戻り梅雨と言うんですかね? この2日ばかり涼しくて過ごしやすいですね。
ウイリアム王子とキャサリン妃との間に生まれた坊ちゃんは、ジョージ・アレキサンダー・ルイ王子と命名されたそうですね。未来のイギリス王。おすこやかにすくすくと育っていただきたいものです。
それにしてもキャサリン妃は、子供を産んだ後でもまだ妊娠中みたいなお腹をしていましたね。すぐには引っ込まないんですね、こういものは。
最近、我が家の近所に、なんとかヘルスという、体に電気(正確には生体電子と言うんだそうですけど)を流して悪い箇所を治療する健康器具の無料体験会場がオープンいたしまして、お陰でうちの近所の人たちはみな電気ひとすじ状態になっている始末なんですけど、無料という言葉にめっぽう弱い私の家族も、しっかり通っております。私も数回行きましたが、心なしか疲れがとれたようなとれないような・・・
しかし、このまま行くと50万円もするその器具を買えと家族から要求されるんじゃないかと恐れた私は、さっそくヤフー・オークションのページを開き、他社の製品ですが似たような器具を、何と1円(!)で落札いたしました(送料が1500円ほど)。
夜、眠る前に使っています。あー、体の調子がいい。電気ってサイコー(苦笑)。
さて、宮崎駿監督の新作アニメ「風立ちぬ」がヒットしているそうですね。
「風立ちぬ」というからサナトリウムの話かと思ったら、ゼロ戦の設計者の物語なんですってね。堀辰雄の小説の要素もちゃんと加味されているそうですけど。
それにしても宮崎さんはレトロな飛行機が好きですねぇ。昔からずっとそうですよね。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)にはオートジャイロとかいう古い飛行機(実在するものなのでしょうか?)が登場しましたし、「紅の豚」(1992)という作品もありましたものね。
夏休みなので、親たちが子供に観せようと劇場へ連れて行っているんでしょうね。他にありませんものね、夏休みに子供が観るアニメ映画なんて。ドラえもんやピカチュウも上映しているんでしょうか? 私には分かりませんけど。
私が子供の頃は、夏休みといえば、子供向け映画のオンパレードでした。
東宝はゴジラシリーズ。大映はガメラシリーズ。この二つが王様で、他に松竹のギララちゃんや日活のガッパちゃんがおりました。
宮崎さんも所属していた東映は、「東映まんが祭り」と銘打って、他社のような怪獣が出てくる実写映画ではなく、専ら長編アニメ映画をメインに勝負しておりました。
クオリティの高い素晴らしい作品が揃っていましたよ。
「わんわん忠臣蔵」(1963)や「ガリバーの宇宙旅行」(1965)、「長靴をはいた猫」(1969)なんて作品は懐かしいです。
特に「長靴をはいた猫」は大好きで、石川進さんと水垣洋子さんが歌う主題歌(作詞・井上ひさし、山本譲久、作曲・宇野誠一郎)を、今でもときどき口ずさむ程です。
びっくりしたニャア びっくりしたニャア
びっくりした びっくりした びっくりしたニャアオ!
そんな日本アニメの聖地とも言える東映で腕を磨いていた宮崎さんが、初めて本格的に関わった作品が、「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1965)でした。
これまた私の世代には非常に懐かしい作品です。私はこの作品を網走市の公民館で観ました。子供の集まりか何かの時に。
地面がぐーっと盛り上がって、中に潜んでいた岩男モーグの体が現れるシーンには目を見張りましたねぇ。子供心にもテレビアニメとはぜんぜんレベルが違うなぁと思って。その見事な絵の動きに感服いたしました。やはりアニメは絵が動かないとね。
この素晴らしい絵の動きを生み出したのが、こののち宮崎さんと名コンビになる作画監督の大塚康生さんです。
大塚さんの絵は、動くときは大胆にチャカチャカと思いっきりアニメっぽく動き、静かなシーンでは自然になめらかに動くというふうに、メリハリがあるんですよね。素晴らしい腕です。私は大塚さんの動画が大好きです。
ちなみに、ルパン三世は《フィアット500》に乗っていますが、あれは当時の大塚さんの愛車だそうです。
余談ですが、現在も市販されている《フィアット500》は70馬力くらい(200万円)。それを同じイタリアのアバルトというメーカーがチューニングした《アバルト500》が130馬力(300万円)。さらにそれをフェラーリがチューニングした《アバルト695トリブートフェラーリ》が180馬力(500万円)。お金があれば欲しいわぁ、アバルト695トリブートフェラーリ。
宮崎・大塚コンビは、テレビアニメ「ルパン三世」ファーストシーズンや「アルプスの少女ハイジ」、「ど根性ガエル」、「侍ジャイアンツ」などに関わった後、いよいよ今回ご紹介する二人の最高傑作であるNHK初のテレビアニメ「未来少年コナン」(1978)と映画「ルパン三世 カリオストロの城」を手がけることになります。
その後、宮崎さんは、大塚さんと別れて(なぜ別れちゃったんでしょうか? 残念です)、「風の谷のナウシカ」(1984)に始まる作品を次々と生み出していき、今や世界的な巨匠ですが、私は「ナウシカ」以降の作品は、あまり評価しておりません。
「となりのトトロ」(1988)のトトロや猫バスって、ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」のチェシャーキャット(にやにや猫)のパクリじゃないの?
「崖の上のポニョ」(2008)ってテレビで観たけれど、あれ何よ? 内容がまったく無いじゃないのよ! 誰がこんなものを喜ぶの?
・・・というわけで、宮崎さんの最高傑作は「未来少年コナン」と「ルパン三世 カリオストロの城」であり、今に至るまで彼はこの2作を超える作品を作り得ていないと私は思います。逆に言うと、この2作がそれくらい《神》な作品だということですけど。
未来の最終戦争に登場した大型戦闘機ギガントの発する超磁力兵器により、地球の地軸は捻じ曲がり、大陸の大部分が海に沈む。
水没を免れてわずかに残った島々では、生き延びた人々が懸命に生活していた。そんな島のひとつである《のこされ島》にも、おじいとコナンが、二人だけで細々と暮らしていた。コナンの両親やその他の仲間たちは、すでに死んでしまっていたのである。
小さな島でのおじいと二人きりの生活であったが、コナンは明るく正しい心を持った少年に育っていた。しかも、大きなサメと1対1で闘って勝つという、「いなかっぺ大将」の大ちゃん並の元気の良さである(未来少年というより原始少年という感じなんですよ、コナンは)。
ある日、《のこされ島》に女の子が漂着する。コナンが初めて目にするおじい以外の人間であり、女の子である。
その女の子、ラナは太陽エネルギーの専門家であるラオ博士の孫娘であり、インダストリアの兵士に誘拐されたところを逃げて来たのだった。
昔のギガントを復活させ、世界を支配しようと企むインダストリアという大陸(なのか?)のレプカは、その為に必要な太陽エネルギーを手に入れるべく、ラナを人質にして、ラオ博士を自分の思い通りに支配しようと考えたのである。
ラナを追って《のこされ島》へやって来るインダストリアの兵士。コナンとおじいは抵抗するものの、おじいは殺され、ラナは奪い去られてしまう。おじいのいなくなった《のこされ島》に、もはやコナンが居残る理由は無い。
ラナを奪い返すため、そして新しい仲間を見つけるため、コナンは《のこされ島》を旅立つ。目指すはインダストリア(「太陽の王子 ホルスの大冒険」もそうでしたけど、宮崎さんは少年が仲間を求めて旅立つというテーマが大好き)。
コナンは無事にラナを奪い返せるか? そして新しい仲間を見つけられるか? レプカの野望はどうなる? ・・・というのがおおまかなストーリーであり、物語の始まりです。面白そうでしょう?
不気味に聳え立つ、キリコの描く塔のような(当ブログの記事「アポリネールの詩」参照)、インダストリアの三角塔。
巨大な蛾のようなギガント。
ジュール・ヴェルヌの小説に出てきそうな帆船バラクーダ号。
どれも、いかにも宮崎さんの趣味らしい、素晴らしいイメージです。
私はこの作品の健康さが大好きです。絶望的な世界に生きながら、コナンには心に屈折した影のようなものがまったく無く、底抜けに明るい。そして常に前向き。決して諦めない。
こういうまっすぐな少年の心を描くところが、宮崎さんの真骨頂であり、彼の資質であり、私が最も愛するところです。
最近の宮崎さんが描くテーマは不自然ですよね。あとづけですよね。無理していますよね。彼本来の姿じゃありませんよね。
鎌田直純さんと山路ゆう子さんの歌うテーマ曲「いま地球が目覚める」がまた昔の青少年歌合戦にでも出てきそうな健康さで、清く正しく美しくという感じで、いかにもNHKという感じで、いやぁー、いいですよねぇ。何か安心します。あはは・・・
コナンの声の担当は、小原乃梨子さん。「アルプスの少女ハイジ」では羊飼いの少年ペーターを、「ヤッターマン」ではドロンジョー様を担当した、男も女も演じられる名優です。
レプカの声の家弓家正さん。いちど聞いたら忘れられない渋く冷酷な声。大好きです。
インダストリアの女兵士モンスリーの声の吉田理保子さん。「アルプスの少女ハイジ」でクララの声を演じた彼女が、本作では色っぽいモンスリーを。お見事でした。
「ラナにさわるなああああ!」
そう叫びながら銛(もり)を空中高く投げるコナン。銛は上空でキラリと光って敵の足元に。カッコいい! 大塚さんの動画、最高!
「未来少年コナン」のDVDは、どこのレンタル店にも置いてありますから、まだ観ていない方は、この夏、お子さんと一緒にでも、ぜひご覧になってみてくださいね。
宮崎駿監督の本当の素晴らしさを知りたかったら、まずは「未来少年コナン」を観なくちゃだめですよ。あはは。