季節の変わり目だからでしょうか、最近また体調が良くないのよねぇ。急に寒くなりましたからねぇ。風邪なのかなぁ?
病気と言えば、日本でデング熱が流行ったと思ったら、アメリカでは2人目のエボラ出血熱感染が発覚。怖いですねぇ。日本には入って来ないでしょうね、エボラ出血熱。
さて、前回は懐かしい角川映画について語らせていただきましたけど、ついでに私の大好きな日本映画の中から、まだ取り上げていなくて、しかも単独で記事にする程の知識を持ち合わせていない作品を、これから2回に分けてどどっとご紹介しようと思います。
また長い記事になりそうな・・・しんどいなぁ・・・もう年だからなぁ・・・あはは(汗)・・・
角川映画第1作目「犬神家の一族」(1976)の後、引き続き東宝は同じ市川崑監督・石坂浩二主演で、「悪魔の手毬歌」(1976)、「獄門島」(1977)、「女王蜂」(1978)と金田一耕作シリーズを作りました。
どの作品も大好きなのですけど、最後の作品となった「病院坂の首縊りの家」(1979)が、特に懐かしいです。
まずタイトルがいいですよね。「病院坂の首縊りの家」。「病院坂」と「首縊り」という言葉の組み合わせが何とも言えぬ不気味さを醸し出しています。
原作者の横溝正史先生は、こんなふうに言語感覚が非常に優れたお方でして、「犬神家」、「八つ墓村」、「獄門島」・・・と作品のタイトルを聞くだけでぞくぞくしちゃいます。
私はこの作品を当時住んでいた福島県富岡町の小さな映画館で観ました(国家公務員だった父は色んな場所へ転勤したのです)。ひどくボロい映画館でしたので映像や音響の状態が非常に悪く、私は半分くらいしか理解出来なかったのですけど、それも含めて懐かしい思い出です。。
その富岡町も、東日本大震災の福島第一原発事故により、現在は無人の町と化しているんですよね。何か悲し。
この作品には、後に宗教にはまって芸能界を引退することになる桜田淳子さんが出ています。淳子さんは一人二役を熱演していらっしゃいましたよ。
また、本人役で横溝先生が、かなり長い時間、出演なさっています。今となっては貴重な映像です。最後の「また紅茶か・・・」という先生のセリフが渋い!
ここ30年の日本映画界で最も才能のあった監督が伊丹十三です。
伊丹さんは俳優、エッセイスト、商業デザイナー、イラストレーター、映画監督、とマルチに活躍した才人で、日本のジャン・コクトーと呼べるお方でした。
俳優としては、当ブログの記事「NHK大河ドラマ」に書きましたように、「国盗り物語」の足利義昭役が印象深いです。
また、チャールストン・ヘストン主演で義和団の乱を描いたハリウッド映画「北京の55日」(1963)での柴五郎大佐役も忘れられません。
そんな伊丹さんの監督作品の中で、私の最もお気に入りの作品が、「タンポポ」(1985)です。
宮本信子さんが経営する潰れかけたラーメン店を繁盛させるべく山崎努さんや渡辺謙さんが奮闘する本作は、伊丹さんの才気だけで出来上がっているような作品でして、私はこの作品のシュールさを非常に愛しています。
また、本筋とは関係の無い登場人物のひとり、黒田福美さんや
洞口依子さんがとにかくエロくて(洞口さんは「マルサの女2」も良かった)、そういう点でも大満足な作品でした(笑)。
伊丹作品では、他に「マルサの女」(1987)ならびに「マルサの女2」(1988)が素晴らしかったです。
エロい映画と言えば、80年代前半の柳町光男監督の映画がエロかったですねぇ。
まずは中上健次原作の「十九歳の地図」(1979)。
新聞配達をしながら予備校へ通っている青年が、世の中に対し屈折した感情を抱き、嫌な客の家へイタズラ電話をかけて憂さ晴らしをするというアウトサイダーなお話です。
主人公の新聞配達仲間で、30歳になるダメ男を、今年お亡くなりになった蟹江敬三さんが演じています。その蟹江さんの女で、人目憚らず空き地で小便をする、少し頭のおかしなビッコの売春婦マリアを演じたのが、《70年代最強のスーパー・アニマル女優》沖山秀子さんです。
この沖山秀子さんというのが実にすごいお方でして、雑誌「映画秘宝」に載った藤木TDC氏の文章によれば、三國連太郎さんの追悼記事でご紹介した「神々の深き欲望」(1968)に出演した秀子さんは今村昌平監督の愛人となり、監督との破局後は「ゴダール映画への出演をおじゃんにされたから五百万円よこせ」とあるカメラマンを恐喝したかどで逮捕。留置場では全裸になって男性受刑者を歓喜させ(「みんな何日も女の体を見てないからね。私はブタ箱をパラダイスにしてやったんだよ」)、出所後は精神病院に入院。そしてマンションの7階から投身自殺。いや、正確に言うと自殺未遂。死ななかったから・・・
ですから、この映画でのビッコの足も、足の大きな傷跡も、すべて本物。すんごいおばさんです。そんな秀子さんは2011年にお亡くなりになりました。
柳町監督作品としては「さらば愛しき大地」(1982)も良かったです。
次第に寂れていく農村。農業では食っていけない根津甚八さん演じる主人公は、大型トラックの運転手を始めるものの、やがて覚醒剤に手を出し・・・というお話です。
根津さんと秋吉久美子さんによるドロドロした濡れ場シーンが何ともエロかったです。
秋吉久美子さんは、同じ時期、森田芳光監督の「の・ようなもの」(1981)でも、ソープ嬢役で見事な演技を見せてくれました。
当ブログの記事「NHK大河ドラマを彩る女優たち2」にも書きましたけど、1970年代半ばから1980年代前半の秋吉久美子さんは、本当に素晴らしかったです。天性の女優でした。
「さらば愛しき大地」は中上健次原作ではありませんけど、中上テイストの強い作品でした。このように中上作品が性に合う柳町監督が「十九歳の地図」に続いて撮った中上作品が、北大路欣也さん主演の「火まつり」(1985)です。
この作品で柳町監督の快進撃はストップします。どうしてかって? それは実際に本作をご覧になれば分かります。サイテー邦画の金字塔「幻の湖」(1982)と肩を並べるすごさでしたよ、この「火まつり」は。あはは(汗)・・・
大人向けの映画の話が続きましたので、ここらへんで子供向け映画の話題を少し・・・
当ブログの記事「50円のプラモデル」でお話いたしました通り、私は東宝のゴジラシリーズよりも大映のガメラシリーズや大魔神シリーズの方が好きでした。大映のモンスターの方が魅力的に感じられたのですね、私には。
「大魔神」(1966)の時の高田美和さんがものすごく可愛かったというのは、先日「記憶に残る本(その他諸々篇その2)」でお話した通りです。
そんな私ですが、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」(1967)に登場したゴジラの息子・ミニラは大好きでした。
このミニラ、こいつが可笑しんですわ。情けない顔しちゃってさ。火を吹けば丸い輪みたいなものしか出ないし。カマキリ怪獣にはなめられるし。
ミニラの登場でゴジラの性別、雄か雌かが問題になりましたけど、いずれにせよ配偶者がいるわけなんでしょう? つまりゴジラは複数いるということなんですよね。と言うか、ゴジラ一族がこれまでずっと生存してきたのなら、一定数の仲間が必ずいるはずです。どこかにゴジラの秘密の島があるのでしょうか? ま、どうでもいい話ではありますけど。
東宝特撮映画では「海底軍艦」(1963)が大好きでした。
太平洋に沈んだムー大陸(ちなみにムー大陸については当ブログの記事「大好きなアニメソングその5」の中の「戦え!オスパー」について書いた部分で語っております)の一族が、地上への復活を目論み、攻撃を仕掛けてくる。
迎え撃つは大日本帝国海軍の生き残りが密かに完成させたスーパーウルトラ潜水艦「轟天号」。艦長は神宮司大佐(演じる田崎潤さんがカッコいい!)。
この轟天号ちゅーのが凄いんですわ、奥さん。潜水艦なのに空も飛ぶんでっせ。おまけに先端には巨大なドリルが付いておますから地下にも潜れるっちゅーわけですわ。「マイティジャック」や「宇宙戦艦ヤマト」の前に、日本にはこんなごっつい船があったんでっせ。どや、すごいでっしゃろ?
・・・えー、デタラメ関西弁での説明はこれくらいに致しまして(苦笑)、ムー大陸の女王を演じる小林哲子さんに、私なんぞは激しく惹かれましたね。
女王様らしく高飛車な態度で「マンダのいけにえにせよ」と命じるシーンなんか最高でした。
ちなみにマンダというのはこの龍みたいな怪物なのですが、あまり強くないのよね。見かけ倒しのしょぼい奴でした(笑)。
下は本多猪四郎監督と一緒に写真に収まる小林哲子さんです。うーん、気品があります。大好きです、哲子お姉さま♡
他に東宝の特撮モノでは、以前ご紹介した「妖星ゴラス」(1962)と「緯度0大作戦」(1969)が好きです。
「緯度0大作戦」には、なぜか「第三の男」(1949)や「ナイアガラ」(1953)の名優ジョセフ・コットンが出演しております。えらく落ちぶれちゃったのね。トホホ・・・
この作品に登場するライオンと鷹を合体させた怪物グリホンが、私は大好きです。これのフィギアが欲しいな(子供っぽくてすいません)。
最後は大人と子供の中間である青春映画のご紹介を。
薬師丸ひろ子ちゃん主演の「セーラー服と機関銃」(1981)が有名な相米慎二監督の「台風クラブ」(1985)です。
台風で校舎に取り残された高校生男女のバカ騒ぎ・・・学校をさぼって東京へ冒険しに行く女子高校生・・・
エネルギーがあり余っている青春時代のもやもやっとした気分をよく表現した快作だと思います。いい作品です。ぜひ一度ご覧になってみてください。
ということで、続きは次回です。おやすみなさい。