では、彼の隣人の大多数が、貸し与えられた生活を本当にわがものとするために必要な感情と思考の道具とを、もはや使いこなすことができなくなっているのです。彼らには想像力がない。そこにチャップリンの仕事が始まるのです。歯科技工士が入れ歯を作るように、彼は想像力の義歯を作り出すのです。それが彼の映画です。いや、映画そのものです・・・
 
 
 「ゲーテとの対話」(エッカーマン著 山下肇訳 岩波文庫)
 
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 対話集の白眉といえば、やはり何といってもこれですよね。偉大なる巨人ゲーテを身近に感じることが出来る名著です。
 
 この本の素晴らしいところは、偉人としてのゲーテを描くだけでなく、ゲーテの人間的な弱さもちゃんと描いているところです。ニュートンに対抗して提唱していたゲーテご自慢の色彩論に対する疑義をエッカーマンが口にしたときのゲーテの反応。ゲーテはエッカーマンを「異端者だ! 邪教だ! 裏切者だ!」と口汚くののしります。
 もちろんニュートンの理論の方が正しいんですよ。
 しかし、天才ゲーテにさえもこういうダメダメなところがあるのだと知ると、私のような凡人はいささかホッとしますです。あはは。
 
 ゲーテがナポレオンについて語った言葉が印象的でした。
 
 ・・・なにも詩や芝居を作ることだけが生産的なのではないよ。行為という生産性だってあるのだ。多くの場合、この方がはるかに有意義なのだ。ナポレオンはこれまでに現れたもっとも生産的な人間の一人だった・・・
 
 それでは最後にゲーテの亡骸(なきがら)にエッカーマンが最後のお別れをしたときの文章を引用して、本日はおしまいにしたいと思います。
 ゲーテに対するエッカーマンの愛情が溢れた名文です。
 
 ・・・ゲーテの死の翌朝、私は、彼の亡骸をもう一目みたいという憧憬に強くかられた。彼の忠実な従僕フリードリヒが、彼の安置されている部屋を開けてくれた。
 仰向けに、彼はまるで眠れる人のように横たわっていた。その荘厳で高貴な顔容(かんばせ)には、深いやすらぎと落ちつきがただよっていた。いかめしい額にはまだ思想が宿っているようにみえた。
 私は彼の髪をひと房ほしいと思ったが、畏敬の念にけおとされて、とうとう切りとることができなかった。
 からだは裸のまま白いシーツにつつまれ、大きな氷のかたまりがいくつか、少しはなれておいてあった。できるだけながく、すがすがしいままでおくためである。
 フリードリヒが布をひろげてくれた。私は、その四肢の神々しいまでの美しさに目をみはった。胸は実にたくましく、幅広く、そして盛りあがり、腕と腿はともに肉づきがよく、やわらかだった。足は上品で、なんともいえぬよい形をしており、身体中どこにも、脂肪ぶとりや、やせすぎや、衰弱した跡はみられなかった。ひとりの完全な人間が大いなる美しさをひめて私の前に横たわっていた。私は思わずそれに心をうばわれ、一瞬、あの不滅な魂がこの肉体から去っていたことを忘れていた。
 私は彼の胸に手をあてた。
 どこもひっそりと静まりかえっていた。
 私はわきへ身を向けて、あふれる涙の流れるにまかせた・・・

懐かしの特撮ヒーローテーマソング

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 本日はこちら群馬もポカポカ陽気でした。もう初夏ですね。
 
 こう暖かいと家の外へ出たくなりますよね・・・そういえば子供の頃はよく外で遊んでいたなぁ・・・走ったり、暴れたり、自転車に乗ったり、昆虫を捕まえたり、そして仮面ライダーごっこをしたり・・・
 
 1971年、石ノ森章太郎先生原作の「仮面ライダー」テレビ放送開始と共に、世間では特撮ヒーローブームが湧き起こり、数多くの類似番組が作られました。
 バッチリ私の世代のお話です。
 そこで今回は、仮面ライダー以前の作品も含めて、懐かしい特撮ヒーロードラマの中から、私が大好きで今でも時おり口ずさむテーマソングを何曲かご紹介いたします。いい曲ばかりですので、ぜひユーチューブで聴いてみてくださいね。
 
 
 ☆ 人造人間キカイダー
 
 仮面ライダーに続いて石ノ森先生が世に送り出した特撮ヒーローがキカイダーでした。体の所々にある透明なパーツから内部の機械が見え、サイドカー付きのオートバイに乗るロボットです。
 
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 確か、今月、キカイダーの新作映画が公開されるんですよね。私はもちろん興味ありませんけど。
 
 作詞・石ノ森章太郎、作曲・渡辺宙明、唄・秀夕木とコロンビアゆりかご会によるテーマソングは名曲です。特に「スイッチオン」と歌うときのコロンビアゆりかご会の少女たちの澄んだ歌声がたまりません。
 
   スイッチオン ワン ツー スリー
   電流火花が体を走る
   ジロー チェインジ キカイダー
   ダークロボット迎え撃て
   人造人間キカイダー
 
 
 ☆ ハカイダー
 
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 キカイダーのライバル、ハカイダー。まる見えの脳みそとダークな存在感で《主人公》キカイダーの人気を凌駕した悪役ロボットです。
 そのテーマソング「ハカイダーの歌」(作詞・石ノ森章太郎、作曲・渡辺宙明、唄・水木一郎)、これがまたしびれるんです。
 
   俺の名は 俺の名は ハカイダー
   潰せ 壊せ 破壊せよ
   胸の回路に指令が走る
   俺の 俺の使命 俺の宿命
   キカイダーを破壊せよ! 破壊せよ!
 
 
 ☆ 超人バロム1
 
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 「ゴルゴ13」のさいとう・たかお先生原作の特撮ヒーロー。二人の少年が一体となりバロム1に変身し、マッハロッドという後部に風車状の機具が付いた車で颯爽と現れます。
 このテーマソング(作詞・八手三郎、作曲・菊池俊輔、唄・水木一郎とコロンビアゆりかご会)を、私は忘れることが出来ません。素晴らしい。これが歌詞というものです(?)。
 
   マッハロッドでブロロロローン ブロロロローン ブロロロローン
   ぶっ飛ばすんだ ギュンギュギュン
   魔人ゾルゲをルーロルロロ
   やっつけるんだ ズバババーン
 
 
 ☆ バンパイヤ
 
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 手塚治虫先生原作となる狼男の物語を実写とアニメの融合で映像化した実験的な作品です。白黒の画面が不気味なムードを盛り上げていました。主人公の少年を演じたのは若き日の水谷豊さんです。テーマソング(作詞・福田善之、作曲・林光、唄・松川義昭)にも独特の雰囲気がありました。
 
   月の光 夜の風 忍び寄る黒い影 「誰だ?」
   見る見る変わるその姿 そうだ僕はバンパイヤ 「ワオーン!」
   バンパイヤ バンパイヤ 悲しきさだめ
   バンパイヤ バンパイヤ 悲しきさだめ
 
 
 ☆ ジャイアントロボ
 
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 「鉄人28号」や「三国志」でおなじみの横山光輝先生原作の本格的なロボットドラマです。ロボがなぜかツタンカーメン王みたいな顔をしているところが可笑し。
 作詞・伊上勝、作曲・山下 毅雄、唄・東京マイスタージンガーによるテーマソングは格調高い名曲です。
 
   輝く太陽背に受けて
   鉄の巨人の叫ぶ声
   勝利の凱歌だ
   正義の旗だ
   進め ジャイアントロボ
   立て ジャイアントロボ
 
 
 ☆ スペクトルマン
 
 番組開始当初のタイトルは「宇宙猿人ゴリ」だったんですよね。悪役の名前をタイトルにもってくるなんて、さすがはピープロ、攻めてるう! 
 しかし、すぐにタイトルは「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」に変わり、やがてただ単に「スペクトルマン」となりました。そりゃそうですよね、子供番組ですもの、直球でヒーローの名前をタイトルにしなくちゃね。
 
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 円谷プロ作品と違いB級の匂いがプンプンするカルトなプロダクション・ピープロ制作の特撮怪獣ドラマ。大平透さん率いる《公害Gメン》が素敵でした。
 
 作詞・雨宮雄児、作曲・宮内國郎、唄・みすず児童合唱団とハニー・ナイツによるテーマソングは、なかなかの名曲だと思います。
 
   地球を防衛するためにネヴュラの星からやって来た
   スペクトルマン スペクトルマン
   ゴー ゴー ゴー ゴー ゴゴー
   超能力のサイボーグ
 
 
 ☆ 怪傑ライオン丸
 
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 スペクトルマンと同じくピープロ制作となる、これまた作品全体に漂うB級感がたまらない特撮時代劇です。でも、同時期に放送されていた東映の「変身忍者 嵐」より私はこちらの方がずっと好きです。だって主人公のライオン丸が可愛いんですもの。お顔をなでなでしたいわ♡
 作詞・しのだとみお、作曲・小林亜星、唄・秀夕木とヤング・フレッシュによるテーマソングも懐かし。
 
   風よ 光よ 正義の祈り
   変われ獅子丸 ライオン丸に
   日本の平和を守るため
   暗黒魔人をやっつけろ
 
 
 ☆ 光速エスパー
 
 ギロン星人の侵略を逃れて地球へ逃げてきた二人のエスパー星人は、誤って宇宙船を地球人の車にぶつけ、乗っていた夫婦を死なせてしまう。
 その罪滅ぼしにとエスパー星人は地球人夫婦になりすまし、夫婦の息子ヒカルを光速エスパーにする。そして光速エスパーと共にギロン星人の侵略から地球を守るという物語です。
 
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 光速エスパーが出撃する際は、いつもエスパー星人の奥さんの方が小鳥型ロボット「チカ」に化けて同行するのですが、このチカが可愛らしくて私は大好きでした。
 
 作詞・吉田治、作曲・服部克久、唄・望月浩によるテーマソングは、超人バロム1のテーマソング同様、擬音を大胆に採用した名曲です。
 
   バババババビュンと空を行く
   バババババビュンと空を行く
   光より速いのさ
   輝く強化服カッコいいぞ
   ボクらの ボクらの 光速エスパー

大好きなアニメソングその5

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 ゴールデンウイーク後半は天候に恵まれているようで、こちら群馬もいい天気、気持ちいい初夏です。
 
 さて、前回、懐かしい特撮ヒーローのテーマソングをご紹介いたしましたところ、ついでにアニメのお話もしたくなりました。アニメソングについては、以前、「大好きなアニメソング」という記事を「その4」まで書き、一応そこでおしまいという事になっておりますけど、明日はこどもの日ですし、この際ですから大好きなアニメソングをぜんぶ吐き出しちゃおうと思います。
 古い話ばかりで恐縮ですが、興味のある方はぜひユーチューブ等で探して聴いてみてください。いい曲ばかりですよ。
 
 
 ☆ 狼少年ケン
 
 「鉄腕アトム」の次に古いテレビアニメです。アフリカのジャングルで狼に育てられた少年ケンが、様々な猛獣や土人(現在この言葉は放送禁止用語なんですよね)、密猟者たちと戦う、いわばターザンみたいなお話です。
 
 作・演出は天才アニメーターと称された月岡貞夫氏。
 
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 私にはとても懐かしい、そして愛着を感じる作品なのですけど、ただひとつだけ昔から疑問に思っていることがあります。
 アフリカに狼っていましたっけ? 
 豹やライオンなら分かりますけど、アフリカで狼ってあんまりイメージないですよね? どちらかと言えば狼は寒い地方に生息しているんじゃないでしょうか? ま、子供向けのアニメですから、そこらへんの設定は適当でいいのでしょうけど・・・
 
 作詞・月岡貞夫、作曲・小林亜星、唄・西六郷少年少女合唱団によるテーマソングは、近年もどこかのCMで使われていた名曲です。
 
   ワーオ ワーオ ワオー
   ボバンババンボンビンボバンバブア ボバンババンボンビンバボン
   いつもおいらは泣かない どこまで燃える命
   ガッチリ掴むぜ太陽 嵐はまた来る
   歌えよ、ケン! 叫べよ、ケン! 太陽に届くまで
   泳げよ、ケン! ジャンプだ、ケン! 走れ、狼少年ケン!
 
 
 ☆ 風のフジ丸
 
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 これまた古く、私が物心ついたころ放送されていた、白土三平先生原作の忍者アニメです。番組の最後には変なジジイによる忍術解説のコーナーもありました。
 
 また、遡れば、この番組が「ふじまる」という私のハンドルネームの由来に・・・なるんでしょうね・・・やっぱり・・・
 
 作詞・小川敬一、作曲・服部公一、唄・鹿内たかしと西六郷少年少女合唱団によるテーマソングは、今でも全部そらで歌えるくらい私の体に染みついています。
 
   時は戦国 嵐の時代 でっかい心で生きようぜ
   風吹きまくれ 吹き荒れろ
   微塵隠れだ 火炎の術だ 悪い奴らをやっつけろ
   フジ丸 フジ丸 風のフジ丸 少年忍者
 
 
 ☆ 忍風カムイ外伝
 
 白土先生の作品では、このあと「サスケ」がアニメ化されて、もちろん「サスケ」も大好きだったんですけど、その次に登場した「忍風カムイ外伝」の方に、私はグッと心を惹きつけられました。だって、こちらの方が渋くて大人って素敵だったんですもの。
 
 《変移抜刀霞(かすみ)斬り》、《飯綱(いづな)落とし》というカムイの決め技にシビれましたねぇ。
 
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 「五つ」という回が封印作品となっているそうです。《名張の五つ》と呼ばれる忍者が登場するのですが、彼は腕が3本ある奇形者であり、その隠れた3本目の腕によって数々の危機を脱してきたという物語です。
 なぜ現在では奇形の人間が出てくるとテレビ放映できないのか、私には理解不可能なんですけど。別に奇形の人々を蔑視するつもりは無いのにね。豊臣秀吉の指が6本あったのは有名な事実ですけど、映画やテレビドラマでそれが描かれる事はまずありません。
 
 この番組の後番組が「サザエさん」です。ですから私はカムイに続きサザエさんも第1回目から観ております。あはは(我ながら古いなぁ・・・)。
 
 2009年に公開された松山ケンイチさんと小雪さんが主演した実写版映画は、たしかテレビでチラリと観ましたけど、論外でしたね。
 
 本作のテーマソング「忍びのテーマ」(作詞・李春子、作曲・大本恭敬)は、水島弘さんの魅惑的な低音ボイスがたまりません。
 
   忍びが通るけもの道
   風がカムイの影を斬る
   ひとり ひとり カムイ
   ひとり ひとり カムイ
   風の中を抜けてゆく
 
 
 ☆ 遊星少年パピィ
 
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 「鉄人28号」の次にグリコ劇場で放映されたアニメが本作です。宇宙の彼方からやって来た少年パピィが悪い奴らをやっつけます。この次のグリコ劇場アニメ「遊星仮面」や他局のアニメ「宇宙少年ソラン」も似たような設定でした。
 
 当時、パピィガムの抽選で当たった黄色いパピィ・ペンダント(メタライザー)を持っていました。ああいう物もいま残っていれば高い値がつくんでしょうね。かくいう私もまた欲しいですもんね。あはは(汗)・・・
 
 作詞作曲・三木鶏郎、唄・デューク・エイセスによるテーマソングもよく歌っておりました。
 
   ピィーッ パピィーッ ピピピピピ パピィーッ
   どんな敵が出てきても
   ガーンと当たればへっちゃらさ
   ピーパピィと高く飛べ
   ピーパピィと追い詰めろ
   遊星少年パピィ 遊星少年パピィ
 
 
 ☆ 戦え! オスパー
 
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 内容はよく憶えておりませんが、太平洋に沈んだとされる謎のムー大陸からやって来た超能力少年オスパーが、とにかく悪い奴らをやっつける物語です。
 
 ちなみに、ムー大陸と同じく海に沈んだとされるアトランティス大陸は、ギリシャの哲学者プラトンの著作に登場する大陸ですけど、ムー大陸という概念が提唱されたのは何と1930年代になってから。しかも、その存在を主張したのは、アメリカのインチキ小説家ジェームズ・チャーチワードという人。
 そういうわけで、ムー大陸なんていうのは昔から言い伝えられている大陸ではないし、つい最近うさん臭い作家がでっちあげた作り話ですので、あまり鵜呑みにしないようにお願いしますね。
 
 テーマソングを作詞したのは、かの寺山修司ですけど(作曲・富田勲、唄・山田太郎)、時代を感じさせる古臭さとなっております。当時としても群を抜いたダサさでした(笑)。
 
   大きな声で呼んでごらん
   オスパーの名前を呼んでごらん
   闇夜に光る星よりも
   地上を明るく照らす者
   その名はほーら
   オスパー オスパー オスパー オスパー
   ボクらの味方
   オスパー オスパー オオオオ オオオオ
   ボクらの味方
 
 
 ☆ 冒険ガボテン島
 
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 無人島に漂流した少年少女が力を合わせて生きていくというジュール・ヴェルヌの「十五少年漂流記」みたいなお話です。
 
 作詞・吉永淳一、作曲・山下毅雄、唄・ボーカル・ショップと出演者一同は、元気が出る名曲です。
 
   ガボテン ガボテン ガボテン
   胸張ってドカンといこう
   ガボテン ガボテン ガボテン ガガガガガ
   けどちょっぴり思いだしちゃう故郷のことを
   ケロロ ケロロロロ ケロ
   ケロロ ケロロロロ ケロ
 
 
 ☆ キングコング
 
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 日米合作のアニメ。同時期に作られた実写映画「キングコングの逆襲」(1967)に登場したドクター・フーとメカニコング(ロボットコング)も登場します。
 ただ子供向けアニメのため、キングコングの相手役が映画のような金髪美女ではなく、ボビーという少年になっておりました。
 
 同じ番組内で放送されていた「001/7 親指トム」というアニメも好きでした。
 
 作詞作曲・小林亜星、唄・藤田淑子とハニーナイツによるテーマソングは楽しい名曲です。
 
   ウッホウホウホウッホッホ ウッホウホウホウッホッホ
   大きな山を一跨ぎ キングコングがやって来る
   怖くなんかないんだよ キングコングは友達さ
   火山も地震も恐竜もキングコングにゃ敵わない
   戦えキングコング ぼくらの王者
 
 
 ☆ 黄金バット
 
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 ロン・チェイニー主演の名作怪奇映画「オペラ座の怪人」(1925)の中に登場するドクロの仮装にヒントを得て考え出されたのであろう紙芝居から生まれたヒーロー、黄金バット。それが1966年に実写映画化され、翌年アニメ化されました。
 アニメを担当したのは「妖怪人間ベム」と同じスタッフ(たぶん韓国の会社)でしょうね、絵のタッチが同じですものね。
 
 当時、私はガムの抽選で当たった黄金バットの黒いマントを持っておりました(たしか紙製)。
 
 テーマソング(作詞・第一動画、作曲・田中正史、唄・ボーカル・ショップ)は実写映画で使われた曲の流用です。
 
   どこ どこ どこから来るのか 黄金バット
   輝くドクロは正義の味方
   ヒューッと風斬るシルバーバトン
   宇宙の怪物やっつけろ
   どこ どこ どこから来るのか 黄金バット
   コウモリだけが知っている
 
 
 ☆ 未来から来た少年 スーパージェッター
 
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 私が幼いころ最も夢中になったアニメが、スーパージェッターです。この前に放送されていた「8マン」も好きでしたけど、やはり何と言ってもジェッターですよ。
 可愛くてカッコいい流星号、敵を痺れさせるパラライザー、反重力ベルト、そして辺りの時間を30秒だけ止められるタイムストッパー(時間が止まるシーンでは画面がネガフィルム状になる)・・・と子供心をワクワクさせるアイテムが満載でしたもの。
 また、ジェッターのヘルメットには赤外線透視ゴーグルが付いているのですけど、お祭りの屋台で売っていたジェッターのお面にもそれが付いていて、その付加価値のせいでジェッターのお面がいちばん人気がありました。
 
 ジェッターが歩く時の「チョッキン チョッキン」という足音が印象深いです。
 
 エピソードの中では、なぜか赤ちゃんみたいに乳しゃぶりを咥えて冬眠していたミイラが蘇える、「マイティマミィ族の逆襲」という回が特に記憶に残っています。目から光を放つ巨大なスフィンクスに心惹かれましたねぇ、子供だったワタクシは。
 
 作詞・加納一郎、作曲・山下毅雄、唄・上高田少年合唱団によるテーマソングも素晴らしいのですが、その前に付いているジェッターを演じた声優・市川治さんのセリフが魅力的なので、それを引用して本日はおしまいとさせていただきます。
 
   ぼくはジェッター
   一千年の未来から時の流れを超えてやって来た
   流星号 応答せよ! 流星号!
   来たな よし行こう!

大好きなアニメソングその6

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 昨日早朝の地震にはビックリいたしました。最近、太平洋の地下が動いておりますからねぇ、何か怖いですよね。
 今、東京を直下型地震が襲ったら・・・日本はどうなるのでしょうか?
 
 「週刊文春」のゴールデンウイーク特集号に氷川きよしさんのマネージャーの手記が載っていて、氷川さんのホモセクハラや暴力行為が克明に記されておりましたけど、不思議な事にテレビのワイドショーではまったく取り上げませんね。ジャニーズ事務所のスキャンダルがテレビで放送されないのと同じように、氷川さんの所属するプロダクションに力があるのでしょうね。
 
 作家の渡辺淳一氏がお亡くなりになりました。私にとって特別な思い入れがある作家ではありませんけど、北海道ご出身でしたので私がむかし住んでいた紋別を舞台にした小説などがあって、そういう意味では親しみを感じる作家でした。
 また、黒木瞳さん主演の映画版は観ておりませんが、川島なお美さんと古谷一行さんが主演したテレビ版「失楽園」は毎週観ておりました。川島さんの脱ぎっぷりが良くて・・・とにかくエッチでしたからねぇ・・・最後に古谷さんと川島さんが合体したまま毒入りワインを飲んで果てるシーンは強烈でした・・・ああいうエッチなドラマがなぜ無くなっちゃったんでしょうか?・・・私には文化の衰退に思えるのですけど・・・
 渡辺先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 
 さて、前回に引き続き、私の大好きなアニメソングを洗いざらいご紹介したいと思います。今回は女の子向けの作品が多いです。
 
 
 ☆ 海のトリトン
 
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 トリトン族の生き残りの少年が、城みちるさんのようににイルカに乗ってやって来て、海の平和を乱すポセイドン族と戦う手塚治虫先生原作のアニメです。もっとも手塚色は極めて薄かったですけど。
 
 トリトンの持っている《オリハルコンの剣》という短刀がカッコ良かったです。
 
 テーマソング「GO! GO! トリトン」(作詞・林春生、作曲・鈴木宏昌、唄・ヒデ・夕木と杉並児童合唱団)は、思わず熱唱したくなる名曲です。
 
   水平線の終わりには あああ
   虹の橋があるのだろう
   誰も見ない未来の国を
   少年は探し求める
 
 
 ☆ 正義を愛する者 月光仮面
 
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 川内康範先生原作の「月光仮面」。実写版が1958年から放送され大人気となりました。しかし、これはさすがに私もリアルタイムでは観ておりません。
 私がリアルタイムで観たのは小学生の時に放送されたアニメ版。
 そのテーマソング「月光仮面は誰でしょう」(作詞・川内康範、作曲・三沢郷、唄・ボニー・ジャックスとひばり児童合唱団)は、歌詞は同一ながら実写版(こちらは作曲・小川寛興、唄・ハニー・ナイツ)の牧歌調でのんびりとした曲調とは違い、ハイテンポなロック調で、私的にはノリのいいこちらの方が好みでした。
 
   どこの誰かは知らないけれど
   誰もがみんな知っている
   月光仮面のおじさんは
   正義の味方よ 良い人よ
 
 
 ☆ バビル2世
 
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 古代の地球に飛来した宇宙人が、未来の平和のためにバビルの塔を作る。そして、時は変わって現代、バビルの二代目として生まれた少年がバビルの塔を引き継ぎ、なぜか学生服姿のまま(ちったあ気の利いた服が用意されていないの?)、ロデム、ロプロス、ポセイドンという《三つのしもべ》を従えて世界征服を企むヨミと戦う横山光輝先生原作のアニメです。
 
 正直申しまして横山先生の原作コミックは大好きでしたけど、アニメ作品の方はあまり好きではありませんでした。絵が下手くそでしたので。
 しかし、テーマソング(作詞・東 映一、作曲・菊池俊輔、唄・水木一郎とコロンビアゆりかご会)は、熱気あふれる名曲です。
 
   砂の嵐に隠されたバビルの塔に住んでいる
   超能力少年 バビル2世
   地球の平和を守るため三つのしもべに命令だ
   怪鳥ロプロス 空を飛べ
   ポセイドンは海をゆけ
   ロデム 変身 地を駆けろ
 
 
 ☆ 魔法使いサリー
 
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 これまた横山光輝先生原作となる、アメリカの大人気テレビドラマ「奥さまは魔女」の影響を受けて作られた、少女アニメの元祖と呼べる作品です。
 
 テーマソング(作詞・山本清、作曲・小林亜星、唄・スリー・グレイセス)は、スリー・グレイセスによる低音のハーモニーが美しい、皆さんよくご存知の、あまりにも有名な曲です。
 
   マハリクマハリタヤンバラヤンヤンヤン
   マハリクマハリタヤンバラヤンヤンヤン
   魔法の国からやって来た
   ちょっとチャームな女の子
 
 小さい頃は「チャーム」という意味が分かりませんでしたし、この歌詞に違和感がありました。「チャーム? チャーミングじゃないの? へんな言葉」・・・という感じで。
 
 同じことは谷川俊太郎さんが作詞した「鉄腕アトム」の歌詞についても言えます。
 「ゆくぞ アトム ジェットの限り♪」というのですけど、「ジェットの限り? 何じゃそりゃあ? ジェットエンジンの燃料が続く限りだろうが、ボケ!」と子供ながらに私はそう思っておりました。
 さらによくよく考えてみれば、つまりアトムはジェットエンジンで空を飛んでいたわけ? でも、アトムってよく宇宙空間をスイスイ飛び回っていましたよね? どうやってジェットエンジンで酸素の無い宇宙空間を長時間飛行できたの?
 ま、どうでもいい話ではありますけど・・・
 
 
 ☆ ひみつのアッコちゃん
 
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 サリーちゃんとくればアッコちゃんを忘れるわけにはまいりません。私の子供時代、少女アニメの二大巨頭(?)でしたね、サリーちゃんとアッコちゃんは。
 
 こちらの原作者は「天才バカボン」や「おそ松くん」の赤塚不二夫先生です。
 
 アッコちゃんが魔法の鏡に向かって「テクマクマヤコン テクマクマヤコン ~になーれ」と呪文を唱えると、願ったものに変身出来ます。元の姿に戻るときは「ララパス ララパス ルルルルル」。これらの呪文もステキでした。
 
   そいつの前では女の子
   ツンとおすまし それは誰?
   それは鏡 鏡の中からツンツツン
   シンデレラ姫が現れた ツンツツン
   それは誰?
   それはひみつ ひみつ ひみつ
   ひみつのアッコちゃん
 
 というアッコちゃんのテーマソング(作詞・井上ひさし、山元護久、作曲・小林亜星、唄・岡田恭子)も、サリーちゃんのテーマソング同様、私にはいささか疑問点があります。
 「そいつの前では」の「そいつ」って誰よ?
 「ツンツツン」って何?
 井上ひさし先生がお書きになった歌詞は、私には難解すぎましたね(苦笑)。
 
 あと、水森亜土さんが歌うエンディング曲「すきすきソング」も、ノリのいい名曲です。
 
 
 ☆ アタック№1
 
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 1964年の東京オリンピックにおける《東洋の魔女》女子バレーボール金メダル獲得により日本じゅうに沸き起こったバレーボールブームを受けて描かれた「サインはV」と並ぶ名作コミック。「サインはV」は実写ドラマ化されましたけど、「アタック№1」はアニメになりました。
 
 2005年には上戸彩さん主演でテレビドラマ化されました。私は観ておりませんけど。
 
 テーマソング(作詞・東京ムービー企画部、作曲・渡辺岳夫、唄・大杉久美子)の中の
 
   だけど涙が出ちゃう。女の子だもん
 
 というセリフの部分が最高に《萌え》でした(笑)。
 
 
 ☆ エースをねらえ!
 
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 当ブログの中でこれまで何度か言及した高校の女子テニス部を舞台にしたアニメ。
 
 主人公の岡ひろみちゃんの髪型やファッションが、それまでの少女アニメに登場した女の子たちと違って、進んでいるというか、トレンディというか、とにかく新しかったのが私たちの心を惹きつけました。
 
 また、宗方コーチが渋い! 前回ご紹介した「忍風カムイ外伝」のカムイを演じた中田浩二さんの声がピッタリはまっておりました。
 
 それから、《お蝶夫人》というニックネームを持つ、岡ひろみちゃんの前に立はばかる最強の先輩、竜崎麗香(それにしてもすんごい名前!)が、とても高校生とは思えない、どこかのキャバ嬢みたいないでたちでして、「こんな女子高校生がいるか!」と文句の一つもつけたくなりますけど、それでもやはり好きですう、麗香お姉さま・・・ハァ、ハァ・・・
 池田昌子さんの声が、これまたピッタリでした。
 
 たしかこの作品も2004年に上戸彩さん主演でテレビドラマ化されたんですよね。
 
 この番組のテーマソング(作詞・東京ムービー企画部、作曲・三沢郷、唄・大杉久美子)を、私は今でも時おり口ずさみます。
 
   コートでは誰でもひとり ひとりきり
   わたしの愛も わたしの苦しみも
   誰もわかってくれない
 
 
 ☆ キャンディ・キャンディ
 
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 原作者の水木杏子さんと作画のいがらしゆみこさんが仲違いして、現在は封印作品状態になっている「キャンディ・キャンディ」。
 韓国の人気ドラマ「冬のソナタ」の隠れた原作と呼ばれる程の名作なのですから、何とか和解してまたこの作品が鑑賞できるようにしていただきたいものです。
 我らが堀江みっちょんの歌うテーマソング(作詞・水木杏子、作曲・渡辺岳夫、唄・堀江美津子とザ・チャープス)は、元気の出る名曲です。
 
   そばかすなんて気にしないわ
   鼻ぺちゃだって だって だって
   お気に入り
   お転婆 いたずら 大好き
   かけっこ スキップ 大好き
   わたしは わたしは わたしはキャンディ
 
 
 ☆ ふしぎなメルモ
 
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 そして、遂に、私の最も愛するアニメ「ふしぎなメルモ」の登場です。
 
 永井豪先生の「ハレンチ学園」が大ヒットし、性教育問題についての議論が高まっていた時代、「そんなの俺にだって描けるんだぞ」とばかりに手塚治虫先生が世に送り出した性教育アニメが、このメルモちゃんでした。
 
 交通事故で不慮の死を遂げた母親が、涙ながらに天国で「残されたメルモたち3人の子供が心配だ」と神様に訴えると、神様は赤と青のキャンディーが入った瓶をメルモにプレゼントしてくれる。それは、食べると大人になったり、赤ちゃんに戻ったり出来る魔法のキャンディーだった。このキャンディーを使ってメルモは大人になったり、動物にまで戻ったりして様々な危機を乗り切る・・・というお話です。
 
 女性の裸に興味が芽生え始めていた私ら当時の小学生男子一同は、毎週食い入るようにこの番組を観ておりました。だってメルモちゃんの脱ぎっぷりがいいんですもの・・・メルモちゃんが大人に変身した時の色っぽいお顔・・・突き出たバスト・・・大きなお尻・・・ハァ、ハァ・・・た、たまりません・・・小学生には刺激が強すぎました・・・
 
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 そういえばユーチューブで見つけたのですけど、昔のバラエティー番組「テレビ探偵団」に手塚先生がゲスト出演なさっていて、視聴者からもういちど観たい手塚アニメのリクエストを募ったところ、1位は何とメルモちゃん。
 私もメルモちゃんが1位です。世の中、誰も考える事は一緒なんですね。あはは。
 
 テーマソング(作詞・岩谷時子、作曲・宇野誠一郎、唄・出原千花子とヤングフレッシュ)も可愛くてステキな曲でした。
 
   メルモちゃん メルモちゃん メルモちゃんが持ってる
   赤いキャンディー 青いキャンディー 知ってるかい
   蝶々は卵に ベイビーは大人に
   小さくなるよ 大きくなるよ すごいよ

パゾリーニ「王女メディア」

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 暑いです。夏ですね、もう。
 
 特筆すべきニュースも無いので、今回はとっとと本題へ移ります。
 
 先月、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の映画「赤い砂漠」(1964)を取り上げた際に「若い人はこういう芸術的な映画をたくさん観て感性を磨かなくちゃあきまへんで」ってな事を申しましたけど、今回ご紹介するピエル・パオロ・パゾリーニ監督も、同じように鋭い感性の光る、学ぶところの多い映画監督です。
 
 もともと詩人、作家として芸術家人生をスタートさせたパゾリーニ監督ですが、映画を撮り始めた最初の頃は、比較的オーソドックスな作品を発表していました。
 
 この時期の作品のひとつが「マンマ・ローマ」(1962)。
 もと売春婦の中年女が、戦争の焼け跡がまだ残るローマで、ひとり息子を大切に育てるものの、その息子は不良と付き合ったり、あばずれ女に夢中になったり・・・と、母親の苦労は絶えない、という物語です。
 
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 母親を演じるのはアンナ・マーニャ。ロッセリーニ監督の「無防備都市」(1945)やヴィスコンティ監督の「ベリッシマ」(1951)でも印象的な母親を演じた、まさに《ローマの母》という感じの女優さんです。私も大好きです。
 このアンナ主演の「マンマ・ローマ」、いい作品ですので、機会がありましたら、ぜひご覧になってみてください。
 
 それから、「奇跡の丘」(1964)という作品も忘れられません。
 
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 これは新約聖書に登場するイエスを聖書の記述のまま忠実に映像化した作品で、学生運動の闘士のような若々しくてエネルギッシュなイエスが登場します。ま、普通に聖書を読めば、こうなりますわな。イエスを神様扱いせずに描いたところが画期的だった、パゾリーニ初期の傑作です。
 
 と、このあたりまではパゾリーニ監督も普通(あるいはまとも)だったのですが、ソポクレスの「オイディプス王」を原作とする「アポロンの地獄」(1967)あたりから次第に個性を強めてゆき、「テオレマ」(1968)、「豚小屋」(1969)、「王女メディア」(1969)と、完全にパゾリーニ監督独自世界が花開くことになります。
 
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 そして、この中で、私の最もお気に入りの作品が「王女メディア」なのです。
 
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 ギリシャ神話に出てくる王女メディアの物語をご存知でしょうか?
 
 自分がイオールコス王アイソンの息子であると知った、半人半馬のケンタウロスに育てられたイアソンが、現在王位に就いている叔父のペリアスに王位を返還するよう求めたところ、ペリアスは黒海の果ての国コルキアスにある《黄金の羊の毛皮》を持ってきたら王位を返すと約束する。
 そこでイアソンは、ヘラクレスら部下を引き連れて、船でコルキアスへ向かう。
 
 ここらへんのお話は《特撮映画の巨匠》レイ・ハリーハウゼン制作の映画「アルゴ探検隊の大冒険」(1963)でも有名です。
 
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 ちなみに「アルゴ探検隊の大冒険」も好きな作品です。巨人像が動きだしたり、ガイコツたちが剣を持って向かってきたりと、ストップモーションアニメが見事な、とっても楽しい映画でした。
 
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 さて、様々な難関を乗り越えて、ようやくコルキアスに辿り着いたイアソン一行ですが、そう簡単に《黄金の羊の毛皮》は手に入りません。なんたってそれはコルキアス国の宝物なのですから。
 
 ところが、コルキアス王の娘メディアがイアソンに恋しちゃったから、さあ大変。メディアはコルキアス王を裏切って《黄金の羊の毛皮》をイアソンに渡し、イアソンと共に船で逃亡します。
 しかもコルキアス王が追いかけてくると、何とメディアは一緒に連れてきた実の弟の体をバラバラにして海へ捨てたというのですから、凄まじいと言うか、実にひでえ姉貴です。そして、コルキアス王が弟の体を拾っている間に、まんまと逃亡に成功します。
 
 見事、イオールコスに《黄金の羊の毛皮》を持ち帰ったものの、ペリアスは王位を返還しようとしません。業を煮やしたメディアはペリアスを殺害します。
 しかしながら、この苛烈さがかえって人々の恐れるところとなり、イアソンとメディアはイオールコスにいられなくなります。仕方なく二人はコリントスへ向かいます。
 
 コリントスでまたまた二人の運命が変わります。
 コリントス王クレオンがイアソンをいたく気に入り、自分の娘グラウケーの婿にしようとしたのです。
 当然ながらメディアは烈火の如く怒り、クレオンとグラウケーを毒殺した上に、イアソンとの間に生まれた幼い息子までをも殺害します。そして、泣き悲しむイアソンを捨て、ひとりコリントスを去る・・・というのが大まかな物語です。
 現在では、メディアは、烈婦というか蛮女というか、とにかく強い女性の象徴となっております。
 
 この物語をパゾリーニ監督は、ギリシャ神話が原作なのに、中東っぽい風景の場所を舞台にして、日本の長唄(ビックリ!)などを挿入しながら、無国籍な物語に仕上げています。そのハイブリッドな感性が素晴らしい。
 しかも、メディアを演じるのが、普通の女優さんではなく、世界的なオペラ歌手であるマリア・カラスというところも意表をついて面白いです。
 「王女メディア」は、パゾリーニ独特の感性が最も見事に発揮された傑作です。
 
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 本作の後のパゾリーニ監督は、あまりパッとしません。
 
 「デカメロン」(1971)、「カンタベリー物語」(1972)、「アラビアン・ナイト」(1974)という《生の三部作》と呼ばれる作品を撮り、これらは私が映画少年だった中学生のころ公開されました。
 
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 上の写真は「アラビアン・ナイト」のポスターですけど、いかにもエッチそうでしょう?
 でも、実際はたいしてエッチじゃないし、面白くもないんですよ。
 
 パゾリーニ監督最後の作品が、マルキ・ド・サド原作の「ソドムの市」(1975)。
 これも部分的には思わずハッとさせられる素晴らしいカットがありましたけど、全体としてはウンコやチンコだらけのグロい凡作でした。
 この作品を撮り終えた直後、有名なホモ太郎侍だったパゾリーニ監督は、ホモの少年に殺害されます。
 
 パゾリーニ監督の死は、当初ホモの少年との愛憎劇の結果とされていましたけど、最近は狂信的なファシスト連中が、熱心な共産主義者だったパゾリーニ監督を殺害したという説が有力なようです。
 いずれにせよパゾリーニ監督は1960年代の人でしたね。
 しかし、「王女メディア」を初めとする彼の代表作は、いま観ても新鮮ですし、こちらのイマジネーションを刺激する、素晴らしい作品ばかりです。
 まだ観たことの無い方は、ぜひ一度ご覧になってみてくださいね。強烈な世界を体験できますよ。

ヴィスコンティ「家族の肖像」

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 最近、心臓が苦しくて息が切れます。もう年ですね。そのうちポックリ逝くかもしれません。
 
 CHAGE and ASKAのASKAが覚醒剤所持容疑で逮捕されました。昨年、週刊誌で覚醒剤使用疑惑が報道された時には否定していたのに、やはりやっていたのね。清原さんの方は大丈夫でしょうか?
 
 《秒速で1億円稼ぐ男》与沢翼さんが破産したとか。フェラーリやロールスロイスに乗ってよくテレビにご出演なさっていたのに、一体どうしたんでしょうね? せっかく稼いだお金をぜんぶ浪費しちゃったんですかね? 生まれてから死ぬまで貧乏なワタクシには、こういう人たちの頭の中が理解できません。
 
 小学館発行の漫画雑誌「ビッグコミックスピリッツ」に連載していた人気マンガ「美味しんぼ」(原作・雁屋哲、作画・花咲アキラ)が、福島の原発事故に関連した記述への批判を受けて一時連載を休誌するそうです。
 福島第一原発の取材から戻ってきた主人公たちが体の異常な疲労感を覚えたり、とつぜん鼻血を流したりする記述が「風評被害を助長する」、「あの程度の量の放射線では健康に影響は無い」と批判されているみたいですけど、本当に大丈夫なんでしょうか? 
 放射能の影響は何十年も経たないと結果が出ませんからね。いま福島第一原発に比較的近い地域に住んでいらっしゃる福島県人は、集団で人体実験を受けているようなものです。それで何十年後かに病気や障害が発生しても、もはや誰も責任を取らないのです。いつものやり口です。
 いま「安全だ。心配ない」と声高に主張している連中は家族親戚一同で福島に移り住め・・・私はこう言いたいです。
 
 「ヤクオフ!」のコマーシャルに出ている女の子が気になりまして、調べましたところ「でんぱ組.inc」というグループに所属している夢眠ねむさん(へんな芸名)という方でした。たぶん《不思議ちゃんキャラ》の女の子なんでしょうけど、妙に人を惹きつける顔と表情の持ち主ですよね。好みです。
 
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 さて、前回はパゾリーニ監督の「王女メディア」(1969)についてお話いたしましたけど、芸術的な映画の話はまだまだ続きまして、今回はルキノ・ヴィスコンティ監督の作品を取り上げます。
 
 ヴィスコンティに関してはこれまでも何度か言及しております。たとえばシャーロット・ランプリングの記事の中で「地獄に堕ちた勇者ども」(1969)を、池田昌子さんが吹き替えをしたラウラ・アントネッリ主演の「青い体験」(1973)の記事の中で「イノセント」(1976)を。
 素晴らしい映画監督ですよね。ひとことで言うと美の完全主義者です。その意味では日本の溝口健二監督に近いかもしれません。
 
 ただ溝口監督もそうでしたけど、ヴィスコンティも極端にいい作品と悪い作品に分かれるんですよね。成功作はこの上もなく素晴らしいけど、失敗作は目も当てられないというような・・・
 
 代表作とされている「夏の嵐」(1954)や「山猫」(1963)、アルベール・カミュ原作の「異邦人」(1968)、トーマス・マン原作の「ベニスに死す」(1971)、ディズニーランド城のモデルとなったノイシュヴァンシュタイン城を造ったことで有名なバイエルン国王ルートヴィヒ2世の生涯を描いた「ルートヴィヒ」(1972)などは、正直申しまして、私にはピンと来ませんでした。
 
 初期のヴィスコンティ作品の中で、私の最もお気に入りなのは「熊座の淡き星影」(1965)です。
 姉弟による近親相姦をテーマにしたこの作品は、主演のクラウディア・カルディナーレ(彼女はヴィスコンティ作品の常連でもある)の美しさと相まって、一篇の詩のようなとても美しい作品に仕上がっております。
 
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 他には「若者のすべて」(1960)や「地獄に堕ちた勇者ども」も好きなんですけど、私の最も好きなヴィスコンティ作品が、今回のタイトルになっている「家族の肖像」(1974)なのです。
 
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 古い家族の肖像画をコレクションするのが唯一の趣味である独身の年老いた大学教授がおります。彼は大きな屋敷で家族の肖像画に囲まれながら静かで平穏な日々を過ごしておりました。
 
 大学教授を演じるのは、バート・ランカスター。アメリカの俳優ですけど、ヴィスコンティ監督の「山猫」を初めとしてヨーロッパ映画にも多数出演した名優です。
 そうそう彼は当ブログの記事「さよならミス・ワイコフ」の中でご紹介した「泳ぐひと」(1968)というけったいな映画にも出演していましたね。これなんか今の与沢翼さんに観せてあげたいような・・・
 
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 その教授の屋敷へ、ある日突然、騒がしい大金持ちのマダム母子が闖入してきて、屋敷の今は誰も使っていない上の階の部屋を借りたいと申し出る。教授は固辞するものの、マダムは無理やり部屋を借り受ける。
 
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 借りた部屋をマダムが使うのかと思いきや、マダムはその部屋を自分の愛人に使わせる。愛人の青年は教授の許可なしに勝手に部屋の改装工事を始める。激昂した教授は青年を屋敷から追い出そうとするが、その青年が意外にもクラシック音楽や絵画など古典芸術に造詣の深いインテリだと知るや、急に青年に対する興味が湧いてきて・・・というのが大まかなストーリーです。
 
 愛人の青年を演じるのは、ヘルムート・バーガー。パゾリーニ監督同様ホモで有名だったヴィスコンティ監督の《愛人》でもあった美男子です。現在の俳優さんで言うと、「エド・ウッド」(1994)に出演し、今や大スターとなったジョニー・デップに似たタイプの二枚目です。
 
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 ヴィスコンティ映画でその魅力を存分に発揮したバーガーですが、ヴィスコンティの死後はパッとせず、スペインのB級監督ジェス・フランコの「フェイスレス」(1987)に出演したりしていたのは、当ブログの記事「刑事コジャックと警部マクロード」に書いた通りです。
 
 しかしながら、私がこの作品で強調したいのは、バート・ランカスターでもヘルムート・バーガーでも無く、大金持ちのマダムを演じたシルヴァーナ・マンガーノなのです。
 
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 好きだなぁ、シルヴァーナ・マンガーノ。
 若い頃のシルヴァーナは、「にがい米」(1948)でのように、ムチムチの太腿あらわにマンボを踊る、ジーナ・ロロブリジーダやソフィア・ローレンみたいなセクシー女優でした。
 
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 ところが、この人が本領を発揮するのは中年以降です。
 前回ご紹介したパゾリーニ監督の「アポロンの地獄」(1967)からでしょうか、げっそりと痩せ、すっかり油っけが抜けちゃって、眉毛を剃っちゃうのは。剃った上にペンで眉毛を描いているんですが、それがまた大胆なカーブを描いていて、あんなすごい眉毛を見たのは、ヒッチコック監督の「めまい」(1958)のキム・ノヴァク以来でした。
 
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  とにかく、中年以降のシルヴァーナは、表情の無い、人工的な、無機質的な、彫刻のような姿に変身するのですが、これがまたいいんですわ。そこはかとない色気があって、「心の旅路」(1942)のグリア・ガーソンのような気品を漂わせていて、おびえたような目つきがとても可愛くて。
 そんな彼女の美しさが最もよく出てたのが、同じパゾリーニ監督の「テオレマ」(1968)です。作品自体はどうしようもなく退屈でしたけど、シルヴァーナは最高にきれいでした。
 
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 本作でも、わがままで自己中心的な金持ちマダム役のシルヴァーナが、突然ずかずかと屋敷へ押し入ってきて、静かだった教授の生活をひっちゃかめっちゃかにします。高飛車な態度もカッコ良くて、この作品の彼女はほんと素敵でした。
 噂によると、ヴィスコンティ監督は、最初この役をオードリー・ヘップバーンにやらせようとしたとか。とんでもない話です。シルヴァーナ以外にはありえません、この役は。
 
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 シルヴァーナの魅力爆発のこの作品は、同時にヴィスコンティ監督の最高傑作でもあります。
 ちょい役ですけどドミニク・サンダとクラウディア・カルディナーレも出ています。
 生涯に渡り古き良き貴族社会の気品と格調を追求し続けたヴィスコンティの華麗なる世界。ぜひいちど堪能してみてください。

我が愛しのキャンディーズ

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 私がいま住んでいる場所は、群馬県高崎市。高崎市の隣が安中市です。安中市は、昨年のNHK大河ドラマ「八重の桜」の主人公・新島八重の夫で同志社大学創始者である新島襄の出身地ということくらいしか話題にならない地味なところですけど、それでも最近テレビを観ているとやたらに「アンナカ」という言葉が飛び交うものですから、何だかドキッとしてしまいます。「え、安中?」とか思っちゃってさ。
 
 群馬はこのところずっと暖かいですけど、昨日(23日)私が小学生時代を過ごした北海道網走市では何とビックリ雪が降ったとか。狭い狭いと言いながらも、やはり日本は広いんですね。こちらはTシャツ姿でOKなのに、あちらは雪ですものね。あはは。
 
 その網走での小学生時代ですけど、小学校も高学年になってくると、それまでウルトラマンや仮面ライダーにしか興味の無かった我々男子生徒が急に色気づき始め、目線がアイドルへ向かうようになります。折しも、私が小学校高学年だった1970年代初めは、日本が第一次アイドルブームに沸いた時代でした。
 当時はインターネットなんかありませんからね、私たちは毎月せっせと雑誌「明星」や「平凡」を買って、アイドルの情報を仕入れたものです。
 
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 上の写真は当時の雑誌「明星」の表紙です。真ん中が郷ひろみさん。向かって左が浅田美代子さん。右がアグネス・チャンさんです。3人ともとっても可愛いですよね。
 他にも《白雪姫》天地真理さん。《私の彼は左利き》麻丘めぐみさん。《瀬戸の花嫁》小柳ルミ子さん。《シンシア》南沙織さん・・・などなど、それまでは存在しなかった、すごくフレッシュな、ニュータイプのアイドルが続々と登場いたしました。
 そして私たちは、「明星」や「平凡」の付録だった彼女たちのポスターを、壁や天井にベタベタ貼りまくっていたのです。
 
 また当時は《欽ちゃん》こと萩本欽一さんが司会をしていたテレビ番組「スター誕生!」が大人気でして、日曜日の午前中といえば私たちは欠かさず「スタ誕!」を観ておりました。
 この「スタ誕!」から《花の中三トリオ》森昌子さん・桜田淳子さん・山口百恵さんを初めとする数々のスターが誕生し、1970年代後半の日本は第二次アイドルブームで沸き立つことになります。
 
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 そんなアイドル全盛期の時代に思春期を過ごしたワタクシが最もビビッときたアイドルが、今回取り上げるキャンディーズなのです。
 
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 上の写真でキャンディーズのメンバーをご紹介いたしますね。向かって左から《ミキちゃん》こと藤村美樹さん、《ランちゃん》こと伊藤蘭さん、《スーちゃん》こと田中好子さんです。
 スレンダーな正統派美人のミキちゃんに、少しぽっちゃりで愛くるしいスーちゃん、そして健康的なお色気ムンムンのランちゃん・・・ね、可愛いっしょ?
 
 私がキャンディーズを最初に観たのは、おそらくザ・ドリフターズの「8時だヨ!全員集合」でだったと思います。キャンディーズの3人がドリフのメンバーと一緒にマット運動など体操のコントをしていたシーンを、よく憶えておりますから。
 この頃のキャンディーズは、まだまだマイナーな存在でした。
 
 そんなキャンディーズが一躍スターの仲間入りしたのは、1976年に発表した「春一番」の大ヒットによってでした。
 一般的にはこの前年に発表した「年下の男の子」のヒットによりキャンディーズはメジャーになったと言われておりますが、私の印象ではやはり「春一番」のヒットが大きかったと思います。この曲がヒットしたとき、私なんぞは
「あ、昔よくドリフのアシスタントをしていたキャンディーズが、遂に表舞台に飛び出してきたか」
 と思いましたもの。
 もっとも「年下の男の子」がキャンディーズの代表曲である事実は揺るぎませんけど。
 
 「春一番」以降は、1978年の解散まで、時代はキャンディーズのものでした。
 
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 キャンディーズの魅力は、まず何と言っても3人の可愛らしさ。美しさ。
 同時期に活躍して、ライバルのように思われていたピンク・レディーは、キャンディーズと一緒に並ぶと、やたらに体がでかかったですからね。それに比べてキャンディーズの3人は、小柄で、粒が揃っていて、まるでお人形さんみたいにキュートでした。
 
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 魅力の2つ目は、彼女たちのカンの良さ。芸達者さ。
 もともとドリフターズの番組でギャグのセンスを磨かれた3人でしたから、他の可愛いだけのアイドルとは違い、彼女たちにはお笑いのセンスと言うか、バラエティ番組における《腕》がありました。
 そんなキャンディーズのバラドルとしての魅力が爆発した番組が、伊東四朗さん司会の「みごろ!たべごろ!笑いごろ!!」です。
 
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 面白かったなぁ、「みごろ!たべごろ!笑いごろ!!」。下品で、安っぽくて、B級感に満ち溢れていましたけど、何か好きでした。
 電線音頭(作詞・田村隆、作曲・不詳)なんか懐かしいです。《ベンジャミン伊東》に変身した伊東さんが
「人の迷惑顧みず、やって来ました電線軍団」
 とやると、銀ピカのスーツを着た小松政夫さんがマイク代わりのオタマ片手に飛び出してきて
「たいへん長らくお待たせいたしました。四畳半のザッツ・エンターテインメント。総合司会の小松政夫でございましゅ。歌は流れるあなたの胸に・・・」
 としゃべり始め、その後キャンディーズたちがセットの中央に置かれた炬燵の上に上がらされて
「チュチュンがチュン」
 と電線音頭が始まるわけです。
 
   チュチュンがチュン あ、そーれ チュチュンがチュン あ、そーれ
   電線に(あ、そーれ)
   雀が三羽とまってた(あ、よいしょ)
   それを猟師が鉄砲で撃ってさ(はっ)
   煮てさ(はっ)
   焼いてさ(はっ)
   食ってさ
   あ、ヨイヨイヨイヨイ
   オットットット
   あ、ヨイヨイヨイヨイ
   オットットット
 
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 この電線音頭は当時一大ブームとなりまして、みんな学校で真似したものです。
 デンセンマンなる謎のヒーローまで生まれましたね。
 
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 それからキャンディーズと伊東四朗さん、小松政夫さんによる「悪ガキ一家の鬼かあちゃん」コーナーも大好きでした。
 伊東家の3人の悪ガキに扮したキャンディーズが登場する際には
「まずは例のワンパターンから。ラン、スー、ミキ。ゴー。ズンズンジャカ、ズンズンジャカ。ズンズンジャカ、ズンズンジャカ。うーん、食べごろよォ♡」
 と踊るのがお決まりでした。
 
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 そして5人での会話中に、鬼かあちゃん役の伊東さんがちょっとランちゃんを貶すようなセリフを言うと、すぐさまランちゃんが
「それじゃ私には出来ないとおっしゃるのですか、《いのう四朗》さん」
 と食ってかかって、ここからまたいつものワンパターンが始まるのがお決まりでした。
 
 伊東「何なの、その《いのう四朗》って?」
 ラン「うっ。ラン、悔しい」(とテーブルに顔を伏せる)
 そこへスーとミキが駆け寄り、遥か彼方を指さしながら
 スー「ラン、泣かないで。私たちには明日があるじゃない」
 ミキ「そうよ、ラン。世界のキャンディーズになるまで、涙は禁物よ」
 スーとミキ「さあ、ラン、笑って」
 するとラン顔を上げて、にっこり微笑み
 「うん♡」
 小松「はぁー、クサい。クサいわねぇ、もう」
 
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 毎週観ても、ちっとも飽きなかったなぁ・・・本当に好きでした、このコーナー。
 そして、このコーナーから小松政夫さんの「しらけ鳥音頭」も生まれたんですよね。当時の風潮はズバリ《しらけ》。まさにタイムリーな名曲でした。
 
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 キャンディーズの魅力、ラストはアーティストとしての魅力です。
 単なるアイドル歌手と違い、キャンディーズは自分たちで自分たちをプロデュース出来る、すなわち本質的にはアイドルというよりアーティストでした。そうじゃなければ人気絶頂の最中に突然
「普通の女の子に戻りたい」
 と言って引退宣言などしませんわな。
 彼女たちのアーティスト性は曲にも表れ、吉田拓郎さんに作曲を依頼した「やさしい悪魔」や「アン・ドゥ・トロワ」(作詞は共に喜多条忠氏)は、アイドルが歌う歌謡曲というより完全にニューミュージックの楽曲に仕上がっております。
 
   アン・ドゥ・トロア 踊りましょうか
   アン・ドゥ・トロア 炎のように
   ひとは誰でも一度だけ
   すべてを燃やす夜が来る
   アン・ドゥ・トロア 今がそのとき
   ためらわないで
   ためらわないで
 
 すなわちキャンディーズは、同時代の山口百恵さんや、少し後の松田聖子さん同様、単なる操り人形ではなく、アーティスト性を持ったアイドルなのでした。そして私たちもそこに激しく惹かれたのです。おれたちのキャンディーズは本物なんだぞ、と思って。
 
 コンサート初めにキャンディーズを紹介するお決まりのくだり。
 バックバンドの兄ちゃん「C・A・N・D・I・E・S!」
 ファンの野郎ども    「C・A・N・D・I・E・S!」
 バックバンドの兄ちゃん「スーパー、スーパー、スーパー、キャンディーズ!」
 ファンの野郎ども    「スーパー、スーパー、スーパー、キャンディーズ!」
 ここでキャンディーズ登場。歓声。絶叫。飛び交う紙テープ。
 
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 我らのキャンディーズは1978年4月4日、人気絶頂のなか惜しまれつつ引退します。
 引退後、ランちゃんがまず女優として復帰。映画「ヒポクラテスたち」(1980)などの作品に出演します。現在は水谷豊さんの奥さんです。
 ミキちゃんは、一度歌手として復帰しましたが、一般人と結婚後は家庭の主婦になりました。
 スーちゃんも女優として復帰し、映画「黒い雨」(1989)などに出演いたしましたが、残念ながら2011年に病気でお亡くなりになりました。スーちゃんの夫は夏目雅子さんのお兄さんでしたから、スーちゃんも夏目さん同様、(義理の)おばあちゃんが住む群馬県沼田市に何度かやって来たのでしょうか。
 スーちゃんの葬儀のテレビ中継で久しぶりにミキちゃんのお姿を拝見いたしましたけど、すっかり老け込んでいらっしゃいましたね。知らぬ間に時が流れたのですねぇ・・・
 
 自民党幹事長の石破茂さんもそうですけど、今でもキャンディーズを愛して止まないファンは大勢います。かくいう私もその一人です。
 キャンディーズは最高でした。
 彼女たちを超えるアイドルは未だ存在しておりません。
 私は一生キャンディーズを愛し続けます。
 キャンディーズ以外のアイドルは考えられません。
 
 ・・・とか言いながら、実は私は《ためらいライライ、ラブレター♪》の河合奈保子ちゃんも大好きなのよね。あは♡
 
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懐かしのテレビ番組その1

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 暑いですね。今日明日は真夏日だそうです。私はすでに夏バテ気味です(笑)。
 
 日本維新の会が分裂ですか。ま、遅かれ早かれこうなる運命でしたよね。でも、これで石原さんは自民党にすり寄っていくでしょうし、日本からどんどん野党が消えていきますね。果たしてこれがいいのか悪いのか・・・自民党支持の私としても少し不安なんですけど・・・
 
 さて、前回キャンディーズを取り上げた際に、懐かしのテレビ番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ!!」について言及いたしました。
 考えてみれば懐かしいテレビ番組はまだ他にもたくさんありますので、これから2回に分けてご紹介しようと思います。いつもの事ながら古い話ばかりで恐縮ですけど、お付き合いくださいね。
 
 
 「ドカンと一発60分!」
 
 前回ご紹介した《電線音頭》ですけど、実は「みごろ!たべごろ!笑いごろ!!」で初登場したわけではないんですよね。その前にこの番組で桂三枝(現・六代目桂文枝)さんが歌っていたのです。ですから、電線音頭の発案者は、本当は三枝さんなのかもしれません。
 
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 でね、どういうシチュエーションで電線音頭が登場するかと申しますとね、三枝さんと当ブログの記事「気になる女性たち2(外人さん篇)」でご紹介したキャロライン洋子さんが新婚の夫婦役で、二人で居間の炬燵に入ってイチャイチャしていると、突然そこへ断りも無く町内会の一団(この時はまだ電線軍団ではなかった)が乗り込んできて
 「何ですか、あなたたちは?」
 と驚き慌てる三枝さんをよそに町内会の連中が勝手に部屋の中へ町内会の横断幕を広げ、マイク代わりのオタマを持った小松政夫さんが飛び出してきて
 「涙、なーみだの電線音頭」
 と司会を始め、そのあと無理やり炬燵のうえに上がらされた三枝さんが、わけの分からないまま
 「チュチュンがチュン♪」
 とお馴染み電線音頭を歌わされるという何ともシュールな一幕でした。
 
 私はこのくだりが面白くて大好きだったのですけど、世間一般にはそれほど人気が出なかったようです。どうしてなんでしょうね? しかしながら、電線音頭はその後「みごろ!たべごろ!笑いごろ!!」で復活し大人気となるというのは、前回ご説明した通りです。
 
 それから、この番組では、お笑い芸人を生きた虎がいる檻の中へ閉じ込めるというドッキリもやっておりました。この《トラ地獄》もたいへん可笑しかったのですけど、「低俗の極み」と世間の評価は厳しかったですね。でも、私は好きでした。
 
 
 「TVジョッキー」
 
 私にはまったく記憶が無いのですけど「ドカンと一発60分!」の総合司会は、土居まさるさんだったようです。
 
 土居まさる・・・この名前を聞いて今いったい何人の人がピンと来るのでしょうか?
 しかし、1970年代には、土居まさるさんは日本を代表する超人気売れっ子司会者であったのです。その土居さん司会の代表的な番組が、日曜日の午後に放送していたこの「TVジョッキー」でした。
 
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 私も毎週観ておりました。特におならでロウソクの火を消す人やガラスを食べる人などが登場する「奇人・変人コーナー」が人気でしたね。登場した一般人出演者がもらえる白いギターを、私も欲しかったです。たしか「とんねるず」の二人が、素人時代に、このコーナーに出たのではなかったでしょうか?
 
 この番組のアシスタント役の女性は何人か変わったのですけど、その中でも相本久美子さんが特に印象深いです。いちばん可愛かったですから。
 
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 相本さんのお写真をもう一枚。
 
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 うーん、可愛い(笑)!
 
 ただ、1980年代に入ると、土居さんの人気は急速に下がってゆき、それと共に「TVジョッキー」も終了いたします。その後はビートたけしさん司会の「スーパージョッキー」が始まりました。
 この「スーパージョッキー」がまた面白かったですよね。特に《熱湯コマーシャル》のコーナーが。
 
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 「日米対抗ローラーゲーム」
 
 土居まさるさん司会・実況の番組をもうひとつ。
 1970年代前半の日本で大ブームとなったローラーゲームです。
 
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 これは(私もよくルールを理解していないのですけど)日米のチームが男女5人ずつ交代に登場し、相手チームの選手を殴ったり蹴ったりして妨害しながら、とにかく早く規定周回数を回った方が勝ちという、言わばローラースケートを履いたプロレスです。
 プロレスですから純粋なスポーツ競技では無いのですけど、その目新しさから大人気となったわけです。私ら小学生のガキんちょも毎週楽しみにしておりました。
 
 当時、ローラーゲームは本場アメリカでも大人気だったらしく、当ブログの記事「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」で取り上げた「チャーリーズ・エンジェル」の中にも、70年代のセクシークイーン、ファラ・フォーセットがローラーゲームの選手を演じる回がありました。
 
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 で、ローラーゲームと言えば、東京ボンバーズ。そして、東京ボンバーズと言えば、(男はどうでもいいけど)女性チームキャプテンの佐々木陽子さんです。
 
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 佐々木陽子さん・・・カッコ良かったなぁ・・・長い黒髪をなびかせてさ・・・イカすお姉さんといった感じで・・・
 当時の佐々木さんは(タイプは随分ちがいますけど)現在の浅田真央ちゃん並みのスポーツアイドルでした。
 
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 私的には東京ボンバーズ所属の白人選手コリーン・ミュレルちゃんも大好きでした。
 
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 下の写真のようなアメリカチームの悪徳マネージャーが、走っている日本人選手を濡れて重くなったタオルで叩いて妨害するんですよね。ホント憎ったらしかったです(笑)。
 
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 大人気だったローラーゲームも1970年代後半になると跡形もなく消え失せます。いったい何だったんでしょうか、あのブームは?
 
 
 「ハグラー対レナード」
 
 ローラーゲームの話が出たついでにスポーツ関係の話題をもう一つ。
 
 1970年代が終わり、1980年代が始まると(当ブログの記事「Wカップサッカー」でもいちど言及いたしましたけど)スポーツの世界ではスーパースターがたくさん現れました。
 男子テニスのビョルン・ボルグとジョン・マッケンロー。
 女子テニスのマルチナ・ナブラチロワ。
 サッカーのディエゴ・マラドーナ。
 F1のアラン・プロストとアイルトン・セナ。
 バスケットのマイケル・ジョーダン。
 スキーのアルベルト・トンバ。
 陸上のカール・ルイス。
 
 そして、ボクシングの世界では、マイク・タイソンが統一世界ヘビー級チャンピオンに君臨しておりました。
 
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 このタイソンと軽やかなステップで《蝶のように舞い、蜂のように刺す》モハメド・アリは別にして、ヘビー級ボクシングには、一般的に重たいぶん動きがのろいという弱点がありました。
 それに対して村田諒太選手の活躍でげんざい日本でも注目されているミドル級は、ヘビー級並みの強烈パンチに素早い動き・・・ですから、ボクシングはミドル級が観ていていちばん面白いんじゃないの?・・・こういう声を証明するかのような素晴らしいミドル級の試合が、1987年4月にラスベガスでおこなわれました。
 それが、マーベラス・マービン・ハグラー対シュガー・レイ・レナードの《スーパーファイト》です。
 
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 スキンヘッドの頭に黒い髭をたくわえた、まるで古代ローマの闘士を思わせるチャンピオン・ハグラーとモハメド・アリの後継者の呼び名通り軽やかなステップと多彩でトリッキーなパンチを繰り出す元ウェルター級世界チャンピオンの挑戦者レナードによる世紀の一戦。
 これぞボクシングと呼べる素晴らしい試合でした。
 ユーチューブでも観れますので、観たことの無い方はぜひご覧になってみてください。辰吉選手も真似したレナードのグルグルパンチが観れますよ(笑)。
 
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 次回に続きます。

懐かしのテレビ番組その2

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 今日から6月。それにしても暑いですねぇ。体がだるいです。もう年でしょうか・・・ぐすん・・・
 
 さて、昨日の続きで懐かしいテレビ番組のご紹介です。あらためて思うのですけど、昔のテレビは面白かったなぁ・・・夢中になって観ておりましたものね・・・それに比べて今のテレビは・・・おっと、こういう事を言うのも年をとった証拠なんですよね・・・いかん、いかん・・・ふじまる君は、まだまだヤングなんですからね(苦笑)・・・
 
 
 「あなたは名探偵」
 
 この番組を、また観てみたいなぁ。でも、ネットで探しても、動画はおろか写真さえも出てこないんですよね。たぶんテレビ局にもフィルムが残っていないんでしょう。何しろ1970年放送ですからね。しかし、この番組を懐かしむファンは今でも結構いらっしゃいますし、私もその一人です。
 
 どんな番組だったかと申しますと、1時間番組の前半30分間に殺人事件を描いたドラマが流れまして、後半の30分間でスタジオのパネラー達が犯人を推理するという内容でした。パネラーの一人だった神津カンナさんが素晴らしい正答率だったのを憶えております。
 
 ドラマ内の探偵役でもある総合司会は、俳優の川崎敬三さん。
 
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 川崎さんは後に「アフタヌーンショー」の司会者として、レポーターの山本耕一さん相手に
 
   川崎「ちょっと待ってください、山本さん。
       ということは、犯人はA地点からB地点へ行く間に
       タバコ屋でタバコを一箱買ったということですか?」
   山本「そーなんですよ、川崎さん」
 
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 というようなやりとりをおこなっておりまして、これをザ・ぼんちがパロディって大人気となり、遂には「恋のぼんちシート」なるレコードまで発売されました(もっとも私の記憶によれば、アフタヌーンショーを最初にパロディったのはタモリさんであり、ザ・ぼんちはそれをパクっただけなんですけどね・・・)。
 
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 それはともかく「あなたは名探偵」は、私がもういちど観たい番組の№1です。鏡に写った時計を見て犯行は7時だと思っていたところ、本当は5時だったというトリックを憶えております。どこからかフィルムが出てこないものでしょうか? この番組のフィルムが発見されることを、私は激しく希望します。
 
 
 「全日本女子プロレス」
 
 当ブログの記事「アントニオ猪木の異種格闘技戦」に書きましたように、最近はプロレスの話題を耳にすることが少ないのですけど、それは女子プロレスも同じでして、今どんな女子選手が活躍しているのか、私にはさっぱり分かりません。
 
 しかし、ちょうど私が高校生だった1970年代後半、マイナーだった女子プロレスはひとつのアイドルを生み出し、それをきっかけにして一気にメジャーな存在に登りつめました。
 そのアイドルというのが、ビューティーペアです。
 
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 それまでもマッハ文朱さんらスター選手が何人かおりましたけど、女子プロレスを社会に認知させたのは、やはりビューティーペアの功績です。彼女たちはプロレス界初のヒット曲「かけめぐる青春」(作詞・石原信一、作曲・あかのたちお)もリリースいたしましたしね。
 
   あなたから私へ 私からあなたへ
   贈る言葉は悔いの無い青春
   かけめぐる青春
   ビューティー ビューティー ビューティーペア
   ビューティー ビューティー ビューティーペア
 
 ただ、ビューティーペアの一人、ジャッキー佐藤さんは、若くしてガンでお亡くなりになりました。それが残念です(マキ上田さんの方はお元気で料理屋を経営なさっています)。
 
 ビューティーペアの後、クラッシュギャルズを初めとするアイドル選手が続々と登場することになります。その中では、ワタクシ的には、キューティ鈴木ちゃんが可愛かったなぁ。
 
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 また、《飛翔天女》豊田真奈美さんも大好きでした。
 
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 「大正テレビ寄席」
 
 日曜日のお昼12時といえば、牧伸二さん司会のこの番組を観ておりました、私が子供の頃は。
 
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 「マキシンのバーゲンセール」というコーナーが大人気でして、これは牧さんが様々な商品をセリにかけ、それによって得たお金は募金箱に寄付するのですけど、その中にしりとりで商品を当てるゲームがありましてね、牧さんが
 「次は《き》で始まる言葉」
 と言うと、会場から
 「きんかくし」
 「ハイ、正解!」
 牧さんはテーブルの下から和式トイレのきんかくしを取り出し
 「これ持って電車に乗って帰ってね」
 きんかくしを手渡された会場のお客さんは目を白黒させて・・・という、とっても楽しい番組でした。
 
 
 「どっこい大作」
 
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 中学卒業後、東京に上京してきた大作少年が、《日本一の男》になろうと奮闘するドラマ。大作を演じるのは「仮面の忍者赤影」で少年忍者・青影を演じた金子吉延さんで、最初はラーメン屋修行から始まりました。
 ちっともトレンディーじゃないんですけど、なぜか忘れられないドラマです。
 
 
 「忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ」
 
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 当ブログの記事「NHK大河ドラマを彩る女優たち」で松坂慶子さんについて書いた際に、いちど言及した忍者ハットリくんの実写版第2弾です。
 平凡な家庭だった藤野家にハットリくんと怪獣ジッポウがやって来て大騒ぎ・・・というお話でした。
 
 松坂慶子さんは藤野家の長女タカネを演じていらっしゃいました。また、ママ役の関千恵子さんも、私の世代にはとっても懐かしいお方です。
 
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 それから、実写版第1弾に登場した谷村昌彦さん演じる学校の担任、花岡実太先生が大好きでした。
 
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 生徒たちから「鼻を齧った先生」と呼ばれるたびに
 「おれは鼻を齧ったじゃねえ、はなおかずっただ」
 と言い返すところが、私は可笑しくて仕方ありませんでした。
 
 堺駿二さんが演じた女優・新珠三千代さんをもじった新珠下駄代さんも大好きでした。
 
 この番組の主題歌(作詞・香川美子、作曲・湯山昭、唄・前川陽子と熊倉一雄とヤング・フレッシュ)は、今でも私がときおり口ずさむ名曲です。特に「正義の味方と言うけれど何がどれが正義か見に行こう」という部分には子供番組の歌詞とは思えない深いものを感じます。
 
   シュツシュツシュバーシュッシュバー
   シュツシュツシュバーシュッシュバー
   ハットリカンゾウ忍者でござる
   忍者怪獣ジッポウ連れて
   シュツシュツシュバーシュッシュバー
   シュツシュツシュバーシュッシュバー
   正義の味方と言うけれど
   何が(ヘッヘッヘイクショオオオン)
   どれが正義か見に行こう
   シュツシュツシュバーシュッシュバー
   シュツシュツシュバーシュッシュバー
   風が二つに切れるんだ
 
 
 「テレビはこれだ! ドラマが3つも」
 
 ハットリくんで新珠下駄代さんを演じた堺駿二さんの息子が堺正章さんです。
 その堺マチャアキさんは、ザ・スパイダースが解散した後、ドラマ「時間ですよ」のヒットにより、1970年代前半は飛ぶ鳥を落とす勢いの人気者でした。
 
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 そんなマチャアキが、1時間番組の中に3つのドラマを盛り込むという斬新なスタイルで作ったのが、この番組です。
 ネットで探しましたが、残念ながら写真が見つかりませんでした。しかしながら、3つのドラマの中のひとつ、マチャアキが超人カンチョーマンに変身し、コント55号の坂上二郎さん扮する怪盗リュックサックと戦う「大活劇カンチョーマン」を、私はもういちど観てみたいです。いかにも面白そうでしょう? 実際、面白かったんですよ。カーンチョー、ピュツピュツ!
 
 
 「紅白歌のベストテン」
 
 堺正章さん司会の歌番組です。
 
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 年に一度くらい「モノマネ大会」の回がありまして、そこでの堺さんの芸達者ぶりが素晴らしかったです。特に堺さんが西城秀樹さんのモノマネをしたときには笑いましたね、マイクパフォーマンスがすごくて。
 
 また、最初のコマーシャル明けに画面が切り替わった瞬間、コマーシャル中に何かギャグをやっていた堺さんが、ピタッと動きを止めるんですよね。それは会場に来てくれたお客さんだけのお楽しみということなんでしょうけど、テレビで観るより他に方法の無かった私たち地方在住の視聴者は、たいへん悔しい思いをしておりました。
 コマーシャル中、マチャアキはどんな事をしていたんでしょうね? 今でも知りたいです。
 
 
 「所印の車はエライ」
 
 テレビの自動車番組というと松任谷正隆さん司会の「カーグラフィックTV」や三本和彦さん司会の「新車情報」などがありますけど、所ジョージさん司会のこの番組がいちばん面白かったです。他の正統派自動車番組には絶対に出てこない怪しげなカスタムカーが多数登場して。
 
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 所さんは、今でこそ芸能界一の車好きで有名ですけど、バブルのころ初めて所さんの車道楽が雑誌等で紹介され、その流れで深夜のこの番組が誕生したのだと思います。
 当時、所さんが乗っていたスーパーチャージャー搭載の真っ赤なコルベット・スティングレイC2オープンタイプ・・・所さんはたくさんの車に乗っていらっしゃいますけど、あのスティングレイが一番カッコ良かったのではないでしょうかね?
 こんなやつです。カッチョエエわぁー。
 
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 「オールナイトフジ」
 
 ラストは私の世代には忘れられないこの番組です。当時、土曜日の夜の最もトレンディな過ごし方は、麻布や六本木に出かけるのではなく、家で「オールナイトフジ」を観ること・・・とまで言われ社会現象となった番組です。
 
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 ここから秋元康さんの戦略・・・一人一人はたいしたことない女の子でも、それがたくさん集まってみんなで楽しそうにガヤガヤやっていれば、観ている男たちを惹きつけられる・・・が始まるんですよね。
 この番組の後、秋元さんは「夕やけニャンニャン」でおニャンコクラブを世に送り出し、そして今AKB48をプロデュースしております。みんな同じやり方です。
 
 「オールナイトフジ」は女子大生ブームを巻き起こし、この番組の出演者であるオールナイターズから複数のアイドルユニットが生まれました。
 その中で最も人気があったのが、「おかわりシスターズ」。
 
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 この3人、三波豊和さんのブログに最近のお姿が写った写真がアップされておりましたけど・・・みなさんすっかりババアにおなりになって・・・諸行無常の響きあり、って感じです・・・トホホ・・・

ブコウスキー「町でいちばんの美女」

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 昨晩暑さで寝苦しかったと思ったら、今日は一転して涼しく、私の生まれた宮崎県は大雨、そして私が小学2年生から高校卒業するまで過ごした北海道の網走や北見あたりは猛暑・・・いったい日本はどうなってんの? んもー、体調が悪いわぁ。
 
 STAP細胞論文はいよいよ取り下げですか。夢想家オボちゃんは童話作家か占い師になればいいのにね。
 
 先日、高円宮典子さまとご婚約された出雲大社宮司の跡取り息子・千家国麿さん。それにしても、すんごいお名前ですね。こんなすごい名前久しぶりです。感動しましたw
 
 さて、今回は文学のお話でして(私のブログでは最も人気がありませんけど・・・うるうる・・・)、大好きな作家、チャールズ・ブコウスキーについて語らせていただきます。
 
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 ブコウスキーという作家をご存知でしょうか? アメリカの作家で、最初は詩人として文学生活をスタートさせたものの、もちろんそれだけでは食ってゆけず、様々な職業を転々とした末に50歳過ぎまで郵便局の深夜の仕分け係として働き、ジジイになってからようやくその作品が認められるようになった人です。
 しかし、現在、彼の詩や小説は世界中で熱狂的なファンを獲得しており、かく言う私もその一人です。
 
 私がブコウスキーを知ったのは、そんなに昔のことではありません。30代後半の頃、仕事の途中に立ち寄った本屋さんで、たまたま彼の本が目にとまったのです。本のタイトルに惹きつけられたと言った方が正確かもしれません。その本のタイトルが、今回の記事のタイトルにもなっている
 
   町でいちばんの美女
 
 どうです? 何か惹きつけられますでしょう? 本の帯に書かれていたビートたけしさんの言葉がまた印象的でした。
 
 ・・・この小説家は、他人事みたいに平気で自分の内臓をさらけだす。まるで危ない外科医だね。面白かったけど、オレとあんまり感覚が似ているんで、読んでいて自分のクソを見せつけられているような気がした・・・
 
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 この本は短編小説集でしたので、興味を持った私は、さっそく表題作である「町でいちばんの美女」を立ち読みしてみました。短い作品ですので、すぐに読めました。そうしたら、これにガーンとやられたんですね、ワタクシは。
 
 「町でいちばんの美女」は、ブコウスキー自身がモデルであろう主人公《私》と精神を病んだ若くて美しい売春婦キャスの悲しい恋物語です。物語の内容は殺伐としたものですけど、その底辺に流れる優しさみたいなものが私の心を捉えました。
 
 私は本を買い、帰宅後他の作品も読んでみましたところ、この本の原題である「勃起、射精、露出、日常の狂気にまつわるもろもろの物語」通り、他はチンポやせんずりやプッシーの話ばかりでがっかりでしたけど、それでも私のブコウスキーに対する興味が止む事はありませんでした。
 おこがましい言い方で恐縮なのですが、感じたんです血脈を・・・ブコウスキーに・・・私は・・・
 
 ブコウスキーも私と同じようにセリーヌの大ファンでして、彼の遺作「パンク」の主人公である探偵は、とっくの昔に死んだはずのセリーヌを探してくれと依頼されます。
 セリーヌとブコウスキーでは文学の質に差がありすぎますけど、それでもブコウスキーがセリーヌを敬愛するのはよく理解できます。二人とも根っからのアウトサイダーですからね。
 
 ブコウスキーにはセリーヌのような天才的な才能はありませんでした。しかし、才能が無いのが何でしょう? この世には才能が無いがゆえの魅力というものも存在するのです。映画で言えばエド・ウッド的なB級の魅力というものが。
 そこらへんの事も含めてブコウスキーの作品の翻訳者である作家の青野聡氏が「ありきたりの狂気の物語」のあとがきでこう書いています。私なんぞは、このあとがきに随分と勇気づけられたものです。
 
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 ・・・小説というのはこの社会、この世界に対しての異議申し立てである。もし一冊の本でこの社会を爆破することができたら、こんなに素晴らしいことはない。できない。できないがゆえに書きつづける。同化することは腐ること。堕落することだ。であるならば死ぬその日まで異議申し立てできる姿勢を崩さず、書きつづけることである。
 多民族国家のアメリカ。なかでも有色人種が多いロスアンジェルス。個人的に生きていれば、なにか一言いわずにはいられなくなる出来事が日々見えることだろう。
 私はブロウスキーを読んで、こんなんでいいならオレにも書ける、と思ってくれる読者があらわれることを期待している。どんどん書いて、どんな媒体でもいいから発表してくれることを心待ちにしている。
 こんなんでいいのである。
 日ごろつかってる言葉をつかうだけでいい。漢字がわからなかったら平仮名で充分。むしろ辞書をひいて漢字をつかおうとすることのほうがみっともない。かんじんなのはこの日本社会に対して異議申し立てをしているかどうかということにある。もっといえば、異議申し立てをしつづける覚悟が作品から見えるかどうかということにある。
 あと数年で二十一世紀ということの時代を生きていて、テレビ、新聞、学校、親、世間などから入ってくる情報。それにシステム。いろいろあるだろう。それにたいしてオレはちがう、アタシはちがうと孤立した地点でいいつづけること。そこだ・・・
 
 ブコウスキーの作品はいくつか映画化されておりまして、彼の若い時分の話を描いたマット・ディロン主演の「酔いどれ詩人になるまえに」(2007)という映画もありました。
 文学と女以外の事には意欲が湧かない主人公は、何の仕事に就いても長続きせず、今日も酒場で酔い潰れる日々・・・
 分かるなぁ、その気持ち・・・でも、好きな事だけをさせてくれるほど世の中は甘くないですものね・・・ぐっすん・・・
 
 ブコウスキーの作品はほとんど全部読みました。「詩人と女たち」とか「勝手に生きろ」とかもそれなりに面白かったのですけど、やはり何と言っても素晴らしいのは「町でいちばんの美女」です。作品的にはこれですね、ブコウスキーは。
 
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 しかしながら、ブコウスキーのような作家は作品だけで評価されるものではありませんでして、彼のキャラクターや生きざまを含めたトータルで、私たちファンはブコウスキーを愛しているのです。そういう意味でブコウスキーは坂口安吾に近いのかもしれません。
 
 オールドパンク・・・タフガイは詩を書く・・・黄金のハートを持った飲んだくれ・・・酔っ払いのハードパンチ・・・ブコウスキーよ、ああ、なんてあなたの文体は華麗なプッシーなのか・・・
 手元にある雑誌「ユリイカ」1995年5月号のブコウスキー特集号から、印象的な言葉を集めてみました。これらの言葉からイメージされる雑駁なすべてがブコウスキーです。
 魂がロックしているジジイです。
 「町でいちばんの美女」を、ぜひ読んでみてくださいね。きっと感じるものがあるはずですよ。
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