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ルイス・ブニュエル

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 50年に1度という前触れの台風8号は、確かに一部地域に甚大な被害をもたらしましたけど、こちら関東へやって来た頃にはほとんど消えておりました。
 ちょっと拍子抜けです。
 もちろん被害が少くて良かったに違いないのですけど・・・
 
 Wカップサッカー。ブラジルがドイツにボロ負けしたのにはビックリしましたね。サッカー王国ブラジルが、負けるにしても、7点も取られて負けるなんて・・・ちょっと考えられない事態です。
 確か南米で開催されたWカップでヨーロッパ勢が優勝した例は無いんですよね。
 でも、今回は、そのジンクスを破ってドイツが優勝でしょうか?・・・
 
 さて、このところ映画の話題では芸術性・作家性の高い作品をご紹介しておりますけど、今回もその流れでいかせていただきます。
 ルイス・ブニュエル監督の映画です。
 この監督の作品も、私は大好きなんですよ。
 
 スペイン生まれのルイス・ブニュエルは、学生時代に詩人ロルカや画家のサルバドール・ダリと親交を結び、その後シュールレアリスム運動に参加します。
 そして、親友ダリと二人で作った映画が「アンダルシアの犬」(1928)です。冒頭のカミソリで女性の眼球を切るショッキングなシーン(もちろん本当に切っているわけではありませんよ)が有名なサイレント映画の名作です。
 
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 ところで、話は少しそれますけど、ダリの絵というのも最初見たとき(たぶん小学生の時)は衝撃でしたね。「何じゃこりゃ?」って感じで。
 「内乱の予感」というタイトルの絵は、特に強烈な印象を私に残しました。
 
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 すごい絵ですよね。素晴らしいイマジネーション力と画力です。雲のかかった青空が効いてますね。
 
 また、馬や象の足がひょろひょろーっと長く伸びた蜃気楼のような絵も大好きです。
 
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 皆さんも図書館あたりでダリの画集を探して、解説まで全部読んでくださいね。よろしくです♪
 
 ブニュエルはダリとのコンビでもう一本「黄金時代」(1930)を撮った後、色々あってスペインにいずらくなり、メキシコへ渡って、そこで何本も映画を撮ります。
 メキシコ時代の作品「忘れられた人々」(1950)が世界的に評価されたことにより、ブニュエルは次にフランスで映画を撮ります。
 そして、私なんぞは、このフランス時代以降のブニュエル作品を、特に愛しているのであります。
 
 まずは、ジャンヌ・モロー主演の「小間使いの日記」(1963)。
 
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 昔いちど観たきりなので細かい部分は忘れてしまいましたけど、上流階級の虚妄を暴くというブニュエルお得意の内容で、清潔感溢れる白黒の画面がとても美しく、突然石が投げ込まれたり、戸棚を開けると意外にも女性用のブーツが並んでいたりと、ブニュエルらしいシュールな感性が光る佳作でした。
 
 続いてブニュエルは、映画「フレンチ・コネクション」(1971)の記事でご紹介した通り、カトリーヌ・ドヌーヴ主演で「昼顔」(1967)と「哀しみのトリスターナ」(1970)を撮ります。
 
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 ドヌーヴはたくさんの映画に出演しておりますけど、ブニュエルほど彼女を美しく妖艶に撮った映画監督は他におりません。
 
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 まさに魔性の貴婦人という風情ですよね、ドヌーヴは。たまりませんです。じゅる(よだれの音)。
 
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 シュールレアリストであるブニュエルの真骨頂は、既存の価値観や常識をひっくり返し、ものごとを相対化するところにあります。通常その作業はユーモアを伴い、そしてしばしばそれは悪趣味で低俗なブラックユーモアに陥りがちです。ところが、ブニュエルの場合、彼一流の優れた感性によって、ブラックユーモアが下品にならずに済んでいます。
 しかも、普通の映画監督は晩年になるにつれ作品の質が落ちていくものなのに対し、ブニュエルは逆にどんどん良くなっていく。そこが素晴らしいところです。
 
 それではブニュエルが、とても爺さんとは思えない若々しいキレキレの感性で作った晩年の3作品を、ご紹介いたしますね。
 
 
 1本目は「ブルジョアジーの秘かな愉しみ」(1972)です。
 
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 皆で集まって食事をしようとするブルジョワの一行。ところが、なぜかいつも邪魔が入って食事が出来ない・・・というだけのわけの分からないお話です、これは。
 でも、ブニュエルの映画はストーリーなんかどうでもいいんです。これは彼の鋭い感性を味わう作品なのですから。
 レストランのテーブルについたら、なぜかそこがお芝居の舞台になっていたり・・・と、そのシュールな感性がたまりません。
 
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 主演は映画「フレンチ・コネクション」でポパイ刑事の宿敵シャルニエを演じたフェルナンド・レイ。彼はブニュエル作品の常連です。
 また、本作には「去年マリエンバートで」(1960)や「ジャッカルの日」(1973)に出演したデルフィーヌ・セイリグが出演しています。
 好きだわぁ、デルフィーヌ。上品で美しい女性ですよね。
 
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 次に「自由の幻想」(1974)。
 
 これも「ブルジョアジーの秘かな愉しみ」同様、特にストーリーらしいものも無く、シュールなブラックユーモアが続く作品です。しかし、堪能させてくれます。
 
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 私はブニュエル作品の中で本作がいちばん好きです。
 
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 本作には「赤い砂漠」(1964)のモニカ・ヴィッティが出演しています。随分と肉付きが良くなってグラマーになりましたけど、相変わらずセクシーです。
 
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 また、「ジャッカルの日」や「007 ムーンレイカー」(1979)に出演したマイケル・ロンズデールも出演しています。ロンズデールがSMの女王に裸のお尻を鞭でペンペンされますよ(笑)。
 
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 それから、本作では警察署長を演じ、また「ブルジョアジーの秘かな愉しみ」では牧師に扮したジュリアン・ベルトーという俳優さんが、私は特に気に入っています。いい味を出しているんですよ、このおじさんが。
 
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 最後は「欲望のあいまいな対象」(1977)です。
 
 これは、あるお金持ちの老人(演じるのはフェルナンド・レイ)が、年甲斐も無く恋をしたコンチータという若い娘に翻弄されるお話です。
 
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 ブニュエルはコンチータをキャロル・ブーケとアンヘラ・モリーナの2人1役で制作しました。この試みが成功しているかどうかは微妙ですけど、新しい事にチャレンジする実験精神は大いに評価したいですね。
 
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 そういえば、昔、松本コンチータという人気AV女優さんがいらっしゃいましたけど、彼女は今どうしているのでしょうか?
 
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 楽しくて、遊び心いっぱいで、観ているこちらの感性とイマジネーションを刺激するルイス・ブニュエル監督の作品群・・・まだ観たことの無い方は、ぜひ一度ご覧になってくださいね。感性が磨かれますよ。

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