菅原文太さんがお亡くなりになりました。
ビックリしましたねぇ。つい先日、高倉健さんの追悼記事を書いたと思ったら、今度は菅原文太さんですもの・・・東映ヤクザ映画の2大ビッグスターが同じ年にお亡くなりになるなんて・・・しかも立て続けに・・・これも運命なのでしょうね・・・それとも一つの時代の終焉というやつでしょうか?・・・
私が最も影響を受けたテレビドラマ「傷だらけの天使」を思い出します。ショーケン演じるところの主人公・修(おさむ)が、自分の息子の事を他人に話す時のセリフ・・・
「あのさぁ、健太っていうんだけどさぁ、高倉健の健と菅原文太の太を貰ってつけたの。いい名前でしょ?」
菅原文太さんといえば、何と言っても深作欣二監督の「仁義なき戦い」シリーズ(1973~)です。
それまでのヤクザを美化した任侠映画と違い、醜いヤクザの世界をドキュメンタリータッチで描いた実録路線の本シリーズは大人気となり、これにより文太さんは一躍スターの仲間入りをしました。
それにしても、この当時の東映の俳優さんは、文太さんに限らず皆さん味のある良い顔をなさっておりましたね。本当のヤクザみたいでしたものね。こんな顔はもう出ないのでしょうね。
今でも映画やテレビに時々ヤクザが登場いたしますけど、子供の学芸会みたいで正直うんざりします。どいつもこいつも薄っぺらい顔ばかりで。深みが無いんですよね、顔に。
「仁義なき戦い」シリーズで私的に印象深いのは、「新仁義なき戦い 組長の首」(1975)です。
この作品には、当ブログの記事「私の大好きなアイドルその3(セクシー篇)」でご紹介した、私と同世代の男子全員が幼少の折に恋い焦がれた女性・・・「ウルトラセブン」でアンヌ隊員を演じたひし美ゆり子さんが出演していらっしゃいます。
ゆり子さんの役は、彼女と寝た男は必ず殺されるというジンクスを持ち、その為おっかながって誰も寝ようとしないヤクザの情婦でした。そんなゆり子さんが色っぽく
「あんたは前からね? 後ろからね?」
と文太さんを誘惑します。
私たち(当時の)子供のアイドルだったひし美ゆり子さんでしたが、
「ウルトラセブン」の後は、本作や映画「ポルノ時代劇 忘八武士道」(1973)、テレビ「プレイガール」等で専らセクシーな役ばかりを演じました。
アンヌ隊員に幼い恋心を抱いたワタクシども男子一同は、喜ぶべきなのか悲しむべきなのか分からず、複雑な心境であります。
菅原文太さんが出演したヤクザものでは、藤純子さん主演の「緋牡丹博徒 お竜参上」(1970)も忘れられません。
高倉健さんも演じていらっしゃいましたけど、敵の屋敷へ殴り込みをかけるお竜さんにお伴をする一匹狼のヤクザ役。
雪の降る今戸橋のシーンが絶品でした。
当ブログの記事「わが愛しの邦画大女優その3」にも書きましたけど、緋牡丹のお竜を演じていた頃の藤純子(現・富司純子)さんは、本当に美しかったですねぇ。上品で、美人で、フェロモンむんむんで・・・も、もうたまりませんですう(苦笑)。
ヤクザ映画を卒業した後の文太さんは、「トラック野郎」シリーズ(1975~)で、今度は喜劇に挑戦いたします。
上のポスターの作品には、前回ご紹介した原田美枝子さんが出演していらっしゃいますね。ムチムチボディに思わずよだれが出そうです。じゅる。
長距離トラックの運転手《一番星の桃次郎》を演じる文太さんは、愛川欽也さん演じる運転手仲間《やもめのジョナサン》たちと共に、デコトラに乗って日本全国を旅します。
ちなみに、愛川欣也さん演じる《やもめのジョナサン》は、やもめを自称しておりますが、実はちゃんと春川ますみさん演じる奥さんがいます。
また、《やもめのジョナサン》というネーミングは、当時のベストセラーで1973年に映画化もされたリチャード・バックの小説「かもめのジョナサン」のパロディであります。
私はこの本を買って読みました。たしか五木寛之さんの翻訳でしたね。クソつまらない小説でした。映画も観ましたけど、こちらも同様にクソでした。
文太さん主演のコメディ映画では、当ブログの記事「(秘)色情めす市場その1」の中で宮下順子さんをご紹介した際にちょいと言及した岡本喜八監督の「ダイナマイトどんどん」(1978)が好きです。
これは、抗争を続ける北九州は小倉のヤクザが、警察の指導の下、野球で決着をつけるというお話です。
宮下順子さんが色っぽくて綺麗でした。
また、岸田森さんが、良い味を出していらっしゃいました。岸田さんってホント良い役者さんでしたね。いずれ「傷だらけの天使」の記事を書いた時に、改めて岸田さんの素晴らしさを語りたいと思っております。
田中邦衛さんも上手かったです。さすがですね。
文太さんが出演した映画で、他に印象深い作品は、長谷川和彦監督の「太陽を盗んだ男」(1979)です。
これはジュリーこと沢田研二さん演じる中学校の理科の教師が、奪ったプルトニュウムで小型の原爆を作り、日本政府を脅迫するという物語です。
文太さんは、犯人であるジュリーを追いつめる刑事役でした。
ものすごく面白い作品というわけではありませんけど、当時としてはがんばった日本映画だと思います。
しかしながら、私的に文太さんの出演作で最も印象深いのは実は映画ではありませんで、それはテレビドラマ、すなわち1980年放送のNHK大河ドラマ「獅子の時代」であります。
「獅子の時代」については、綾瀬はるかさん主演のNHK大河ドラマ「八重の桜」が始まった頃、いちどお話させていただきましたので、ここではもう繰り返しませんけど、文太さん演じる無名の会津藩士の人生を通して明治維新や自由民権運動を描く本作は、とても見ごたえのある面白いドラマでした。
DVD化されておりますので、ぜひご覧になっていただきたい作品です。
このドラマのヒロインを演じたのが、大原麗子さんです。
大原さんもすでにお亡くなりになりましたけど、きれいな人でしたよねぇ。中学生の頃、テレビに映る大原さんの美しさに、私はポーッと見とれておりました(当ブログの記事「わが愛しの邦画大女優その3」参照)。
そんな大原さんのお写真を・・・
お若い頃のセクシーなお姿も1枚・・・
ついでに完熟の頃のお写真も1枚・・・
ハァ、ハァ・・・大原麗子さん、大好きですう・・・
えー、話を菅原文太さんに戻しまして・・・最後に奥さんである菅原文子さんのコメントを引用して、お終いとさせていただきます。
菅原文太さん・・・男が憧れる渋くてカッコいい男でした・・・心よりご冥福をお祈り申し上げます。
「7年前に膀胱がんを発症して以来、以前の人生とは違う学びの時間を持ち『朝に道を聞かば、夕に死すとも可なり』の心境で日々を過ごしてきたと察しております。
『落花は枝に還らず』と申しますが、小さな種を蒔いて去りました。1つは、先進諸国に比べて格段に生産量の少ない無農薬有機農業を広めること。もう1粒の種は、日本が再び戦争をしないという願いが立ち枯れ、荒野に戻ってしまわないよう、共に声を上げることでした。すでに祖霊の1人となった今も、生者とともにあって、これらを願い続けているだろうと思います。
恩義ある方々に、何も別れも告げずに旅立ちましたことを、ここにお詫び申し上げます」