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Channel: 行政書士ふじまるの趣味のページ
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未知との遭遇

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 今年の夏は雨ばかりでちっとも日焼け出来ないと嘆いておりましたところ、広島で大雨による大規模な土砂崩れが起き、多くの方がお亡くなりになりました。
 広島のニュース映像を観て、東日本大震災以降、何度も同じような光景ばかり観ている気になるのは、私だけでしょうか?
 これも地球温暖化のせいなのでしょうかね? 最近、日本の天候が変ですよね。
 
 ジャッキー・チェンの息子が麻薬使用で逮捕。
 中国において麻薬の使用は死刑になる可能性のある大罪ですから、ジャッキーは息子が死刑になるんじゃないかと心配して習近平国家主席に泣きついたそうですけど、こうなる前にどうにかすべきでしたね、バカ親ジャッキーは。
 
 さて、前回、ジョージ・ルーカス監督の「スター・ウォーズ」(1977)を取り上げましたけど、ルーカスと来れば次はこの人を取り上げないわけにはまいりません。
 そう、ルーカスの盟友であり、ライバルでもある、スティーヴン・スピルバーグ監督です。
 
 スピルバーグは、まずテレビドラマの監督からスタートいたしました。
 1971年に始まったNBCミステリー・ムービーシリーズ「刑事コロンボ」の記念すべきシリーズ第1作「構想の死角」をスピルバーグが演出していたというのは有名な話です。
 
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 同じ「刑事コロンボ」の「愛情の計算」に登場する天才少年がスティーヴン・スピルバーグと名付けられた事からも分かるように、スピルバーグ青年は当時から周囲に天才と称されるほど抜きんでた才能を発揮していたのでしょうね。
 この「構想の死角」も、なかなか凝った映像でしたものね。
 
 そんなスピルバーグ青年がテレビ用に作った作品が「激突!」(1971)です。
 これは日本等では劇場公開されましたので、事実上スピルバーグの劇場公開映画第1作目ということになります。
 
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 あるセールスマンが車を運転中、ノロノロ運転で道を塞いでいる大型トレーラーをうまく抜き去ったところ、そのトレーラーから執拗に追いかけ回される事になるというお話です。
 このようにストーリーは極めて単純なのですけど、猛スピードで迫いかけて来る大型トレーラーが不気味で、すごい迫力で、テレビでこの作品を初めて観た時、私は思わず画面に釘づけになってしまいました。
 
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 原作は、私の大好きな「ある日どこかで」(1980)の原作者でもあるホラー作家、リチャード・マシスンです。
 私はむかしハヤカワ文庫版の原作本を持っていたのですが、長い歳月の間に失われましたので、もういちど買い直そうと思ってアマゾン等を検索いたしましたところ、ものすごく高い古書価格が付いておりました。1円というわけにはいかないのね、この本は。ガックリw
 
 主演は(と言うよりエキストラの他には主人公ひとりしか登場しないようなドラマなのですけど)、やはりNBCミステリー・ムービーつながりでしょうか、「警部マクロード」のデニス・ウィーバーです。
 
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 「激突!」はスピルバーグの才気が思う存分に発揮された名作です。ぜひご覧になってください。
 
 で、「刑事コロンボ」も「激突!」も、私はテレビで観ました。
 初めて私が劇場で観たスピルバーグ監督作品は、劇場公開作品第2作目となる「続・激突! カージャック」(1974)です。私が中学生の時に公開されました。
 
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 タイトルが「続・激突!」となっておりますが「激突!」とは何ら関係がありません。原題を直訳すると「シュガーランド急行」ですもの。
 単に日本の配給会社が、あざといだけで何のセンスも無いバカだったというお話です。
 
 内容は刑務所に入っている夫を脱獄させた妻が、夫と共にパトカーをジャックし、里子に出された自分たちの子供を奪い返すために、シュガーランドという町へ向かうというお話です。
 
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 主演はゴールディ・ホーン。
 私は本作で初めてゴールディという女優の存在を知りました。後に彼女は、私の大好きな映画「潮風のいたずら」(1987)等、多数の作品で活躍する大女優となります。
 もちろん私は彼女の大ファンです。
 
 正直申しまして「続・激突! カージャック」は、たいした作品ではありません。「激突!」の方が百倍面白かったです。これはスピルバーグの失敗作ですね。
 
 ところが、次の作品でスピルバーグは世界じゅうをあっと驚かせる事になります。
 それが「ジョーズ」(1975)です。
 
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 夏の海水浴場に巨大なサメが現れ、次々と人を襲い、最後はそのサメを退治するという、これまた単純なお話です。
 しかし、例によってスピルバーグは、この単純なお話を、一寸の隙も無い、全編に緊張感が途絶えることの無い演出で組み立てています。お見事です。本当に映画作りが上手な監督ですね、スピルバーグは。
 
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 サメ退治に出かけるのは、上の写真の3人。
 このうちロイ・シャイダーは、「フレンチ・コネクション」(1971)や当ブログの記事「マッドマックス2」でご紹介した「重犯罪特捜班 ザ・セブン・アップス」(1973)の後、本作で世界的なスターとなり、これ以降はお亡くなりになるまで多くの作品で大活躍でした。
 
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 リチャード・ドレイファスは、本作以降、スピルバーグのお気に入りの俳優となります。
 
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 そして、ロバート・ショウ。
 古くは「007 ロシアより愛をこめて」(1963)、そして「スティング」(1973)・・・1970年代のハリウッドでショウは大活躍でしたね。
 渋くていい俳優さんでした。早世されたのが誠に残念です。
 
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 「ジョーズ」の大ヒットにより世界的な映画監督となったスピルバーグが次に選んだのはSFでした。
 スピルバーグと言えば宇宙人や恐竜が登場するSF映画を思い浮かべる人が多いでしょうけど、最初の頃は特にSFにこだわりは無かったようです。そんなスピルバーグをどっぷりSFの世界に漬け込むきっかけとなったのが、劇場公開作品第4作目「未知との遭遇」(1977)です。
 
 この作品から私たちはスピルバーグという名前を意識するようになります。「ジョーズ」ではまだそういうレベルには達しておりませんでした。「未知との遭遇」からです。
 
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 内容は特に無く、とにかく宇宙人と人間の接触(第三種接近遭遇と呼ぶんでしたっけ?)を描いた、スピルバーグらしい単純な作品です。
 主演は「ジョーズ」に続いての出演となるリチャード・ドレイファス。UFOと接近遭遇して以来、UFOに憑りつかれる電力会社社員を演じます。
 
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 宇宙人問題のエキスパートであるフランス人学者を、ヌーベルヴァーグの映画監督フランソワ・トリュフォーが演じています。彼が関わった映画の中の最高傑作ですね、本作が。監督した作品にはロクなものがありませんからね。あはは。
 
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 それから、主人公の妻役で、これまたNBCミステリー・ムービーつながりでしょうか、「警部マクロード」の記事でご紹介したテリー・ガーが出演しています。
 キュートで大好きでした、テリー・ガー♡
 
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 あと、UFOに幼い息子をさらわれた母親役でリンダ・ディロンという女優さんが出演していますけど、彼女の顔は完全にゴールディ・ホーン系ですよね。スピルバーグは本当はゴールディに出演してもらいたかったんじゃないの? でも、ということは、マザコン・スピルバーグが思い描く理想の母親の姿がゴールディなのでしょうか?
 
 赤や青に輝くアイスクリームのような(登場する幼児のセリフ)、はたまたネオンサインのようなUFOが、クルクル回転しながら道路上にとつぜん現れ、パトカーの追跡を振り切って飛び去っていく(最後に可愛い火の玉みたいなのが付いてくる)シーンが好きです。
 
 また、ラストに現れる豪華なシャンデリアみたいな、あるいはモン・サン・ミシェルみたいなUFOには驚きました。このようなイメージのUFOを見たのは初めてでしたので。UFOはこうでなくちゃいかんな、と深く深く感心したものです。
 さっそく翌年に公開されたアニメ映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」(1978)が、劇中に登場する白色彗星帝国の要塞で、本作のUFOをパクっておりましたね。情けなや。
 
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 音楽担当は、「ジョーズ」に引き続きジョン・ウィリアムズ。
 ジョン・ウィリアムズは「おしゃれ泥棒」(1966)、「タワーリング・インフェルノ」(1974)、「スター・ウォーズ」(1977)、「スーパーマン」(1978)、「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」(1981)、「E.T.」(1982)・・・と、私の時代には大活躍の作曲家でした。
 
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 本作を観た手塚治虫先生が「宇宙人と音楽で会話するところが素晴らしい」とテレビでおっしゃっていたのを、よく憶えております。
 
 「スター・ウォーズ」もそうでしたけど、本作はそれまで私たちが見たことの無い世界を見せてくれる作品でした。
 そういう特別な映画が、映画史上、何本かありますよね。
 単なる映画を超えて、社会現象になるような、これだけは今どうしても観ておかなければならないと思わせてくれる、そういう画期的な作品が・・・私たちに新しい何かを運んでくれる作品が・・・「2001年宇宙の旅」(1968)がそうでしたでしょうし、「ゴッドファーザー」(1972)もそうです。他には「燃えよドラゴン」(1973)や「エクソシスト」(1973)、期待外れでしたけど「地獄の黙示録」(1979)・・・
 最近、どうしても観なければならないと思わせてくれる映画が無いですね。
 ですから私は新作映画を観ないのですけどね。あはは。
 
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 本作の公開時、宇宙人の姿はトップシークレットでした。
 しかし、私は宇宙人が登場するシーンでガッカリしましたね。それまで極めてリアリスティックに物語が進んできたのに、最後に宇宙人を出しちゃダメだろう・・・出すのはUFOまでだろう・・・宇宙人まで出しちゃったら、たちまちリアリティが無くなっちゃうじゃないか・・・謎めいたまま終わらせるべきだろうが・・・そう思って・・・
 
 ちなみに、宇宙人が実在するか否かですけど、宇宙は広いので地球以外にも生命は存在し、中には地球人以上の知的生命体がいるかもしれませんけど、そいつらが地球へやって来ることはありえません。ですからUFOも存在しません。説明は長くなるから省きますけど。
 百歩譲って地球へやって来る宇宙人が存在するとしても、本作に登場する奇形児のような姿ではないでしょうね。あんな連中が巨大な宇宙船を作ること自体が不自然ですしね。
 
 本作の後、スピルバーグは「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」、「E.T.」、「ジュラシック・パーク」(1993)・・・と、ジョージ・ルーカス同様に、どんどんガキっぽくなっていきます。
 ま、「レイダース」くらいまではかろうじて観れましたけど、それ以降の作品はぜんぶダメ。インディ・ジョーンズ・シリーズなんか最悪。スピルバーグは映画の見せ方は誰よりも上手いですけど、しょせん中身の無い人ですから、特撮映像が見事なだけの空虚でからっぽなマンガみたいな作品が出来上がっちゃうんですね。
 そこがヒッチコックとの大きな違いです。ヒッチコックには深い人間洞察に基づく中身がありました。
 
 前回、「スター・ウォーズ」に影響を受けて日本では「宇宙からのメッセージ」(1978)なる三流映画が作られたと申しましたけど、本作に影響を受けた作品も、もちろん作られたのですよ。
 それが以前にも一度ご紹介した倉本聰・脚本、岡本喜八・監督の「ブルークリスマス」(1978)です。
 
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 作品はともかく当時の竹下景子さんは可愛かったですよね。ポワンとした表情が特に。
 
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 以前ご紹介した人気テレビ番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ!!」の「悪ガキ一家の鬼かあちゃん」コーナーで、キャンディーズ解散後は女優に転身する予定の伊藤蘭さんが
 「わたし、のーしたらいいの?」
 と言って家の柱にすがりつき、そこに付いている小さな垂れ幕を下ろすと「打倒! 竹下景子」と書いてあり、それを見た蘭ちゃんが狼狽するという場面があったのを思い出します。
 可愛くて演技派で若手女優の憧れ・・・それが当時の竹下景子さんでした。

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